温泉卓球&双子ちゃんの早朝散歩&美香お姉ちゃんの極上スペシャルこちょこちょ。
温泉卓球対決・アキラ兄ちゃん vs 美香お姉ちゃん
お風呂から上がった光子、優子、美香お姉ちゃん、アキラ兄ちゃんの4人は、旅館のレクリエーションルームで卓球台を発見。
•光子:「ほい、やっぱ温泉来たら、卓球せんとね!」
•優子:「そやね、ギャグと汗の次はラリーばい!」
まずはアキラ兄ちゃん vs 美香お姉ちゃんの対決。
•アキラ兄ちゃん:「ほんなら、負けんばい。」
•美香お姉ちゃん:「ふふん、トロンボーンで鍛えた集中力、見せたる!」
試合が始まると、ラリーはなかなかの白熱。
•光子:「おぉ〜!アキラ兄ちゃん、ナイススマッシュ!」
•優子:「美香お姉ちゃんも負けとらんばい!返す返す!」
ところが、光子と優子が観戦していると、思わず口出し。
•光子:「アキラ兄ちゃん、そこのコースば狙わんと!」
•優子:「美香お姉ちゃん、体勢崩れとるやん、もっと腰入れんと!」
二人の口出しで、試合は一気にギャグ大会化。
•美香お姉ちゃん:「ちょっと!うちら集中しとるとに!」
•アキラ兄ちゃん:「くっ、笑わさんでくれ〜!」
結局、ラリーは途中で卓球ボールが天井に当たり、部屋中にボールが飛び交うドタバタに。
•光子:「ほら〜、やっぱりこうなるっちゃね!」
•優子:「もう、温泉卓球は笑いの宝庫や〜!」
こうして、温泉卓球はギャグと笑いに包まれた珍道中となった。
温泉卓球・光子 vs 優子 双子対決
アキラ兄ちゃんと美香お姉ちゃんの対決で大騒ぎになった後、次は光子と優子の双子対決が始まる。
•光子:「ほんなら、今度は私と優子の勝負ばい!」
•優子:「よかばい、負けんけんね!」
ラリーが始まると、二人の息はぴったり。ボールの軌道を読み合い、まるでシンクロしているかのよう。
•光子:「よっしゃ、右やけん!」
•優子:「まっとき!左にかわすったい!」
しかし、二人のテンションが上がりすぎて、声援とツッコミが入り乱れる。
•光子:「うにゃ〜!あじゃたらぱ〜!」
•優子:「何それ〜!笑わせんといて〜!」
観戦しているアキラ兄ちゃんと美香お姉ちゃんも爆笑。
•アキラ兄ちゃん:「双子、なんで試合中にギャグ入れるんや!」
•美香お姉ちゃん:「もう、ラリーどこいったと〜?」
ラリーは瞬く間に空中戦のボール飛ばし大会へと変貌。
•光子:「よっしゃ、スピンかけるけん!」
•優子:「うそ〜、変化球すぎやろ〜!」
最後は、二人同時にボールを叩き返し、天井にぶつかってボールが部屋中に散乱。
•光子:「ぎゃはは、やっぱ双子対決はこうなるったい!」
•優子:「もう〜、腹筋崩壊や〜!」
こうして、光子と優子の双子卓球対決もギャグと笑いの嵐で幕を閉じた。
温泉卓球・親子合流で珍プレー続出
光子と優子のギャグ全開双子対決の後、優馬お父さんと美鈴お母さんが卓球台に合流。
•優馬お父さん:「よし、わしも参戦するばい!」
•美鈴お母さん:「ま、わたしもやってみる〜」
ところが、長年夫婦やっているからって、息の長いラリーなんて続くわけがない。
•光子:「お父さん、打ったボールが…飛んでないやん!」
•優子:「お母さん、ラケットと手、逆に持っとる〜!」
最初のサーブから珍プレー連発。
•お父さん、力いっぱい打ったはずのボールがラケットに当たらず、頭に直撃。「うぉ、痛っ!」
•お母さん、ボールを叩こうとして、足元のスリッパに当たり、コロコロ転がる。
双子は爆笑、ラリーはわずか3球で終了。
