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春介と春海、入園前の性格分析

双春の性格分析—春介と春海


全体像

•対人魅力が強い“場づくりタイプ”:ウィンク&投げキッスで空気を一瞬で和ませる/大勢の前での実演を楽しめる。

•観察力が鋭い:姉たちの“1秒の間”“息づかい”“手首の角度”まで再現ものまねコント

•安全とルールを大事にする:家ルール(3秒まで/怖かったら即終了)や合言葉を素直に使える。

•不安の扱いが上手:怖さを言語化→儀式化(にこシール、退散スプレー、ライト)で小さくできる。



春介しゅんすけ


気質・強み

•手順と合図が好きなリーダー肌:車掌さんごっこで「発車進行」「検札」を仕切る/場の安全確認が得意。

•リズム感と即応力:七ならべで“時合い”を感じて一気に流れを変える/コントの効果音ドーンを的確に入れる。

•戦術遊びが得意:「ひみちゅ作戦」など、隠し札・タイミングを楽しむ。


伸びしろ

•公の場での“誘惑モード”は申請と回数のセルフコントロールを覚えると無敵。

•突然音(ピンポン、家電音)への予告と選択肢があると安心して力を発揮。


ぴったりな役回り

•進行役/MC/安全係、パーカッション・ビート担当、乗り物系の解説や案内。



春海はるみ


気質・強み

•情緒表現に長けたアーティスト肌:歌・ピアノ・“しーん”の設計が得意/言葉に表情を載せられる。

•命名・可視化のセンス:「にこ切符」「にこタワシさん」など、怖さを“やさしい名前”に変換して空気を整える。

•聴く力と呼吸:発声の前の“すー…はー…”で自分と場を落ち着かせる。


伸びしろ

•吸気音・間の取り方をさらに磨くと、短尺でも伝わる表現が光る。

•センサー過敏(手乾燥機・暗い角)にはライト係・選べる動線が効く。


ぴったりな役回り

•ボーカル/メロディメーカー、ナレーション、絵本・ラッピングなどビジュアル寄りの企画。



二人の共通項

•合図で整う:「ストップ! ぎゅー! ライト!」で一瞬で切り替え可能。

•場の読解:客席の笑いが“細い/太い”を感じて間を調整できる。

•記録習慣:「写真一枚+短い言葉」で体験を積み上げるのが上手。

•家族・親戚ネットワークを楽しむ:初詣・本家集まりで自然体のパフォーマンス。



苦手・トリガー(把握済み)

•玄関チャイム、手乾燥機、家電の急な電子音、エスカレーター乗り始め、エレベーターのアナウンス声、暗い廊下の角、カーテンの揺れ、製氷機ドン、魚の目線…など突然・見えない正体。


効く対処

•事前予告/10秒で正体みせ/にこシールで見える化/昼の“にこ仕様”だけ/役割分担(ライト係・正体係・タイム係)。



育て方のツボ(いまの路線を強くする)

•見て→まねて→ちょっと足す→また見てもらうの循環を続ける。

•小さな舞台(家族・親戚・地域)で回数を踏む。

•合図言語(ててタッチ、しーん、出発進行)を増やすと集中が伸びる。

•公共の場では「ご挨拶版ウィンク(1人1発)」のルール化で魅力を安全に。



将来像のサマリ

•双春(SOUSHUN)=“安全に場を温める表現デュオ”

 春介:進行・リズム・運行設計 × 春海:歌・言葉・可視化

•舞台/教育イベント/ファミリーコンサート/地域公演など、笑い×音×やさしさの領域でスター性あり。


結論:二人は観察力と場づくりが核。怖さを道具と合図で扱えるから、年齢が上がるほど安定して人前で光るタイプ。コンビ名どおり、春は何度でも来る。このペースで積み重ねれば、姉たちと肩を並べる日は十分見えている。




双春の役割:ボケ=春介、ツッコミ=春海


結論から言うと、春介がボケ、春海がツッコミが一番ハマります。


理由さくっと

•春介:効果音・大げさポーズ・“ひみちゅ作戦”などで場を揺らすタイプ。車掌ごっこでもノリと勢いが先行=ボケ向き。

•春海:アナウンス役・説明役・「以上じゃないよ〜」の指摘など、整える力が強い=ツッコミ向き。


参考ミニ台本


春介ボケ「次は〜“たい焼き前・食べすぎ終点”〜」

春海ツッコミ「終点にせんで! まだ帰り着いとらん」

春介「乗り換えは“にこ切符”で無限」

春海「無限は交通法違反やろ。1回だけ」

春介「ほんなら、ウィンク……」

春海「申請してから! ほら“申請制”」

春介「……申請します(小声)」

春海「よろしい。いまのは有効」


たまに入れ替えもアリ

•行進曲ネタや歌モノでは、**春海=ボケ(言葉遊び)/春介=ツッコミ(テンポ止め)**にすると新鮮さが出ます。





双春の吸収速度は速い?—答えは「うん、かなり速い」


身近に“お手本(光子・優子)”がいるメリットが大きく、習得スピードは同年代より速いと見ていいよ。


理由(短く)

•模倣学習が常時オン:目の前で本物のボケ/ツッコミ、視線、手首の角度、呼吸まで観察→即コピー。

•即時フィードバック:その場で姉が微修正してくれるから、学習曲線が一気に立つ。

•出番が多い:家・親戚・外食・移動中…小さな“舞台”が毎日ある=反復量が段違い。

•心理的安全:失敗しても笑って終われる環境で、挑戦→修正→再挑戦の回転が速い。

•役割モデルが2名:ボケ寄り・ツッコミ寄りの両タイプを並行で学べる。


さらに伸ばすコツ(おうちでできる)

