表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/230

あの日の事故を忘れない 飲酒運転撲滅に向けて

忘れてはいけない夏



笑いで伝える約束


夏の夜、久留米の祖父母の家。

縁側に座る光子と優子は、虫の声に耳を傾けながら、ふと真剣な話題を口にした。


「優子、覚えとる? 2006年に福岡であった、あの飲酒運転事故……。」

光子の声は静かだが、胸に重く響く。


「うん……幼い3人が犠牲になったんよね。しかも、市の職員が起こしたっていう、信じられん話。」

優子は膝に手を置き、顔を伏せる。


大好きな街・福岡で、そんな悲しい出来事があったことに、二人は深い悲しみを覚えた。

しかし、その悲しみを笑いに変えて伝えられるのは、自分たちしかいない──。


「ねえ、光子……私らさ、ただ笑わせるだけやなくて、こういう大事なことも落語や漫才で伝えられんやろか?」

優子の瞳が真剣に輝く。


「うん、そうやね。説教臭かったら誰も聞かんけど、笑いに変えたら心に残るやろうね。

例えば……『飲んだら乗るな、乗るなら飲むな』を私ら流でやるとか!」


光子は笑いながらもアイデアを膨らませる。

「落語やったら……酔っ払い幽霊が運転席におるけん事故るったい! ってな具合で、笑いを交えて教えると。」


優子はツッコむ。

「なんそれ、新ジャンル? 心霊飲酒運転って!」


二人は声を上げて笑ったが、その笑いの奥には、悲劇を二度と繰り返させない強い思いがあった。



■落語ネタ「幽霊運転手の大騒動」


舞台は縁側から学校の小さな体育館に移る。

光子が扇子を手に取り、低い声で語り始める。


「えー、この話は、ある酔っ払いの幽霊が夜な夜な福岡の道をさまようちゅう話ですたい。

ほんなこつ、呑んだくれて車に乗ったら、幽霊になっても事故るっちゅう教訓話ばい。」


観客(小学生や地域の人々)が笑いながらも真剣に聞き入る。

幽霊の動きや、助手席の猫の反応をオーバーに演じることで、笑いとメッセージを両立。



■漫才ネタ「飲酒運転ゼロやけん!」


光子と優子が舞台に並び、漫才口調で。


光子:「いやー、優子、昨日さ飲みすぎて車乗ろうとした夢見たばい。」

優子:「えー、またですか、光子先輩。夢でも乗っちゃいかんやろ!」

光子:「ほんなこつよ。だって幽霊に『お前、呑んだやろ!』って怒られるもん。」

優子:「幽霊も呆れとるわ。まじで現実でもゼロやけん!」


観客は大爆笑。

しかし、笑いの後には、しっかりと「飲酒運転ゼロ」というメッセージが伝わる構成になっている。



演目を終えた後、光子と優子は舞台袖で手を握り合った。

「伝わったかな……?」

「うん、笑いながら学べるのが、私らの強みやもんね。」


縁側で見守る祖父母の目にも、涙が光る。

悲しい過去を笑いに変え、未来へ託す──

光子と優子の「笑いの誓い」は、確かにこの夏の夜空に刻まれたのだった。




『アルコール検知でエンジンかからんやつ』


舞台は小学校の講堂、地域の子どもや大人も見ている前。光子が高座に座り、優子が横でアシスタント兼ツッコミ役。



光子(マイクに向かって、元気に)

「みなさん、聞いてください!今日はですね、飲酒運転の話です。…って、ちょっと暗い?でも、安心して。笑いながら学べます!」


優子(横で腕組み)

「ほんと?暗い話を笑いに変えるんやったら、期待しとくばい!」


光子

「えー、そもそも日本の車って、アルコールが検知されたらエンジンかからん装置、ついてないんですよ。なんでやろね?」


優子

「そりゃ簡単やろ。つけたら…飲んで運転できんやん!って人が怒るけんやないと?」


光子

「そうそう、でもね、もしついてたら…『あっ、ビール一本飲んだら、車がうんともすんとも言わん!』ってなるばい。」

(大げさに腕をブンブン振って、エンジンをかけようとするジェスチャー)


