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ラジオスポーツ番組MC、セミコントも


ラジオ番組:光子と優子のスポーツ笑撃ラジオ


スタジオのマイク前、光子と優子が座る。顔は見えないので、声だけでリスナーに自己紹介から始める。


光子ボケ:「はーい、みなさーん!僕、光子です!好きな食べ物は…えっと、サッカーのボール!」

優子ツッコミ:「違うやろ!ボールは食べん!食べ物言わんと!」


優子ボケ:「そんで、わたし優子!趣味は卓球…じゃなくて、卓球のボールを追いかけること!」

光子ツッコミ:「おいおい、趣味ちゃうし!球追いかけるだけやん!」


自己紹介だけでスタジオは笑いに包まれる。



■ コーナー1:昨日の試合を振り返る


光子:「昨日のホークス戦、ピッチャーの変化球がマジでカオスやった。ボールがどこに行くか、僕もわからんかった!」

優子:「光子、それただの感想やん!ちゃんと戦術解説せんと!」


リスナーのメールが届く。

リスナーA(熊本):「光子さん、昨日の変化球はフォークですか?スライダーですか?」

光子:「いやー、どっちもスゴかったけん、僕の腹筋も一緒に揺れたっちゃ!」

優子:「腹筋揺れた報告要らん!」



■ コーナー2:サッカー戦術トーク


光子:「今、左サイドが空いてるから、そこにパスを出せばシュートチャンスやと思うっちゃ!」

優子:「あんた、そんな実況してたら、リスナーがプレーしてる選手かと思うわ!」


リスナーB(福岡):「光子さん、シュートコース予測が当たりすぎ!」

光子:「うちは阿吽の呼吸で予測してるっちゃけん!」

優子:「だから、ボケ混ぜるなって!」



■ コーナー3:プロ野球解説


光子:「もし僕がバッターなら、カーブ球はこう返す。直球なら…」

優子:「お前が打つんかい!」

リスナーC(長崎):「光子さんと優子さん、やっぱ高校一年生ですか?」

光子:「そう、でも腹筋は高校生離れしてるっちゃ!」

優子:「ホント、バッキバキやけん!」



■ コーナー4:リスナー参加企画


リスナーから送られた「絶対に笑ってしまうスポーツあるある」を読み上げる。


リスナーD(大分):「野球でデッドボール食らったとき、思わず叫ぶけど、恥ずかしくてみんな見ないフリする…」

光子:「それな!俺もボールにパンチ食らわせたい時ある!」

優子:「いや、ボールにパンチは犯罪やろ!」



■ コーナー5:ギャグ実況


ラジオで、光子と優子がサッカーのカウンター攻撃を実況。


光子:「おっと、ボールが右サイドに!次はクロス!」

優子:「左サイドやろがい!」

光子:「わー、ボールも迷っとるやん!」

リスナーE(福岡):「声だけで爆笑させるって、ほんまに才能やな…」



■ エンディング


光子:「今日はみんな笑った?僕ら、声だけでスポーツ実況もギャグもやっちゃうんよ!」

優子:「台本なんかないっちゃ。全部アドリブやけん、次回もお楽しみに!」


リスナーF(佐賀):「次回も絶対聴く!高校生でこの実況力、信じられん!」



こうして、光子と優子の「声だけで笑わせる・教える・解説する」ラジオ回は大好評。リスナーは爆笑と感心が入り混じった状態で、番組終了後もSNSやメールで反響が止まらない。




