未来のお父さん
文化祭が無事に終わり、家族そろって夕食を終えた後、優馬が立ち上がった。
「よし、そろそろ車のガソリン入れてくるかぁ。……さぁ、歩いてガソリン入れてくるか」
光子と優子が同時に素早くツッコミを入れる。
「「おいおい!どこに歩いてガソリン入れると!?どんなけ力持ちやねん!」」
優馬は一瞬キョトンとした顔をして、しれっと返す。
「え?誰が歩いて入れるって言った?」
優子が即座に突っ込む。
「いやいや!今お父さんが自分で言ったっちゃろーが!」
そこで優馬、さらにボケをかましにいく。
「おぉ、そうやった?……いやぁ、最近は便利やけん、コンビニでペットボトルのガソリン売りよるんよ」
光子と優子が同時に机を叩く。
「「危なかろーが!!!」」
美鈴が呆れ笑いしながら、
「ちょっとあんた、そんな危険物コンビニで売りよるわけなかろうが。ほんとボケんでもよかとに」
優馬は懲りずに肩をすくめ、
「そげん言うても、もし売りよったら便利やろ〜?“ガソリン1リットル、冷えてます”とか」
光子と優子、同時に吹き出す。
「「冷えてますじゃなかろーもん!飲み物やないっちゃけん!!」」
居間は爆笑に包まれ、その夜も文化祭の余韻と家族の笑い声で温かく更けていった。
夕食後、ソファでくつろいでいた優馬が、ぽつりとつぶやいた。
「明日からちょっとダイエットするけん、白ご飯は控えることにするわ。……そのかわり、カレーだけ大盛りで」
光子と優子が同時に身を乗り出す。
「「ちょ、意味なかろーもん!それ、全然ダイエットやなかろーが!」」
優馬はキョトンとした顔で返す。
「え?ご飯食べんかったらカロリーゼロやろ?」
優子がズバッと突っ込む。
「それやったらカレーライスの“ライス”だけ消えて、“カレー”はそのまま残っとるやん!」
光子も続ける。
「しかも大盛りにしたら、むしろ太るっちゃ!」
すると優馬、さらにボケを重ねる。
「いやいや、カレーは野菜や肉やスパイスがいっぱい入っとるやん?つまり栄養のかたまりで、むしろ健康食!」
光子と優子、声をそろえて机を叩く。
「「どこの栄養学やー!!!」」
美鈴は肩を震わせながら笑い、
「もうあんた、言い訳のプロやねぇ。そげん屁理屈こねるくらいなら、普通にご飯食べたらよかろうもん」
優馬はふてくされ気味に言い返す。
「いや、実は俺が太ったらスーツ似合わんやん?イケおじの道が閉ざされるけん……」
光子と優子、爆笑しながら最後のツッコミ。
「「最初からイケおじ枠やなかろーもん!!!」」
夕食後、順番にお風呂へ入ることになった夜。
優馬が浴室のドアの前で胸を張りながら言う。
「今日はワシ、長風呂するけん。風呂場で30分くらい泳いでくるわ!」
すかさず光子と優子が声を揃える。
「「泳ぐスペースなかろーもん!!!」」
優馬は真顔で返す。
「いや、平泳ぎならできるやろ?湯船でこう、スイーッて」
(両手を伸ばして、狭い浴室で泳ぐポーズを取る)
光子がツッコミ。
「そげんしたらお湯、全部外に出てしまうやん!!」
優子も負けずに突っ込む。
「てか、溺れたらどうすっと?新聞に載るよ。“福岡のサラリーマン、浴槽でクロール未遂”って!」
優馬は懲りずにボケを重ねる。
「じゃあバタフライはやめとく。代わりにシンクロナイズドスイミングするけん」
双子は大爆笑しながらツッコむ。
「「狭すぎて足あがらんわ!!!」」
そこへ美鈴が呆れ顔でタオルを持ってきて、
「はいはい、もういいけん早よ入って。あんたのせいでお湯冷めるやろ」
優馬はしょんぼりと浴室に入っていき、