優子

「ほんで、車が動かんけん、結局歩くしかなかと!」


光子

「歩くしかなかと!歩いて帰る途中に、転んで泥だらけになるけど…酔っぱらって事故起こすより100倍マシばい!」


優子

「なるほどなぁ、泥だらけになっても命は守れる…ってことやな。」


光子

「そうです、みなさん!笑いながら覚えてください。飲んだら乗るな、飲むなら車じゃなくて自転車でもなく、歩いて帰るばい!」


優子

「歩くんやったら、光子ねえちゃん、転ばんように手つないでくれるんよね?」


光子にっこりウィンク

「もちろん!でも、その時は笑いすぎてこけるかもしれんけど♡」


(会場大爆笑、拍手喝采)


光子

「これでみんな、アルコール検知の大事さと笑いを両方覚えたはず!」


優子

「はい、命はギャグでも守れるっちゅうことね!」





長編ギャグ落語漫才:『アルコール検知でエンジンかからんやつ』


舞台は2035年の夏休み、福岡市の地域センター。小中学生や保護者も観覧。光子・優子・さおりトリオでギャグ漫才を展開。



光子(高座で元気に)

「みなさん、聞いてください!今日は飲酒運転の話ですけど…ただの説教じゃないとよ。笑いながら学べます!」


優子(腕組みでツッコミ)

「ほんとに笑えるんか?ただ暗い話ばっかりやったら誰も聞かんばい。」


光子

「えー、そもそも日本の車って、アルコールが検知されたらエンジンかからん装置、ついてないんですって。…どうしてでしょうね?」


優子

「そりゃ簡単やん。つけたら怒る人おるやろ。『俺のビール一本のせいで車動かんやん!』ってね。」


光子

「そうそう。でも、もしついてたら…『あっ、ビール一本飲んだら、車がうんともすんとも言わん!』ってなると。」


(光子が手をブンブン振って、エンジンかけようとするジェスチャー)


優子

「ほんで、結局歩いて帰るしかなかと!」


光子

「そう!歩くしかなかと!転んで泥だらけになっても、酔っぱらって事故起こすより100倍マシばい!」


さおり(小声で横から)

「泥だらけになっても命は守れる…ってことやな。」



ここから展開が広がる。光子・優子・さおりは、アルコール検知の装置をネタにした**架空のギャグシステム「自動転倒警報付きエンジン」**を考案。


光子

「この車ね、飲んだら自動で転倒モードになるとよ!転んだら泥だらけ、でも命は守れる♡」


優子

「転んだ瞬間にGPSで家まで送ってくれるシステムやったら最高やん!」


さおり

「んで、泥だらけになった姿、SNSにアップされたら…もう笑うしかないやん!」


観客爆笑。ギャグ漫才を通して、「飲酒運転は絶対ダメ」というメッセージがしっかり伝わる演出。



美香の曲作成


この漫才の後、美香は「飲酒運転事故で亡くなった方々への想い」と、光子・優子のメッセージを曲にすることに。


タイトル:『光の帰り道』


歌詞(案):

1.Aメロ

街の灯りに揺れる君の影

まだ知らぬ笑顔が胸に残る

時を越え、祈るように

命の重さを胸に刻む

2.Bメロ

笑い飛ばしても消えぬ傷

でも僕らは歩いてゆく

小さな勇気を手にして

未来を照らす光になる

3.サビ

光の帰り道 一緒に歩こう

涙の向こうに笑顔を描く

誰もが守れる この手で繋ぐ

悲しみを力に変えてゆこう

4.Cメロ(ラップ風)

飲んだら乗るな 命を守れ

笑いながらでも伝えるぜ

光子と優子の声とともに

未来へ届け 想いのメロディ

5.ラストサビ

光の帰り道 一歩ずつ進もう

痛みを知った僕らの誓い

笑いも涙も抱きしめながら

明日へ続く道を歩く



この曲はピアノ伴奏やトロンボーン・サックスでアレンジ可能。光子・優子のギャグ落語で伝えたメッセージと、失われた命への祈りを融合させた作品として、地域の学校やSNSで発表される予定。





