落研入部
双子ちゃんは中学校に入学すると同時に、落語研究会にも参加することに。オリジナルネタを編み出すため、日々ギャグの経験を活かして稽古を重ねる。そこで、光子は「三遊亭ピカ葉」、優子は「笑福亭優子丸」と名乗り、新作落語から古典まで幅広く挑戦することに決定。
高座にあがると、教室や会場に集まった同級生たちの期待が高まる中、双子ちゃんの落語が始まる。
•光子(三遊亭ピカ葉):「いやぁ、最近の若いもんは、スマホばっかり見よるけん、昔話も新鮮に聞こえるっちゃねぇ。」
•優子(笑福亭優子丸):「そいでな、うちのおじいちゃんが昔の話をしてくれたとよ。そしたら、えらいことになって…」
2人は掛け合いながらオリジナルストーリーを展開。古典的な枕や小噺も入れつつ、光子の鋭いツッコミと優子の大胆なボケが絶妙に絡む。観客は声を上げて笑い、拍手喝采。
オリジナルネタはもちろん、古典の落語も2人の手にかかればギャグたっぷりの新鮮な笑いに変わる。これまで培ったコントや漫才の経験を活かし、高座の上でも自由自在に笑いを作り出す双子ちゃんの姿に、落語研究会の先輩たちも感心しきりであった。
こうして、三遊亭ピカ葉と笑福亭優子丸は、ギャグと落語を融合させた新しい笑いのスタイルを中学校に根付かせていくのであった。
観客がざわつく中、優子が高座に上がる。
優子:「はい、どうも〜!笑福亭優子丸でございます〜!今日は皆さんに、私が最近体験した『ちょっと変わった学校生活』の話を聞いてもらおうかと。」
(観客、期待のざわめき)
優子:「いやね、うちのクラス、毎日がギャグの嵐やけん、授業中に腹筋が攣る日もあるとですよ。先生方も最初は、『ちょっと静かにせんと、腹筋がもたんやろ』って言うくらい(笑)」
(観客、くすくす笑い)
優子:「そいでね、この前なんか、給食の時間にお箸が勝手に踊りだす夢見たっちゃけど、目が覚めたらクラスメイトが勝手に手を叩きながら『せーの!』って合唱しよったと!もー、朝から笑いすぎて、ご飯全部吹き出しそうになったっちゃもん!」
(観客、爆笑)
優子:「でもね、そんな毎日やけど、笑うってすごかね。腹筋だけじゃなくて、心まで元気になるとよ。だから、皆さんも笑いは大事にせんといかんとですよ!」
(拍手喝采)
優子はにっこり笑いながらお辞儀をし、高座を降りる。その後、光子(=三遊亭ピカ葉)が続いて高座に上がり、優子の話を受けてさらに笑いの波を広げる準備が整う。
観客の拍手が鳴り響く中、光子が高座に上がる。
光子:「どうも〜!三遊亭ピカ葉でございます〜!今日は、ちょっと変わった『学校生活の爆笑事件簿』をお届けします〜!」
(観客、ざわめきと期待の笑い)
光子:「まずね、教室に入った瞬間、後ろの席の友達が突然『うにゃ〜あじゃぱー!』って叫ぶんですよ。え?何その掛け声?って思ったら、机の下に落ちてた文房具を拾う儀式やったらしい(笑)」
(観客、クスクスと笑う)
光子:「そんで、ある日、給食のデザートのプリンをみんなで取り合ってたら、なんとプリンのフタが飛んで、担任の先生の頭にピタッと…!あぁ、これぞ教室の伝説、プリン頭事件!」
(観客、大爆笑)
光子:「でもね、笑いって伝染するもので、隣の席の子も、後ろの席の子も、みんなでお腹抱えて笑うと、授業中なのに教室が一気にお祭り騒ぎになるとよ。いや〜、笑いってほんと、すごいパワーやね!」
(観客、拍手喝采)
光子:「ということで、皆さんも笑いを大事に。人生、笑いでいっぱいにして、腹筋も心も元気にせんといかんばい!」
光子はにっこり笑いながらお辞儀をし、高座を降りる。
観客:「ブラボー!」「もっと見たい!」と声援が飛び、優子との掛け合い落語の熱気はさらに増していく。
高座を降りた光子を、落語研究会の先輩たちが囲む。
先輩A:
「おぉ、ピカ葉、なかなかやるやん。教室ネタでここまで笑いを取れるとは、さすがやな!」
先輩B(少し年上):
