双子のイタズラ
ツバメのギャグコントをペールギュントの朝に組み込むと？
福岡高校吹奏楽部の練習室。
「さあ、コンクールに向けて『ペールギュントの朝』を通してみよう！」顧問の戸畑先生の号令で、全員が楽器を構える。光子のチューバ、優子のパーカッション、小春のピアノ、さおりのトランペット、朱里のサックス、樹里のクラリネット。全員の視線が揃う。
光子と優子は小さく目配せをする。「よし、ギャグ仕込みタイムやね」
曲が始まると同時に、光子はチューバの低音で“ブクブクブクッ！”と水しぶきの効果音をこっそり混ぜる。優子はスネアドラムで、雄ツバメが川で滑る効果音「ドンガラガッシャーン」をタイミングよく叩く。
曲の静かな冒頭では、さおりがピアノで朝日のキラキラ感を表現しつつ、朱里と樹里も木々や小鳥のさえずりを音で表現。だが、光子と優子が加えた「ツバメギャグ効果音」は、自然の風景にコミカルなスパイスを注ぎ込む。
「先生、ちょっと…！」小春が吹き出しそうになりながらも演奏を続ける。戸畑先生も眉をひそめつつ、止めることはできない。なぜなら、光子と優子の仕掛けたタイミングが絶妙で、演奏の流れを壊さず、むしろ曲に遊び心と躍動感を与えているのだ。
中盤、雄ツバメが空に飛び上がる場面で、光子がチューバで“ブーン！”と飛翔音を入れると、優子は太鼓で「ピョーン！」と音を合わせる。部員たちは笑いをこらえつつ、曲の迫力を維持する。観客に聴かせるなら、普通の朝の風景としか思えない。だが、演奏している本人たちは笑いと戦いながら、緊張と楽しさの両方を味わう。
曲のクライマックスでは、光子と優子のギャグ仕込みが絶頂を迎える。雄ツバメが滑って落ち、雌ツバメに突っ込まれる効果音を、チューバとドラムで同時に表現。思わず樹里もサックスで「ピロピロッ！」と短いツッコミ音を加える。
「…これは…爆笑しそうやけど、音楽としても成立しとる！」小春が心の中で感動する。さおりも「まるでストーリー付きの演奏やん」と笑みを浮かべる。
曲が終了すると、全員が息を整える。笑いをこらえつつも、戸畑先生は小さくうなずいた。「…よくやった。まさか、ギャグを盛り込みながら、ここまで完成度高く演奏できるとはな…」
光子と優子は満足げに顔を見合わせ、ささやく。「朝のペールギュント、ギャグで目覚めやすくなったやろ？」
優子がにっこり笑い、スティックを軽く振る。「これで聴く人の腹筋も朝から目覚めるっちゃ！」
部員たちは吹奏楽の楽しさと、ギャグで生まれる一体感を改めて感じる。笑いと音楽の融合、これが光子と優子のオリジナルな演奏スタイルとなったのだった。
福岡高校吹奏楽部の練習室に、新しいアレンジ楽譜が配布される。光子と優子が自作した、ツバメギャグ仕込み版「ペールギュントの朝」のアレンジだ。部員たちは初めて見る楽譜に目を丸くする。
「これ…普通の楽譜と違う…！」さおりが驚きの声を上げる。
「光子ちゃん、優子ちゃん、これ全部自分たちでアレンジしたん？」小春も目を輝かせる。
光子はにこっと笑いながら頷く。「うちら、日頃から自作作詞作曲や編曲やっとるけん、それの応用やね」
優子も胸を張る。「楽器の特性も考えて、音の重なりやタイミングを工夫したっちゃ」
部員たちは順に譜面を手に取り、指使い、リズム、音色の違いに驚きながらも、演奏意欲が湧き上がる。
「うわ…このギャグ効果音、チューバとドラムで絶妙に重なっとる…」樹里がつぶやく。
「なんか、オリジナル曲みたいな完成度やん！」朱里も感心しきり。
光子と優子が笑顔で耳打ちする。「これ、元の『ペールギュントの朝』より、もはやうちらのオリジナルに思えるよね」
