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少し未来のドタバタ展開

幼稚園編・カオスファミリー/“笑育しょういく”始動


――午前8時40分、博多区・小倉家。

玄関のドアが開くたび、笑いと足音とプリンの亡霊が出入りする。


最前列を小走りで駆けるのは、青柳家の長男・青柳 陽翔はると

その後ろに、ひらひらスカートで跳ねる画伯系ガール、青柳 彩羽いろは

柳川家サイドからは、すでに眉間に知性のシワが寄りがちな柳川 悠翔ゆうとと、ふわふわ笑顔の柳川 灯乃ひの

ベビーカーには、まだ“ぷにすけ”仕様のおくるみでご機嫌な柳川 結音ゆのんが「うにゃだらぱ〜」と宇宙語を発し、

廊下の突き当たりでは、10歳コンビの春介&春海が、朝から兄妹漫才のリハに余念がない。


親世代は――

光子と優子が“笑育”担当ディレクター顔で腕を組み、

翼と拓実は「今日は巻き込まれませんように」という顔で小さく祈り、

美香とアキラは楽器ケースを抱え、

美鈴は台所から「朝ごはんおかわりあるよ〜」と、最終的に全員正座させる権限を背負って登場。

優馬は鏡の前でビーナスは美の焼酎ポーズを研磨中――もはや朝の風物詩である。



第一幕:幼稚園・発表会「ぞうさん(令和改訂版)」


遊戯室の幕が上がる。

タイトルは**《笑育ステージ#01:ぞうさん in 博多》**。


ピアノの前で先生が深呼吸。「今日は普通に終わらせたい……」という願いは、舞台袖で粉々に砕けている。


陽翔(舞台中央・仁王立ち)

「♪ぞ〜うさん、ぞ〜うさん、は〜な〜が、Wi-Fiびよ〜ん♪」


客席(親&先生)

「ちょっと待てぃ!」


悠翔(すかさず前に出て)

「はなの通信速度どげんなっとーと!? 5G回線通っとらんやろ!」


彩羽(クレヨン片手)

「Wi-Fiはお絵描きに塗ったら早なるもん!」


灯乃(ほわっと微笑み)

「うちのぞうさんはやさしかアンテナ〜♪」


先生(袖から慌てて)

「ちょ、ちょっと!“やさしかアンテナ”って何!?」


優子(客席からツッコミの構え)

「アンテナは心に立てんしゃい!」


光子(腕組み・満面)

「ほら見て、笑育、育ってる〜〜!」


ステージは瞬く間に“改訂版”に書き換えられ、二番の歌詞は**『お風呂でミノムシになったら電波良好』という謎世界へ突入。

先生のピアノはAメロからBメロへ移動するたび、和音が困惑を奏でる。

ラストは四人が手をつないで回転、結音の「うにゃだらぱ〜」が高音のシンバルみたいに乗って、会場は拍手と笑いの雷鳴**。


先生マイク

「……えっと……発表会は、笑育科目に移行します!」


掲示板の本日の科目が、黒板消しで体操→笑育に上書きされた。



第二幕:運動会「借りボケ競争」


園庭は抜けるような秋晴れ。

テント下では、優馬がフルートみたいにストローをくわえ、スポドリを鼻から噴射しないよう必死に耐えている(家系事故歴がある)。


アナウンス(先生)

「続きまして新競技、借りボケ競争です。カードを引いて、そのお題に合う“ボケ”を、速やかに借りてきてください!」


春介(10歳・スターター脇でドヤ)

「司会はオレ! 四代目エロ大魔王(候補)、春介様やけん!」


春海(同・ジト目)

「その肩書き、園内NGやけんね? 二度言わせんなよ」


ピッ! 笛が鳴り、園児たちが一斉にカードを引く。

陽翔のカード:『家の黒歴史ボケ』

悠翔のカード:『論理的に破壊』

彩羽のカード:『アートで解決』

灯乃のカード:『やさしさで場を収める』


陽翔(即断)

「黒歴史は洗濯機プリン事件やろ! ほら行くばい!」


彩羽(洗濯機の絵を抱えて登場)

「**“回転注意”**って赤字で描いといた〜!」


悠翔(指を一本立てて)