「じゃあ今日は“瞑想タイム”にしとくわ……オーム……」
ドアが閉まる直前、双子が声を揃えて叫んだ。
「「そこは“アワ〜”やろ!!!」」
休日の午後。
庭先で洗濯物を干していた優馬が、美鈴の下着を手に取った瞬間、ニヤリと口角を上げた。
「へぇ〜、美鈴ってまだこんなセクシーな下着つけよったんやなぁ。いや〜、見た目が若いけん似合うっちゃけどねぇ〜」
干す手を止めていた美鈴が、じとーっとした目で優馬を見つめる。
「……あんた、今なに想像しよったん?」
優馬が慌てて両手を振る。
「い、いやいや!想像とかしとらんし!ただ、その……感心しとっただけで!」
美鈴は腕を組んでニヤリ。
「ふ〜ん?じゃあ、このこと双子刑事に報告しとこっかな〜」
優馬、青ざめる。
「ちょっ、それだけはやめてくれ!!あの二人にバレたら取り調べ地獄やん!」
と、そのタイミングでちょうど光子と優子が庭に出てくる。
「「取り調べ地獄って、なにがあったと?」」
美鈴はすかさず口を開く。
「はいはい、今日の案件。優馬容疑者、洗濯中に奥さんの下着を見てにやけていた疑い」
光子が腕を組んで、刑事ドラマ風に言う。
「ほぉ〜。動機はなんですか?」
優子はメモ帳を取り出すフリをして、真顔で書き込む。
「容疑者は“若い見た目に似合う”と供述……。はい、証拠確保〜」
優馬は両手をあげて叫ぶ。
「冤罪や〜!ただの感想や〜!!」
光子と優子が同時にツッコミ。
「「その言い訳が一番怪しいっちゃん!!」」
美鈴はくすくす笑いながら、
「はい、有罪確定〜。刑は夕飯後の皿洗い追加やね」
優馬は天を仰いで、
「おぉ〜、人生とはなんて厳しい……」
光子と優子が声を揃えてシメる。
「「甘いこと言いよったら、また報告するけんね〜!」」
優馬は庭先で手錠のマネをされ、椅子に座らされる。
光子と優子は両側に立ち、完全に刑事モード。
光子(低い声で)
「容疑者・優馬。罪状は奥さんの下着を見てにやけたこと。反省の色が見えんっちゃねぇ〜」
優子(机をバンッと叩くマネして)
「動機はなん?正直に言わんと、刑が重くなるよ〜?」
優馬、しどろもどろになりながら。
「そ、それは……ただ……似合っとるって思っただけで……!」
光子と優子、同時に叫ぶ。
「「アウトーーー!!」」
美鈴はくすくす笑いながら観察者役。
「はいはい、刑の執行お願いします〜」
優馬、目を丸くする。
「えっ、刑ってまさか……」
光子と優子がニヤリと笑い、声を揃える。
「「ハイパーコチョコチョの刑っ!!」」
両脇から一斉にくすぐり開始!
優馬は大声をあげてバタバタ。
「ぎゃははは!や、やめて!ほんとに死ぬ〜!笑い死ぬ〜!!」
優子、手を止めずに冷静に。
「取り調べ拒否は許されんけんね〜」
光子も攻撃しながら。
「真実はいつも笑いの中にあるっちゃん!」
美鈴はお腹を抱えて爆笑。
「双子刑事、最高〜!うちの旦那、完全に白状させられとるわ」
優馬は涙目になりながらも笑い転げ、
「ご、ごめん!もう二度とにやけん!いや、にやけるけど、心の中だけにしとく〜!!」
光子と優子、きっちり締めのセリフ。
「「はい、これにて事件は解決!被告人には皿洗い10日間の刑を言い渡すっ!」」
優馬、がっくり肩を落としながら。
「……刑が重すぎるやろ〜〜!」
休日の夕方。家族で近所のスーパーへ買い物。
光子と優子はカートを押しながら、きょろきょろ。
優子(刑事モード)
「……容疑者を発見。お菓子売り場で挙動不審の男、優馬やん。」
光子
「現行犯逮捕や!チョコを手に取っては戻し、また取っては戻し……怪しすぎるっちゃ!」