•光子:「これでラリーとか言うなや〜!」
•優子:「珍プレー集やん、もう!」
さらに、光子がボールを返すと、ボールは天井に跳ねて窓から外へ飛んで行き、みんなで外に出て回収。
•優馬お父さん:「ま、こうなるとは思っとったけどな…」
•美鈴お母さん:「もう、笑いすぎてのぼせたわ〜」
こうして、親子も巻き込んだ温泉卓球は、珍プレーと大爆笑の連続で終わった。
温泉卓球・ダブルス対決
次はダブルス。光子と優子ペア vs アキラと美香ペア。
•光子:「お姉ちゃん、任せとけ!」
•優子:「よーし、お姉ちゃん!ツッコミは私に任せて!」
•アキラ:「まあ、ゆっくりやろうや…」
•美香:「ふふん、甘く見んといてね」
最初のサーブから大混戦。
•光子が力強く打つと、ボールは天井に当たり、跳ね返ってアキラの顔直撃。
•アキラ:「うおっ、目つぶったばい!」
•優子:「お兄ちゃん、それも作戦やろ?」
その後も、双子のボケツッコミ炸裂。
•優子:「お姉ちゃん、回れ回れ回れ〜!」
•光子:「お姉ちゃんちゃうわ!お姉ちゃんは私や!」
美香は冷静に打つが、ボールが温泉の湯気で見えづらくなり、思わずラケットを振り回す。
•光子:「お姉ちゃん、ラケット振る方向ちゃう〜!」
•アキラ:「俺もわからん、光子ちゃん早い!」
さらに、光子と優子の連携ミスでボールはお母さんの足元に落ち、スリッパに跳ね返り床を滑走。
•美鈴お母さん:「またかい!うちの足まで巻き込まんで!」
•光子・優子:「すんません〜!」
結局、勝敗はわからないまま大爆笑で終了。
•光子:「ダブルスも、笑いで勝ったばい!」
•優子:「うにゃ〜あじゃぱー、これが我らの戦法やね!」
こうして温泉卓球ダブルス対決もギャグと珍プレーで盛り上がるのであった。
温泉卓球・混合ダブルス(アキラ&優馬 vs 光子&優子)
温泉卓球台の前に新たなペアが集合。今度はアキラと優馬の大人チームに対し、双子ちゃんチームが挑む構図。
•アキラ:「優馬さん、お手柔らかにやけど…」
•優馬:「いや、俺らは真剣勝負ばい!」
•光子:「えー、でもうちら、笑いの作戦あるけん!」
•優子:「うにゃ〜あじゃぱー炸裂やね!」
試合開始。光子がサーブすると、ボールは湯気に隠れ、優馬のラケットに当たらず、天井を直撃。
•優馬:「うわっ、天井かい!」
•アキラ:「どんだけ回転かけよるんや〜!」
優子が返球すると、ボールはアキラの足元で跳ね返り、隙をついて光子がスマッシュ。
•光子:「ツインスマッシュ〜!」
•優馬:「いや、これは作戦じゃないやろ!」
途中、お互いのラケットがぶつかって転がるボールを追いかける羽目に。まるでコントのような展開。
•優子:「お兄ちゃん、足元見て〜!」
•アキラ:「むりむり!見えんばい!」
•優馬:「ボールどこや〜!」
結局、試合の勝敗よりも、全員が床に転がって大笑い。
•光子:「勝敗より、笑いで勝ったばい!」
•優子:「うにゃ〜あじゃぱー炸裂で〜!」
•アキラ:「これ、落語研究会でネタになるな…」
•優馬:「間違いない、爆笑必至や!」
こうして、混合ダブルス戦も珍プレー連発、ギャグ満載で終了。
温泉卓球・大人vs混合ペア(アキラ&美香 vs 美鈴&優馬さん)
次の対戦は、アキラ&美香ペアと、美鈴&優馬さんペア。家族&双子たちの温泉卓球も、ここまで来るとほぼギャグコント化している。
試合開始。
•美香:「いくばい、アキラにいちゃん!」
