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高校2年、波乱の幕開け

春休みの落語ネタ披露


春のやわらかな風が吹き抜ける午後。光子・優子・さおりの三人は、地元のコミュニティホールを借りて「春休み特別落語会」を開くことになった。客席には、小倉家や赤嶺家、吹奏楽部の仲間たち、さらに地域の人々が集まって、すでに大盛り上がりの雰囲気。



開幕の挨拶

さおり(着物姿で扇子を広げて)

「えー、ただいまより、春休みスペシャル落語会を始めさせていただきます。今日は三人で力を合わせて、みなさんの腹筋を崩壊させにまいりました〜!」


客席から「待ってましたー!」の声と拍手が飛ぶ。



ネタ1「お花見ドタバタ」

光子:「桜の下で弁当開けたらね、ウチのお父さん、箸忘れてスプーンで唐揚げ食べよったとよ!」

優子:「それならまだマシやろ!最後は唐揚げをストローで吸おうとしよったやん!」

(観客:大爆笑)

さおり:「それ見て近くのおばあちゃん、『あんたらん家のお父さんは進化しすぎやねぇ』って言いよったもんね」



ネタ2「洗濯機プリン事件・落語版」

さおりが噺家調で説明を始める。

さおり:「えー、ある日のこと。洗濯機からプリンが回転しながら飛び出してまいりまして…」

光子:「脱水やけん回転数がMAXやったとよ!」

優子:「プリンがまるで『俺が黙っちゃおらんぞー!』って叫んでるように飛び出してきて…」

三人そろって:「ドカーン!」

(観客、腹を抱えて爆笑)



ネタ3「恋バナ落語」

優子:「春やけんね、恋の話もせんといかん。光子お姉ちゃん、この前、誰かに手紙もらってなかった?」

光子:「あれはなぁ、ただの電気料金の督促状やったとよ!」

さおり:「光子ちゃん、そこまで来たら逆に愛の告白よりもインパクト強いやん!」

(観客:どよめきと笑い)



締めの挨拶

三人で深々とお辞儀して、光子が一言。

光子:「春は出会いと別れの季節。けど、笑いがあれば寂しくないっちゃん!」

優子:「これからも、うちら三人で笑い届けていくけん!」

さおり:「また次の落語会でお会いしましょう!」


会場は大きな拍手と「ブラボー!」の声で包まれる。




三遊亭ピカ葉(光子)


ネタ:「スマホdeおばあちゃん」


導入


「えー、うちのおばあちゃん、最近ついにスマホデビューしたっちゃけどね……これがまた大騒動の始まりやったんよ。」


展開

•指紋認証を登録するはずが、なぜか反応しない。

「おばあちゃん、何で登録できんと?」

「ほら、餅食べながらやったけん、指紋がビヨーンって伸びとるんよ!」

•Siriに話しかけてみるおばあちゃん。

「今日の天気は?」 → 『はい、今日の餅の伸び具合は最高です』

(客席:ドッ)

•LINEの使い方が分からず、スタンプばっか送ってくる。

しかも同じ「ぴえん」スタンプを1分間に50連発。

「もうスマホが泣きすぎて水没するかと思ったばい!」


ボケ連発

•「おばあちゃん、アプリ入れすぎやろ!」

→「いやいや、漬物のアプリ入れたら、白菜がサクサクやけん!」

(客席爆笑)


オチ


「結局ね、おばあちゃん、スマホを“電子レンジのタイマー”にしか使わんごとなったっちゃ……最新技術の無駄遣いやろ!」



笑福亭優子丸(優子)


ネタ:「電車ギャグの旅」


導入


「この前、地下鉄に乗ったときの話なんやけどね。隣のおじさんが爆睡しとってさ……」


展開

•もたれかかってきて寝言で「……あんれまんまぁ〜」。

「電車の中でギャグ言わんでよ!周りみんな吹き出しよったし!」

•次の瞬間、車内アナウンスが流れる。

『次は〜博多〜博多〜』

おじさん「よっしゃ!ホームラン!」

「いやいや!阪神の実況ちゃうし!」


ボケ連発

•優子が真似してアナウンス風にギャグ。

『この電車は、爆笑快速“うにゃだらぱ〜号”です。途中、笑いすぎで呼吸困難になるお客様が出る恐れがあります』

(客席:大拍手)

