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光子と優子のラブクリニック

光子と優子は下駄箱の中のラブレターを見て、一瞬固まる。

•光子:「な、なにこれ〜!?誰かからのラブレターっちゃ?」

•優子:「まさか、うちらに?ど、どげんしよ〜!?」


二人ともくすくす笑いながらも、少しドキドキ。

•光子:「まずは中身見てみよっか。…でも開けるとき、誰かに見られんごとせんとね」

•優子:「うん、ここは慎重に…あ〜ドキドキする〜」


結局、二人はこっそりラブレターを取り出し、校庭の隅で内容を読むことに。

光子が読み上げ、優子が反応する形で、二人の小さなドキドキタイムが始まる。




ラブレター内容(光子・優子宛)


「光子ちゃん、優子ちゃんへ


毎日笑顔を見せてくれてありがとう。

授業中も廊下でも、うちらはいつも君たちに元気をもらってるっちゃ。

光子ちゃんのポニーテール、優子ちゃんのツインテール、どっちも最高やけん、見とれてまうばい。


あのね、もしよかったら、今度一緒に放課後に帰ったり、勉強教えてくれたり、友達としてでもいいけん、仲良くしてほしいっちゃ。


君たちの笑顔を守りたいって、ちょっと大げさやけど、思っとる人より」




光子と優子は、ラブレターを見て思わず目を見合わせる。


光子:「わぁ……でも、わたし、翼くんがおるけん……」

優子:「うちも、拓実がおるっちゃけど……」


二人は困った顔で下駄箱を眺める。誰が書いたのか全くわからない。


光子:「誰やろ、これ……匿名っちゃけん、断ろうにも断れんやん」

優子:「うーん、でも、ほっとくと変な勘違いされるかも……?」


結局、二人は顔を見合わせて、にっこり笑いながら相談する。


光子:「よか、ギャグで返事書こうか。笑わせて断れば、角も立たんやろ」

優子:「うん、それがうちら流やね!」


こうして双子ちゃんは、博多弁ギャグ入りの“ラブレター返答作戦”を練り始める……という展開になります。





光子と優子は、下駄箱に置かれたラブレターを前に、顔を見合わせる。


光子:「よっしゃ、こうなったら、うちら流の博多ギャグで返そうや!」

優子:「うん、笑わせて断る作戦ばい。角も立たんやろ?」


二人は紙とペンを取り出すと、悩むふりをしながらもすぐにアイデアが湧き出す。


光子(書きながら):「『うにゃ〜あじゃたらぱ〜!』って、まずお決まりのスタート」

優子(付け足す):「『あなたの気持ちはうれしかばってん、わたしたちは翼と拓実がおるけん、許してね〜!』」


光子:「あと、『お父さんの特等席が永遠に続くけん、ちょっと邪魔したら怒られるとよ』とか」

優子:「『でも、あなたの勇気はめっちゃすごかばい。笑わせてもろうたけん、感謝やね!』」


こうして二人は、思わず笑ってしまう博多弁ギャグ満載の返信を完成させる。


光子:「これで誰が出したか分からんけど、笑わせて断れるやろ」

優子:「うん、これがうちら流やね!」


その返信を下駄箱にそっと入れると、二人はくすくす笑いながらその場を後にする。




数日後、学校でラブレターの件がちょっとした噂になる。誰が出したのか、クラスの中でも話題に上るが、双子ちゃんはいつものように笑顔で交わす。


ある日、昼休み。光子と優子が図書室でギャグネタを練っていると、背後から声がした。


男子:「あの…あのラブレター、僕が出しました…!」


振り返ると、少し緊張した面持ちの男子が立っている。光子と優子は一瞬びっくりするが、すぐに笑顔になる。


光子:「おお〜、勇気あるやん!でもね、うちらには翼と拓実がおるけん…」

優子:「そげん、でもその勇気は尊敬するばい。ありがとね〜!」


男子は照れ笑いしながら頭をかく。

光子:「じゃ、これでお互いに気持ちよく終わらせようや!」

優子:「うん、これも博多ギャグ流のスマート断り作戦ばい!」


こうして、ラブレターの顛末も双子ちゃんらしい笑いで丸く収まった。男子も、思わず笑顔になり、心に残る経験として胸にしまうことになる。


そして双子ちゃんは、再び笑いながらギャグの練習に戻る。翼や拓実と一緒にいる時間が一番楽しいと、二人は改めて実感するのだった。




ラブレターを出したのは、田中翔太くん



「え、これって…マジで断られてんのに、こんな返し方あるん?!」


心の中ではがっかりしていたが、笑いながら「やっぱり光子ちゃんって、想像以上にぶっ飛んでるな…」と感心。

優子へのギャグ返信も見て、「こっちもクールだけど、ツッコミが鋭くて面白い…」と、双子の個性に驚きつつも楽しむ。


結局翔太くんは、ラブレターを出したことは後悔せず、二人の反応をネタに友達に話して笑いの種にする。

心の中で「やっぱり光子ちゃんが本命やな…」と秘かに思いながら、友情と微妙な恋心が入り混じる複雑な気持ちを抱えていた。



田中翔太くんがラブレターを出したあの日のことは、双子ちゃんにとってただのギャグ大爆笑の出来事だったが、翔太くん自身にとっては意外な転機となった。


中学のある日、翔太くんはクラスメイトの女子、**高橋彩花たかはし あやか**に告白し、無事に付き合うことになった。翔太くん曰く、彩花に思いを伝えるきっかけになったのは、あの日光子と優子がくれた「ギャグ返信作戦」だったという。