•アキラ:「おう、美香!お手柔らかに…って、笑わせる作戦じゃなかろうな?」
•優馬:「俺らも本気やけん、覚悟しとけ!」
•美鈴:「うにゃ〜あじゃぱー炸裂やね!」
光子&優子チームのギャグ台風は休憩中。今度は大人+高校生コンビで真剣勝負…のはずだが、試合は珍プレー連発。
•美香のスマッシュが空振りし、アキラが慌てて拾おうとするが、足元で転び、ボールは天井へ。
•優馬さんはラケットを構えるも、美鈴が笑いすぎてボールを見失う。
観客役の双子ちゃんは大爆笑。
•光子:「あはは!足元ば見とらんやん!」
•優子:「うにゃ〜あじゃぱー、天井直撃〜!」
アキラと美香チームも必死に反撃するが、ボールがラケットに当たった瞬間、二人の間でぶつかり転倒。
•美香:「あいたっ!」
•アキラ:「足痛い…もうギャグやん!」
結局、試合の勝敗より、全員が床に転がって笑い倒す。
•美鈴:「勝ち負けより、笑いが勝ったね!」
•優馬:「ほんと、これテレビ番組にしてもええネタや!」
•アキラ:「落語研究会で使えるな…」
こうして卓球は珍プレー&爆笑コント化し、温泉卓球大会は大成功(?)に終わる。
温泉卓球で大爆笑の連続。みんな、笑いすぎて半分頭がクラクラ。「あぁ、しんどい…でも楽しい…!」と息を整えながら、それぞれの部屋に分かれる時間。
•部屋割りは、三部屋。
•優馬&美鈴
•アキラ&美香
•光子&優子
双子ちゃんの部屋に入ると、二人は早速ギャグネタの整理会を開始。
•光子:「今日の温泉卓球ネタ、どれから公開しよっか?」
•優子:「うにゃ〜あじゃぱー炸裂やったけん、まずはそれば最初にしようか?」
•光子:「それもええけど、ソフトクリーム事件のベチャも笑えたしなぁ…」
•優子:「贅沢な悩みやね。いっぱいネタがあって、どれも面白すぎる!」
二人はあれこれ話し合いながら、次にどのギャグをステージで出すか、どう編集してSNSにアップするかのプランを練る。
•光子:「あ〜、やっぱりネタ考えるのも楽しいねぇ。家におったら、こんな贅沢な悩みできんもんね」
•優子:「せやね〜。全部出したいけど、まずは温泉ネタからやね」
双子ちゃんは、ギャグや漫才、落語ネタを次々に広げるための戦略会議を、寝る前の部屋でワイワイ楽しむ。部屋の中はもう、笑いとアイデアでいっぱいであった。
光子は目を覚ますと、まだ外は薄暗く、時計を見ると朝5時。ふわりと布団の中で伸びをして、「うーん……」と小さくあくび。隣で寝ている優子をそっと見やり、くすっと笑う。
光子:「ゆうちゃん……朝早く目が覚めたけん、早朝散歩に行かん?」
優子も目をこすりながらゆっくり起き上がる。髪を整え、背伸びをすると、眠そうな顔に朝日が差し込み、なんだか清々しい表情。
優子:「うん、行こっか……まだみんな寝よるし、静かで気持ちよさそうやね。」
二人はそーっと布団を抜け出し、廊下を歩く。階段を降りると、木の香りとひんやりした朝の空気が漂い、心までしゃきっとする。
光子:「うわ……海が見える。朝の光に照らされて、波がキラキラしよる。」
優子:「ほんとや……なんか静かで、うちらだけの世界みたいやん。」
砂浜に足を踏み入れると、波の音がリズムみたいに心地よく、二人の足音だけが砂の上に残る。
光子:「このまま歩きながら、昨日のギャグネタも思い出して考えるのもええかもね。」
優子:「うん、早朝散歩ギャグツアーや〜!」
二人は笑いながら、砂浜を行き交い、自然と朝の空気と波の音に包まれながら、新しいギャグのアイデアをひらめくのであった。