•子供が「ママ、あのお姉ちゃん、駅員さん?」

「違うわ!芸人やろって顔に書いてあるやん!」


オチ


「結局、博多駅で降りる時、そのおじさん、改札の前で『ただいま延長12回、裏の攻撃!』って叫びながら去って行ったんよ!……あの人、どこの球団に所属しとるんやろねぇ!」



柳家さおにゃん(さおり)


ネタ:「猫カフェ珍騒動」


導入


「猫カフェって、ほんと癒やされる場所やと思っとったんやけどね……行ってみたらえらいことになったっちゃ!」


展開

•猫がやたら自分に群がってくる。

「おかしいなぁ……あ、ポケットに鰹節入れとった!」

•他のお客さんたちから嫉妬の目線。

「なんであの子ばっかり……」

→「いや、これ恋愛ドラマか!」


ボケ連発

•猫があまりに必死で、テーブルの上のコーヒーをひっくり返す。

「おいおい、ラテアートちゃうぞ!ラテキャットや!」

•「その猫、ずっと私の足元から離れんでね。もう“猫彼氏”やん!だって、彼氏より甘えてくれるし!」

(観客:ドッ)


オチ


「最後に店員さんから『またぜひお越しください』って言われたんやけど……その猫が出口で『にゃー!(絶対また来いよ)』って念押ししてきたけん、もう断れんやん!」




新学期 ― 波乱の幕開け


春休みが明け、福岡高校吹奏楽部には新しい一年生が入部してきた。

その中に、一際目立つ男子がいた。演奏技術は確かに高く、勉強の成績も優秀と聞こえてくる。

だが——態度が最悪だった。


「先輩とか関係ないっすよ。音が出せりゃ、上下なんかないでしょ」

「二年?三年?たった一年二年しか違わんやん。偉そうに仕切らんでください」


その言葉に部室の空気が凍りつく。二年生も三年生も顔を引きつらせ、どう対応していいか分からず固まった。



双子ちゃん、キレる


そこへ立ち上がったのが光子と優子。

普段はギャグで笑わせる二人だが、このときばかりは顔がスッと真剣に。


光子:「……あんた、何舐めてかかっとると?」

優子:「吹奏楽は一人でやるんやないっちゃ。みんなで音を重ねるけん、先輩後輩の信頼が大事なんよ」


男子一年は鼻で笑った。

「へぇ〜、“笑いの双子ちゃん”が説教とか似合わんっすねぇ」


その瞬間、優子がドスを効かせて一歩前に出る。

「……舐めとったら承知せんばい」


光子も畳みかける。

「お笑いだけじゃなく、うちら音楽にも本気やけん。笑わせるときは笑わせる。でも、仲間をバカにするやつは絶対許さん!」



空気一変


部室全体にピリッと緊張が走る。

普段ふざけ倒す双子が、本気で怒っている。その迫力に一年生は一瞬、言葉を失った。


三年の先輩たちも小声でささやく。

「やべぇ……光子と優子が本気モードやん……」

「これ、相手の男子、秒で沈むぞ」



ギャグの反撃


しかしここは双子。シリアス一辺倒で終わらせない。


光子:「じゃあ質問!あんた、音楽って何やと思っとーと?」

男子:「……技術っすよ」

優子:「はずれ〜!ブーッ!残念でした〜!」

光子:「正解は……愛と笑いやぁぁああ!!!」


突然の大声に一年男子は面食らい、周りは大爆笑。

緊張が解けると同時に、彼の顔が真っ赤になる。



まとめ


光子:「いい?楽器が上手いだけじゃ、吹奏楽部は務まらんっちゃん。仲間と一緒に音をつくる。その心を持っとらんとね」

優子:「もしどうしても分からんって言うなら……特別補習!ギャグ100本ノックやけん!」


部員たち:「うわ〜!これは一番きついやつや!」


一年男子は観念したようにため息をつき、

「……分かりました。先輩方、よろしくお願いします」

と小さく頭を下げた。




音楽室 ― 決戦の火ぶた


一年男子はまだ引き下がらなかった。

「へっ。どうせ先輩方って言っても、チューバとパーカッションしかできねぇんだろ?派手なソロもないし、地味なパートじゃん」