•30秒即興:お題カード1枚→30秒で小ネタ、終わったら“よかった1個・直し1個”。

•シャドーイング:姉の台詞を0.5秒遅れで追う→“間”の感覚が入る。

•役割入れ替え練習:週1で春介=ツッコミ、春海=ボケにして可塑性アップ。

•観客を変える:子ども/大人/初対面で同ネタを試し、通用度を点検。

•録って見返す:15秒動画→家族で“ここが効いた”を一言ずつ。


結論:双春は“観察×出番×安心”が揃っているので、吸収は速い。今のペースで“見て→まねて→ちょっと足す”を回していけば、実戦力はどんどん上がるよ。




比較メモ:先輩(光子・優子)vs. 双春(春介・春海)


立ち位置とキャラ

•光子・優子:

•光子=構成・設計(ネタ骨格/“しーん”の置き方)

•優子=進行・声・拾い(MC力/場の温度管理)

•双春:

•春介=ボケ(効果音・ポーズ・勢い/進行の真似も上手)

•春海=ツッコミ(言い換え・説明・締め/表情で“間”を作る)


技術の成熟度

・呼吸:先輩は“狙って”置ける/双春は感覚で再現する段階(ただし再現率高め)。

•アドリブ耐性:先輩=外乱を笑いへ回収可/双春=一瞬フリーズ→合言葉で復旧が速い。

•尺:先輩=5〜10分も安定/双春=15〜60秒が適尺(次は120秒へ)。


ネタ作りの型

•先輩:観察→メモ→仮稽古→小会場試運転→直し→本番。

•双春:観察→即コピー→一工夫(「にこ切符」「退散ダンス」)→再演。

→ 今後は**“2コマ台本”(起→落)とチェックリスト(小道具・合図)**を持つと一気に安定。


安全運用とファシリ

•先輩:家ルール提示・場の安全を“自分で張る”。

•双春:ルール遵守が得意。次の目標は自分から宣言(「今日はご挨拶版ウィンクだけ」など)。


観客レンジ

•先輩:多世代・海外含む大舞台でも調整可。

•双春:親族・近所・お店で爆発力あり。次は園・地域イベントで経験値を積むと良い。


シグネチャー

•先輩:二段落ち/“しーん設計”/言い換え回収。

•双春:ウィンク&ちゅっ/にこ切符/退散ダンス。

→ もう一つ言葉ギャグ(例:「発車合図=ててタッチ!」)を固定すると武器が3本に。


総評

•双春は吸収期のスピードスター。身近にお手本がいるぶん、同年代比で学習曲線が急。

•先輩は設計と回収の職人。並走で稽古すれば、双春は**“短尺職人→中尺職人”**に自然進化。

•目標は「再現できる笑いから意図して作る笑いへ」。このまま回数を踏めば、同じステージで並ぶ未来は十分見えるよ。





観察→再現の精度が高い(1秒の“間”、手首、息づかいまで真似できる)。

•命名と擬人化が自然(例:「にこ切符」「退散ダンス」=物事に性格を与える)。

•役割分担がハマってる(春介=場を揺らすボケ、春海=整えて返すツッコミ)。


伸ばし方(家で遊びの延長で)

1.「もし○○が人間だったら?」ゲーム

 例:シャワー=“せっかちアナウンサー”、蛇口=“のんびり解説者”。

2.勝手に実況(30秒)

 目の前の出来事をスポーツ中継風に。

3.2コマ台本(起→落だけ)

 紙に2コマ描いて、セリフは1人1行まで。


ミニ台本サンプル(すぐ回せる)


A)カマキリのケンカ=ボクシング

春介ボケ:「赤コーナー、カマキリ選手!“祈りの構え”!」

春海ツッコミ:「それ“ガード”ね。お祈りちゃう」

•春介:「レフェリーはテントウムシ、体重1グラム!」

•春海:「軽すぎて止められんやろ」


B)お風呂の黒カビ&ピンクカビ

春介ボケ:「黒カビ会長、会議は“しーん”で始めます」

春海ツッコミ:「始める前に掃除で退場です」

•春介:「ピンク副会長、色だけ元気!」

•春海:「元気でもブラシでさよなら」


C)掃除機 vs ほうき

•春介:「吸い込み怪人・掃除機参上!」

•春海:「怪人言うな。コード届かんから交代、ほうきイン」

•春介:「連携プレー! “チリトリ・フィニッシュ!”」

•春海:「決まった。はい、拍手」


この調子で「観察→置き換え→ひと言で落とす」を回していけば、いずれ**“日常をコント化する”職人**になるよ。姉ふたりのそばで場数を踏めている分、到達は早いはず。






「ない色を無理に作らんでいい。自分の目で見たことを“ちょいズラし”して笑いにしなさい」


と背中を押すはず。理由はシンプルで、実体験ベースは強くて・続けやすくて・回収しやすいから。



双春が“先輩と違う色”を出すコツ


1) レバーは4つだけ

•視点:子どもの目線/車掌視点/ぬいぐるみ視点…誰のカメラで観るかを先に決める。

•言葉:双春語(にこ切符・ばばけ退散・ゴトン)を“看板語”に。無理に大人語を足さない。

•体のリズム:ウィンク→0.5秒→ちゅっ、など“双春テンポ”を固定。

•音:合言葉・効果音・一音フレーズ(ぽん/ドーン/チーン)を必ず一本入れる。


2) ネタ作りの型(観察→ズラし)

1.観察メモ:そのまま一行(例「ソニック速い」「ピンポンびっくり」)

2.一言テーマ:何がおもしろい?(例「速さは“風の挨拶”」)

3.ズラし:比喩/擬人化/立場逆転(例「駅長=掃除機」「観客=魚の目線」)

4.2コマ台本:起→落だけ作る(15〜60秒)