美鈴は笑いをこらえつつ。
「はいはい、買うなら買う、買わんのならさっさと戻しなさいよ〜」
優馬(言い訳しながら)
「いや、違うっちゃ!俺はカロリーと財布と相談しよっただけで……!」
光子、腕を組んで。
「財布のせいにするとは、卑怯やねぇ〜」
優子、買い物カゴをガンッと置く。
「動機は“自分が食べたい”やろ。家族のためじゃなかろうが!」
優馬
「ち、違うって!みんなで食べようかと……」
光子と優子、同時に叫ぶ。
「「アウトーーー!!」」
その瞬間、周りの通路で買い物してたおばちゃんが「ぷっ」と吹き出す。
美鈴(ジト目)
「はい、刑事さん。容疑者は反省しとらんごたぁけん、刑の執行お願いします」
光子と優子、スーパーの通路で小声で相談。
「ここで“ハイパーコチョコチョの刑”は目立つけんね……」
「じゃあ、今回は“カゴいっぱい野菜山盛りの刑”でいこうか!」
そして二人は優馬のカゴに次々と野菜を入れていく。
ナス、ピーマン、ブロッコリー、ゴーヤ……。
優馬(青ざめて)
「ちょ、ちょっと待って!?カゴが緑色に支配されてるやん!?これ全部食べなあかんの?!」
光子と優子、声を揃えて。
「「そう!健康第一!事件は胃袋の中で解決するっちゃん!」」
美鈴、大爆笑しながら。
「いいやん、体に優しい“刑”やけん、受け入れなさい〜」
優馬は観念して、
「……結局俺が食べる羽目になるんやな……」と肩を落とすのだった。
夕食後。
光子と優子がスマホを取り出し、早速グルチャに報告開始。
光子
「今日のお父さんの迷言〜。
『歩いてガソリン入れてくるか』って言い出したっちゃ!」
優子
「え、どこに給油するん?って速攻ツッコんだし!爆笑」
通知音が一斉に鳴り響く。
奏太
「ちょ、待って。車置いて歩いてどうやって給油するん??」
小春
「ガソリンスタンドでペットボトルに入れて持って帰るん?危険物取扱か!」
郷子
「いやぁ〜、笑いすぎてお腹張るわ……
温也、ちょっとこの話もっと詳しく〜」
温也
「詳しくも何も、意味不明すぎるっちゃろ。歩いてどうするん?まさか自分の胃袋に給油しようとしたんやない?」
美香
「うけるwww それ胃もたれ案件やん」
アキラ
「双子刑事、ちゃんと取り調べしたんか?
“歩いて給油発言”の動機はなんや?」
光子
「取り調べしましたー!
動機は“つい口がすべった”とのことです!」
優子
「でも供述に信用性がないので、ハイパーコチョコチョの刑を検討中です!」
ひなた
「わー!刑きたー!」
みずほ
「実況はよ!」
郷子
「だめだ、想像しただけで笑い止まらん……苦しい……」
温也(半笑いで)
「郷子、ほんとにお腹痛くなるけん、落ち着けって」
グルチャ全体が「ガソリン歩き給油」ネタで大盛り上がり。
最後は美鈴が送信。
美鈴
「ほんとに次から次にボケかましてくれるけん、毎日笑い絶えんわ〜」
光子
「ねぇねぇ、思ったんやけど……未来ではお父さん、ロボ父ちゃんになって、ほんとにガソリン給油して生きてるんじゃない?」
優子
「うわっ、それやばい!サイボーグ父ちゃん!
“ただいま〜、ちょっとガソリン満タンにしてきた〜”って!」
拓実(グルチャ見ながら爆笑)
「おいおい、エコカーどころか、人間カーやん!」
奏太
「しかもセルフスタンドで自分でホース挿してる姿想像したら吹いたwww」
小春
「領収書に“人間給油1名様”って出るんかな?」
美香
「やばっ、それ絶対レシートSNSでバズるやつやんw」
郷子
「……っふ、ふふふっ……!