その言葉に、部室は静まり返った。三年の先輩たちは「終わった……」と顔を覆い、二年たちも息を呑む。


光子:「……おいおい。あんた今なんつった?」

優子:「チューバとパーカッションなめとんしゃろ?この楽器たちがなかったら、吹奏楽成り立たんのよ!」


一年男子:「じゃあ証明してみりゃいいじゃん」


光子はにやりと笑い、チューバを肩に抱える。

「上等やん。じゃあまず、あんたやってみ?ホルンでもクラでもなんでも、好きなフレーズ吹いてみぃ」


一年男子はクラリネットを取り出し、早口言葉のような超高速スケールを披露する。

「どや!これが俺の実力や!」



双子ちゃんの反撃


光子は余裕の笑み。

「はいはい。速いだけで音ペラペラやん」

そして、チューバで同じフレーズをそのまま吹き返す。低音の迫力が部室を震わせる。


優子:「次はうちの番たい。リズム任せな!」

スティックを手に取り、机をドラム代わりに。スネア・バス・シンバルの三点セットを一気に叩きこみ、ポリリズムまで混ぜて見せる。


一年男子:「なっ……!?」


部室に歓声と笑いが響く。



ギャグに転換


光子:「なぁ、技術自慢もよかけど、ほんとに音楽楽しんどーと?」

優子:「楽器は人を笑顔にするもんたい。笑顔ゼロの演奏に価値はなか!」


そう言って二人は顔を見合わせ、突然ギャグ演奏に切り替える。

光子がチューバで「ぶっぶー、洗濯機プリン〜♪」と吹けば、優子が「チーン事件シンバル!」とタイミングばっちりに鳴らす。


一年男子はついに堪えきれず、吹き出してしまった。

「……ははっ……なんすかそれ……!」



まとめ


光子:「分かったろ?音楽は上手い下手やなか。心でやるんよ!」

優子:「それが分からんうちは、あんた補習決定やけん!」


部員たち:「ギャグ補習!ギャグ補習!」


一年男子は観念して頭を下げる。

「……すんませんでした。俺、もうちょっと真面目にやります」


部室には再び笑いと拍手が広がった。




双子ちゃんの“全楽器制覇”宣言


光子はチューバを抱えたまま、すっと胸を張って言う。

「うちら、チューバとパーカッションだけやと思っとーやろ?甘かよ。ピアノも、ギターも、ユーフォニアムも、ベースも、ホルンも、クラリネットも弾けるけど?」


一年男子:「……えっ……」


優子が笑顔で畳みかける。

「私もドラムだけやなかよ。ピアノ、ギター、コントラバス、キーボード、ベース、サックス、フルート……大体ひけるっちゃん」


一年男子:「……いやいや……マジすか?」



実演開始


光子はさっとチューバを置いて、ピアノに座る。軽快なジャズのフレーズを叩きながら、最後は「うにゃだらぱ〜」で締める。


優子は横でサックスを手に取り、低音から高音まで流れるように吹き上げる。最後にお得意のドラムへ移り、爆速スティックさばき。


その連携は、部室にいた上級生たちの拍手と歓声を一気に呼んだ。



一年男子の崩壊


一年男子は口を開けたまま固まる。

「……す、すげぇ……なんだよ先輩たち……反則じゃん……」


光子:「反則やなかよ。努力とセンスの結晶や!」

優子:「あんたも練習すれば追いつけるかもね?10年後くらいに」


部員たち:「ぎゃははははっ!!」



ギャグ落ち


光子はチューバを構え直し、低音で「バカモノ〜♪」と吹く。

優子はシンバルを鳴らして「反省の音〜!」とドーン。


一年男子は頭を抱えて座り込み、完全降伏。

「……もう逆らいません……」


部室は大爆笑と拍手に包まれた。





舞台は吹奏楽部の部室。空気はまだピリッとしているが、窓の外では春の日差しがのんびりと揺れている。光子と優子は、いつものようにふざけているわけではなかった。今日は、態度の悪かった一年男子に「音楽と礼儀」を教える日だ。


