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ジュネーブへ出発

夜、食卓の片付けが終わったリビング。

優馬は湯のみを両手で包み、ふっと息をついた。


静かな間が落ちる。テレビの音は小さく、窓の外では遠く電車の走る音。


優馬「…おれらの娘っちゃけど、いつの間にか、もう俺たちよりはるか先、歩いとるなぁって思うばい。」

美鈴「ほんとね。でもね、みっちゃんもゆうちゃんも、どこにでもおる“ふつう”の高校生たい。うちらは“ふつう”の親子やけん。」


廊下の影で立ち聞きしていた双子が、目を合わせて小さく笑う。そっとリビングへ出てくる。


光子「おとさん、おかさん。うちらがここまで来れたんは、ふつうを大事に育ててくれたけんよ。」

優子「先ば歩いとるように見えても、足元つくっとーとは家やけん。ありがと。」


美鈴が思わず二人を抱き寄せる。優馬は照れ隠しのように、わざとらしく咳払い。


優馬「よーし、じゃあ明日からは父ちゃんも“はるか先”行く練習ば始めるか。まずは朝ラン五キロ…」

美鈴「あんた三百メートルで膝やらすけん、まずはストレッチからたい。」

光子「じゃ、号令かけるね。“あんれまんまぁ〜”で力ぬこー!」

優子「せーの——」

全員「あんれまんまぁ〜!」


笑い声が弾け、いつもの“ふつう”が部屋に戻ってくる。

先を行く背中も、振り向けばすぐ手の届く距離にある。そんな当たり前が、今夜はひときわあたたかかった。





玄関のチャイムが、いつもより弾む音で鳴った。

ドアを開けると、花束や紙袋、鍋ごと抱えた近所の人たちが、笑顔の列をつくっていた。


「樋口(町内会長)」

「おめでとー! うちの町から国連平和大使が出るなんて、鼻が高か~!」


「西田さん(お隣)」

「明太たっぷりのポテサラ作ってきたけん、みんなで食べんね!」


「大橋さん(魚屋)」

「鯛の昆布じめ、祝いやけん奮発したばい!」


リビングに長テーブルを継ぎ足し、皿と湯のみが次々に並ぶ。美鈴がお茶を配り、優馬は座布団を追加。光子と優子は丁寧にお礼を言いながら、来客を奥へと案内する。


光子「みなさん、ほんとにありがとうございます! うちら、まだ実感わかんとですけど…」

優子「でも、みんなの応援が背中押してくれとーけん、めっちゃ心強いです!」


「樋口」

「スイスは寒かろう? 身体に気ぃつけんしゃいよ。これ、町内の寄せ書きたい。玄関に貼っとって、行く前に縁起ば担ぎんしゃい。」


広げられた色紙には、子どもたちの「がんばって!」と丸い文字、商店街の面々の力強いメッセージ。角に小さく、近所の整骨院から「笑いすぎ注意」と落款まである。


「西田さん」

「スピーチは、あの合言葉も言うと? 『鉄と爆薬の雨やなく、笑いと笑顔の雨ば降らせよう』って。」


優子「言います! しっかり、はっきり、ドーンと!」

光子「しかも最後はちょびっと歌も入れて、心に残るように工夫しとーとです。」


「大橋さん」

「おお、そげんね。じゃあ一節だけ、今ここで聞かせてくれん?」


拍手が起こる。光子と優子は目を合わせ、小さく息を吸う。二人のハーモニーがふわりと部屋に広がり、明るいのにどこか胸に灯るような、短いラブバラードのさわり。続けて二人は、定番の小噺へと滑り込む。


優子「ところで皆さん、洗濯機の“脱水”って英語で言うと何と思う?」

光子「“プリン・スピン”!」

優子「どこがプリンや!」

(一拍置いて)

