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海外の友人からのメール

海外の友人たちからの返信メール



オリバー(イギリス人観光客)


Subject: Your music reached our hearts


Dear Mika & Akira,


Thank you so much for sharing your news. I can’t believe the journey we shared on the TranzAlpine inspired a symphony!

It makes me proud to say, “I know them!”


If you ever perform in London, please let me know. I’ll bring my family to hear your music.


Warm wishes,

Oliver


(日本語訳)

美香さん、アキラさんへ


近況を知らせてくれてありがとう。あのトランツアルパインで一緒に過ごした旅が交響曲にまでなったなんて信じられないよ!

「彼らのことを知っているんだ」と胸を張って言えるのが誇らしいです。


もしロンドンで演奏することがあったら、必ず教えてください。家族を連れて聴きに行きます。


心からの祝福をこめて

オリバー



ソフィー(カナダ人観光客)


Subject: Merry Christmas from snowy Canada


Hi Mika & Akira,


Reading your email brought back so many memories from New Zealand.

I’m so glad you shared your experiences through music. I wish I could have been at the concert—it must have been magical.


Canada is covered in snow now, and I often think of the warm sunshine of the South Island. Please come to Canada someday—I’ll show you the Rocky Mountains!


Love,

Sophie


(日本語訳)

美香さん、アキラさんへ


メールを読んで、ニュージーランドでの思い出がよみがえってきました。

あの体験を音楽にしてくれて本当に嬉しいです。コンサートに行けなかったのが残念ですが、きっと魔法のような時間だったのでしょうね。


今こちらは雪に覆われています。サウスアイランドの温かい日差しをよく思い出します。いつかぜひカナダに来てくださいね。ロッキー山脈をご案内します!


愛をこめて

ソフィー



メイベル(クライストチャーチのホテルフロント)


Subject: You brought New Zealand to Japan


Kia ora Mika & Akira,


Your message made me so happy! Knowing that our country gave you such inspiration is the best gift for us.

The penguins are still wandering around at night—every time I see them, I think of your laughter.


Please come back anytime, your New Zealand family is waiting.


Ngā mihi nui,

Mabel


(日本語訳)

美香さん、アキラさんへ


あなたのメッセージを読んで本当に嬉しくなりました!

ニュージーランドがあなた方にインスピレーションを与えたと知ること、それが私たちにとって最高の贈り物です。


夜になると、今もペンギンたちが歩き回っています。その姿を見るたびに、あなたたちの笑い声を思い出します。


いつでも戻ってきてくださいね。ニュージーランドの家族が待っています。


心を込めて

メイベル



ライアン(クライストチャーチ大聖堂で出会った青年)


Subject: Music heals the world


Mika & Akira,


I’ll never forget the moment we spoke at the memorial.

Your music spreading hope and kindness means so much, especially to those of us who remember the earthquake.


Thank you for carrying New Zealand in your hearts.


Best regards,

Ryan


(日本語訳)

美香さん、アキラさんへ


慰霊碑の前で言葉を交わしたあの瞬間を、僕は決して忘れません。

あなたたちの音楽が希望や優しさを広げてくれることは、特に地震を覚えている私たちにとって、とても大きな意味があります。


ニュージーランドを心に抱いてくれてありがとう。


敬意をこめて

ライアン



ジェシカ(ウェリントンの路上ミュージシャン)


Subject: Let’s play together someday!


Hey Mika & Akira,


Wow, your email gave me goosebumps! To think that the music we shared on the street became part of a concert across the ocean—that’s wild!


Next time you’re in Wellington, let’s jam properly. Maybe we can even record something together.


Keep shining,

Jessica


(日本語訳)

美香さん、アキラさんへ


わぁ、あなたたちのメールを読んで鳥肌が立ちました!

あの路上で一緒に奏でた音楽が、海を越えてコンサートの一部になったなんて、すごすぎます!