5.試演→一行だけ足す(丸コピーで終わらない)


3) “双春らしさ”の方向性サンプル

•運行×ニュース:「双春運行センター」—日常をダイヤ化して発表

•生活×魔法:「にこ切符で通過!」—怖い場面を“通過”表現で解決

•安全×笑い:園・地域向けの“合言葉ショー”に強い



先輩ネタを“双春化”してみる例


例:お風呂の黒カビ&ピンクカビ

•先輩流:カビたちの会議→掃除でオチ

•双春流:「おふろ駅・清掃指令室」

春介ボケ「黒カビ列車、無賃乗車です!」

春海ツッコミ「にこ切符持ってません。ブラシ改札、お願いします」

•春介「ピンク列車、色だけ元気!」

•春海「泡フォース発動、ただいま通過処理完了」

→ 看板語(にこ切符/通過/改札)で“双春の色”に。



やらないほうがいいこと

•背伸びした毒舌や大人の皮肉を“借りる”こと

•先輩の丸写しで終わること(必ず一行“自分の発見”を足す)

•こわさトリガーを笑いにしすぎること(3秒ルールと即フォロー)



すぐできる練習メニュー(各3分)

1.もし○○が駅だったら?(冷蔵庫・洗濯機・歯ブラシ)→改札/通過で落とす

2.30秒実況(今見えるものをニュース化)→春海が締めの一言

3.ウィンク間トレ(ウィンク→0.5秒→ちゅっ→おじぎ)—テンポを体に入れる



結論:双春は、もう“素材を見る目”が育ってる。無理に新色を塗らず、見たものに自分の言葉とテンポを少し足す——このやり方で十分に先輩とは違う色が出るよ。先輩もきっと、その背中を押す。




掃除機エクスプレス—カーペット線


出演:双春(春介=運転士ボケ/春海=駅長ツッコミ)

小道具:掃除機=電車、ブラシ=改札、ダストボックス=車庫、延長管=増結車、コード=架線



春海(駅長・アナウンス)

「まもなく掃除機エクスプレス・カーペット線、1番ホームに入線します。

各停=弱モード、快速=強モード。乗り遅れのホコリさんはにこ切符のご準備を」


春介(運転士)

「発車しまーす! ノズル先頭車、ホース連結よし、パンタグラフ(=コード)上昇! …ビビッ(差し込み音)」


春海

「出発進行。最初の停車はパンくず町」


春介ノズルをシュッ

「パンくずさん、吸い込み口はあちらでーす!」


春海ツッコミ

「車掌さん、通路逆っ! それドアやなくて吸入口!」



春海アナウンス

「つづいてソファ下トンネル、車内灯をライトに切り替え」


春介

「くらやみ区間、ストップ! ぎゅー! ライト!——安全よし! …って、コードが短い!」


春海ツッコミ

「区間運転すな! 架線コード延長してから行きなさい!」


(延長コード“増設”)


春介

「増結完了! ただいまより快速運転、強モードに切り替えまーす」


春海

「風、強すぎ! 乗客ほこり飛び散るやろ!」



春海アナウンス

「まもなく角っこカーブ。ブラシ改札でカーペット線の住民チェックします」


春介ブラシでササッ

「黒カビ列車、無賃乗車はダメですよ〜。改札ブラシ通過お願いしまーす」


春海ツッコミ

「カビは風呂線のほう! 今日はカーペット線!」



春海アナウンス

「終点はゴミ箱駅・ダスト車庫前。降り口はこちら」


春介(カチッとダストボックス解放)

「全乗客、終点でお乗り換えでーす。圧縮乗車もご協力ありがとうございまし…たっ、フィルター詰まり!」


春海ツッコミ

「定期検査! 終点でやれ! 本線上で分解すな!」


(フィルターぱたぱた→復旧)



春介

「本日の運行、無事完了! 忘れ物は…ソファ下の伝説の豆!」


春海

「それ去年の節分! もう**臨時列車コロコロ**回してください!」



春海しめのアナウンス

「以上、掃除機エクスプレスでした。にこ切符はまたのご利用までずっと有効。

次回は**“洗濯機・脱水プリン線”**に接続します」


春介・春海(決め)

「ご乗車ありがとうございました!(ダブルウィンク→ちゅっ)安全運行でおやすみタッチ——ぱちん!」






幼稚園からできる?→できます(年少〜年長で段階調整OK)


結論:できます。年少(3〜4歳)は“まねっこ&掛け声中心”、年中〜年長(4〜6歳)は“役わり+セリフ少し”までいけます。


安全・準備

•道具:本物の掃除機は電源オフ(または玩具・段ボール製)。コードは出さない。

•時間:30〜60秒×2回(短く何度も)。

•人数:2人(運転士・駅長)〜5人(+ほこり役、改札ブラシ役)。


幼稚園版ミニ台本(60秒)

•役:運転士(春介ポジ)/駅長(春海ポジ)/ほこりみんな


1.駅長「そうじき えきに でんしゃ が はいりまーす!」

2.運転士「はっしゃ しまーす! ゴトン!」

3.駅長「つぎは パンくず まえ〜」

4.ほこり役:床をもぞもぞ(逃げる)

5.運転士「すいこみ ぐち は こっち〜」→手でスーッのマネ

6.駅長「くらい とこは?」「ストップ! ぎゅー! ライト!」

7.終点:駅長「ごみばこ えき〜」運転士「おりまーす!」

8.全員でおじぎ「ごじょうしゃ ありがとうございました!」


年齢別アレンジ

•年少:セリフは掛け声だけ(「はっしゃ!」「つぎは〜!」)。動き重視。

•年中:ほこり役を足して追いかけっこ要素。

•年長:“改札ブラシ”(手袋や紙うちわ)で通過ごっこ、簡単な落ちを入れる。


ルール(園向け)