優子も笑顔で同意。「曲の雰囲気は残しつつ、笑いと遊び心を加えたっちゃ」
練習が始まると、部員たちは新しいアレンジに合わせて音を重ねる。初めての音の組み合わせに戸惑いながらも、光子と優子の指導で自然と息が合う。
「ここでチューバの低音と太鼓を合わせて、雄ツバメが滑る効果音や！」光子が指示を出す。
優子も続く。「サックスとクラリネットで雌ツバメの突っ込み音を入れるっちゃ」
部員たちは笑いをこらえながら演奏し、音楽の楽しさとユーモアの融合を体感する。曲を通して、笑いのタイミング、リズム、そして演奏技術が同時に鍛えられていく。
練習が終わるころには、部員全員がアレンジ曲を自分のものとして理解し、自然と笑顔が溢れていた。光子と優子のユーモアと音楽センスが、吹奏楽部に新しい風を吹き込んだのだった。
いざ練習開始
福岡高校吹奏楽部の練習室は、夏の日差しが窓から差し込み、楽器の金属部分がきらきらと光っていた。光子と優子が作った「ツバメギャグ仕込み版ペールギュントの朝」のアレンジ楽譜を手に、部員たちは半信半疑の表情で譜面を眺める。
「本当に、これでコンクールに挑むんですか…？」さおりが小声で呟く。
「そうよ。やってみなきゃ、分からんばい」優子が真剣な目で答える。
光子も笑顔で手を叩いた。「よし、みんな、最初はゆっくり合わせるっちゃ。チューバとパーカッションは、ツバメの雄雌を演じる効果音を忘れんごと！」
小春のピアノが軽く音を鳴らし、さおりのトランペットが続く。朱里のサックス、樹里のクラリネットも加わり、徐々に全体の音が形を成していく。光子と優子が細かく指導するたびに、部員たちは声を出して笑いながら演奏する。「ここの雄ツバメの滑る音、もっとドラムで強調や！」光子が叫ぶと、パーカッションの優子が力強く叩き、部屋中にリズムが跳ね返る。
数週間の練習が続き、部員たちはアレンジ曲を完全に自分のものとして演奏できるようになった。曲の合間の効果音やギャグタイミングを、誰もが自然に理解している。練習の最後には、全員が笑い疲れながらも、胸の奥に満足感を抱いていた。
そして迎えたコンクール当日。福岡市の大会会場には各校の吹奏楽部が集まり、緊張感が漂う中、福岡高校吹奏楽部の番が回ってきた。ステージに立った光子と優子は、お互いに目で合図を送る。
「いくぞ、優子」
「おう、光子」
一音目が鳴ると、会場の空気が変わった。チューバの低音が雄ツバメの滑る効果音を響かせ、パーカッションがリズムを刻む。ピアノ、トランペット、サックス、クラリネットの音が重なり合い、ツバメギャグの効果音が曲の中で生き生きと動き回る。
客席からは笑い声と驚きの声が混ざり合う。審査員も思わずメモを取りながら、笑顔を隠せない。曲の中盤、雄ツバメが雌にちょっかいを出すシーンでは、観客席から思わずクスクス笑いが漏れ、さらに音楽の躍動感に引き込まれる。
最後のフレーズが鳴り終わると、会場は一瞬の静寂。その後、割れんばかりの拍手と歓声が巻き起こる。部員たちは息を切らしながらも、達成感と笑顔でいっぱいだ。光子と優子はお互いに小さくガッツポーズを交わす。
審査員席から声が飛ぶ。「演奏技術、音楽表現、ユーモアの融合、どれも素晴らしい。これぞ、創造的な吹奏楽だ！」
部員たちは笑いと感動に包まれながら、コンクールの舞台を後にした。楽屋に戻ると、光子はチューバを肩に担ぎながら優子に囁く。「やっぱり、笑いと音楽の組み合わせ、最高やね」
優子も笑顔で答える。「うん、これなら全国でもきっとウケるっちゃ」