「まず前提が破綻しとる。プリンは湯せんで固めるもんであって、遠心力で増殖せん!」


灯乃(周りにタオル配りながら微笑)

「ほら、転んだ子にもタオル。やさしか気持ちで後始末したら、どんなボケも大丈夫〜」


保護者席、爆笑と頷きの渦。

春介はうずうずとマイクへ手を伸ばすが――


美香(背後からデコピン)

「越線。園のマイクは園のもん」


春介

「ひゃいっ……」


春海(マイクを受け取り)

「正論女王・春海が総括。――笑いは後始末までがボケ。以上!」


審判旗、白白白白。

新競技は“笑いの安全管理”も含めて満点であった。



第三幕:食卓「M-1予選 in ダイニング」


夜。

鍋の湯気がゆらぎ、テーブル上には具材と笑いの伏線が整列。


陽翔

「おとーたん、肉団子三段重ねにしてもよか?」


翼(苦笑)

「三段目が重力に敗北するっちゃけどね」


悠翔

「ほら言わんこっちゃない、落下予測どおり。汁の飛沫分布が――」


優子

「分析は食後にしぃ!」


彩羽(器用に人参を星形に抜きながら)

「星座サラダ〜。オリオン座はママのツッコミでできとると」


灯乃(湯気をふーふー)

「うちは“やさしか座”。みんな、あついからゆっくり食べよ〜」


結音ハイチェアから

「うにゃ、だら、ぱ〜〜」


全員

「出た! 必殺・宇宙語効果音!」


そこへ、優馬が鏡を抱えて登場。

優馬

「ビーナスは美の焼酎……この角度がパーフェクト――」


美鈴

「座りんしゃい」


一言で落雷のように場が締まる。

春介がそっと陽翔に耳打ち。


春介

「おじいちゃん、一言で正座やで。あの威力、いつか習得したい」


春海

「その前に宿題習得して」


テーブルはこの日も、笑いと栄養の同時摂取に成功した。



第四幕:お風呂「仁義なき特等席バトル2025」


湯気の向こうで、**“特等席(ママの膝)”を巡る攻防が始まる。

壁には、家内安全お札の隣に「おならブー安全装置・解除禁止」**が貼られている(鳥族から贈呈・※家ぐるみの謎コラボ)。


灯乃

「今日はママの膝、ひののもん〜♪」


陽翔

「いやオレやけん。抽選しようや!」


悠翔

「抽選方法はフェアネス重視で――」


彩羽(泡でほっぺに雷マークを描く)

「抽選の神さま、ドーン!」


光子&優子(同時にツッコミ)

「泡で神おろしするな!」


その隙に、春介が美香の膝を狙ってすべり込む――

美香(無言で片手キャッチ→回転→湯面安置)

「技有り。次やったら反則負け」


春介(湯面から親指を立てて)

「了解」


春海(タオルを渡しながら)

「お風呂場だけは**水入り(休戦)**にしとき」


湯気の向こうで、笑いはあたたまっていく。



第五幕:布団「合戦・ミノムシ七変化」


消灯五分後。

寝室はすでに寝息>笑い声の黄金比を崩し、

合図もなく布団ミノムシの群れが発生。


陽翔

「ミノムシ攻撃・縦回転!」


彩羽

「ミノムシ攻撃・アート巻き!」


悠翔

「ミノムシ攻撃・条文遵守! 寝具は個別所有が原則――」


灯乃(そっとみんなを自分の布団へ寄せて)

「合同ミノムシにしたら、あったかいよ?」


翼(布団端で小声)

「光子、これ……幸せやね」


光子(頷き)

「うん。うちらの笑い、ちゃんと次に届いとうね」


拓実(天井を見上げて)

「優子、うちは……今日も巻き込まれて良かったわ」


優子(苦笑)

「なんちゅう感想よ。――ありがと」


そこへ、襖がスッと開く。

影法師のように立つ二人――春介&春海。


春介

「……オレ、襲名するわ」


春海(即ジト目)

「何の?」


春介

「“寝落ち大魔王”。……(コトン)」


言い切るより早く、春介は秒睡。

春海はそっと布団をかけ、額に軽くちょんと指でツッコミ印を残した。


春海(小声)