•人に当てない/ぶつからない(“吸い込み”は空中で表現)

•怖かったら「ストップ! ぎゅー! ライト!」で即中断→再開

•音は声で効果音(強モードの大音量は禁止)


ねらい(先生向け一言)

•役になりきる想像力、順番待ちの社会性、合図での切替え、語彙(駅・発車・終点)。





博多南幼稚園・入園—笑いの連絡帳


春。桜がほどける頃、双春は美鈴の勤める博多南幼稚園に入園した。クラスは年少のたんぽぽ組。朝の会、おゆうぎ室の床は陽だまりで温い。


「今日から新しいお友だちです」

美鈴先生が紹介すると、二人は前に出て、深呼吸をひとつ。


春介・春海「双春です! 春をふたつ、にこひとつ。よろしくおねがいします!」

(ダブルウィンク→ちゅっ → ぺこり)


一拍のしーん。

——次の瞬間、先生方の腹筋が崩壊した。

「ちょ、反則」「可愛さの暴力……」と笑いが波のように走り、腹筋痛を訴える先生が数名。

廊下の向こうで副園長がつぶやく。「これ、**“整骨院送り案件”**ってあだ名つくやつやん」

(※実際は保健室でストレッチと温湿布、平和)


「ご挨拶の“誘惑”は申請制で一人一発ね」

美鈴先生がルールを確認すると、二人は「はーい」と返事。園の安全カードににこシールが貼られる。


この日の“朝のネタ”は、幼稚園版**「掃除機エクスプレス」**。

本物の掃除機は使わず、段ボールのノズルと紙のコード。


春海(駅長)「そうじき でんしゃ が はいりまーす!」

春介(運転士)「はっしゃ しまーす! ゴトン!」

「つぎは パンくず まえ〜」「すいこみ ぐち は こっち〜」

暗がり役の先生がカーテンを揺らすと、

全員「ストップ! ぎゅー! ライト!」

こどもたちは合言葉を復唱、にこが一斉に灯る。


笑いの波が落ち着いたところで、お片づけ。

春介「また する?」

春海「また する!」

美鈴先生が親指を立てる。「じゃあ金曜日の朝の会に、もう一回ね」



園だより・連絡帳(たんぽぽ組)

•きょうの様子:ごあいさつ→掃除機エクスプレス。合言葉「ストップ! ぎゅー! ライト!」を練習しました。

•こどもたち:まねっこ名人が多数。笑いで初日の緊張がほどけました。

•先生より:双春さんの影響で、“にこ切符”(手をあげて合図)が流行の兆し。安全面でも良い効果が出ています。

•次回予告:ばばけ退散ダンス(昼の“にこ仕様”)を予定。



帰りぎわ、園長先生が笑いながら言った。

「双春くんたち、博多南の**朝いち“腹筋ストレッチ係”**に任命します」

二人は顔を見合わせて「えへへ〜」。

入園初日から、園の空気はすっかり明るかった。





博多南の朝—双春タイム予報


入園初日が終わった帰りぎわ、職員室のドアが半分開いていて、笑い声がこぼれていた。

「……毎朝、何かやらかす未来しか見えんね」

「うん、朝いち腹筋ストレッチ係、正式任命でよか」

誰かがホワイトボードに書いた——〈朝いち双春タイム/3分〉。


その翌週から、朝はこうなる——



月曜「にこラジオ体操0.5」


春介「おはようございます、双春です!」

春海「まずはにこ体操、ジャンプは半分!」

園児みんなで“半分ジャンプ”。片足のくつが左右逆の子を見つけると、二人でしゃがんで

全員「ストップ! ぎゅー! ライト!」→履き直し。

先生ら、肩を震わせて朝から緩む。


火曜「掃除機エクスプレス・園内版」


段ボールノズルがホームに見立てられ、

春海(駅長)「つぎはパンくずまえ〜」

春介(運転士)「すいこみ ぐちは こっち〜」

“ほこり役”の子らが床をモゾモゾ→終点はゴミ箱前でおじぎ。

拍手→腹筋あたたまる。


水曜「みずやりニュース」


春海キャスター「本日の雨雲さん、入園です」

春介(雨雲)「しとしと ふります」

じょうろで植木に一杯だけ。最後は

全員「ありがとう、みず!」

先生、「朝から心が潤った」とメモ。


木曜「落とし物ニュース」


机の上に手袋と名札。

春介レポーター「現場からです。片っぽ手袋さん、飼い主求む!」

春海(ツッコミ駅長)「改札(箱)に保管。ててタッチしたら返します」

持ち主が手を挙げてニコ。連絡帳に「朝から解決」のスタンプ。


金曜「ばばけ退散ダンス(昼の“にこ仕様”)」


春海「こわかったら3秒まで」

春介「手はばいばい、足はトントン、口は——」

全員「ばいばい、ばばけ〜!」

笑いが弾けて、一週間の幕が閉じる。



帰りの門で、美鈴先生が小さく親指を立てる。

「明日の双春タイム、何にする?」

春介「でんしゃ!」

春海「うた!」

二人はウィンクを一人一発ずつして、ぺこり。

——明日の朝も、園の空気はきっとあったかい。





双春の鉄板ネタ:トランペット vs チューバ


設定:両親が福岡交響楽団の楽団員。楽屋あるあるを“幼稚園サイズ”にアレンジ。

役割:春介=トランペット(ボケ)/春海=チューバ(ツッコミ)/先生=指揮者



園児版(60秒)


先生(指揮)「はい、チューニング〜♪」


春介(トランペット・手をラッパの形)「ピ〜〜ッ! ぼくが主役!」

春海(チューバ・大きな円でベルの形)「どーん。主役は曲やけん。土台が大事」


春介「高い音ならてっぺん取る!」

春海「低い音で足場つくる」

(ここで二人同時に鳴らすマネ → ぐちゃぐちゃ)