二人は浴衣を羽織り、そっと旅館を抜け出す。砂浜に降り立つと、まだ誰もいない海辺が二人を迎える。足元の砂はひんやりとして、波の音が心地よく耳に届く。
優子は少し考え込むように空を見上げた。
「うちらも、大人になったら、翼くんとか拓実と一緒にこうして旅に出るっちゃろうかね?」
光子は砂浜に描かれた小さな波跡を指でなぞりながら、微笑む。
「多分ね〜。好きな人と一緒に旅すっと、きっといい思い出になるっちゃ。」
ふと光子の胸に、美香お姉ちゃんくらいの歳になった自分の姿が浮かぶ。家族や仲間と笑い合い、でもちょっとだけドキドキしながら、大切な人と一緒に時間を過ごす自分。
「……うん、きっと、こんな時間はずっと覚えとくとね。」
光子はそう心の中でつぶやき、優子の手をぎゅっと握った。
波の音をバックに、二人はまだ眠る町を横目に見ながら、笑いのネタや未来の夢を語り合う朝の散歩をゆっくりと楽しんだ。
朝の海風に顔を撫でられながら、光子と優子は波打ち際をゆっくり歩く。砂の感触がひんやりして、まだ眠る町の静けさが二人の耳に優しく響く。
光子はふと立ち止まり、水平線を見つめた。
「うちら、数年後には大人になっとるっちゃろうね……」
優子も空を見上げながら、しばらく考え込む。
「そうねぇ……。でも、なんか早く大人になりたかと思う自分もおるし、まだ子供のままでおりたかと思う自分もおるっちゃ。」
光子はうなずきながら、波に映る自分たちの姿を指でなぞる。
「わかる……二つの気持ちに、心が揺れ動くっちゃね。」
優子はそっと光子の手を握る。
「でも、どっちにしても、今のうちらの時間は大切にしたかと思う。笑ったり、ギャグ考えたり、友達や家族と過ごす時間は、絶対に後で宝物になるっちゃ。」
光子も微笑んで、手を握り返す。
「うん、そうやね……まだ子供のままでも、大人になるのも、どっちも楽しみにできるっちゃ。」
砂浜に残る足跡が、二人のこれからの道を静かに示す。未来への期待と、今を楽しむ喜び。二つの気持ちが交差する朝の海辺で、光子と優子はしばらく黙って歩き、互いの存在のあたたかさを胸に刻んだ。
波の音を聞きながら、光子はふと笑みを浮かべて口を開いた。
「ねぇ、ゆうちゃん……うちらが大人になって、もし子供ができたら、どんな感じになるっちゃろ? 私たちに似るんかな、それとも翼くんとか拓実くんに似るんかな?」
優子はくすっと笑って、足先で砂を蹴った。
「性格は……多分うちらに似るっちゃろね。ほら、毎日ギャグとか漫才とか考えよるやん? きっと、子供とも一緒にお風呂でネタ作ったりしよるかもよ?」
光子はその光景を想像して、お腹を抱えて笑い出した。
「ははっ! やばい、それ絶対おもしろか〜。『今日のご飯は何ですか?』って子供に聞いたら、『ギャグです!』とか答えるんやろね。」
優子も笑いながら、手を振ってツッコミを入れる。
「いやいや、それご飯にならんやん! でも……そんな毎日やったら、きっとめっちゃ楽しかろうね。」
光子はふと、海に映る朝日の光を見つめる。
「……楽しいだけやなくて、幸せやろうね。子供ができても、ギャグと笑いでいっぱいの家庭にしたいなぁ。」
優子は頷き、空を見上げた。
「うん。うちらがそうやって育ててもらったみたいにね。」
二人の笑顔は、朝の光に包まれながら未来を描き出していた。まだ見ぬ子供たちの笑い声が、どこか遠くから聞こえてくるようだった。
光子がふいに立ち止まって、両手を腰に当てながらニヤリと笑った。