「おやすみ、四代目」


結音(暗闇でぽつん)

「……うにゃ」


家全体が、笑いと寝息のハーモニーに沈んでいく。



終幕:テレビ特番「笑育元年・家元制度はじまる!」


後日。

ローカル局で収録が始まった**《笑育元年!カオスファミリー襲名披露》。

ステージには、ボケ家元とツッコミ家元と(なぜか)エロ大魔王委員会**が横一列。


司会

「本日は、伝統芸能“家元制度”を家庭内ギャグに適用した――前代未聞の襲名披露です!」


優馬(立ち上がり)

「初代ボケ大魔王として言う。わたしの美は――」


美鈴

「座りんしゃい」


客席:ドカーーン。


光子

「ボケ家元二代目・光子やけん。家訓は『後始末までがボケ』!」


優子

「ツッコミ家元三代目・優子。家訓は『愛が先、手は後』!」


美香(音頭)

「では、次世代代表――」


陽翔・彩羽・悠翔・灯乃(揃って一礼)

「笑育、はじめます!」


結音(高らかに)

「うにゃだらぱ〜!」


客席の笑いが波打って、タイトルロールが降りる。


――この家に“普通の日常”は存在しない。

けれど、笑いとやさしさは、いつだってここにある。


そして博多発の笑育は、

今日も、誰かのさみしい夜をちょっと明るくしている。




幼稚園編アフターバーナー/“笑育”は地球を回す(の、10年前)


――いずれ10年後、世界笑育サミットで「博多式ギャグ・カリキュラム」が国連採択され、

“爆笑ワールドカップ”で日本代表(小倉家選抜)が連覇、ジュネーブ広場でプリン投影マッピングが行われる――

……そんな未来を、いま誰も知らない。

もちろん、光子と翼、優子と拓実も。



第一幕:知らぬが笑い(=今朝のキッチン)


朝。キッチンは湯気と声と「やめんかーい」で満員御礼。

光子が味噌汁をよそい、翼がトーストを焼く。そこへ“笑育ジュニア”四天王が突撃。


陽翔はると

「ママ、今日の給食プリン、回転数いくつ?」


光子

「回すな。給食はターンテーブルやなか」


彩羽いろは

「じゃあ、お皿だけ回すアートにしよ!」


翼(トースト片手)

「父ちゃんの目が回りそう」


悠翔ゆうと

「結論:回転は食卓に不適当。家訓第二条に追記を――」


灯乃ひの

「でも“やさしか回転”はOK〜。ゆっくり回ったら、こぼれんもん」


優子

「その理屈、風鈴なら満点やけどね!」


結音(ゆのん/ハイチェア)

「うにゃ……だら……ぱ!」


全員

「出た!朝イチ“宇宙許可”!」


――この10秒後、“未来の世界会議”で議長が使う合図が、まさにこの音になることを、この時はまだ誰も知らない。



第二幕:幼稚園・緊急記者会見(園内広報)


先生(緊張)

「えー……本園は本日より、笑育・上級編を試験導入します。テーマは――」


陽翔・彩羽・悠翔・灯乃(声を揃えて)

「『後始末までがボケ』!」


先生

「そう!それ!……って、なんで先読みできるの!?」


優子(腕組み)

「うちのタレント養成所やけん」


光子ドヤ

「家内制お笑い工業やけん」


保護者席は拍手とため息。

そこへ園内放送がジリリ……《取材希望の海外メディアからの電話です》。

先生の顔が固まる。保護者席がどよめく。子どもたちだけが平常運転。


悠翔

「英語対応マニュアル:挨拶→主張→落ちの順で――」


陽翔

「最後の落ちは鼻からスポドリやろ!」


優子

「国際放送コードに引っかかるばい!」


(※10年後、本当に海外メディアがここから列を作り始めるのだが、当然、この時はまだ“ただの冷やかし電話”のつもりである)



第三幕:運動会“借りボケ競争”国際化(※偶然)


園庭。

今日のPTAゲストに交換留学生の保護者が混じっていた――という設定がカオスを生む。


先生

「カードのお題、英語版も用意しました!」


陽翔(カードを引く)