優子「…でも今日は特別に——」

二人「この“脱水プリン”が黙っちゃいないぜ!」


ドッと沸く笑い。樋口会長が肩を震わせ、西田さんは涙をぬぐいながら「腹筋やらるる~」と悲鳴を上げる。


「商店街のパン屋・陽子さん」

「はぁ~元気もらった。向こうでも、そればそのまま届けんしゃい。ことばは違うても、笑いは世界共通やけん。」


光子「はい! それで、みなさんにお願いがあるっちゃけど…」

優子「“笑顔地図”って作りよって。町の人の笑顔写真ば集めて、スイスに持って行きたいっちゃん。世界の子らにも、うちの町の笑顔ば見せたかと。」


「樋口」

「よかねぇ! ほんなら今ここで撮ろうや。はい、チーズ——いや、“あんれまんまぁ~”!」


スマホのシャッター音が重なる。画面いっぱいの満面の笑み。小さな子どもがピースを間違えてグーを出し、また笑いが起きる。


「西田さん」

「向こうで困ったら、すぐ連絡しんしゃい。家のことは任せんしゃい、みんなで見回りしとくけん。」


優子「心強か~! ありがとうございます。」

光子「帰ってきたら、町内会館で“ただいまコンサート”やってもよかですか?」


「全員」

「よかよかーっ!」


最後は玄関先で花束と寄せ書きを抱え、みんなで記念撮影。掲げた手のひらには、ペンで描かれた小さなハートと「笑」。

ドアが閉まってもしばらく、部屋には温かなざわめきが残っている。


美鈴「…ありがたいね。」

優馬「うん。ここから始まって、ここに戻ってくるんやなぁ。」


光子と優子は寄せ書きを抱き、そっと額に当てる。

旅立ちの準備は、地図とパスポートだけじゃない。

——見送ってくれる町の笑顔、その全部が、二人の背中を押していた。






SNS大反響ダイジェスト


公式ポスト(一部抜粋)


光子&優子(@mitsu_yuu)


「鉄と爆薬の雨やなく、笑いと笑顔の雨ば降らせよう——10月、ジュネーブで全力で届けます。」

#笑いと笑顔の雨 #国連平和大使 #福岡から世界へ

コメント142,980 リポスト58,201 コメント39,114


FivePeach★公式(@FivePeach_official)


ロサンゼルス組曲、国連会議クロージングでフル演奏決定!演奏は福岡交響楽団×福岡高校選抜。

#ロサンゼルス組曲 #音楽で平和を

いいね96,310 リポスト41,002 コメント21,887


美香(@mika_piano)


「笑いと音楽は、国境をまたいで心臓に届く。」妹たちが証明してくれてる。誇り。

いいね88,455 リポスト30,221 コメント17,009


福岡高校 公式(@FukuokaHS)


本校生・光子さん&優子さんが“国連平和大使(日本代表)”に。学校をあげて応援します。

いいね 55,900 リポスト 22,340 コメント 9,812


福岡交響楽団(@FukuokaSym)


【特報】国連会場で「ロサンゼルス組曲」世界初演。リハ動画ティザー公開。

いいね61,104 リポスト19,008 コメント8,331


福岡市(@Fukuoka_City)


祝・選出!市役所1Fに応援ボードを設置中。皆さんのメッセージをジュネーブへ。

いいね43,202 リポスト 12,776 コメント 6,114


福岡県(@Pref_Fukuoka)


「福岡から世界へ」—若い力を県民みんなで後押し。

いいね 39,500 リポスト11,090 コメント 5,203



トレンド入りハッシュタグ(24時間)

1.#笑いと笑顔の雨(国内1位/世界4位)

2.#国連平和大使

3.#ロサンゼルス組曲

4.#脱水プリンが黙っちゃいないぜ

5.#福岡から世界へ

6.#音楽で平和を

7.#M1最年少から国連へ

8.#あんれまんまぁ

9.#博多の誇り

10.#五線譜で架け橋



代表リプライ&引用(抜粋)

•「泣いた。“笑い”をここまで真剣に語れる高校生、誇らしい。」

•「福岡→ジュネーブ、往復応援団でついていきたい勢。」

•「音で抱きしめるってこういうこと。交響楽団のみなさんも鳥肌。」

•「うちの子、いじめで笑えなかったのに、あなたたちの動画ではじめて笑った。ありがとう。」

•英語圏から:

•“Laughter as a language of peace. You have my heart.”