ラジオ番組:光子と優子のスポーツ笑撃ラジオ

テーマ:「あなたの夏冬オリンピック名場面は?」


スタジオのマイク前で光子と優子が座る。


光子ボケ:「さあ皆さん、今日はオリンピック名場面特集っちゃ!夏も冬も、あなたの心に残った瞬間、メールで送ってね!」

優子ツッコミ:「光子、心に残った瞬間だけ言うて!ギャグで送らんでもいいけん!」



■ リスナー投稿1:スピードスケート


リスナーA(北海道):「男子スピードスケート、あの逆転のゴールデンタイム!ゴール直前で順位が入れ替わった瞬間!」

光子:「それ見とった!あれはもう、ボール追いかけるより心臓バクバクやったっちゃ!」

優子:「光子、ボールちゃうやろ!スケート靴やん!」



■ リスナー投稿2:陸上


リスナーB(大阪):「ボルトの100m決勝!スタート直後からトップを走り続け、圧倒的に金メダル!」

光子:「ボルトのあの笑顔な、俺なら転けても笑顔やもん!」

優子:「転けるな!真似すんな!」



■ リスナー投稿3:フィギュアスケート


リスナーC(福岡):「羽生結弦の金メダル演技、あの着氷の瞬間の静寂…鳥肌が立った!」

光子:「わかるわかる!俺も思わずジャンプして転けそうになったっちゃ」

優子:「光子、空気読め!」



■ リスナー投稿4:冬季ジャンプ


リスナーD(新潟):「葛西紀明さんのオリンピックでの大ジャンプ!年齢を感じさせないパフォーマンス!」

光子:「葛西さん、飛んだあとに『まだまだ俺は若い!』って言いよる感じやった!」

優子:「光子、勝手にセリフ作るな!」



■ リスナー投稿5:バドミントン


リスナーE(広島):「バドミントン女子ダブルス、最後の最後での逆転!もう手に汗握りすぎ!」

光子:「ラケット振るたびに腹筋も震えたっちゃ!」

優子:「そこまで震えるかい!」



■ リスナー投稿6:名場面ギャグメール


リスナーF(東京):「カーリングで選手が氷をスイープする瞬間、思わず『こ、こいけー!』って応援した!」

光子:「それな!俺も氷に乗ってスイープしそうになったっちゃ!」

優子:「絶対滑るやん!」



■ 光子と優子のトーク


光子:「みんなの名場面見てると、スポーツって技術だけやなく、ドラマやな〜!」

優子:「ほんとよね。勝つ人も負ける人も、ひとつの瞬間が名場面になるっちゃ。」

光子:「あ、でも名場面って聞くと、俺の腹筋も思い出すっちゃ…笑」

優子:「お前はなんでも腹筋に結びつけるな!」



■ エンディング


光子:「今日は全国のみんなの名場面を紹介したっちゃ!夏冬オリンピック、またみんなで語ろうね!」

優子:「メール送ってくれた皆さん、ありがとう!次回もアドリブ全開でお届けするけん!」


リスナーからもSNSで反響が続出。

リスナーG(福岡):「ラジオだけでここまで笑えるとは…二人、やっぱり高校生なのにすごすぎ!」

リスナーH(北海道):「オリンピック名場面が、ギャグも交えてこんなに面白くなるとは…!」



この回は、スポーツ好きはもちろん、笑いも楽しめる回として大人気。リスナーは自分の思い出の名場面を送ることで参加感もあり、光子と優子のボケツッコミに毎回爆笑する。




川原翔太のところへ


ラジオ収録を終え、光子と優子は川原翔太の勤める建設会社へ向かう。建物に入ると、事務所は活気にあふれ、パソコンのキーを叩く音や電話の応対が響いている。


光子:「おっちゃん、今日はどういう用事で来たと?」

優子:「そうそう、ラジオ終わった後やけん、顔見にきたっちゃ。」


事務所奥の社長室に通されると、川原翔太の上司である吉田徹社長が、にこやかに2人を迎えた。


吉田社長:「ああ、光子さん、優子さん。翔太のことを聞きに来たんですね。」


光子:「そう。おっちゃん、会社ではちゃんとやっとうと?」

優子:「元の世界に戻っとらんと?」


吉田社長は笑いながら頷く。


吉田社長:「翔太君ですか?ええ、もう懸命に汗水流して働いてますよ。現場でも事務でも、なくてはならない大事な戦力です。」