「“Global Black History of Home”……家の黒歴史を国際英語で――」


彩羽(巨大フリップ)

「“The Washing Machine Pudding Incident”!」


客席、膝から崩れ落ち。

笑いの波に乗り、灯乃がそっとタオルを配り歩く。

悠翔は英語で後始末の段取りを説明し、先生が思わず拍手。


先生

「……いまの構成、“説明→ボケ→ケア”で国境越えた……!」


優子

「笑育は翻訳可能。これ、覚えとこ」


(※10年後、まさにこの三段構成が「笑育型危機対応フレーム」として国連研修に採用されるが、いまはただの園庭芸である)



第四幕:リビング“臨時サミット”


夜。テーブルを片付けたあと、なぜか議長席ができている。議長は美鈴。


美鈴

「第一議題:プリンの取り扱い」


優馬(鏡片手)

「ビーナスは美の焼酎……プリンは神の琥珀……」


美鈴

「座りんしゃい」


議場(全員)

「可決!」


春介(ぬっと登場)

「緊急動議。“四代目・寝落ち大魔王”の国際認定を求む!」


春海(資料ペラッ)

「エビデンス:平均寝落ち7.2秒。なお園ルール違反で減点」


アキラ(サックスの蓋を閉めながら)

「音で証明しよか。テンポ♩=72で7秒は――」


美香デコピン

「生演奏で寝かせるのは寝室で」


翼(小声で光子へ)

「この家の会議、議事録より笑いが早いね」


光子

「可決即爆笑方式やけん」


(※10年後、議会用語「可決即爆笑(KSB方式)」が学術論文タイトルを飾るが、いまはただの夜の遊び)



第五幕:バスルーム・グローバル条約(?)


湯気むんむん。“特等席(ママの膝)”争奪は国連並みに割当交渉が必要。


悠翔

「順番制——ターンは90秒、交代は合言葉で」


灯乃

「やさしか交代〜」


彩羽(泡で国旗を描きながら)

「泡の旗あげて交代合図〜」


陽翔

「よっしゃ、うにゃだらぱ旗っ!」


結音

「……ぱ!」


光子&優子(同時)

「採択!」


(※10年後、国連の“休戦合図”がこの**「ぱ!」**をもじったシステム名になるが、当人たちは泡で遊んでるだけ)



第六幕:就寝“ミノムシ・オブ・ザ・イヤー”


消灯。

布団が海、子どもが波、寝息が潮騒。――そこへ、ふすまがススッ。


春介

「ノミネート発表!ミノムシ・オブ・ザ・イヤーは――」


春海(ジト目で小声)

「寝ろ。」


春介コテン

「(即時受諾)」


ささやき

「光子、世界とか、ほんとに獲れる気がしてきた」


光子(小さく笑う)

「先に明日の弁当獲らな」


優子(天井を見ながら)

「拓実、10年後のうちら、何しよると思う?」


拓実

「今日みたいに巻き込まれとる、かな」


四人のささやきに、布団の中の小さな寝息が重なる。

やがて家は、笑い→静寂→笑いの三拍子で眠りに落ちる。



終幕:10年後の予告編(本人たち不在)


〈映像:世界笑育サミット/ジュネーブ〉

巨大スクリーンに金文字――“博多式:後始末までがボケ”。

壇上に立つのは成長した子どもたちと、“カオスファミリー家元会議”代表団。

議場の採決ボタンの色は三色。ボケ/ツッコミ/うにゃだらぱ。


議長

「賛成の方は……“ぱ!”で」


(ぱ!ぱ!ぱ!――会場のマイクが笑い声でクリップする)


〈カット:爆笑ワールドカップ決勝〉

実況「ここで日本代表、“ミノムシ・シフト”! 布団が――空を飛ぶ!?(安全対策済)」

解説「後始末部隊が完璧ですから!」


〈カット:ニュース特番〉

アナ「笑いがメンタルヘルスを改善、“やさしか交代”が世界標準に――」


――だが、今の彼らは、そんな未来など露知らず。

湯気に、湯呑みに、ふとんに、今日の笑いをそっとしまって眠るだけ。


もはや笑いで世界を制する日も近い。

でも今夜は――


光子「翼、明日の買い出し、プリン忘れんなよ?」


翼「回さないやつだけ買ってくる」


優子「拓実、洗濯機、プリン禁止の札、新しいの貼っとって」


拓実「了解……“洗禁”ね」


結音(寝言)