「うちらね、バンドで楽器演奏しながらボーカルもやってるっちゃ。あんたやってみ?」

「まずは下級生から名乗るもんやろうが。きちんと挨拶もできんガキンチョが偉そうな態度取るんじゃないと、思いっきり凄まれるたい。」


光子の声は甘くない。優子のツッコミは鋭い。二人は背筋を伸ばし、先輩としての凛とした空気をまとっている。部員たちは息を呑み、年下の男子は固まったままだった。


男子はしどろもどろになりながら、やっと口を開く。

「お、……おはようございます。福岡高校吹奏楽部、一年の田中健太です。以後、よ、よろしくお願いします……」


その一礼はぎこちなかったが、部室にいた先輩たちはすっと肩の力を抜いた。まずは礼儀──それができるかどうかで、人としての入り方が決まるのだ。


「よか。まずはそれだけで一歩前に出たとよ。」と光子は言った。

「ほんなら次は実力見せてみ。うちらはな、楽器弾きながら歌うっちゃけん、あんたもやってみ?歌いながら演奏してみぃ。」


健太はびくっとする。楽器と歌を同時に、しかも先輩たちの前で──経験がないことは明らかだった。だが、ここで引き下がれば自尊心だけが残ってしまう。彼は意を決してクラリネットを構える。


「えーと……じゃあ、短いフレーズで……」

彼が吹き始めると、音はきれいに出た。テンポも安定している。しかし、歌を乗せようとしたとき、息継ぎのタイミングがずれ、音程がぶつかり、顔が赤くなる。


「おお……今のは……まあ、緊張すると誰だってそうやけんね。」優子がフォローするように言う。

「ほやけど、できる要素はあるっちゃ。呼吸と歌のタイミングを合わせる練習せんといかんよ。」


光子がピアノに座り、軽やかな伴奏を弾き出す。優子は隣で軽くリズムを刻み、部室は一瞬で小さなスタジオになる。二人はあっという間に編曲をして、健太にやさしく指示を出す。


「呼吸はな、ここで吸って、ここで吐いて、歌はこのフレーズだけ簡単に口ずさんでみるとよ。」

「ほんなら、メトロノームを60に下げるけん、まずはそのビートに合わせて吹いてみ。」


何度もやり直すうちに、健太の顔に少しずつ余裕が戻ってくる。声も楽器の音に重なり、リズムと旋律が合致し始めた。先輩たちは小さな拍手を送る。


「よかやん。今のは生まれたてのヒナみたいにぎこちないけど、芽は出とる。」と光子が笑う。

「うちらだって最初はぎこちなかったとよ。毎日毎日、誰よりも笑いながら練習してきたけん、あんたもやれるばい。」


そして、困っている下級生に対する“教育”は、ただ厳しくするだけではない。光子と優子は、学ぶ楽しさを教え、笑いでほぐし、厳しさで背中を押す。やがて健太は、小さなアドリブを入れてみせ、部室にいる誰もがそれに笑った。笑いは彼を緊張から解き放った。


「な、見たら?音楽は人を縛るもんやなか。自由にして、みんなで作るもんやろ?」光子が優しく締めくくる。

「ほんで、下級生らしく、まずは挨拶からやで。礼儀ば守ると、先輩も可愛がるけん。」


健太は深く一礼した。

「はい。田中、これからは先輩方の胸を借りて、しっかり学びます。よろしくお願いします!」


部室の空気は和らぎ、先輩たちの顔にも笑みが戻った。双子の教えは厳しくも温かい。音楽の現場で生き抜く術を、彼らは笑いと実力で示して見せたのだ。


その日の帰り道、健太は心の中で小さな誓いを立てる。あの先輩たちのように、人の心を動かす音を、いつか自分も出してみせる──と。光子と優子の背中は、夕陽の中で小さく揺れていた。




新入部員の衝撃と気づき


あの態度の悪かった男子は、光子と優子に一喝され、初めて自分の姿を突きつけられました。

「勉強と技術さえあれば誰も何も言わんやろ」と高をくくっていたのに、双子の圧倒的な実力と人間的な迫力に触れて、胸の奥から恥ずかしさと悔しさが込み上げたのです。


「俺、天狗になっとったんやな……。上には上がおるって、こういうことか……」


その瞬間、彼の中で何かが崩れ、同時に新しい芽が芽吹き始めました。音楽を“やらされているもの”ではなく、“誰かと作るもの”として捉え直すきっかけとなったのです。



新入部員たちの顔ぶれ


今年の入部者は十人ほど。例年以上に個性豊かで、吹奏楽部はさらに賑やかになりました。

•フルート担当:田村 美帆(1年)

 小柄で元気いっぱい。中学ではソロコンで県代表になった実力者だが、人懐っこい性格で先輩からも可愛がられる存在。

•トランペット担当:高橋 直樹(1年)