光子:「そっか、よかった。」

優子:「うちらも安心したっちゃ。」


吉田社長:「ええ。彼ももう、あの闇の世界には戻らないでしょう。自分の居場所を見つけて、努力してますからね。」


光子と優子は顔を見合わせ、にっこり微笑む。翔太も後ろで軽く会釈する。


光子:「おっちゃん、ほんとにえらいね。」

優子:「もう心配せんでいいっちゃね。」


こうして2人は安心の笑顔を胸に、会社を後にした。街に出ると、夕焼けが福岡の街を赤く染めていた。光子と優子は手をつなぎながら、家路を歩く。


光子:「翔太、おっちゃん、もう大丈夫やね。」

優子:「うん、うちらも安心して帰れるっちゃ。」


空には、これまでの不安や闇を一掃するかのような穏やかな光が差していた。



こうして、翔太は完全に新しい生活を手に入れ、光子と優子は彼の変化を確認して安心する、心温まるシーンとなった。




翔太の面接


夜、翔太は夜間学校のノートを広げ、履歴書を書き直していた。隣にはケンタもいて、バイトと就職面接の準備を両立している。


光子からスマホにメールが届く。


光子:「翔太!面接、笑い忘れたらいかんよ!ボケで緊張ほぐすっちゃ!」

優子:「履歴書、字が汚いなら、ギャグでカバーできるけん!」


翔太は思わず笑う。

翔太:「はは…元クラスメイトからこんな応援メール来るとはな。」


ケンタも笑顔でスマホを覗く。

ケンタ:「よし、これで心配はないな。ギャグ応援パワーや。」


一方で、光子と優子は、以前にお世話になったおっちゃんこと川原翔太の話もする。

光子:「おっちゃんも頑張っとるよ。今は会社の重要な戦力やけん。」

優子:「うちらも、翔太を応援せんとね!」


二人の励ましとユーモアで、翔太は履歴書と面接練習に全力を注ぐ。過去の友人からの笑いと応援は、何よりの力になるのだった。




ツクツクホウシ



夏の夕暮れ。空気はまだ熱を帯びていて、ツクツクホウシが鳴き声を張り上げていた。


「ツクツクホーシ!ツクツクホーシ!」


──のはずが、


「ツクツクジー!ツク…ツクリーヨ!ツクリーヨ!ツクリージー!」


光子がすかさず顔をしかめる。


光子:「おいおい、なんか噛んだっちゃ!ツクツクホウシのアドリブ下手やん!」


優子:「ていうか、今“ツクリーヨ”って言わんかった?なに作るん?晩ごはん??」


光子:「ツクツクホウシが料理番組デビューか!?“今日のおすすめは〜つくつくカレー!”」


優子:「しかも最後“ジー!”って、やる気なくすな!芸人のスベり芸か!」


ツクツクホウシは必死に鳴き直す。


「ツクツクホー…ツクジー!ツクリーヨ!」


光子:「ほらまた噛んだ!落語家でもないのに“言い間違い芸”やっとるやん!」


優子:「いや、これもう“セミ漫才”やん!ボケとツッコミ両方一匹でやってしもうとる!」


光子:「“ツクリーヨ”言うたら、うちの夏休みの宿題も作ってくれん?レポート10枚!」


優子:「いやいや、それはツクツクホウシも逃げるっちゃ!『ツクレーヨ!ツクレーヨ!ツクリージー!』って鳴き声変わるばい!」


二人が爆笑して転げ回ると、近くの木で別のセミたちまで反応して大合唱。


「ジーーー!」

「ツクツクリーヨ!」

「ツクツクジー!」


光子:「おおー!セミ界の大喜利大会始まったー!」

優子:「夏の終わりの“セミ1グランプリ”やん!優勝候補はツクツクジー!」


その場は、ツクツクホウシの噛み鳴きによる爆笑コント会場と化したのだった。



光子と優子、まだセミたちの鳴き声が気になって仕方ない。


光子:「なぁ優子、あの“ツクリーヨ”って鳴き声、どっかで聞いたことあるっちゃ…」


優子:「あれやろ?近所の八百屋のおっちゃんが、“野菜安くしとくけん、ツクリーヨ!”って言いよったやつ!」


光子:「あはは!セミが八百屋のモノマネしとるやん!」


そこへ別の木から「ジーー!」とアブラゼミ。


優子:「あ、今の“ジー”って…もしかして“反省ジー”やない?」