先生(バトンで合図)「ストップ!」

春海「ほら、ててタッチで合図」→二人で手を合わせる

先生「順番いくよ。チューバが“どーん”→トランペット“ピッ!”」


(順番に:どーん → ピッ! を2回)


春介「なにそれ……気持ちいい!」

春海「順番が仲直り」


先生「最後はにこ終止!」

二人「どーん…ピッ!(おじぎ)」


(客席:拍手/先生は腹筋押さえ気味)



親戚・地域版(2〜3分)

•導入:春介「楽屋前、音出し対決!」/春海「ここ廊下、響きすぎ」

•“楽屋あるある”3連発:

1.**ミュート(弱音器)**ネタ

•春介「秘密兵器!(コップをベルにあてて)ピュ〜」

•春海「ミュートは礼儀。でもコップは食器」→先生が紙コーンを渡す。

2.テンポ言い合い

•春介「はやめ!」/春海「おそめ!」→先生「中くらい!」

3.休符のケンカ

•春介「休みのあとで入るのムズい」

•春海「数えると入れる」→二人で「しーん(1拍)→どーん→ピッ!」

•和解フィナーレ:

春海「低いのが床」/春介「高いのが窓」

二人「床と窓で、お部屋完成!」→どーん…ピッ!(深おじぎ)



小道具アイデア

•トランペット=紙コーン、チューバ=大きい丸フレーム(ハンガー+布)

•指揮棒=割りばし+紙テープ

•“ミュート”=紙コップ(園では口だけ当てるフリ)


お約束

•大声は3秒以内/つらくなったら「ストップ! ぎゅー! ライト!」で即中断。


このネタ、音楽一家の“あるある”が効くから毎回ウケる鉄板になるよ。





双春の“楽器ネタ”設計図〈園でも家でもウケるやつ〉


そう!“楽器ネタ”は見える・聞こえる・マネしやすいの三拍子で最強。ここから増やせる鉄板をコンパクトに置いとくね(全部60秒版/2〜3分版に伸ばせる)。


① バイオリン vs コントラバス「高い窓と低い床」

•役:春介=バイオリン(ボケ)/春海=コントラバス(ツッコミ)

•キメ台詞:「床があるけん、窓が映える!」

•60秒:〈ドーン(低)→ピッ(高)〉を交互→最後に**ドーン…ピッ!**でおじぎ。


② フルート vs オーボエ「ごあいさつAえー

•役:春海=オーボエ(“こんにちはAさん”)、春介=フルート

•流れ:オーボエが**「えー」と伸ばす→フルートが合わせて「えー!」→ズレたら駅長(先生)がててタッチ**でそろえる。

•オチ:「同じ“えー”でも、一緒に言うと気持ちいい!」


③ スネア vs バスドラム「行進のケンカ」

•役:春介=スネア「タタ」/春海=バスドラ「ドン」

•やること:ドン→タタ→ドン→タタの手拍子列車。

•オチ:「順番で歩けば転ばん」(全員で1歩進む)


④ トライアングルは主役になりたい

•役:春海=“チーン”のスター、春介=我慢係

•見せ場:3秒の“しーん”→チーン(1回だけ)

•オチ:「1回で拍手、いっぱいよりヒーロー」


⑤ 指揮者 vs メトロノーム

•役:春海=指揮、春介=テンポ上げがちなメトロノーム

•ギャグ:勝手に速くなる→ストップ!ぎゅー!ライト!でリセット→いち・に・さんで再開。

•オチ:「合図がそろえば音もそろう」


⑥ ピアノのエレベーター

•役:春介=階数案内/春海=ボタン係

•流れ:ドレミを1階・2階…と上昇→一番上で「屋上ガーデンです」→ミファミで降りておじぎ。

•オチ:「上も下も、戻ると気持ちいい」



全員参加のフィナーレ(90秒)

•合図だけで“からだ楽器オーケストラ”

•ドン=太もも、タ=手拍子、チーン=指ベル(空中)

•指揮:春海。暴走係:春介(→ててタッチで整列)

•ラストは**ドーン…ピッ!(手で)**→深おじぎ


小道具とルール(園向け)

•小道具は紙・段ボール・布(本物は音量注意)。

•人に当てない/大音量は3秒以内。

•こわい子がいたら合言葉で即中断:「ストップ!ぎゅー!ライト!」


成長に合わせた伸ばし方

•年少:掛け声・ポーズ中心

•年中:役割+1セリフ

•年長:休符(しーん1拍)や順番の意味まで遊びで理解 → 2〜3分版へ


“双春”なら、このラインナップでローテーション組むだけで一学期いける。





日常ネタパック—双春の“おうち&園”で使える10本


(※役=春介:ボケ/春海:ツッコミ。60秒目安/小道具は紙・段ボールでOK)

1.「くつ さかさ駅」

 春海(駅長)「くつ改札、かかと前進は禁止」

 春介(乗客)「あれ…左右こう?」

 春海「ストップ! ぎゅー! ライト! → ててタッチで履き直し」

 オチ:春介「すすむの かるい!」春海「それが正解」

2.「ピンポン警報」

 (チャイム役=指ベル)

 春介「ピンポーン! だれ? ばばけ?」

 春海「3秒だけ しーん → ライト → ててタッチ」

 オチ:春介「にこ配達でした(ウィンク)」春海「受け取り完了」

3.「おかたづけ選挙」

 春介(おもちゃ党)「床の政権を続行!」

 春海(はこ党)「箱に入ったら給水ポイント」

 → 交互に1個ずつ片づけ

 オチ:春介「はこ党 勝ちましたー」春海「床、ひろーい」

4.「おやつニュース・最後のひとくち」

 春介(記者)「たい焼き さいご、だれ?」

 春海キャスター「にこ切符 挙手で決定。じゃんけん3秒!」

 オチ:勝者が一口→敗者にちゅっのご褒美

5.「エスカレーター訓練」

 (床にガムテで“段”ライン)