 体育会系ノリで声がやたら大きい。技術はまだ荒削りだが、場を盛り上げる力は抜群。

•ホルン担当:佐々木 遥(1年)

 おっとりとした性格。演奏は丁寧で安定感があるが、人前で話すのは少し苦手。

•クラリネット担当:田中 健太(1年)

 態度が問題視された男子。だが光子と優子に鍛えられ、心を入れ替えることに。

•打楽器担当:中村 海斗(1年)

 テンションが高く、お調子者キャラ。周りを笑わせながら、リズム感は天性のものを持っている。

•チューバ担当:井上 菜摘(1年)

 小柄なのに大きな楽器を軽々扱う。努力家で、すでに光子に懐いている。

•ユーフォニアム担当:黒木 航平(1年)

 真面目で几帳面。基礎練習を誰よりも大切にする。

•トロンボーン担当:山本 沙羅(1年)

 快活で男勝りな性格。低音パートの頼もしい存在になりそう。

•クラリネット担当:藤井 明日香(1年)

 明るく社交的で、女子同士の潤滑油的役割を担う。

•サックス担当:松岡 拓真(1年)

 少しクールでミステリアスな雰囲気。音色は柔らかく深みがある。



部活の雰囲気


十人もの新しい仲間が加わったことで、部室の空気は一気に華やぎました。

しかし、技術に差があるのも事実。そこで光子と優子は、先輩として「笑い」と「実力」で引っ張っていきます。


「ねぇ、今日の音程ずれとったやろ?あんたのラの音、完全に“あんれまんまぁ〜”やったもん」

「ぎゃはは!それはヤバい。もう“ラ♭”じゃなく“ラ爆笑”やね」


そうやって緊張をほぐしながらも、練習になると一気に真剣モード。新入部員たちはそのギャップに驚き、

「この先輩たちについていけば、間違いない」

と心の底から思うのでした。




新入生の力量を見極める ― 簡単な組曲合わせ


部活動の新しいスタート。

光子と優子、そして上級生たちは、まず新入生の技量を把握するために「簡単な組曲」を課題にしました。



選ばれた組曲

•第一曲:行進曲風の明るいテーマ

 リズムと音の大きさをそろえる練習。基礎的なアンサンブル力を確認。

•第二曲:バラード調のスローな楽章

 音の伸び、ブレスの取り方、感情表現を見る。特にクラリネットやフルートの新人にとっては試金石。

•第三曲:軽快な舞曲風(6/8拍子)

 リズム感と柔軟さのチェック。打楽器や低音パートがしっかり支えられるかが重要。



合奏の流れ

1.最初の音出し

 新入生の緊張が伝わり、最初はバラバラ。田中健太(態度悪かったクラリネット男子)は吹きながら冷や汗。

 光子:「はい、そこ!いまの“ラ”の音、完全に“あんれまんまぁ〜”やったけん!」

 優子:「リズム隊も走りすぎ!うちらマラソン大会来たんか〜?」

 場が爆笑でほぐれ、次第に音がまとまり始める。

2.第二曲・バラード

 佐々木遥ホルンの柔らかい音に、先輩たちが思わず頷く。

 光子:「おぉ〜、いいねぇ遥ちゃん。恋バナしながら吹いとるやろ?」

 遥:「え、ち、ちがいますっ!」(真っ赤)

3.第三曲・舞曲風

 中村海斗(打楽器)がノリノリで叩く。だがテンポが走りすぎて全体が大混乱。

 優子:「ちょっと海斗!その速さは“光速カレー混ぜ”やん!」

 海斗:「すんませ〜ん!」

 でも最後はみんな笑顔で乗り切った。



顧問・前原先生の総評

「一年生はまだ粗削りやけど、個性がしっかりしとる。技術もあるけん、これからが楽しみやな。ただし、態度も含めて“音楽は人との和”やけんね」


新入生たちの顔は汗だくでも、どこか誇らしげでした。



新入生歓迎会 & 自己紹介タイム


合奏を終えたあと、先輩たちから「じゃあ、ここからはリラックスしていこうや〜」と声がかかり、新入生歓迎会がスタートしました。



先輩からの流れ

光子:「じゃあまずは恒例!新入生ひとりずつ自己紹介や〜。ただし、ただの自己紹介やったらつまらんけん、最後に一発ギャグかモノマネ必須やけんね!」

優子:「うちらが先陣切って見本見せるけん、安心せぇ!」


2人がいきなり「洗濯機プリン事件コント」を即興で披露。

新入生たちは「え、これが基準なんですか!?」と顔面蒼白。



新入生の自己紹介

1.田中健太(クラリネット/博多中学出身)