次にウェリントンに来たときは、本格的にセッションしましょう。もしかしたら一緒に録音もできるかもしれませんね。


輝き続けてください

ジェシカ



エマ(港で出会った女性)


Subject: You are always welcome back


Dear Mika & Akira,


I’m so touched to hear about your concert. You’ve given us a piece of New Zealand through your music.


Remember, the ocean connects us, and whenever you return, I’ll be here to welcome you.


Take care,

Emma


(日本語訳)

美香さん、アキラさんへ


コンサートのことを聞いて、とても心を打たれました。

あなたたちは音楽を通して、ニュージーランドのかけらを私たちに返してくれました。


海は私たちをつなげています。いつでも戻ってきてください。私はここで待っています。


どうかお元気で

エマ





世界が笑った!ファイブピーチ★SNS大反響


クリスマスコンサートの余韻が冷めやらぬ夜。

光子と優子は、美香の部屋に集まって、姉のノートパソコンを覗き込んでいた。画面にはファイブピーチ★公式SNSのアカウント。


「うわっ、めっちゃ通知来てる!」

優子が目を丸くする。


「これ、ほとんど海外の人やん!」

光子もスクロールしながら叫んだ。


画面には次々と英語やフランス語、スペイン語に混じって、見慣れない言語のコメントまで流れてくる。



コメント欄(一部抜粋)


Oliver

“Your comedy is universal! Even if I don’t understand all the words, your timing is perfect. Please come to London!”

(君たちのコメディは世界共通!言葉は全部わからなくても、タイミングが最高だ。ロンドンにぜひ来てほしい!)


Sophie

“My kids keep repeating ‘unyaa-ajapaa!’ around the house. Now it’s our family’s favorite joke!”

(うちの子どもたちが家の中で『うにゃ〜あじゃぱー!』を繰り返してるよ。今では家族のお気に入りのギャグになった!)


Camille

“Je ne comprends pas les mots, mais vos expressions me font rire aux larmes!”

(言葉はわからないけど、表情だけで涙が出るほど笑える!)


Emma

“You girls remind me of joy I felt when meeting Mika & Akira. Please keep sharing happiness.”

(あなたたちを見ていると、美香とアキラに会ったときに感じた喜びを思い出す。どうか笑顔を届け続けてね。)



「……やばない?あたしたち、もう国際派やん!」

優子が自分のほっぺをつねりながら笑う。


「うにゃだらぱ〜とか、もはや世界共通語やな」

光子はどや顔でコメントを読み上げる。


「これ、ニュージーランドで動画見せた観光客の人らが拡散したんやろ?」

美香が微笑む。


「そうそう!海外の人、ギャグの意味わからんのに、なんか笑ってくれてるんやもん」

光子と優子は顔を見合わせ、同時に大きな声で叫んだ。


「私たち、世界的エンターテイナーやぁーー!」



その叫び声は、小倉家のリビングに響き渡り、優馬と美鈴も顔を見合わせてクスクス笑った。

父がぼそっと一言。


「……もしかして、オレも世界デビュー近いんちゃう?」


「お父さんは“モレモレマン”で出るんやろ?」

「いや、“モレモレババァ”の方が受けるかも」


双子の即ツッコミで、家中がまた爆笑の渦に包まれるのだった。





笑顔が届いた場所


ある晩、ファイブピーチ★の公式メールに一通の長文メールが届いた。差出人は、ニュージーランドで出会ったカナダ人観光客のソフィー。そしてもう一通は、クライストチャーチ大聖堂の前で出会ったライアンからだった。


ソフィーは、カナダに戻った後、戦火を逃れてきた難民の人々の生活支援に関わっていた。彼女はそのメールの中でこう綴っていた。


“I showed your comedy videos to children who had lost their homes because of war. At first, they were quiet, unable to smile. But when they saw you two shouting ‘Unyaa-ajapaa!’ and making funny faces, their eyes lit up. And then… they laughed. For the first time in a long while.”