「ねぇ、ゆうちゃん。もし子供が生まれたら……名前、なんにする?」
優子は少し考えて、指を顎に当てながら歩く。
「ん〜、やっぱ男の子と女の子、一人ずつ欲しいよね。ほら、うちら双子やけん、きっとバランスもよかろ?」
光子は「うんうん」と大きく頷きながら、楽しそうに目を輝かせる。
「男の子やったら、元気で面白い名前がいいなぁ。たとえば……『笑太』! 笑顔の笑に、太陽の太! ギャグ好きの子になりそうっちゃろ?」
優子は爆笑しながら、すかさずツッコミを入れる。
「いやいや、名前からしてギャグ担当やん! でもいいねぇ。じゃあ女の子は……『美音』とかどう? 音楽の音を入れて、歌とか楽器が好きな子になるようにって。」
光子は「わぁ〜いいやん!」と目を丸くし、手をぱちんと合わせた。
「笑太と美音! 兄妹でコントしたり、歌ったりしたら最強やん!」
優子はくすっと笑って、遠くの朝焼けを見つめる。
「……ほんとに、そんな未来が来たら楽しかろうね。ギャグと音楽で、毎日大笑いやん。」
二人は顔を見合わせ、同時に吹き出した。
未来のことはまだまだ分からない。でも、笑いの絶えない家庭を築く自分たちの姿を、ありありと思い描いていた。
旅館に戻ると、廊下はまだしんと静まり返っていた。
部屋の障子をそっと開けてのぞくと、お父さんもお母さんも、アキラにいちゃんも美香お姉ちゃんも、まだぐっすり夢の中。
光子が口元に手を当てて、にやりと笑う。
「……よし、いたずらタイム突入!」
優子も目を輝かせて頷く。
「お姉ちゃん、電話作戦やね!」
光子はすばやくお父さんのスマホを手に取り、優子は美香お姉ちゃんのスマホを持ち上げる。
「よ〜し、せ〜の!でかけるっちゃね」
「うん、絶対びっくりするよ!」
二人は声を潜めながらカウントを始めた。
「さん、にー、いち……ぽちっ!」
――しーん。
……数秒後。
部屋の中でけたたましい着信音が鳴り響く。
「ブーブーブー!」「ピロリロリ〜ン!」
お父さんが布団の中で飛び起き、髪をボサボサにしながらスマホを探す。
「う、うわっ!?な、なんや!?朝から仕事の電話か!?」
美香お姉ちゃんも寝ぼけ眼でスマホを掴み、
「だ、誰よ……まだ6時よ……って、え!?優子!??」
隣の布団からアキラにいちゃんがむくりと顔を出し、
「え、なに……火事?地震?え、敵襲?」と訳の分からない寝言を言って場を混乱させる。
光子と優子は、障子の影から顔を出し、くすくすどころか大爆笑。
「お父さん、敵襲はないけん安心して〜!」
「美香お姉ちゃん、寝起きの顔やばか〜!」
部屋の中は、一気ににぎやかな朝を迎えたのだった。
美香お姉ちゃんはスマホを枕元に投げ出し、ぐったりしながらため息をついた。
「もう〜!何かあったかと思って焦ったんだから!」
すると、障子の影から顔を出した双子ちゃん。
両手でピースサインを決め、にや〜っと笑う。
「大成功〜!」
「作戦勝利〜!」
2人の満面の笑みに、思わずその場にいた全員の肩が抜ける。
美香は布団をバサッとめくりながら、ぷんぷん顔で言い放った。
「もうあんたたち、後でコチョコチョの刑だからね!」
その横で、まだ布団にくるまっていた美鈴お母さんが、髪をかき上げて眠そうに目をこすりながらぼそっと。
「ふん?……何があったと?」
優馬お父さんが天井を仰ぎ、
「……美鈴、説明するのもめんどいけん、あとで双子からネタとして聞け」
優子と光子はその瞬間、同時にツッコミを入れる。
「説明放棄するな〜!」