•“Please release the suite on streaming worldwide!”



エンゲージメント速報(48時間・推計)

•合計インプレッション:1.9億

•動画再生(リハ・ドキュメント計):3,250万回

•いいね:520万/シェア:182万/コメント:95万

•反応トップ地域:①福岡 ②関東 ③関西 ④北米西海岸 ⑤NZ



メディア/コラボ問い合わせ(一部)

•国際ニュース局:特集ドキュメンタリーの打診

•海外フェス:来年春の招待枠オファー

•教育委員会:学校向けオンライン講話の依頼

•公共交通:応援ラッピング&駅ビジョン放映の提案

•NPO:寄付連携&子ども向けワークショップ共同開催



ファンアート&二次創作

•「笑顔地図」プロジェクトに投稿殺到(家族・商店街・学校の笑顔写真)

•公式からの注意喚起:ロゴ・キャラの商用利用は申請制、非営利二次創作はガイドライン遵守で可



海外からの声(抜粋・翻訳)

•“From Los Angeles: Your music gave our kids hope. Come back soon.”(ロサンゼルスの施設より)

•“Wellington here—still smiling thanks to your stream.”(NZ・ウェリントン)

•“Vancouver stands with you. Peace through art.”(カナダ・バンクーバー)



公式アカウントの次の一手(告知案)

•光子&優子:インスタLive「笑いと平和の作り方」—Q&A+ミニ弾き語り

•FivePeach★:ロサンゼルス組曲メイキング短編を順次公開

•福岡交響楽団:ジュネーブ直前リハを一部ライブ配信

•学校/自治体:応援ボード巡回&出前トーク日程発表



ちょっとおまけ(コメント名言集)

•「爆笑は世界共通語、涙は翻訳不要。」

•「“国連でコント”を本気でやる高校生、史上初かもしれん。」

•「脱水プリン、ついに国際デビュー(※真顔)」


——

タイムラインは今も更新の雨あられ。

けれどスクロールを止めるたび、同じ言葉が並ぶ——

「行ってらっしゃい。笑顔、託した。」




件名:教室に“笑いと笑顔の雨”が降りました

From: 博多南小・教員(M)

本文:

光子さん、優子さんへ。今日、道徳の時間にお二人のスピーチ動画を流しました。しんと静まっていた教室が、終わる頃には笑顔でいっぱいに。最後の「争わんで、笑おうや」という言葉、黒板に残しておきます。ジュネーブ、教室総出で応援します。



件名:いじめで笑えなかった私が、初めて笑った日

From: 北海道・高校2年(R)

本文:

SNSで“鉄と爆薬の雨じゃなく、笑いと笑顔の雨を”を見て泣きました。私は去年、同級生からの悪質な画像拡散で学校に行けなくなりました。けれどお二人のネタと曲で、少しずつ夜が明けました。ジュネーブへ、私の“初めての笑顔”も持って行ってください。



件名:外来が拍手になった耳鼻科より

From: ○○耳鼻咽喉科・院長

本文:

先日はご来院ありがとうございました。待合でのミニアカペラ、患者さんから「痛みが軽くなった気がする」との声が続出。医学的に説明は難しいですが(笑)、確かに空気が明るくなりました。世界でも、その“空気”をお願いします。



件名:ステージ袖から鳥肌が止まりませんでした

From: 福岡交響楽団・ヴァイオリン(K)

本文:

ロサンゼルス組曲のリハで、弓を持つ手が震えました。音が“抱きしめる”瞬間ってあるんですね。ジュネーブ本番、全身で寄り添います。



件名:先輩たちの背中、追いかけたいです

From: 福岡高校吹奏楽部・1年(ホルン:佐々木 遥)

本文:

先輩のブレスのアドバイスで、柔らかい音が出せるようになりました。あの日の「あんれまんまぁ」で緊張もほどけました。九州大会、そして全国、ついていきます!