 春介「うごくかいだん こわい…」

 春海「てすり隊 とうじょう! ててタッチ→1段ずつ」

 オチ:春介「のれた!」春海「おりるのもミッション完了」

6.「スーパー改札」

 (買い物かご=改札)

春海「やさいさん、にこ切符」

春介トマト「まるい きっぷ あります」

オチ:レジ(箱)で「ありがとうございました!」

7.「はみがき出動」

 春介(ねむけ団)「ねむねむ せいぎょ」

春海(ミント警察)「3・2・1で出動! 奥→前→ベロ」

オチ:春介「お口、にこー」春海「寝る準備 完了」

8.「おひるね列車」

 春海(車掌)「しゅっぱつ しんこー(深呼吸)」

春介(乗客)「ゴトン…ゴトン…」

オチ:春海「終点 ふとん駅」→二人でぱちん(おやすみタッチ)

9.「洗たくもの天気予報」

 春介(雲)「しとしと」春海(太陽)「ぽかぽか」

 → 室内干し or 外干しの宣言

 オチ:春介「つぎは ハンガー台風」春海「洗ピン防衛!」

10.「ゴミの日ロケット」

 (袋がふくらむマネ)

 春介「ロケット発射…3・2・1!」

 春海「ストップ! 空気ぬいて しばる」

 オチ:春介「地球を守った」春海「資源回収 かんりょう」



使い方メモ

•1本=30〜60秒。朝の会、帰る前、お片づけ前にちょい出し。

•合言葉はどのネタでも使える:「ストップ! ぎゅー! ライト!」

•“人に当てない/大声は3秒”を共通ルールに。





双春の「結婚して〜」ごっこ


夜。リビングのテレビでは女子バレーの中継。

スパイクがびしっと決まった瞬間、春介がソファの背もたれに乗って——


春介「ぼくとけっこんして〜!」

春海(即ツッコミ)「いまはサーブ! まず“がんばって”って言いなさい! けっこんはおとなになってから!」

春介「……がんばって〜!(小声)」


家族、どっと笑う。美香が肩を揺らし、アキラが拍手。

光子と優子が目を合わせて「DNA、受け継がれとる」と小声で頷く。


チャンネルが切り替わって、今度は男子サッカー。

フリーキックの名手が助走をとったところで——


春海「わたしとけっこんして〜!」

春介(食い気味ツッコミ)「いまボール置いとると! まず“決めて〜!”やろ! それからおなまえ言って!」

春海「きめて〜! ……はるみです!」

春介「よろしい!」


ゴールが決まって、二人でハイタッチ。

春介・春海「ぱちん!」


光子が笑いながら、注意書きを白いボードに書く。

•応援のことば=**「がんばって」「決めて〜」**

•けっこんのことば=冗談は小さめに一回だけ

•終わったらおじぎ


優子「はい、ごあいさつ版で練習もう一回」

春介「がんばって〜!(ぺこり)」

春海「決めて〜!(ぺこり)」

二人の“結婚して〜”は、ちゃんと応援のことばに着地する。


最後にサービスの小ネタ。

春介「ぼくとけっこん——(春海を見る)」

春海「ストップ! まずがんばって!」

春介「がんばって〜!(えへへ)」

春海「よし、にこ!」


テレビの音を少し下げて、家族みんなで笑う。

“昔のふたり(光子・優子)”の血は確かに流れてる。でも双春は双春らしく、ツッコミでちゃんと整える。

そのうち、冗談も応援も、もっと上手になるだろう。今日はここまで——おやすみタッチ。

全員「ぱちん」





ドームは今日もニコ天国—双春、はちゃめちゃ応援記


PayPayドーム。黄色いタオル、ちいさなメガホン、子ども用の耳あて。

いざ席に着いた瞬間から——


キックオフ(いや、プレイボール前)


春介「がんばって〜!」

春海「きめて〜!」

(よしよし、いいスタート…のはずが)


ビジョンに選手紹介。BGMドンドン——

春介「ぼくとけっこんして〜!」

春海「いまは応援!(ツッコミ)**がんばって〜**に切り替え!」

春介「がんばって〜!(全力)」

周りのお客さん、早くも肩を震わせる。


一回表:旗デカすぎ事件


持参の手作り旗を全力ブン。

後ろの席の方が笑いながら「でっか! でも可愛い!」

美香「お隣さんにごめんなさいペコリ」

春海「ちいさく ふる(手首だけのミニ応援を発明)」

以降、ミニ振りが周囲で流行。


3回:売り子さん大好きコール


飲み物の売り子さんが通るたび——

春介「いらっしゃいませ〜!」

春海「それはお店! でもありがとう〜!」

売り子さん「元気もらった〜」とニコ。席ブロック全体が和む。


5回:ポップコーン落下→即コント


ザザッ…と事件発生。

春介「ロケットはっしゃ!」

春海「ストップ! しゅうしゅう!(コロコロを渡すジェスチャー)」

周囲の大人が一緒に拾って→袋にIN。

拍手が起きて、係員さんもニコ「助かりました」。


6回:ビジョンに抜かれる


「FAMILY CAM」に双春ドーン。

春介・春海(息ぴったり)ダブルウィンク→ちゅっ→深おじぎ

モニターに「NICE WINK!」の文字。

スタンド「うぉぉー」→完全に場内メロメロ。


7回:ラッキーセブンに“退散ダンス”