この日を境に、福岡高校吹奏楽部はギャグ音楽の新境地を切り開いた。練習室で培ったチームワーク、笑いのセンス、そして音楽的な表現力は、全国大会でも大いに輝きを放つこととなる。光子と優子の創意工夫は、部員全員にとって宝物のような経験となったのだった。
金賞受賞
コンクールの結果発表。部員たちはステージ脇で固唾を飲んで待つ。司会者が封筒を開き、読み上げる声が会場に響いた。
「福岡高校吹奏楽部、…金賞、ゴールド受賞、九州大会出場決定！」
歓声が一斉に上がり、部員たちは抱き合って喜びを爆発させる。光子と優子も大声で笑いながら、自然にハイタッチを交わす。
「やった〜！やっぱり、ギャグ仕込みでも、音楽の力があれば通じるっちゃ！」光子が叫ぶと、優子も負けじと笑顔で返す。「うん、全国でもこの調子でいくっちゃ！」
審査員からも、「ユーモアを音楽に取り入れ、技術も表現力も申し分なし。全国でも間違いなく注目される演奏です」と称賛の声が飛ぶ。
部員たちは喜びと興奮で胸がいっぱいになりながらも、九州大会に向けてさらに練習を重ねる決意を固めた。光子と優子のアイデアとギャグ精神は、部全体の士気を高め、これからの大会での原動力となることは間違いなかった。
こうして福岡高校吹奏楽部は、金賞ゴールド受賞という栄誉を手に、九州大会への挑戦権を得たのであった。
⸻
帰宅した光子と優子は、家族の顔を見ながら、息を切らして声を弾ませた。
「金賞、ゴールドやった〜！九州大会出場決定！」光子が叫ぶと、優子も「やったっちゃ〜！」と大きく手を振る。
父は笑顔で二人を抱き寄せ、「おお、すごかね！九州大会まで突っ走れ！」と声を弾ませる。母も目を細めながら拍手する。「あんたたち、本当に頑張ったね。音楽に笑いも取り入れて、楽しさ全開やもんね」
その時、ちょうど美香からビデオ通話がかかってきた。画面越しに笑顔で現れた美香は、すぐに二人の報告を受け取る。
「えっ、金賞ゴールド！？すごいやん！九州大会出場決定なんやね！」
光子が、「うん、オリジナルにアレンジ加えたんよ。ギャグも仕込んで、審査員も爆笑してくれたっちゃ」と報告する。
美香は画面の向こうで拍手しながら、「あんたたちらしいわ〜。原曲のイメージを壊さず、それでいて笑えるなんて、最高やん。全国でも絶対目立つわ。お姉ちゃん、応援するけんね！」
優子が笑顔で、「うん！全国でも笑わせるけん！」と答え、光子も「うん、九州大会でも全力で楽しむっちゃ！」と意気込む。
画面越しの美香の笑顔に、二人はさらに元気づけられ、家族全員の温かい声援に包まれながら、次の大会に向けての練習意欲がさらに高まるのであった。
期末試験
期末テストの結果が張り出された瞬間、教室はざわめきに包まれた。学年のトップ6に名を連ねたのは、なんと吹奏楽部の6人──光子、優子、さおり、朱里、樹里、小春まで。
「え、ちょっと待って！あのギャグ連発の吹奏楽部の子たちが、トップ6!?」
クラスメイトの驚きの声が飛び交う。
光子が肩をすくめて言う。「うちら、特別なことしとらんっちゃ。ただ、朝と夜にニュースチェックして、クイズ番組も見よるし、新聞もくまなく読んどる。それに授業で習ったことの復習くらい」
優子が続ける。「そんで、ギャグのネタ作りもせんとね。まあ、それも頭の体操みたいなもんっちゃ」
「塾には行っとらんとよ？」とさおりが付け加えると、教室内はさらにどよめく。
朱里がにやりと笑って言う。「毎日コツコツやって、気づけばこんな感じ。勉強もギャグも、一緒にやると頭が活性化するっちゃ」