 緊張で声が裏返りつつも「えー…ぼ、ぼくは…将来プロ奏者目指してます…」

 最後のギャグで「クラリネット吹いたら鳩出ます!」と楽器ケースから折り紙の鳩を出して爆笑をさらう。

2.佐々木遥(ホルン/春日中学出身)

 柔らかい声で「ホルンの音色みたいに、私もまろやかに生きたいです」

 ギャグは「ホルンで目覚ましやってみます!」とブオオ〜ンと吹き、みんな耳塞ぎながら爆笑。

3.中村海斗(パーカッション/大宰府中学出身)

 「俺は太鼓と一心同体っす!」

 ギャグは即興ドラムソロ、からのスティック落としてズコーッ。優子が「落ち武者ドラムやん!」とツッコミ。

4.山本葵(フルート/福岡西中学出身)

 「音楽も恋も、風に乗せて…♡」とキザな自己紹介。

 ギャグはウィンク…した瞬間、春介並みに女子先輩に悲鳴あげられる。「将来エロ大魔王候補!?」と爆笑。



まとめ

最後は光子が「うちら全員で、これから全国金賞目指して、楽しくやっていこうね!」

優子:「ただし、態度だけは間違うなよ?音楽は仲間で作るけん!」

新入生一同「はいっ!」と頭を下げ、会場は温かい拍手と笑いに包まれました。





吹奏楽部・2年生自己紹介


先輩の番がやってきた。1年生たちは緊張で固まっている中、いよいよ光子の登場。



光子(立ち上がって)

「どーも!博多南小から笑いと音を背負ってやってきた、チューバ担当の小倉光子です!」


1年生「おお〜!」(拍手)


光子はチューバを抱える仕草をしてから、ニヤリ。


光子

「うちの楽器はデカいばってん、音はあったかいとよ。…でもね、家に持ち帰ったら洗濯機より場所とるけん、お母さんから“どこ置くとよー!”って毎回ツッコまれるっちゃん」


部室、ドッと笑いに包まれる。


光子(さらに続ける)

「ちなみに、特技は“洗濯機プリン事件を再現できること”です!」


と言って、手に持った空ペットボトルを回転させながら、

「脱水モード、プリン発射〜!!!」と叫ぶ。


1年生は一斉に机をバンバン叩いて爆笑。


光子(最後に真面目なトーンで)

「笑いも音楽も、両方真剣にやるのがうちの流儀やけん!困ったことがあったら、何でも相談してよかけんね!」


拍手喝采。新入生の中には、「この先輩、怖いどころかめっちゃ親しみやすい!」と顔が緩む子も。





吹奏楽部・2年生自己紹介② 優子


光子の爆笑自己紹介が終わり、会場の空気がまだ笑いに包まれている。

そこに、スッと立ち上がる優子。



優子(落ち着いた声で)

「えー、みなさんこんにちは。博多南中出身、パーカッション担当の小倉優子です」


一瞬、部屋がシーンとする。光子のあとで静かなトーンに、新入生たちは戸惑う。


優子(間を取ってから)

「……って、なんでシーンとなっとるんね!どげんかせんといかんばい!」


机をドンドン叩きながら大声を張り上げ、唐突にツッコミ炸裂。


1年生「ひゃはははは!!」


優子(さらに畳みかけるように)

「私の担当はパーカッション。つまりドラム、シンバル、ティンパニ、果ては木魚まで。音が出るもんなら、全部叩きます!」


1年生から「木魚!?」「叩くんかい!」と総ツッコミ。


優子(ニヤリと笑って)

「でもね、私の一番得意なのは……双子の姉のボケを叩き直すことです!」


光子「おい!そこでうちを叩くな!」


部室爆笑。1年生の中には涙を拭う子まで。


優子(最後に真面目に)

「うちらは笑いのイメージが強いかもしれんけど、音楽に関しては真剣勝負。全国大会を狙って、一緒に頑張ろうや!」


拍手喝采。光子に続き、優子の自己紹介も大成功。




吹奏楽部・2年生自己紹介③ さおり編


光子と優子の爆笑自己紹介で、1年生たちはもう完全に「この先輩たち普通じゃない…!」と戦々恐々。

そんな中、すっと立ち上がったのは、クラリネット担当の さおり。



さおり(穏やかに)