(あなたたちのギャグ動画を、戦争で家を失った子どもたちに見せました。最初、彼らは静かで、笑顔を見せることもできませんでした。でも、あなたたちが『うにゃ〜あじゃぱー!』と叫んでおどけている姿を見たとき、目が輝いたんです。そして……笑ったんです。本当に久しぶりに。)


光子と優子は、画面に映る英語の文章を美香に訳してもらいながら、思わず涙ぐんだ。


ライアンからのメールには、被災した子どもたちと一緒に映る写真が添付されていた。彼は、自然災害で親を失った子どもたちの支援活動をしていた。


“When I shared your skits, the children burst into laughter. Some even tried to copy your silly moves. One boy said, ‘I want to make people laugh like them someday.’ That’s the power you gave them.”

(君たちのコントを見せたら、子どもたちは大笑いしました。真似をする子まで出てきて、ある少年は『いつか僕もあの人たちみたいに、みんなを笑わせたい』と言ったんです。君たちが子どもたちに与えてくれた力です。)


読み終えたとき、優子は鼻をすすりながら言った。

「……あたしたちのギャグで、こんな子たちが笑ってくれたんやな」


光子も涙で声を詰まらせながら頷いた。

「うちら、ただふざけてるだけやったけど……ほんまに、意味あったんや」


美香はそっと二人を抱き寄せた。

「そうよ。あんたたちの“ふざけ”は、ただの遊びじゃない。人を救う力になってるの。胸張っていいんだから」


優馬も、普段のボケを封印して、真剣な顔で呟いた。

「お前たちの笑いは、世界を越えてるんやな」


その夜、小倉家のリビングには、笑顔と涙が入り混じった温かな空気が流れていた。




ビデオ通話の奇跡


ソフィーとライアンのメールに記されていたアドレスをクリックすると、画面の向こうに小さな部屋の風景が映し出された。そこには、数人の子どもたちが座っていて、画面越しに不思議そうにこちらを見つめていた。


「Hello! Nice to meet you!」

美香が手を振り、光子と優子も「ハロー!」と声を合わせる。子どもたちも少し照れながら、小さく手を振った。


和やかな挨拶が終わると、優馬がふいに立ち上がった。

「よし、みんな! さぁ、ガソリンを給油しに歩いて行こうか!」


唐突なボケに、美鈴がすかさずツッコミを入れる。

「ちょっと優馬! どこに歩いてガソリン入れに行くんね!」


光子と優子も負けじと乗っかる。

「パパ、ここ車ないやん!」「歩いて給油って、意味わからんし!」


「じゃあ、自転車にガソリン入れるんや!」

「いやいや、チャリはペダルで漕ぐんよ!」


子どもたちは最初きょとんとしていたが、英語字幕を画面下に表示すると、次第に笑い声が漏れはじめた。小さな肩を揺らしながら、「No gasoline! Bicycle!」と真似して笑う子もいる。


優子は画面に向かっておどけた顔で、両手をバタバタさせながら言った。

「パパの頭の中、ガソリン足りてないんやない?」


光子も追い打ちをかける。

「それとも、もうエンプティーなんちゃう?」


子どもたちはついに大爆笑。ある少女は笑いすぎて目尻を押さえながら、「More! More!」と声を上げた。


画面の向こうで、ソフィーとライアンも顔をほころばせている。

「You see? They’re smiling again. Thanks to you.」

(見てください、子どもたちがまた笑ってる。あなたたちのおかげです。)


美香は目を潤ませながら頷いた。

「We’re so happy to share laughter with you. 笑いを分かち合えて、本当に幸せです」


その夜、小倉家のリビングと遠く離れた子どもたちの部屋は、一本の映像回線で結ばれ、同じ笑い声に包まれていた。






Online Comedy Skitオンライン・コメディ・スキット


Scene: In front of the camera. Papa (Yuma) brings a bicycle and a toy gasoline pump.