美香が完成した曲『光の帰り道』をリリースすると、反響はすぐに広がった。SNSの公式アカウントには、全国各地からコメントが寄せられる。


「聴いて涙が止まりませんでした…大切な命のことを考えました」

「光子ちゃんと優子ちゃんの落語のメッセージと一緒に、この曲を聴いて感動しました」

「家族みんなで聴きました。笑いと涙の両方をもらいました」

「命を守ること、周りを思いやることの大切さが伝わってきました」


光子はスマホを見ながら、

「うわー、めっちゃコメント来とる!みんな感動してくれとるね」

優子も画面をスクロールしながら、

「ほんとやね。私らの落語と、お姉ちゃんの曲、ちゃんとつながっとるんやね」


美香は少し照れくさそうに笑いながらも、

「嬉しいよね。みんなの心に届いたんやね…」


公式サイトやファンクラブのページにも、感想や応援のメッセージが次々と書き込まれる。中には「学校で落語と一緒に発表してほしい!」という要望もあった。


光子がひそひそと、優子にささやく。

「これで、私らの笑いとお姉ちゃんの音楽で、福岡から全国にメッセージを届けられたっちゃない?」

優子も小さくうなずき、二人の笑顔は満ち足りた光に包まれる。


こうして、ギャグと涙、笑いと祈りのコラボレーションは、SNSや公式サイトを通して、多くの人々の心に届いたのだった。





光の帰り道ステージ発表


夏休み最後の日曜日、空は青く、海風が心地よく吹く。中州の端に位置する海の中道海浜公園では、地元のイベントが賑やかに開かれていた。多くの家族連れや観光客が集まる中、特設ステージの前には、光子と優子、美香の三人の姿があった。


「今日は、私たちの笑いと音楽で、みんなにメッセージを届けるばい!」光子が観客に向かって元気に宣言。

優子も笑顔で続ける。「ほんと、事故で命を失った方のこと、そして福岡の街を愛する思いを、私たちなりに表現したいっちゃ!」


ステージの幕が上がると、まず光子と優子が落語を披露。事故にまつわる安全への呼びかけを織り込みながらも、博多弁のギャグで観客を笑わせる。子どもも大人も、笑いながらも真剣に耳を傾ける。


続いて美香が電子ピアノの前に座り、深呼吸をひとつ。「この曲は、光子と優子の思い、そして事故で命を失った方やその家族の想いを胸に作った曲です」


ピアノの音色が会場に響き渡り、曲『光の帰り道』が始まる。

静かなイントロから、海風に乗ってメロディが流れ出す。歌詞にはこうある。



光の帰り道


波の音に揺れる心

忘れられぬあの日の声

でも私たちはここにいる

笑いと涙でつなぐ光


悲しみを胸に抱えても

希望の光は消えない

一歩ずつ進もう

君と歩む帰り道



曲のクライマックスで、美香の歌声とピアノの旋律が海風に溶け込み、光子と優子が舞台の前で観客に向かって手を振る。小さな子どもたちが笑顔で手を振り返し、大人たちも涙ぐみながら拍手を送る。