光子:「ああ〜!“すべったジー!”って鳴き声か!セミ界もスベり芸認めとるんや!」


また別のセミが「ミーンミンミンミーー!」


光子:「おお!ミンミンゼミきた!これ、絶対“漫才の前振りミン”やん!」


優子:「そうそう、“ここ笑うとこミン〜!”ってサイン出してくれよるんやろ!」


二人が笑い転げると、セミたちも負けじと声を張り上げる。


「ツクツクホーシ!ツクツクジー!」

「ミンミン!ツクリーヨ!」

「ジーーーー!」


光子:「やべー、これ完全に“夏フェス”やん!」

優子:「しかも全部フリースタイル即興ライブ!」


光子:「いや、でも夏フェスにしては観客、うちら2人だけやけどな!」


優子:「大丈夫、うちらの腹筋が割れるほど笑っとるけん、入場料分は十分稼げとる!」


二人はもう汗だくで笑いすぎて、木陰に転げ込みながら大爆笑。

まるで「セミたちが夏の終わりに仕掛けたギャグフェス」に招待されたみたいな夕暮れだった。




セミコント




――夏休み明けの教室。

まだ残暑が厳しい午後、クラスメイトたちは少しだらけ気味。

そこへ光子と優子が立ち上がる。


光子:「えーみなさん、今日は特別に!夏フェスセミライブを持ってきましたぁ!」

優子:「…セミライブて何や!クラスでやる意味あるん?」


クラスがざわつき、笑い声が漏れる。


光子:「(ツクツクホウシの真似しながら)ツクツクホーシ!…ツクリーヨ!ツクリーヨ!」

優子:「ちょ、なんで八百屋やねん!“野菜安いけんツクリーヨ”って値引きセミか!」


クラスメイト:「あははは!」


光子:「さらにこちら、“すべったジー”!」(アブラゼミの真似で「ジーー!」)

優子:「ああ〜!今の絶対“すべりましたジー”やろ!ツッコミセミ不在!」


クラスメイトは机を叩いて爆笑。


光子:「そして登場、“漫才前振りミン”!」(ミンミンゼミの声真似)

優子:「“ここ笑うとこミン〜!”って観客に合図出しとるやん!」


クラス全体がもう涙目で笑い、誰かが「やべー腹筋痛い!」と叫ぶ。


さらに光子と優子は即興ラップバトル開始。

光子:「ツクツクジー! 俺は八百屋シー!」

優子:「ジーーーー! すべったら反省ジー!」


教室中「うわぁぁ!やめろー!」「腹痛ぇー!」と悲鳴混じりの爆笑の渦。


最後に二人、ピースして決め台詞。


光子:「夏は終わるけど!」

優子:「セミのネタは無限やけん!」


――チャイムが鳴って、みんなまだ笑いが止まらず、授業どころじゃない雰囲気になった。

先生が入ってきて「…何ごとや?」と呆れ顔。

しかし先生もすぐに笑いに巻き込まれ、結局授業開始まで教室は大爆笑のままだった。




漫才ネタにされたセミ




(教室で光子と優子が「ツクツクホウシのコント」をやって爆笑が起きた直後。窓の外のセミたちがザワザワし始める──)



アブラゼミ:「おいおい、聞いたか? ワシら、漫才のネタにされとるで!」


ミンミンゼミ:「ほんまや!『つくりーよ つくりーじー』って、アレわいらの親戚やろ!」


ツクツクホウシ(元ネタの本人):「ちゃうねん、オレかて真剣に鳴いとんねん。夏の終わりの切なさ出そう思てんのに、毎回『噛んだ』扱いされるんや!」


クマゼミ:「ガハハ! でもおもろかったで。『つくりーよ つくりーじー』て、腹よじれるわ!」


アブラゼミ:「いやいや、笑いごとちゃうで。こっちは必死に命削って鳴いとんねん。夏限定のワンステージやで?」


ミンミンゼミ:「そやな。わいらの一世一代のライブを、ネタにされるんはちょい複雑やわ…」


ツクツクホウシ:「ほんで観客が大爆笑て……オレ、ロックバンドやと思とったのに、芸人デビューさせられとるやん!」


クマゼミ:「まあまあええやん。人間のガキらに覚えてもらえるだけでも光栄やで。下手したら『夏の風物詩』から『夏のボケ担当』に昇格や!」


ツクツクホウシ:「昇格ちゃう、格下げや!」


(光子と優子、窓を開けて大声でツッコミ)