「これ、落語研究会やったら絶対ウケるやん!」
朝の旅館は、完全にお笑いステージと化していた。
「はいはい〜、極上サービスいきますよ〜!」
美香お姉ちゃんは、布団から飛び出すと、にやりと笑いながら双子ちゃんにじりじりと近づいてきた。
光子と優子は、背中を合わせて警戒モード。
「やばっ!逃げろっちゃ!」
「作戦失敗〜撤退〜!」
しかし、美香の素早さはさすが音楽のプロ(?)。
一瞬で2人を捕獲し、左右の脇の下に手を差し込んだ。
「はい〜コチョコチョの刑執行〜!!」
「ひゃははははっ!や、やめてぇぇっ!」
「にゃははは〜お姉ちゃん反則〜!!」
旅館の一室に、双子の爆笑絶叫が響き渡る。
その様子を布団に寝転んだまま見ていた優馬お父さんが、にやにやしながら一言。
「……朝から賑やかやなぁ。これ、温泉旅館ちゃうで、笑いの修行場やん」
美鈴お母さんはタオルで顔を拭きながら苦笑い。
「ほんとにもう、朝からギャグ台風やけん。館内放送で謝らんといかんごとあるね」
やがて、美香お姉ちゃんの「極上コチョコチョの刑」によって力尽きた双子ちゃんは、布団の上でぐったり。
「……もう無理……笑い死ぬかと思った」
「……これ絶対ギャグノートに書いとこ」
美香は得意げに胸を張り、
「ふふん、これが“美香スペシャル・モーニングコチョコチョ”よ!」
その瞬間、アキラ兄ちゃんがぽつりと一言。
「いや、それ名前つけるんかい……」
そしてまた一同、ドッと笑いに包まれた。
双子ちゃんが布団の上で笑い転げる姿を眺めながら、優馬はふと、少し遠い目をした。
「……なんか、懐かしかなぁ」
美鈴が怪訝そうに首を傾げる。
「懐かしいって、何がね?」
優馬は少し照れくさそうに笑って、
「いやぁ……美鈴が元気に戻ってくれてから、こうやって笑い合う光景を毎日見よると、ふと思い出すんよ。昔な、俺がちょっといたずらしたら、美鈴に“コチョコチョの刑”されよった頃をな」
美鈴は一瞬驚いた顔をした後、フッと笑みをこぼす。
「……あぁ、あったねぇ。あなたが変なギャグばっか言うけん、私が仕返しにコチョコチョしてたっちゃ」
「そうそう!ほんで俺が“やめろ〜!降参や〜!”て叫びながら転げまわって……。今思えば、あの頃からうちら、ずっとギャグと笑いで繋がっとったんやなぁって」
美香のコチョコチョに悶絶する光子と優子を見ながら、優馬は胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。
「なぁ美鈴……こうして娘たちが笑ってギャグやって、周りを幸せにしとる姿って、俺らがずっと昔にやりよったことの延長線上なんやろな。ほんと、俺たちのDNAはコチョコチョやな」
「はははっ、何そのまとめ方」
美鈴は笑いながら、そっと優馬の腕を小突いた。
「でも……そうやね。あの頃の私らが、そのまま二人に受け継がれてる気がする」
布団の上でまだ「ひゃ〜はははっ」と叫ぶ双子ちゃんの声が響く中、優馬と美鈴は目を合わせて、少し照れくさそうに笑い合った。
「よしっ!次のターゲットは……お父さんとお母さんやね!」
美香が指をビシッと突きつける。
「えぇぇっ!?ちょ、ちょっと待て、今の流れで何で俺らに来るんや!」
優馬は慌てて後ずさる。
「そやそや!お父さんとお母さんは審判役でよかろーもん!」
必死の抵抗を見せるが、美香はにやりと笑って、双子ちゃんとアイコンタクト。
「光子、優子!いっけー!」
「はいはいっ!」
「コチョコチョ大作戦発動〜!」
ドタバタッ!