「……ぱ……」


家中が、ちいさな**“ぱ”**に微笑んだ。

ここから世界へ――なんて、誰も考えてない顔で。





“環奈お姉ちゃんとこの”—参戦でカオス振り切れた件


――10年後に世界を震撼させる“笑育軍”がまだ家の中に詰め込まれていた頃。

小倉家のドアが開くたび、**新手あらて**が現れる。


第一幕:環奈お姉ちゃん、赤子の覇気とともに来訪


「おじゃましま〜す。……あ、だいすけ、あくび出たね〜」


ふわりと入ってきた環奈お姉ちゃんは、産後オーラの“やさしか光”をまとい、

抱っこひもには長男・大輔だいすけ

横には塁がベビーバッグ+予備バッグ+予備の予備バッグで荷物3段重ね。


光子「環奈お姉ちゃん、よう来たね!だいすけ、見せんね見せんね〜」

優子「塁くん、その荷物、遠征合宿かいな」

塁「いや……おむつ替えがワンチャン複数回あるやん……(震)」


春介(ドヤ顔)「赤子はな、笑育の源泉やぞ」

春海(ジト目)「まずは手洗いうがいやぞ」


大輔ぱちくり「……ふぇ?」

結音ベビーカーから「うにゃ……だら……ぱ」


全員「出た、“ベビー同盟”……!」


第二幕:ベビーカオスの“共同演習”開始


① はじめての記者会見ごっこ


司会(光子)「それでは“かわいさの犯行声明”発表します!」

環奈「犯行じゃないのよぉ!」

塁「(カメラ構える)あ、たぶんこのアングル国宝……」

優子「親バカ速報、号外出ました」


大輔(無音でにこぉ)

→ 観客(家族)悶絶

→ 春介「これが……赤子スマイルの暴力……」

→ 春海「甘んじて被害者側に回ります」


② おむつ替え“国際救助隊”


灯乃「やさしかタオル係〜」

彩羽「おむつパッケージに星シール貼っといた〜」

悠翔「手順は条文化済み。第1条:先におしりふきを開封」

陽翔「第2条:替え終わったら“ぱ!”合図!」


大輔「……ぱ!」

全員「本人発音で可決!」


環奈(感動)「みんな……ありがと……(うる)」

優子「ないたら化粧が落ちるばい、お姉ちゃん」

光子「でも泣き笑いの最高テイクやね」


第三幕:授乳バラードとトロンボーン子守歌


美香「じゃ、子守歌ライブする?」

アキラ「テナーサックスはppピアニッシモでね」

塁「真横で圧倒的記録映像撮っていい?」

環奈「音、優しめでお願い……」


♪ぼんやりとした和音の上、トロンボーンがあくびの形をなぞる。

サックスが寝息みたいに寄り添う。

だいすけの瞳がふわっととろける。


春介(小声)「……寝おち大魔王、お株奪われた……」

春海(小声)「降伏文書出しとき」


大輔「すぅ……(秒で寝る)」

結音「……ぱ(寝言)」


家全体が**“ppp”になった瞬間、優馬がそろり**と鏡を構える。

優馬「ビーナスは美の焼酎、寝顔も芸術――」

美鈴「座りんしゃい(0.2秒)」

優馬「(芸術は爆発しない顔)」


第四幕:沐浴vs“特等席バトル”—ベビー版


風呂場。仁義なき膝争奪はベビー仕様へ。


環奈「今日はだいすけ、沐浴デビュー in 小倉家!」

光子「泡はやさしかフォームで」

優子「タオルはぬくかにね」


陽翔「泡で王冠描いたった!」

彩羽「だいすけ王、おめでとう〜」

悠翔「安全第一。泡は目に入れない」

灯乃「交代の合図は“やさしか交代〜”」


だいすけ(ぱちゃ、ぱちゃ)「……ふえ?」

→ 泡王冠が角度良すぎて、写真に映るたび高貴。

塁「これ、額装する……A2で……!」


拓実「お湯、足す?」

優子「うん、1ミリずつ」


(※この頃の“1ミリずつ”が、10年後“世界笑育サミット”のコンフリクト調整メソッドとして採用されるが、当人たちは湯加減の話をしている)