「うんうん、笑いの間合いもええし、子どもらしい爆発力があって見てて楽しかったわ。」
先輩C(厳しめ):
「でもな、次はもうちょっと高座用のマクラを工夫してみたら?序盤の掴みがもっと強くなるはずや。」
光子(にっこり笑いながら):
「はい!ありがとうございます!次はもっと笑わせます〜!」
優子も笑いながら横からアドバイス:
「ピカ葉、笑いは力やけん、間を意識してみるともっとドカンと来るばい!」
先輩たちは頷きながら、光子のセンスを認めつつも、さらなる成長に期待している雰囲気。
こうして光子は、先輩の期待を背負いつつ、自分の落語の腕を磨いていくことになる。
•先輩A(ベテラン・優しい先輩)…三浦真一
•先輩B(少し年上・和やかタイプ)…大野悠太
•先輩C(厳しめ・指導熱心)…藤原俊介
•女子部員A(明るく元気、笑いのセンスあり)…枝光さくら(えだみつ さくら)
•女子部員B(クールで分析派、ネタ作りに秀でる)…八幡凛
•女子部員C(ちょっと天然でかわいい、愛嬌たっぷり)…戸畑ひなた(とばた ひなた)
落研の稽古が一段落し、部室の空気も和やかになった頃。
光子がふと、思い出したように先輩たちに声をかけた。
光子(三遊亭ピカ葉)
「そういえば…八幡先輩と枝光先輩って、妹さんおらすと?」
(部室が一瞬静かになる。優子も目を輝かせて身を乗り出す)
優子(笑福亭優子丸)
「この前、南小に行ったら、瑞穂ちゃんとひなたちゃんから“師匠〜!”って言われて、お笑いの稽古つけたっちゃ!それで、『うちのお姉ちゃん、中学校で落語やっとる』って話が出たとよ!」
(枝光さくらと八幡凛、顔を見合わせて、思わず笑ってしまう)
枝光さくら
「…バレたか〜。そうそう、瑞穂はうちの妹。あの子、ちょっと落ち着きないやろ? でも、元気だけは人一倍あるけん。」
(光子が身を乗り出す)
光子
「やっぱり!あのテンション、そっくりやもん!」
八幡凛(クールに微笑みながら)
「ひなたは、私の妹。おっとりしてるけど、ときどき妙なツッコミ入れるやろ? …あれ、家でも同じ。」
(優子が笑いながら両手を叩く)
優子
「やっぱり姉妹やったんや!ひなたちゃん、マイペースでシュールやけん、すぐ場をもってくとよ!」
枝光さくら
「へぇ〜、光子と優子に“弟子入り”とか言ったと? あの子たち、絶対すぐ調子乗るけんね(笑)」
八幡凛
「……でもまぁ、面白い組み合わせかも。南小のお笑いチームと、私たち南中落研。姉妹で舞台に立つ日が来るかもしれんね。」
(光子と優子、目を丸くしてから同時に叫ぶ)
光子&優子
「それ、めっちゃおもろいやん!!!」
部室に笑い声が響き渡り、思わぬ“姉妹コラボ”の未来が見え始めていた。
部室のホワイトボードの前。
先輩たちが椅子を並べ、光子と優子もワクワクした顔で座っている。
枝光さくら(腕を組みながら)
「でさ、瑞穂から聞いたけど……光子と優子、あの子らに稽古つけたっちゃろ?」
光子(三遊亭ピカ葉)
「うん!“師匠〜!”って言われて、うちらめっちゃ調子に乗ってしもうた〜!」
優子(笑福亭優子丸)
「でもさ、あの二人、なかなか筋がええっちゃん!笑いの飲み込みが早いけん、すぐに小ネタ作れるごたったよ。」
(八幡凛、ペンをくるくる回しながら冷静に口を開く)
八幡凛
「……だったら、いっそ“合同イベント”をやってみるのもありかもしれん。南中落研と南小1年生コンビ+双子の師匠。新しい試みとして面白い。」
(部室がざわつく)
大野悠太(和やかに笑いながら)
「おお、それええなぁ!“お笑いと落語の世代交流会”みたいな名前つけたら、絶対ウケるわ。」
三浦真一(頼もしくうなずく)
「おぉ、いいじゃないか!俺たちの寄席に南小の子らを呼んで、舞台に立たせてみよう。地域の人たちも呼んだら、学校同士の交流にもなるやろう。」
(藤原俊介、厳しめの声で指摘)