光子:「あんたら、勝手に会議しよるなー!夏の音響スタッフやろ、黙って仕事せぇ!」

優子:「セミたちが大阪弁でモノ申すん聞いたら、ますます爆笑なるっちゃ!」


(セミ一同、せーので鳴き始める)

全員:「ミーン!ジーー!つくつくじーー!お笑いやってまーす!」


教室の子どもたち:「うわーー!今度はセミまで漫才始めたーー!!」



(舞台は小倉家のリビング。光子と優子が「ツクツクホウシ・セミ漫才」を全力披露中!)



光子(セミ役):「つくつく…じー!つくりーよ!つくりーじー!」

優子(ツッコミ役):「おい、なんば言いよーと!?鳴きグセ強すぎやろ!」


(窓の外からもセミたちが「ミーン!ジー!わいらネタにされとるでー!」と大阪弁で乱入。)


光子:「おーい、客席まで鳴き声届いとるやん!」

優子:「これ、生きとる効果音やん!」


(教室と同じノリで爆笑の渦に。そこに美香お姉ちゃんがリビングへ…)


美香:「ちょっ…待って…!あんたら……お腹…!お腹よ……!!」

(テーブルにつかまって震え出す)


光子:「お姉ちゃん!?だ、大丈夫!?」

優子:「まさか腹筋崩壊で倒れるとか、セミの呪いやない?」


美香:「ちがう、笑いすぎて…!うち、吹奏楽部で肺活量あるけど、これは無理やろ!!」

(ソファに転がり、枕を抱えながら笑い転げる)


光子:「お姉ちゃん!水いる!?水!!」

優子:「いや今は水やのうて、腹筋サポーターのほうが要るっちゃろ!」


美香:「ふふふっ…!あーっははは!!セミがM-1出るとか…反則やろ!!」

(涙を流しながらゴロゴロ転がる)


(外のセミたちも)

アブラゼミ:「お姉ちゃん、笑わせすぎて呼吸困難なっとるやん!」

ツクツクホウシ:「オレのせいやない!噛んだネタにした双子のせいや!」

クマゼミ:「まあでも、爆笑とれたら芸人冥利に尽きるで!」


(美香、最後にゼーゼー言いながら一言)

美香:「…お願いやけん…次は…静かなネタでやって……!腹筋がもう死んどる…!」


(双子、顔を見合わせてニヤリ)

光子:「じゃあ次はカナブンのコントでもやるか!」

優子:「ブーンて噛むけん、また腹筋いかれるばい!」







(舞台:小倉家のリビング。光子・優子・美香が「セミシスターズ」のネタを披露中。アキラはソファーで爆笑している。その横で、ベビーベッドの中の春介と春海がじーっとお母さんたちを観察中。)


光子(セミ役):「つくつく〜じー!つくりーよ!」

優子ツッコミ:「鳴き方かみすぎやろ!」

美香(クマゼミ役):「ミーーーーーーン!!!!」


(観客=アキラ、大爆笑)


――しかし、赤ちゃん二人は無言でジト目。


春介(心の声):「……うちの家族、なんでこんな全力でセミになっとるんや?」

春海(心の声):「ほんとや。うちらまだ1歳前やのに、将来の道、勝手に“お笑い一家”に決められそうで怖か」


春介(心の声):「いやでも、突っ込みのタイミングは完璧やな。優子お姉ちゃん、職人芸や」

春海(心の声):「光子お姉ちゃんの鳴き声も、途中で噛むのわざとやろ。ボケ力高すぎ」


(ジト目のまま、ほっぺだけぷくーっとふくらませて無言)