第五幕:お宮参りプレ予行と“だっこリレー世界記録”


リビング中央に“だっこバトン”。

環奈→光子→優子→美香→美鈴→塁→翼→アキラ→春海→春介→(※ここで審判が止める)

審判・悠翔「未成年ゾーンは片手サポート付きのみ」

灯乃「やさしか補助〜」


塁「なんか、俺が一番プルプルしてる……」

環奈「気のせい気のせい〜(ニコ)」

全員「ニコで可決!」


第六幕:食卓“赤ちゃん様御前試合”


テーブルには“やわやわメニュー”。

だいすけの席の前だけ清浄結界(タオル城)が築かれている。


光子「はい、やわらか温度40℃〜」

優子「塩分計、合格」

美香「BGMは60BPMに下げる」

アキラ「サブドミナント長め」

塁「(全部メモ)」


陽翔「これが笑育式ミールオペレーションや!」

彩羽「旗立てとく〜(星シール)」

悠翔「“後始末までがボケ”の食卓版、実装」

灯乃「こぼしても大丈夫〜」


だいすけ(もぐ、もぐ)

→ 笑った。

→ その瞬間、家族の肩から力がふわっと抜ける。

春海「……うちの疲れ、いま半分飛んだ」

春介「オレは全部飛んだ(寝た)」


第七幕:深夜の“ミルクタイム国会”


午前2時。

リビングは非常灯。

環奈がミルク、塁がタオル、優子が記録、光子がタイマー。


環奈「よし……いくよ、だいすけ」

塁「タオル、ここ」

優子「ミルクログ開始」

光子「ぱで終わりね」


大輔「……ごく……ごく……ぱ」


全員(小声で)「可決……!」


塁(涙目)「……かん……な……これ、幻?」

環奈(小声で笑う)「本物やよ。和音で寝る幻」


(※10年後、世界の災害現場で“ぱ”は安心の合図として普及するが、「初出は午前2時のだいすけ」という事実は家族史にしか書かれない)


エピローグ:知らないまま、未来をほどく


朝。

環奈「お世話になりました〜。また来るね」

塁「次は荷物2段に減らせるよう精進します……」


光子「いつでもおいで〜。笑育託児やけん」

優子「お姉ちゃん、無理せんで、1ミリずつ」

春海「産後は笑いすぎ注意やけん」

春介「俺はいつでも抱っこ要員(肩すりすり)」

美鈴「アンタはまず宿題」

優馬「ビーナスは――」

全員「座りんしゃい!」


だいすけ(最後にもう一回だけにこ)

結音「……ぱ」


――この小さな**“ぱ”が、未来の大きな安心を動かしていくことを、

まだ誰も知らない。

ただ、今日のかわいさとおかしさに、家はまるごと救われた**。


そして次の土曜――

環奈お姉ちゃんとこの“だっこリレー”は、記録更新を目指すのであった。




美咲、ニュルッと登場”―予告なきギャグ子爆弾投下事件


――その日、小倉家リビングはいつものごとく笑いと湯気と「ぱ」で満ちていた。

だが、誰も知らなかった。

真の混沌カオスは、まだ玄関のドアノブを握っていたことを――。



第一幕:ニュルッ…(出現音)


「……おじゃま、するば〜い☆」


ドアがゆっくり開いた瞬間、効果音:ニュルッ。

そこに立っていたのは、ツインおだんごヘアにスパンコールスカート。

――美咲、参上。


光子「うわぁ!出た!地上最強のボケ輸出機関!」

優子「油断したら爆笑条約違反やけん!」

春介(バッと構える)「あの姉ちゃん、爆弾持っとる!」

春海「ちょ、待て、それギャグ子爆弾や!」


美咲「はーいどっかーん!」


(ギャグ子爆弾、投下音:ポン!)