「こんにちは。福岡高校吹奏楽部2年、クラリネット担当の白石さおりです」


クラリネットを軽く構えて、音を鳴らす……と思いきや、唐突に「ピーヒャラピーヒャラ」と某お祭りソングを吹き出す。


1年生「ぶっ……!?」

部室に爆笑の波が広がる。


さおり(真顔で)

「はい。クラリネットは真面目に吹けばクラシカル、ふざければ祭り笛にもなる万能楽器です」


光子「万能すぎやろ!」

優子「その発想が祭りやんか!」


さおり(さらに畳みかけるように)

「ちなみに私は、ギャグでボケるより、ツッコミ寄り。けど、双子先輩と一緒にいると、ついついボケ担当に回されるんですよねぇ」


光子「任せて!ボケの英才教育や!」

優子「ツッコミも負けんけん!」


さおり(クスッと笑って)

「音楽もギャグも全力で頑張りますので、一緒に楽しい部活ライフにしましょう!」


拍手喝采。新入生たちは、またしても「吹奏楽部って音楽部じゃなくてお笑い部じゃ…」と錯覚するほどのインパクト。





吹奏楽部・2年生自己紹介③ 鹿島さおり編


吹奏楽部・2年生自己紹介④


吉村朱里(アルトサックス担当)

「アルトサックスの吉村朱里です!泣かせるバラードからド派手なジャズまで、どんと来い!」

(即興でジャズを吹き、みんなが「おお〜!」と拍手)


光子「ちょっと待って、ここはジャズバーかなんか?」

優子「制服姿でサックスはシュールやん!」


朱里「音楽はカッコつけてなんぼやけん。よろしく!」



吹奏楽部・2年生自己紹介⑤


松永詩織(ユーフォニアム担当)

「ユーフォニアムの松永詩織です。派手じゃないけど、縁の下の力持ち。低音でみんなを支えるのが役目です!」

(やわらかい音色を響かせて、部屋がふんわりとした空気に)


光子「うわ、布団に包まれたみたいやん」

優子「例えが布団て!でも分かる!」


詩織「布団扱いは初めてやけど……まぁ癒し担当ってことで!」



吹奏楽部・2年生自己紹介⑥


小林樹里(トランペット担当)

「トランペットの小林樹里です!元気が取り柄!勢いなら負けません!」

(高音を「パッパラー!」と鳴らし、1年生が耳を押さえる)


光子「ラッパというより拡声器やろ!」

優子「音量テロやん!」


樹里「ごめんごめん!でも、これが私の持ち味やけん!」




2年生自己紹介③ 鹿島さおり編


光子と優子の爆笑自己紹介に場が大きく揺れたあと、静かに立ち上がるのは、クラリネット担当の 鹿島さおり。


鹿島さおり(落ち着いた口調で)

「福岡高校吹奏楽部2年、クラリネット担当の鹿島さおりです」


クラリネットを口に構えると――

突如「ピーヒャラピーヒャラ」と某お祭りソングを吹き始める。


1年生「ブッ!!?」

部室の空気は再び爆笑の渦に。


鹿島さおり(真顔で)

「クラリネットはね、吹き方によってはクラシックにもなるし、お祭りの屋台笛にもなる。万能楽器です」


光子「ちょ、屋台て!もうクラリネットちゃうやん!」

優子「お祭りモード全開やんか!」


鹿島さおり(クスッと笑って)

「まぁ、真面目にやる時はやりますよ。でも、先輩としては楽しく続けてほしいし、音楽も笑いも一緒に盛り上げていきたいです」


1年生たちは、再び「……やっぱりこの部活、普通じゃない!」と心の中でつぶやいたのであった。




吹奏楽部・2年生自己紹介⑦


中村大和(トロンボーン担当)

「トロンボーンの中村大和です!スライド操作は任せとけ!」

(勢いよくスライドを伸ばしすぎて、隣の朱里の譜面台にガツン!)