風船ふくらませる前に——

春海「こわい子おる?」

(手が少し上がる)

春介「ばばけ退散ダンス! 手はばいばい、足はトントン!」

周囲のキッズ+大人「ばいばい、ばばけ〜!」

風船タイムは笑顔でクリア。


9回:勝負どころ


客席のボルテージ最高潮。

春介「がんばって〜!」

春海「いける!」

周りの知らないおじさんが一緒に拳を上げる。隣の席の女子高生も「双春、声いいぞ!」


——結果はサヨナラ勝ち。

紙吹雪みたいにタオルが舞って、ハイタッチの嵐。

春介・春海「ぱちん! ぱちん!」

係員さん「通路は歩いてね〜」→二人、すぐにててタッチで速度調整。えらい。


帰り道


ドームを出たら、耳あてを外してふー。

春介「また いこうね」

春海「つぎは ミニ旗 ふる」

美香「今日の記録、写真一枚とひと言で」


『ドームの風、にこ合図で味方。』


家に着く頃には、後部座席でコトン。

“はちゃめちゃ”だったけど、ちゃんと安全合図で戻れる二人。

次の応援も、きっとニコ天国になる。





それぞれの“はちゃめちゃ”—双春、現地応援版


A. PayPayドームでは——春海暴走、春介セーフティ係


ビジョンが光って音楽が鳴ると、春海のスイッチが勝手に入る。

応援歌はフルコーラス、タオルはフリ付き、合間に「ばばけ退散ダンス」まで繰り出す勢い。


春海「いくよー! せーのっ、ばいばい、ばばけ〜!」

春介「はい申請制! 一人一回! ミニ旗で!」(旗を小さく振る型を見せる)

春海「ミニ…了解!」(手首だけのミニ応援に切替)


7回の風船前、周りの子にまで波及しそうになると——

春介「ストップ! ぎゅー! ライト! 風船は立たない・離さない・合図待ち!」

春海「はーい!……でも、ウェーブの合図なら任せてっ」

結果、春海は“合図係”に収まり、ドーム一角の空気をふんわり整える。

はちゃめちゃの芯は盛り上げ力。春介の“安全アナウンス”とセットで、周囲は笑顔のまま。



B. 女子スポーツ(実業団バレー/卓球/バド/陸上)では——春介暴走、春海ツッコミ係


体育館の床が鳴ると、今度は春介のスイッチが入る。ローテ図を勝手に空中に描き、ラインズマンみたいにハンカチを振る。


春介「レフト、イン! アウト! タイム取って〜!」

春海「審判はあっち! 応援はこっち!」(観客マナーの掲示を指さす)


卓球になると、ラリーに合わせて**「ドン・タタ」の手拍子を設計。

バドではシャトルが上がるたびに全身ジャンプ**。

陸上はスターターの真似をして**「On your marks…」**と小声で始めようとする。


春海「スタートの合図出すのは係の人! 私たちは“がんばって”だけ!」

春介「がんばって〜!(全力)」

つい口が滑って**「僕とけっこんして〜!」**と言いかけると、

春海「まずプレー! けっこんはおとな!」

会場のベンチ付近まで聞こえる勢いで、周囲からクスクスと拍手。


結局、春介はリズムと合図の設計者に落ち着く。

春海が横でツッコミ&マナー調整を担当。

体育館の一帯が、いい温度でまとまる。



まとめ:はちゃめちゃ相関図

•ドーム(大箱・演出強め):

•春海=テンション爆上がり → 合図係に誘導

•春介=セーフティアナウンスで音量・動線を整える

•体育館/競技場(技術戦):

•春介=戦術・リズムで暴走 → 応援リーダーに昇華

•春海=即ツッコミ&マナー番で着地


どちらの“はちゃめちゃ”も、合言葉(ストップ!ぎゅー!ライト!)と申請制(一人一発のウィンク)があれば、ちゃんと周りをニコニコに変える力へ。

双春の応援は、今日も安全運行です。





いまの到達度(項目別)

•玄関チャイム:ほぼOK。事前に「来るよ」の一言+「ストップ!ぎゅー!ライト!」で安定。

•手乾燥機の爆音:ときどき苦手。タオル乾燥に切替 or 音の出る前に合図をもらえれば大丈夫。

•暗い廊下/カーテンの揺れ:ライト儀式でOK。自分たちで“見える化”できる。

•エスカレーター/エレベーター:訓練済み。初めての施設だけ慎重に「手すり→一段ずつ」。

大音量会場ドームなど:イヤマフ+“合図係”で対応可。盛り上がりすぎても戻れる。

•マスコット/仮装:距離とタイミング次第。自分から合図して一歩ずつ近づけばOK。

•突然の機械音(製氷機ドン等):事前予告があると楽勝。なければ“3秒ストップ”で復旧。

•魚の目線・ぬめり系:場所によってはまだ慎重。写真→本物の順で慣らすといける。


この先もラクになるコツ(短時間で)

1.“先に見る”:初見スポットは写真 or 小さな模型→本物。

2.“自分で役を持つ”:ライト係・合図係など“任務”があると怖さが薄まる。

3.“合図は常備”:「ストップ!ぎゅー!ライト!」は外でも家でも使える万能鍵。

4.“一枚記録”:あとで写真+ひと言を残すと、次回がもっとラク。


結論:この頃には**怖いものは“無くなる”というより“扱える”**段階へ。

双春はもう、そのモードにしっかり入ってるよ。





双春、現地応援はちゃめちゃ記


① PayPayドーム(春海・暴走篇)