ステージを降りた後、光子が優子に小声で言った。

「ほんと、来てよかったね。私たちの落語とお姉ちゃんの曲で、みんなの心に少しでも届いた気がする」

優子もにっこり笑い、二人の心は満ち足りた光でいっぱいになった。


その日、海の中道海浜公園は、笑いと涙、そして希望の光に包まれ、夏休み最後の思い出として人々の心に刻まれたのだった。




黒崎の夜、笑いと記憶のひととき


海浜公園での発表の余韻を胸に、光子と優子、美香は黒崎のおじいちゃんおばあちゃんの家に到着した。さらに、優馬と美鈴も到着し、家はすぐに賑やかになる。


「わー、みんな来てくれたとね!」おばあちゃんが笑顔で迎える。

「こんばんは、今日はちょっと遠くからやけど、来ましたよ」と優馬が丁寧に頭を下げる。


家の中に入り、涼しい風に包まれながら、晩ご飯の準備が進む間、みんなはリビングでくつろぐ。


「お母さんの小さい頃の話、聞かせてよ」と光子が目を輝かせると、美鈴は少し照れくさそうに笑った。

「えーっとね、私、小さい頃はもう、やんちゃでねぇ。走り回るのが大好きで、庭の木に登ってはよく怒られよったとよ」


「ほんなこつ!?」優子が目を丸くする。

「そうそう、それにね、雨の日でも外で水たまりに飛び込むのが大好きで、おばあちゃんに怒られるけど止められんとよ」と美鈴が笑いながら話すと、おじいちゃんも思わず吹き出す。


「お母さんもそうやったとね。元気いっぱいやったんやなぁ」と優馬。

「そうやろ、だから今も元気だけどね」と美鈴もニッコリ。


光子と優子は目を輝かせながら、子ども時代の母親の姿を想像する。「わたしとお母さん、なんか似とるとこあるかも」と光子。

「うん、私も思う」と優子が頷く。


晩ご飯は皆で囲み、地元の旬の食材を使ったおかずに舌鼓を打ちながら、笑い声と昔話が絶えない。夜が更けると、窓の外には夏の星空が広がり、家の中は温かい光と家族の笑顔で満ちていた。


「今日は本当に楽しかったね。また皆で集まりたいな」と光子。

「うん、絶対また集まろう」と優子も嬉しそうに答える。


こうして、黒崎の夜は、笑いと家族の温もりに包まれ、光子たちの夏休みの思い出の一つとして心に刻まれたのだった。





小さな秋とギャグの余韻


黒崎家でのんびりと過ごす夜。秋の虫の声が窓の外からそっと聞こえてくる。日中はまだまだ猛暑が続くが、朝晩にはほんの少し涼しさを感じるようになった。


光子がふと顔を上げて言う。

「ねえ、優子、見て見て。小さい秋、見つけた!」


優子も窓の外を眺めながら嬉しそうに頷く。

「ほんとやね〜。ちょっとずつ秋になっとるね」


布団に入りながら、二人はこれからの季節に食べたいものの話題で盛り上がる。

「りんご、梨、栗、新米、柿、さんま……私ら、食欲の秋じゃね〜、くすくす」

「ほんと、ギャグ振りまくにも、体力いるけん、食欲の秋は必須やね」と光子。


くすくすと笑いながら、今日の楽しい出来事や、黒崎家でのんびり過ごした時間を思い返しつつ、二人は眠りに落ちていった。


夜風が涼やかに窓から入り込み、秋の虫たちの声が静かに重なる。ギャグと笑いの余韻に包まれた光子と優子の夜は、穏やかで幸せなひとときとなった。





笑いで包む安心


翌朝、黒崎家の居間には、朝の柔らかい日差しが差し込んでいた。光子と優子は、祖父母にとっておきのギャグを披露する準備を整える。


「じいちゃん、ばあちゃん、今日のギャグは絶対笑うけん、覚悟しといてね!」

「おう、楽しみにしとるばい」と祖父はにこやかに応える。


二人のギャグが始まると、祖父母は次第に笑いが止まらなくなり、椅子に座ったまま腹を抱えてゲラゲラと笑った。

「もう…お腹痛いわ…ほんとに元気にしてくれとるね!」と祖母。


祖父は少し目を細めて頷いた。

「事故にあった時とか、あの時の裁判とか、心配で仕方なかったばってん、こんなに元気に過ごしてくれとるけん、安心したよ」


光子と優子も、ギャグの途中でお互いに笑いながら、「うん、もう元気いっぱいやけん、心配せんでね」と答える。


居間には笑い声が響き渡り、過去の辛い出来事も、こうして笑いで包まれるひとときが訪れていた。














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