件名:保護者より—家で“非暴力”の話をしました

From: 2年・保護者(S)

本文:

ニュースを見た子どもが「ケンカじゃなく討論会で勝負するって、かっこいい」と言いました。夕食時の話題が“悪口”から“議論の仕方”に変わっています。ありがとうございます。



件名:[NZ] Thank you for making our kids laugh

From: Ryan(Wellington Child Resilience Center)

本文(English):

Your surprise call turned a gloomy afternoon into a festival. Our kids still imitate your “unyaa–ajapa” punchline. Come back any time—our door (and hearts) are open.

本文(日本語訳):

突然のビデオ通話が、どんよりした午後をお祭りに変えました。子どもたちは今も「うにゃ〜あじゃぱー」を真似しています。いつでも戻ってきてください。私たちのドアも心も開いています。



件名:[Canada] Laughter as shelter

From: Sophie(Vancouver War Orphans Home)

本文(English):

Some of our teens haven’t smiled in months. They did today. Your donation will fund weekly music-and-comedy workshops. You gave us tools, not just funds.

本文(日本語訳):

何か月も笑っていなかった子が、今日、笑いました。ご寄付は毎週の「音楽×コメディ」ワークショップの資金になります。資金だけでなく“道具”を与えてくれてありがとう。



件名:[LA] See you at Christmas—stream was perfect

From: Catherine(Sunlight Hope Children’s Center)

本文(English):

The live link at your show made our hall a second stage. Kids asked me, “Is peace always this fun?” I said, “If we work together—yes.”

本文(日本語訳):

ライブ中継で、私たちのホールが“第二のステージ”になりました。子どもが「平和って、いつもこんなに楽しいの?」と。私は「みんなで力を合わせれば、そうなるよ」と答えました。



件名:ラッピング列車、再始動しませんか?

From: ○○鉄道・広報

本文:

“うにゃシリーズ”で沿線の乗降が前年同期比+18%。期間終了後も継続希望の要望が止まりません。安全面・景観面に配慮した新デザインで、国連応援バージョンを走らせたいです。ご相談させてください。



件名:医療×笑いの共同プロジェクト提案

From: △△製薬・CSR室

本文:

“笑いと笑顔の雨”に共鳴しました。小児病棟でのオンライン公演と、ご活動への継続寄付マッチングをご提案します。長期的パートナーとして伴走させてください。



件名:番組より—帰国後の特番、お願いできますか?

From: 「さんまのまんま」制作チーム

本文:

ジュネーブ凱旋のタイミングで“笑い×平和”1時間特番を企画中。例の“脱水プリン”新作も、ぜひ…!(スタジオに湿布をご用意します)



件名:Management Inquiry

From: YOSHIKI Management

本文(English):

Congratulations on the UN invitation. Y wishes to attend if schedule allows. Also, would you consider recording a chamber version of your suite at his LA studio?

本文(日本語訳):

国連での公演おめでとうございます。スケジュールが合えばYOSHIKI本人も現地に伺いたい意向です。組曲の室内楽版をLAスタジオで収録する案もご検討ください。



件名:子どもが「いつか国連に行く」と言い出しました

From: 東京・小4の母

本文:

ニュースを見て、娘が地球儀を抱いて「私も笑わせる仕事で国連に行く」と。進路の話が“点数”から“社会と自分”に変わりました。ありがとう。



件名:ばあちゃんより—博多の空から祈っとるけん

From: 久留米・86歳(H)

本文:

難しいことはわからんばってん、笑い声はよか薬やね。身体に気ぃつけて、しっかり食べんしゃい。帰ってきたら、またラーメン食べにおいで。



件名:学校現場からお願い—オンライン講話できますか?