朱里「ちょ、楽譜がスライドに持ってかれたやん!」

光子「これは譜面泥棒やね」

優子「楽譜界のルパン三世やん!」


大和「ご、ごめん!笑いは取れたけん、よかろ?」



吹奏楽部・2年生自己紹介⑧


藤井航平(チューバ担当)

「チューバの藤井航平です。でっかい楽器やけど、音は柔らかいんです!」

(試しに低音を「ぶぉ〜ん」と鳴らすと、床が震える)


光子「わ!チューバ同盟!仲間できた!」

優子「でもその音、胃袋に直撃やん!お腹減ってきた!」


航平「じゃあ、俺の音でお腹鳴らし係やるわ!」



吹奏楽部・2年生自己紹介⑨


坂本蓮(クラリネット担当)

「クラリネットの坂本蓮です!見た目は地味かもしれんけど、縁の下で大活躍します!」

(澄んだ音色を響かせると、みんな一瞬静まり返る)


光子「うわ、急に高級レストランのBGMやん」

優子「さっきまで食堂のカレーやったのに、いきなりフルコース!」


蓮「いやいや、俺はBGM扱いかい!」




3年生自己紹介


① 田中宏哉(トランペット・出身:春日西中)


「3年トランペット、田中宏哉です。音の鋭さには自信あります!」

(高音をビシィ!と鳴らす)

光子「今の一発で窓ガラス割れたかと思った!」

優子「いやいや防犯ブザーやろ!」



② 松井里穂(フルート・出身:筑紫丘中)


「フルートの松井里穂です。高音キラキラ担当〜」

(フワ〜と優しい音色を響かせる)

さおり「おお、ディズニーのプリンセス感!」

光子「いや、ポテチ食べた後に吹いたら“プリングルスの精”やろ!」



③ 大川達也(チューバ・出身:那珂川北中)


「チューバの大川達也、3年です。低音任せてください」

(ドォーンと響かせる)

詩織「でた!たっちゃん!」

優子「低音というより地震速報やん!」



④ 内田奈々(クラリネット・出身:博多中)


「クラリネットの内田奈々です。息の長さなら誰にも負けません!」

(スーッと長音を伸ばす)

光子「まさか無限呼吸?鬼滅の音楽隊やん!」



⑤ 高橋悠斗(サックス・出身:大野東中)


「3年サックス、高橋悠斗です。ジャズもいけます!」

(ブルージーなフレーズを披露)

優子「今の絶対スナックで流れてるやつ!」



⑥ 岡村美咲(ホルン・出身:筑紫野中)


「ホルンの岡村美咲です!楽器の音色はやさしいですが、性格は鬼教官です」

(部員たちにビシッと目線を飛ばす)

新入生男子「ひぃっ!」

光子「このギャップでファン増えるんよねぇ」



⑦ 山下航(トロンボーン・出身:春日東中)


「3年、トロンボーンの山下航です。滑らかなグリッサンドに惚れてください」

(ズズーンとグリッサンド)

優子「惚れるっていうより“すべる”やったな!」



⑧ 白石彩花(パーカッション・出身:福岡中央中)


「3年、パーカッションの白石彩花です。ドラムセットからトライアングルまで全部叩きます」

(タンバリンを軽快に鳴らす)

光子「全身楽器屋さんやん!」



⑨ 平田直樹(トランペット・出身:大宰府中)


「トランペットの平田直樹です。宏哉とWトランペットで暴れます!」

(田中と同時に高音ブワァ!)

さおり「耳が爆散するわ!」



⑩ 村上智子(ユーフォニアム・出身:筑前中)


「ユーフォの村上智子です。マイナー楽器扱いされがちですけど、めちゃ大事なんですよ」

光子「ユーフォ最高!うちも愛用してるもん!」

優子「さっきまでチューバ担当て言ってなかった?!」

光子「浮気じゃないっちゃ、愛情表現やけん!」



⑪ 西田健(クラリネット・出身:平尾中)


「クラリネットの西田健です。目立たんけど、いぶし銀です」

優子「渋い!でも髪型が銀杏やん!」



⑫ 桐生舞(フルート・出身:南当仁中)


「フルートの桐生舞です。みんなで金賞、全国、取りましょう!」

(堂々とした声に拍手が起こる)

光子「最後はえらい真面目で締めたね!」

優子「逆にオチがないオチ!」



全体の雰囲気


3年生はさすがの存在感。楽器の技術もさることながら、キャラも濃い!

新入生は「この先輩たちについていけるのか…」と戦々恐々。

一方で、光子と優子は「いや、うちら2年でも十分ヤバかろ」と胸を張っていた。








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