だ、だめ、お腹張るぅぅぅ」
温也
「郷子、ほんと落ち着け!ロボ父ちゃんのせいで病院行くことになったら笑えんぞ」
アキラ
「ロボ父ちゃん、次の進化はたぶん“電動モード”やな。ガソリンから充電式に乗り換え」
ひなた
「プラグ挿してコンセントで充電しよる姿……もうロボ父ちゃんっていうか家電やんwww」
みずほ
「“お父さん、冷蔵庫の隣に差し込んでたよ〜”とかありそう」
美鈴(ため息まじり)
「はぁ……あんたたちの妄想力、ほんと底なしやね」
光子&優子
「妄想は無料で燃料補給できるっちゃ!」
優子
「ロボ父ちゃんってさ、家事全部完璧にこなすんやろ?洗濯物たたむのもアイロンかけるのも秒速で終わる!」
光子
「しかもお仕事も普通に行くっちゃろ?会社の同僚に“ちょっと給油してくるけん”って言いながら休憩室でオイル注入www」
拓実
「え、でもボケもかますん?“今日も残業?いやいや、ガソリン満タンやけんハイパワーっちゃ!”とか言うんやろ?」
沙織
「そんで結局、双子刑事に取り調べされて、最後は“ハイパーコチョコチョの刑”に悶絶するんやね」
美香
「もうそれ……サイボーグの意味ないやん。普通のお父さんのままやん!」
小春
「ロボ父ちゃんって、未来でも全然進化してないんやね……進化したのは“燃料の種類”だけw」
郷子(お腹抱えながら)
「……はははっ、もう……やめて……赤ちゃんまで笑い出しそう……」
温也
「郷子、ほんと笑いすぎて大丈夫か。でもロボ父ちゃんに育児モードあったら助かるな。オムツ替え3秒完了とか!」
アキラ
「うわ、それ最強やん。けどボケかましてオムツ逆につけそうw」
ひなた
「“お父さん!逆!前後逆〜!”って赤ちゃんにまでツッコまれる未来……」
みずほ
「ロボ父ちゃん、結局ツッコミに育てられる運命やね」
優子
「家庭内ではコンセントにぷすっと差して“チャージ完了!”ってなるっちゃろ?」
光子
「そんで屋外では電気と、なんか超小型ハイパワーエンジンでブオオーン!って駆動!めっちゃ未来感やん!」
拓実
「でも、走るんじゃなくて……スーパーの特売に向かって爆走とかじゃない?」
沙織
「いや、体育祭とかで“ロボ父ちゃんリレーの助っ人”って言い出しそう。ズルすぎるやろww」
美香
「家では静かにコンセント充電、外ではブオーンって……そのギャップがおもろすぎるわ」
小春
「しかも充電忘れてて、いざって時に“ピピピ、残量5%です”とか言いながら、ボケだけは元気にやるんやろ?」
郷子
「それもう……電池より先に、笑いの方がエネルギー源やん」
温也
「いや実際、笑いで稼働してる気がするわ。コンセントは飾りやねw」
アキラ
「てかさ、充電中にうっかりコタツのコンセント抜かれて、父ちゃん急停止とか絶対あるやん」
ひなた
「“あ、止まった!”ってツッコミが日常になる未来ww」
みずほ
「結論:ロボ父ちゃんは、エネルギーより家族のツッコミで動いてる」
優馬
「当の本人は、なんでそんな盛り上がってんの?俺ってそんなにかっこいい?」
優子
「いやいやいや!かっこいいんやなくて、ボケが盛り上がっとるだけやけん!」
光子
「そーそー、燃料はボケ、走行モードはギャグ、噂の原因はお父さんのポンコツっぷりやけんね」
拓実
「“俺ってかっこいい?”って……ナルシストモード発動やん。電池残量無駄に使いよるしww」
沙織
「しかも自分で“かっこいい?”って言う人、だいたいかっこよくないパターンww」
美香
「いや、逆にそのズレっぷりが愛されキャラなんやけどね」
郷子
「ほんとやね。お父さんおらんかったら、今日のグルチャもここまで盛り上がらんし」
温也
「つまりやな……お父さん=我が家の永久機関」
小春
「燃料:家族のツッコミ。排気ガス:爆笑」
ひなた
「整備不良:ボケすぎてツッコミが追いつかん状態」
みずほ
「故障モード:ハイパーコチョコチョにより機能停止」
アキラ
「スペック表できとるやんww」
⸻
お父さん「いやいや、俺ってそんなに噂になるくらい……やっぱかっこいいんやな」
→全員「いやいや!そっちじゃなーい!!
」