From: ○○中学校・生徒指導主事

本文:

“言葉で止める・笑いで解く”の具体例、とても参考になります。不登校支援・ネットトラブル予防の校内研修で、短いオンライン講話をお願いできないでしょうか。



件名:ファンより—配信と歌詞カードの英訳希望

From: 大学生・翻訳志望(A)

本文:

留学生の友達に曲を紹介したいです。歌詞の英訳版を公式に出してもらえたら、世界の人にもっと届くはず。無償でお手伝いもします!



件名:同世代の芸人より—勇気をもらいました

From: 関西・若手コンビ

本文:

“笑いが誰かの命綱になる”って、目の前で見せてくれてありがとう。舞台で迷ったら、あのハッシュタグを思い出します。#笑いと笑顔の雨







ジュネーブ前夜——二人の決意と本番スピーチ草稿


薄い高原の空気。ガラス越しに夕映えのレマン湖。

袖で手を合わせた双子が、いつもの合図で小さく笑う。


「(優子)こわかろうが、うちらは引かん。やるよ。」

「(光子)当たり前やん。笑いと音楽で、世界は変えられる。」


深呼吸――そして、二人は壇上へ。



スピーチ原稿(掛け合い・日英併記)


国連平和大使スピーチ(ジュネーブ)


話者:小倉 光子・小倉 優子(高校2年/双子)

日英併記・掛け合い形式



光子(日本語)

議長、各国代表の皆さま、そして世界中で平和を願うすべての人へ。福岡から来ました、高校二年生の小倉光子です。

Mitsuko (English)

Mr. President, distinguished delegates, and everyone who prays for peace around the world—good afternoon. My name is Mitsuko Ogura, a junior high school student from Fukuoka, Japan.


優子(日本語)

同じく、双子の妹・優子です。私たちは「笑い」と「音楽」で人の心をあたためる活動を続けています。

Yuko (English)

And I’m her twin sister, Yuko. Together, we’ve been using laughter and music to warm people’s hearts.



1) 私たちがここに立つ理由 / Why We Are Here


光子(日本語)

私たちは芸と勉強のただ中にいる高校生です。けれど、ライブや学校を越えて、災害・紛争・犯罪で傷ついた子どもたちと向き合ってきました。ニュージーランドでは自然災害で家族を失った子に、カナダでは戦争で親を亡くした子に、ロサンゼルスでは理不尽な犯罪被害の子に出会いました。

Mitsuko (English)

We’re students first—but beyond stages and classrooms, we’ve met children hurt by disasters, wars, and crimes: in New Zealand, Canada, and Los Angeles.


優子(日本語)

私たちの姉も、幼い頃に深い傷を抱えていました。笑えなかった姉が、少しずつ笑えるようになったのは、音楽と、日々のちいさな笑いが灯になったからです。

Yuko (English)

Our older sister once carried deep scars too. She slowly regained her smile through music and the small, daily sparks of laughter.



2) 笑いと音楽の力 / The Power of Laughter and Music


光子(日本語)

笑いは人の心に温もりと希望を運びます。私たちは、どんなに絶望的な表情だった子でも、いっしゅんの笑顔が生まれた瞬間を知っています。笑えたら、希望が生まれる。希望は夢になり、夢は生きる力になります。

Mitsuko (English)

Laughter brings warmth and hope. We’ve witnessed faces of despair soften into a smile. When you can laugh, hope sparks; hope becomes a dream; and a dream becomes the power to live.