布団の上で飛びかかる双子ちゃんに、美香まで加わって、優馬と美鈴はあっという間に捕まってしまう。
「や、やめろー!お父さんは年寄りやけん、コチョコチョに弱いんや〜!」
「お母さんもやめてーっ!笑い死ぬーっ!」
「情けなか〜!」「お父さん弱すぎ〜!」
「ほらお母さんもギブアップしとるやん!」
部屋の中は、まるでお祭り騒ぎ。
布団の上をゴロゴロ転げながら、笑い声が重なっていく。
「はぁっ……はぁっ……こ、これが……極上のコチョコチョの刑か……!」
「もう許してやって〜……ふふっ……!」
最後には全員が息を切らし、涙目になりながら布団の上に倒れ込んでいた。
笑いすぎて、胸がいっぱいになる。
その空気の中で、美鈴がポツリとつぶやいた。
「……なんか、幸せやね」
その言葉に、みんながうんうんとうなずいて、またくすっと笑いがこぼれるのだった。
「よしっ!次のターゲットは……アキラにいちゃんやね!」
美香が、悪戯っぽい目をしてにやり。
「えぇっ!?ちょっ、なんで俺!?俺なんもしてないやん!」
アキラは慌てて後ずさるが、美香がじりじりと迫る。
「してないことないやろ〜?さっきから笑っとったやん?笑いすぎは罪やけん、処刑対象〜!」
「そ、そんな理不尽なぁぁぁ!」
双子ちゃんは両サイドからアキラをガッチリホールド。
「にいちゃん、逃げられんばい!」
「もう覚悟しとき〜!」
「美香スペシャル〜!極上コチョコチョの刑〜!」
「うわあああっはっはっはっはっ!あかんあかんあかんっ!やめろ〜!死ぬっ死ぬっ!お腹ちぎれる〜!」
アキラは布団の上をゴロゴロ転げ回り、顔を真っ赤にして涙を流しながら悶絶。
「ほらほら、まだまだ〜!これがスペシャルやけん!」
「ぎゃはははははっ!も〜むりぃぃぃ!助けて〜優馬さぁぁん!」
優馬は涙をぬぐいながら爆笑。
「アキラ……すまん……お父さんにはもう止められん……!」
美鈴も腹を抱えて笑いながら、
「美香、ほどほどにしときぃ〜!ほんとに悶絶死するけん!」
しかし、美香はにやにやしながらまだ手を止めず、最後にとどめの一撃。
「これでフィニッシュっ!」
「ぎゃははははっ……はぁ……はぁ……もうアカン……!」
布団の上で完全に力尽きて、大の字に倒れ込むアキラ。
「……これが……美香スペシャル……極上……コチョコチョか……」
そうつぶやいて、まだ笑いが止まらない。
部屋は再び爆笑の渦に包まれた。
「ふふん。さて……最後のターゲットは誰にしようかねぇ?」
美香が余裕の笑みで周囲を見渡す。
光子と優子は「もう十分暴れたやろ〜!」と笑いながら後ずさり、アキラは布団に転がったまま「二度とごめんや……」と魂の抜け殻。
そのとき、美鈴がスッと立ち上がった。
「……美香、あんた。お母さんにもしっかり仕返しする覚悟はあるん?」
「えっ……?お母さんに?」
美香は思わず固まる。
「そう。あんたが執行しよる“極上コチョコチョの刑”。元祖はこのお母さんやけんね?」
美鈴の目がきらりと光る。
「えぇぇぇ!?元祖!?……って、まさか……」
美香が一歩後ずさった瞬間、美鈴は一瞬で間合いを詰めた。
「元祖極上なコチョコチョスペシャル、発動っ!」
「きゃあああははははははは!!や、やめてぇぇぇっ!!ぎゃははははは!お腹、やぶれる〜!し、死ぬぅぅぅぅ!!!」
美鈴の手は容赦なく、美香の脇腹、首筋、足裏とフルコースで攻める。
「まだまだぁ〜、ほら、笑い死なんごと耐えんね〜!」
「ひぃぃぃっ!はははははっ!ほんとに死ぬ〜!笑い死ぬ〜っ!!ぎゃはははは!!」
美香は布団の上を転げ回り、涙と笑いで顔がぐしゃぐしゃ。
光子と優子は腹を抱えて床をバンバン叩き、
「お母さん最強や〜!」
「お姉ちゃん、完全敗北やね!」
優馬も、思わず目尻をぬぐいながら、
「……やっぱり美鈴が元祖やったか。懐かしかぁ……俺も昔、何度やられたことか……」と笑いながら呟く。
最後、美鈴が「フィニ〜ッシュっ!」と手を離すと、美香は力尽きて布団に倒れ込み、両手をあげて白旗。
「……こ、これは……本物の……元祖極上コチョコチョスペシャル……もう勝てん……」
部屋は爆笑と拍手喝采。
こうして、美香の「極上コチョコチョの刑」は、本家・元祖に完敗して幕を閉じたのだった。