(シーン:カメラの前。パパ=優馬が自転車とおもちゃのガソリンスタンドを持ってくる)



Papa (Yuma):

“Alright, everybody! Today, I’m going to refuel my bicycle. Fill it up with gasoline!”

(よーし、みんな!今日は自転車に給油するぞ。ガソリン満タンにしてやる!)


Mitsukothe twin):

“Dad! Bicycles don’t need gasoline, they need legs!”

(パパ!自転車はガソリンいらんよ。必要なのは足やん!)


Yuko (the other twin):

“Yeah, unless your legs are out of fuel!”

(そうそう。足がガス欠しとるんやったら別やけど!)


Papa (Yuma):

“Oh no! My legs are empty! I need gasoline for them too!”

(なんと!足がエンプティーや!これにもガソリン入れなアカン!)


Mama (Misuzu):

“Stop it, Yuma! You just need dinner, not gasoline!”

(やめんしゃい優馬!必要なのは晩ごはんでしょ、ガソリンやなくて!)


Children (on video call, laughing):

“Hahaha! More! More!”

(あはは!もっとやって!もっと!)


Mitsuko

“Dad, maybe you should try… electric bicycle?”

(パパ、もしかして電動自転車にしたほうがいいんちゃう?)


Yuko:

“Yeah, because you’re already shocking enough!” makes funny face

(うん。だって、あんたはすでに十分ショッキングやし!)


Papa (pretends to get shocked):

“Zap! Oh no, I’m fully charged now!”

(ビリビリッ!ああっ、ワシ、もう満タン充電や〜!)


Everyone (family and children):

laughing and clapping hands

(爆笑と拍手!)



画面の向こうの子どもたちは手を叩きながら涙を流して笑っていて、ソフィーとライアンもカメラ越しに親指を立てていました。




世界をつなぐ笑いの約束


ビデオ通話が終わりに近づいた頃、まだ名残惜しそうに画面の向こうで手を振っている子どもたちがいた。

その様子を見ていた光子が、ふと手をポンと叩きながら言った。


「ねぇ、来週もまたつなごうか?1週間に1回くらい、みんなとおしゃべりしたり、ギャグしたりできたら楽しいと思うんだ!」


画面の中の子どもたちは一斉に目を輝かせて、

「Really!?(ほんとに!?)」

「楽しみ〜!」

と口々に叫んだ。


優子もにっこり笑って、画面にぐっと顔を近づける。

「じゃあ次はさ、みんなもセリフを入れてやってみよう!私たちのギャグって、台本なしでいつもアドリブだから、自由に入ってきてね〜」


その言葉に、子どもたちはさらに笑顔を広げ、両手で大きく拍手する子、身を乗り出してうんうんとうなずく子、さらには小さな声で「ぼくもやりたい」と呟く子までいた。


ソフィーが横から補足するように優しく言った。

「みんな、楽しみができたね。学校より楽しみかもしれないよ?」


「Yeah!!」

画面いっぱいに響く笑い声と歓声。


ライアンも、穏やかな笑みを浮かべながらカメラに向かって親指を立てた。

「君たちのギャグは、まるで光だよ。暗闇にいる子どもたちの心を照らしてくれる。次も必ず参加させてね」


美香は胸が熱くなりながら画面を見つめ、隣でアキラも静かにうなずいていた。

「これが……音楽やギャグを通じて世界とつながるってことなんだね」


優馬が突然真剣な顔をして画面の子どもたちを見つめ、言った。

「じゃあ来週のテーマは決まりやな。『世界一変なレストラン』や!」


「なんだそれー!」と光子と優子が同時にツッコむ。

画面の向こうの子どもたちは、また大爆笑。


こうして、光子と優子の提案は自然と受け入れられ、 「世界みんなで笑う日」 と名付けられた週一回のビデオ通話企画が、その夜から始まることになった。


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