優子(日本語)

だから私たちは、グッズ売上の一部を寄付し、現地の支援施設と連携して、言葉と歌と冗談で心を耕し続けています。

Yuko (English)

That’s why we donate part of our merchandise revenue and partner with local shelters—cultivating hearts with words, songs, and jokes.



3) 戦争が奪うもの / What War Steals


光子(日本語)

戦争や爆撃は、人々から笑顔を奪います。笑顔を奪われれば希望も消え、希望を失えば生きる力も夢も奪われ、憎しみだけが残る。私たちは、災害や犯罪、爆撃や戦争で笑えなくなった子をたくさん見てきました。それでも、私たちのギャグや音楽で、ふっと笑ってくれた。その一瞬が、次の一歩になります。

Mitsuko (English)

War and bombardment rob people of their smiles. Without smiles, hope fades; without hope, the will to live and to dream is taken—leaving only resentment. We’ve seen many children unable to laugh. Yet even a brief smile during a joke or a song can become their next step forward.



4) 核と人類は共存できない / Nuclear Weapons Cannot Coexist with Humanity


優子(日本語)

いま地球には、数えきれない核兵器が存在します。核は人類と共存できません。なお保有を主張するなら、どうか広島と長崎を訪れてください。瓦礫ではなく、そこに残る「人の物語」を見てください。そして、核の傘で本当に平和が守れるのか、真剣に問うてください。私たちは、恐怖ではなく信頼で、抑止ではなく対話で未来を守りたいのです。

Yuko (English)

Countless nuclear weapons still exist. They cannot coexist with humanity. If you insist on keeping them, please visit Hiroshima and Nagasaki and witness the human stories there. Then ask sincerely whether peace can truly stand under a “nuclear umbrella.” We seek to protect the future with trust, not fear—with dialogue, not deterrence.



5) 提案—笑顔を増やすための四つの約束


Proposals—Four Pledges to Multiply Smiles


光子(日本語)

① 子どもセンター連携:各国の孤児・被害子支援施設と文化交流を常設化。年2回の無償ライブ&ワークショップを行う。

Mitsuko (English)

1) Child-center Partnerships: Make cultural exchanges permanent; offer two free annual shows and workshops globally.


優子(日本語)

② 教育×メンタルケア:学校に「笑いと音楽の時間」を。表現・合唱・合奏・即興を通じて自己効力感を育てる。

Yuko (English)

2) Education & Mental Health: Add “Laughter & Music Periods” in schools—improv, chorus, ensemble—to build self-efficacy.


光子(日本語)

③ 現地才能の伴走:若い表現者を奨学金・機材・指導で支援し、地域での継続的な文化の芽を育てる。

Mitsuko (English)

3) Local Talent Incubation: Fund and mentor young artists; provide instruments and training to sustain local culture.


優子(日本語)

④ 測れる目標:参加者満足度、再登校率、PTSD指標の改善、地域イベント数など、成果を年次公開する。

Yuko (English)

4) Measurable Goals: Publish annual outcomes—participant well-being, school return rates, PTSD indicators, and event counts.



6) 呼びかけ / Our Call


光子(日本語)

私たちは政治家でも大人でもありません。けれど、世界のどこにいても、人は笑えば前に進めます。どうか、銃の代わりにマイクを、憎しみの代わりに歌詞を、沈黙の代わりに対話を——。

Mitsuko (English)

We are not politicians; we’re teenagers. But anywhere in the world, people move forward when they can smile. Please, choose microphones over guns, lyrics over hatred, and dialogue over silence.


優子(日本語)

最後に、私たちの合言葉を。

「鉄と爆薬の雨じゃなく、笑いと笑顔の雨を降らせよう。」

Yuko (English)

Let us end with our motto:

“Let it rain not iron and explosives, but laughter and smiles.”


光子(日本語)

ご清聴ありがとうございました。次は、心をつなぐ音でお会いしましょう。

Mitsuko (English)

Thank you for listening. May we meet next—through the sound that connects our hearts.






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