「ただな。ちゃんと“舞台”として成り立たせるには、構成を考えんといかん。落研としての看板を背負うんやから、子どもだからで許されるもんじゃない。」
(光子と優子、真剣な顔でうなずく)
光子
「わかった!お客さんを笑わせるんやけん、全力で稽古する!」
優子
「うちらも妹弟子の瑞穂ちゃんとひなたちゃんを、バッチリ仕込むけん!」
(枝光さくら、笑いながら瑞穂を思い浮かべる)
枝光さくら
「あの子、本番で暴走せんといいけどなぁ…」
八幡凛
「ひなたは……舞台の上で寝そう。」
(部員全員、吹き出す)
稽古風景
博多南小の音楽室。机をどけて、即席の稽古場に変わっている。
光子と優子は腕を組み、堂々と「師匠」の顔。瑞穂とひなたはワクワクした顔で立っていた。
光子(三遊亭ピカ葉)
「はい!まずは発声!“アホの坂田〜!”を10回、腹から声出して!」
瑞穂(全力)
「アホの坂田〜!アホの坂田〜!」
ひなた(マイペースに小声)
「……アホの…さかた……」
(優子、すかさず)
優子(笑福亭優子丸)
「ひなたちゃん、声ちっさ!これやったら、客席に“アホのささやき”しか届かんばい!」
(爆笑。ひなたは照れながら「はい…」とうなずく)
続いて、コントの練習。
瑞穂がプリンを取り合うネタを披露し、光子が即ツッコミ。ひなたは突然「先生、プリン頭やん」とシュールなボケを差し込み、稽古場が爆笑に包まれる。
枝光さくら(妹の様子を見て苦笑)
「やっぱり暴走しよる…」
八幡凛(冷静にメモ取りながら)
「でも…計算じゃなく自然体で笑いを生むのは強み。ステージ映えするわ。」
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本番当日
博多南小の体育館。紅白幕に「南中落研 × 南小笑劇場 合同イベント」の横断幕。
先生や児童、地域の人まで集まり、ざわざわと期待が高まる。
最初は南中落研の先輩たちが古典落語を披露し、会場を温める。
続いて、いよいよ双子ちゃんと妹コンビの出番。
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オープニングコント
(舞台中央に瑞穂とひなた)
瑞穂
「いや〜最近、給食が大変でね!」
ひなた
「……スプーンが逃げた。」
(会場、ドッカーン!)
(すかさず光子と優子が乱入)
光子
「ちょっと待った!スプーンが逃げるて何ばい!」
優子
「でもあれやろ?走るスプーンはフォークに捕まるっちゃん!」
(観客、爆笑の渦!)
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落語披露
光子は「寿限無」を博多弁で。
「寿限無寿限無、五劫のすりきれ…って長か〜!名前呼びよったら授業終わるばい!」
(会場、腹を抱えて大笑い)
優子は「時そば」をアレンジ。
「そば一杯、300円で。はい、“にーしーろーはちっ!”って…いや、九九で払えるわけなかろーもん!」
(先生たち、涙流して爆笑)
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クライマックス
瑞穂がテンション爆発、舞台を走り回る。
ひなたはマイペースで「……プリン頭事件、ほんとにあったらニュースなるよね」とつぶやき、笑いの波を起こす。
光子と優子が即座にツッコミでまとめ、四人で一礼。
光子&優子&瑞穂&ひなた
「ご清聴、ありがとうございました〜!」
体育館は割れんばかりの拍手と歓声!
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エピローグ
先生たちは廊下に出ながらお腹をさすり合っていた。
先生A
「やばい…腹筋がもう限界…」
先生B
「笑いすぎて授業にならんごとなるばい…」
観客の子どもたちも「またやってー!」と叫び、爆笑の嵐が博多南小を吹き荒れたのであった。