ゲートをくぐった瞬間から、春海のテンションはスコアボード越え。

ビジョンに応援歌のテロップが出たらフルコーラス、タオルはフリ付き、隣のブロックまで巻き込む勢い。


「きめて〜!」

「いけるー!」

客席の視線が集まるたびに、春海は親指ピッで周りに合図→OKのうなずきが返ると、すぐミニ旗を片手にコールを編成。「前列は手拍子、後列は足トントン、サビで手上げ!」と、もう小さな応援団長だ。


7回の風船前、初めての子が怖そうにしているのを見つけると、春海は席の上で**“そっとふくらませる見本”をニコッと提示。隣席の大人が真似して場がゆるむ。

FAMILY CAMに抜かれた瞬間は——ダブルウィンク→ちゅっ→深おじぎ。

「かわいすぎ」と周囲が崩れ、見知らぬお姉さんからハイタッチが飛ぶ。

春介は横で音量とスペースの管理人**。旗を大きく振りたがる春海の手首をつまんで小さく、通路に出そうになれば肩をぽん。自由に暴れるのに、場は不思議と整っていく。


② 女子スポーツ(春介・暴走篇)


A. 実業団バレー


ホイッスルが鳴った瞬間から、春介の頭の中はローテ図でいっぱい。ハンカチを小旗にしてラインズマンの真似、ラリーに合わせたドン・タタの手拍子を勝手に設計。

思わず「ぼくとけっこんして〜!」と言いかけると、春海の鋭い一言。「まずポイント!」

すぐに「がんばって〜!」へ切り替えて、今度はサーブ前だけ静かに、得点後だけ全力という“応援ダイヤ”を作り、周囲の客席がそれに乗る。


B. 卓球・バドミントン


卓球は1本ごとに短拍、バドはシャトルが上がったら息を止めて、落ちたら手拍子。

春介がチラッと親指ピッ→隣席のうなずきを確認してから強弱をつける。

春海は隣でマナー番&ツッコミ。「今は静か」「ここは拍手OK」——合図は目線だけ。ふたりのリードで、小さな島がきれいに呼吸する。


C. 陸上トラック


スタート前、春介の口が勝手に「On your marks…」と動きかける——春海が笑って口に人差し指。

ピストル音に合わせず、フィニッシュラインの直前だけ“名前コール”を提案。

春介が先導、春海が締める。「○○、いける!」→テープを切った瞬間に手拍子の波。

通りがかったボランティアさんが「そのリズム、ありがたい」と親指を立てた。



どの会場でも、春海は大箱で弾ける盛り上げ役、春介は技術戦で燃える設計役。

ふたりとももう言葉の合図はいらない。迷った時だけ小さく親指ピッ、それで十分。

自由にやって、みんなが笑って、試合がもっと楽しくなる——双春の応援は、今日もはちゃめちゃで、ちゃんと気持ちいい。





くしゃみスタート—陸上スタンドの小事件


市民陸上の100メートル、ジュニアのエキシビション。

スタンドの前列で、双春はミニ旗を握りしめていた。会場がすっと静まる。


スターター「On your marks——」


ピン、と空気が張る。ブロックに両足、視線は前。

その“しーん”のど真ん中で——


春介「……ヘックチン!」


スタンドに軽く反響、レーンの何人かがビクッ。

一人が前に出て、隣も釣られて半歩——バババッと連鎖スタート。


次の瞬間、パン!(リコール)

赤旗が上がり、アナウンスが落ち着いた声で流れる。

「ただいまのスタートはフライングです。選手の皆さんはスタート位置へお戻りください。観客の皆さま、スタート直前はお静かにお願いします」


春介、固まる。隣の春海が即座に前を向いたまま小声で突っ込む。

春海「スターターやないっちゃろ! くしゃみは後半直線まで温存!」

春介「……ご、ごめん(親指ピッ)」

周囲の大人たちが「大丈夫大丈夫」と微笑んでうなずく。前列の係員さんも親指を立ててニコ。


春海はポケットからポケットティッシュをサッと渡す。

春海「鼻セーブ、発動。今日は“ミニ旗だけ応援”!」

春介、鼻先をおさえて深呼吸。旗を手首だけで小さく振るモードへ。


二度目の整列。

スターター「On your marks——」

今度はスタンドもピタリ。

パン!

きれいな等速で、七色のスパイクがまっすぐ伸びた。ゴール前、スタンドのリズムが自然にそろう。


春介「がんばってーー!」

春海「いける、いける!」

周囲の観客も笑いながら同調し、いい音の拍手がトラックにかぶさる。


ゴール後。

前の席のおじさんが振り返って、いたずらっぽく囁く。

「史上もっとも可愛い号砲やったね」

春介はぺこり、「次は静かに」と口パク。

春海が肩を小突く。「学習はやっ」


ふたりはミニ旗を畳んで、手のひらでぱちん。

小事件は笑いで回収、レースはまっすぐ胸の中に残った。





トラックに降る誘惑ウィンク


表彰が終わって、クールダウンの列が観客席の前を回る。

手すりのところで春介がちょこん——目が合うたびに、ウィンク→ちゅっ。

小さめ、ひとり一発。親指ピッで係員に合図、うなずきが返る。


最初の短距離選手が、胸の前でハートを作って返す。

中距離の子はわざと「うっ」とよろめいてノックアウト芸。

リレー組は全員そろって投げキッス返し、会場の空気がふわっと緩む。


スタンドの端で、コーチらしき人が苦笑しながら一言。

「あかん。あれ見てもうたら、メロメロになってまうやろ」


アナウンスがやわらかく入る。

「応援ありがとうございます。選手の皆さん、あたたかい拍手もどうぞ」


春海は横で腕を組み、渋くうなずく。

「今日は**“小さめ一発”作戦**、成功やね」

春介はぺこりと礼。最後に全選手へ、両手で大きなハート——

トラックじゅうから拍手の波が返ってきた。





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