美香:「セミフェス開幕〜!」

光子・優子:「ミーーーン!!」


春介(心の声):「……なぁ春海」

春海(心の声):「なんね?」

春介(心の声):「俺ら、将来どっちがボケでどっちがツッコミになるっちゃろ?」

春海(心の声):「あたしは絶対ツッコミや。春介はボケの才能、もう顔に出とる」


(2人、赤ちゃんなのにアイコンタクトで「了解!」の阿吽の呼吸)


(その瞬間、アキラが爆笑しながらふり返り)

アキラ:「あれ?春介も春海もジト目やけど……もしかして心の中で突っ込んどる?」


(ベビーベッドの2人、無言のままドヤ顔)




春介と春海のジト目


(舞台:小倉家リビング。セミコントが終わったあと)


光子:「……あれ?春介と春海、ぜんぜん笑っとらんやん!」

優子:「ほんとや!ジト目でガン見やし!うちらの全力セミ漫才が、赤ちゃんにウケんとかショックやん!」


(光子と優子、床にぺたりと座り込み、両手で顔を覆う)


光子:「うちら、赤ちゃんウケせん芸人やったと……」

優子:「うわぁ〜!芸人人生、はじまる前から暗雲立ち込めとるやん!」


(美香、爆笑しながら)

美香:「ちょ、あんたら真剣に落ち込むなって!赤ちゃんやけんまだ笑うツボが違うんよ!」


(その横でアキラ、肩を震わせながら)

アキラ:「いやぁ……でも、春介も春海もジト目のまま、なんか“心の中でツッコミしてる顔”しとったぞ?」


光子:「マジで!?じゃあ将来……」

優子:「あの2人、絶対お笑いの道来るやん!」


(ベビーベッドの中で、春介と春海、ぷくーっとほっぺを膨らませ、無言でドヤ顔)


光子:「……あ!見た!?ほっぺぷくーってやった!」

優子:「あれ絶対“はい、ボケいただきました”の合図やん!」


美香:「やめぇ!赤ちゃんにツッコミ芸仕込もうとすんな!」


(光子と優子、立ち上がってベビーベッドに手を突き出し)

光子:「春介〜!お姉ちゃんのボケ拾ってくれる〜?」

優子:「春海〜!お姉ちゃんのツッコミ、将来受け継いでね〜!」


(赤ちゃん2人、じーっと見つめて、心の中で)

春介(心の声):「……うわ、なんか圧かけてきた」

春海(心の声):「まだオムツも取れとらんのに、芸人修行とか聞いとらんし!」


(ラスト、場面全員で大爆笑)

 



(舞台:小倉家リビング。光子と優子がセミコント&赤ちゃんジト目事件を一通りやったあと、美香がスマホで動画を撮っていた)


美香:「はい、終了〜!これ、うちが家族LINEに送っとくけん」

光子:「え!?ちょ、待って!編集して!」

優子:「いやいや!ノーカット完全版で出す気やん!」


(送信完了のピロン♪音)


数秒後、家族LINEに次々と反応が届く。


おじいちゃん:「ぎゃはは!セミに噛まれるツクツクホウシとか初めて聞いたわ!」

おばあちゃん:「あんたら、赤ちゃんにウケんでも気にすんな〜!大人には大ウケやけん!」

親戚のおじさん:「光子、優子、腹筋痛すぎて動けん!」

親戚のおばさん:「春介と春海のジト目、ツボったww 将来絶対ツッコミ担当やん!」


(光子と優子、画面を覗き込みながら大はしゃぎ)


光子:「やったー!家族公認セミ芸人やん!」

優子:「しかも赤ちゃんツッコミ育成プロジェクト、もう広まっとるし!」


(赤ちゃん2人、ベビーベッドの中でむすっとした顔)


春介(心の声):「……なんか勝手に芸人育成扱いされよる」

春海(心の声):「LINEで全国デビューとか聞いとらんし!」


(美香、笑いながら赤ちゃんを抱っこして)

美香:「まぁでも、こうやって家族が笑顔になっとる時点で、あんたらの勝ちやろ?」


(光子と優子、顔を見合わせてハイタッチ!)


光子&優子:「うちら、笑いのツクツクホウシやけん!」


(場面終了、家族LINEはまだ通知が鳴り止まない)





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