「いやぁ、あの時の光子ちゃんと優子ちゃんの返事、めっちゃ笑わせてもらったんだよね。あれで心が軽くなって、彩花ちゃんに自分の気持ちを素直に言えるようになったんだ。双子ちゃんたちは、僕の彼女とのキューピットやったね(笑)」


翔太くんの表情は嬉しそうで、少し照れくさそう。光子と優子も、そんな報告を聞くと顔を見合わせて笑う。


「へぇ〜、うちらのギャグ、そんな大役になっとったとね!」

「まさか翔太くん、うちらのツッコミで恋の後押しされとったとは!」


そうして、双子ちゃんは思わず自分たちの力で誰かの恋の橋渡しができたことに、ちょっぴり誇らしい気持ちになったのだった。




あのラブレター事件のあと、光子と優子はクラスメイトたちから、ちょっとした恋愛相談を受けることが増えた。


ある日の放課後、教室の片隅で、クラスメイトの山本真理が小声で二人に話しかける。


「ねぇ、光子ちゃん、優子ちゃん…ちょっと相談していいと?」


「お、なんや?まーちゃん、聞かせてみんね!」

「そうそう、うちらで良ければ、何でも相談のっとよ〜」


真理が小さく息を吸って話し始めると、次第に話は笑いの渦へ。


「実は、私…好きな人に告白しようと思ったとよ。そしたら、紙に書いたラブレター、手が滑って床に落としてしもーて…その上、消しゴムで文字消そうとして、ほとんど読めんようになったったい…」


光子は手を叩いて大笑い。

「なにそれ!それって告白やなくて、爆笑コントやん!」


優子もつられて笑いながら、

「真理ちゃん、それ逆に相手のハート掴めるかもよ〜。うちらやったら、そのラブレターもギャグで返信するね!」


すると真理も照れ笑いしながら、

「光子ちゃん、優子ちゃん…やっぱり相談してよかった〜。笑いに変えられるなんて、最高ばい」


こうして、双子ちゃんはクラスメイトたちの恋愛相談を受けつつ、ちょっとした爆笑ネタを添えて、みんなの心を軽くしていく存在になったのだった。




その後、光子と優子の“ラブ相談の腕前”は、すぐに学校内で噂になった。


「ねぇ、あの双子、ラブクリニックばやっとるらしいばい」

「まじ?光子と優子ちゃんに相談したら、笑いながら解決してくれるって話よ」


放課後、廊下を歩く二人の耳にも、そんな声が自然と入ってくる。


「ねぇ、優ちゃん、うちらほんとにラブクリニックになったっちゃね〜」

「うん、でも笑いながら相談乗るだけやけん、失敗しても笑いに変わるとよね」


上級生や他のクラスの生徒も、気軽に二人のもとにやってくるようになった。


「光子ちゃん、優子ちゃん、ちょっと相談したいんやけど〜」

「おう、任せとけ!ギャグ付きでアドバイスばい!」


こうして双子ちゃんは、学校中に笑いと恋愛相談を同時に提供する人気者になり、ラブクリニックとしての評判はますます広がっていったのだった。




光子と優子のラブクリニックは、学校中で評判となり、実際に相談を受けたカップルの中には、そのまま付き合い始めるペアも増えていった。


「ほら、あんたたち、ちゃんと相手の気持ち考えとるやろ?そいなら大丈夫やけん!」

「うん、がんばろうね!」


二人の言葉に励まされ、カップルは順調に関係を築いていく。まるで、二人が学校の恋愛の生き神様のようだった。


しかし、うまくいかないカップルも当然いた。そんな時、双子ちゃんは笑いだけでごまかさず、時に厳しい助言もした。


「ほら、あんたたち、ほんとに相手のこと考えとると?自分ばっかりやったら、そりゃうまくいかんばい。もっと自分磨きせんね!」

「う、うん……わかった、頑張る……」


厳しいながらも、愛情のあるアドバイスに、生徒たちは真剣に耳を傾け、少しずつ成長していくのだった。



「お姉ちゃんたち、わし、彼女に『好き』って言うタイミングがわからんとよ!」

「そいはね、まず手紙かLINEで、ちょっとずつヒント出してみたら?」

「え、LINEでヒント?そしたら『なんばせんと?』って怒られんやろか……」


優子は吹き出しながら答えた。

「大丈夫やけん、まず一言やけん!でも恥ずかしかったら、うちがちょっと後押しするばい」

「ほんとー?じゃ、じゃあ……」


その隣では、別の相談も進行中。


「うちら、デートの時に何ば着て行ったらええと?」

光子はくすくす笑いながら答える。

「そりゃあ、自分が着てて楽な格好やんね。でも、ちょっとオシャレしとったら、相手も喜ぶばい」


笑いながらも、相談に応じる双子ちゃん。


しかし、時には失敗カップルもいた。クラスメイトの佐々木悠と岡田香織は、付き合い始めてすぐに大喧嘩。原因は、香織が悠のゲームの時間を減らせと言ったことだった。


「悠くん、ゲームばかりせんで、たまには私と遊ばんね!」

「え、うそやろ……ゲームくらいええやん……」


二人の喧嘩は大爆笑コントのようになってしまった。双子ちゃんは即座に介入。


「ほらほら、喧嘩ばっかしてたら、うちらのラブクリニックの評判が下がるやん!お互い、譲り合わんね!」

「そ、そやね……わかった……」


そして、二人に「お互いに好きなところを紙に書いて交換せんね」とアドバイス。紙を見た二人は、思わず照れ笑い。


「意外と、こんなことで仲直りできると?」

「そ、そうみたいやね……」


双子ちゃんのラブクリニックは、笑いと学びの場でもあった。相談者は爆笑しつつも、少しずつ恋愛のコツを掴んでいく。ここでは、失敗も笑いに変えることができるのだ。








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