リビングが光り輝き――

次の瞬間、空気中の笑い濃度が100%を突破。



第二幕:爆笑の余波、リビング壊滅


美咲「第1弾、“逆立ちカレー配給ショー”やけん!」

(※なぜか逆立ちしてお玉を構える)


光子「待て、物理法則と理性が泣いとる!」

優子「ツッコミの範囲、惑星規模に拡張中!」


カレーのスパイスが空を舞い、翼が反射的にラケットでブロック。

拓実「スマッシュで受けるん!?いや、ラケット溶けるて!」


美香(トロンボーン吹きながら)「もうBGMが悲鳴音やん!」

アキラ(サックスでハモる)「ジャズでフォロー無理や!」



第三幕:爆弾第二波 “ギャグ・スライム作戦”


美咲「次ぃ!“スライム・イン・洗濯機”!」


優子「そのワードだけで過去のトラウマが蘇る!」

光子「やめぇ!“洗濯機プリン事件”の亡霊がっ!」


春介「今度はスライムか!プリンの次は何入れる気や!」

春海「……“やめんか”の声が間に合わん(ジト目)」


スイッチON。

――ぐるぐる回る。

――ピカピカ光る。

――なぜか、ミュージカル化。


美咲(回転中)「♪スライムの夢は〜泡にな〜る〜♪」

陽翔「泡じゃなくて洗剤の夢や!」

悠翔「混入物:ギャグ成分過多!」



第四幕:赤ちゃんたちまで大暴走


結音(うにゃ……だら……ぱ!)

大輔(きゃはっ!)


→ 二人の笑いが共鳴し、ベビーモニターがラップビートを刻みだす。

環奈「え!?ベビーたちがフリースタイル始めた!?」

塁「録音しとこ。世界初のベビートラック爆誕!」


美咲(勝ち誇り)

「ほら〜♪“笑いは年齢制限なし”っちゃね!」



第五幕:お風呂ギャグ、スチーム地獄


光子「……で、なんで服のまま湯船おるん、美咲?」

美咲「“ニュルッと温泉バブル”企画〜!」

優子「ニュルッて風呂に出るな!」


ポンプから泡がボコボコ、

浴室が白い霧に包まれ、子どもたちは戦闘態勢。


陽翔「ミノムシ部隊、出動!」

彩羽「泡の中で絵描く〜!」

悠翔「視界ゼロ!笑いだけが灯火!」

灯乃「でもやさしか時間〜♡」


美咲(泡まみれで)

「笑いって、ほんとにバブル経済よね〜!」


光子&優子(同時)

「その使い方間違っとーわ!」



第六幕:最終兵器“ギャグ子Mk-II”登場


夜、寝静まった頃――

美咲、まだ玄関でゴソゴソ。


春海(布団の中で)「……まさか、まだ帰ってない?」

春介(目だけ出して)「なんか……“ニュル音”が……」


ドアがキィィ……

「……第2形態☆ ギャグ子Mk-II、出撃ばい!」


天井から吊るされた紙吹雪+スピーカー+泡マシン+プリン噴射装置。

すべて同時作動。


ドドドド――ンッ!


家中にプリンの香りと笑いの音が充満。

目覚まし時計が「もう寝ろ」と嘆く。


美咲「これが“ギャグの夜明け”ばい!」

光子「いや、笑いの夜明け前に爆発しとる!」

優子「次元越えたやろ!ツッコミ衛星打ち上げたいわ!」

翼「(無言でバスタオル装備)」

拓実「(無言で洗剤準備)」

春介「……今日も小倉家は滅亡回避成功やな」

春海「次の滅亡予告、もう来とるけどね(ジト目)」



エピローグ:ニュース速報


《速報》

博多区某所で“謎の爆笑音”観測。

気象庁はこれを「マグニチュード7.2級の笑い震」と発表。

震源は、小倉家リビング。

震度:全員腹筋崩壊。


アナウンサー

「この“美咲ニュルッ現象”は、どうやら定期的に発生する模様です。

被害はありませんが、笑い皺が増える恐れがあります。」


ナレーション(静かに)

「もはや――笑いで世界を制する日は近い。

だが本人たちはまだ、次の“プリン仕込み”をしているだけであった――。」


To be continued…(次回:美咲、国連へニュルッ!?)

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