樹里が言葉を重ねる。「そうそう。ニュースや新聞で知識も増えるし、クイズ番組で瞬発力も鍛えられる。ギャグのネタを考えるのも、発想力と集中力の訓練になるんよ」
小春も元気に、「みんな、最初は信じられん顔しよったけど、今はびっくりしとるやろ？」と笑う。
クラスメイトの一人がぽつりと漏らす。「なんか……ただ笑わせるだけじゃないんやな。あの子たち、頭もめっちゃ回るんや……」
光子がくるりと振り向き、にこやかに答える。「うちら、勉強も遊びも笑いも、全部つながっとるっちゃ。楽しむこと忘れんとやると、自然と頭に入るんよね」
優子も微笑みながら、「だから、ギャグとテスト、どっちも頑張れるとよ。みんなもやってみたら？」と付け加えると、教室内には新たな尊敬と驚きの空気が漂った。
こうして、普段はドタバタと笑いを振りまく吹奏楽部の6人は、学年トップの成績というもう一つの顔を見せ、クラスメイトたちに大きな衝撃と尊敬を残したのだった。
夏休み〜
夏休み前の終業式を終え、光子と優子は自転車にまたがった。校門を出ると、もう夏の強烈な日差しが容赦なく照りつける。アスファルトから立ち上るカゲロウがゆらゆらと揺れ、空気も熱くたまっている。
「うわ〜、暑か〜、体が溶けそうやん！」光子が大げさに腕を伸ばしながら叫ぶ。
赤信号で止まると、二人の汗が滝のように流れ落ちる。優子はハンカチで顔をぬぐいながら、「信号止まると余計に暑かね。汗がスプラッシュアタックやん」と呆れ顔。
光子はふと思いついたように、自分の制服の袖をくんくんと匂う。「ん〜……くっさ〜！この香り、夏の香りとしか言いようがなか〜」
「光子！自分の汗臭さをギャグにせんでよ！」優子が鋭くツッコむ。
「いや、これは天然ギャグやん！読者にも伝わるやろ？」光子は笑いながらも必死に弁明。
「天然でも、汗の臭いは勘弁やけん！」優子がさらにツッコミを入れると、光子は吹き出しながら、「じゃあ、俺の汗で新しい香水作ったらどう？“カゲロウフレグランス”！」
「……光子、発売禁止やけん！」優子が目を丸くして叫ぶ。
二人は自転車をこぎながら、暑さで体力が消耗する中でも、笑いのセンサーが全開。滝のような汗も、カゲロウのゆらめきも、全部ネタにしてしまう二人なのであった。
水風呂
自宅に着いた光子と優子。玄関で自転車を止め、汗でべとべとの制服を脱ぎ捨てる。
「ふぅ〜、やっと水風呂にたどり着いた〜！」光子が叫ぶ。優子も負けじと水シャワーを浴びる準備をする。
シャワーの栓をひねると、水が勢いよく飛び出し、二人の体を直撃。光子は「うわっ、氷水やん！俺の体、ギャグの舞台に早変わりや！」と叫び、体を震わせながら水を浴びる。
「光子、ギャグの舞台ちゃう！ただの水シャワーやん！」優子がツッコむ。
水しぶきが飛び散り、リビングにまでかかる。「わー、床も滑るぞー！」光子が滑って転びかける。優子は「天然滑り芸か！」と爆笑しながら支える。
そして、浴室内で二人はお互いの髪を水でバッサバッサ振り回す。光子が「水の竜巻や〜！」と叫べば、優子も「次は水のカゲロウ発生〜！」と負けじと返す。
しばらくして、水浴びで体が冷えたところで、光子が真顔で言う。「なあ、優子。今日の汗も水シャワーも、全部ギャグのネタになるやん。」
「うん、でも今は笑い疲れて体力ゼロ。もうギャグの充電が必要やね。」優子も笑いながら言う。
二人は笑い疲れつつも、頭の中では次のギャグのアイデアが湧き続ける。暑さも汗も、全部「素材」になる。それが光子と優子の日常であり、最強のギャグ製造マシンなのであった。
Cカップ
水浴びで体を冷やし、シャワーを終えた光子と優子はバスタオルを巻いて鏡の前に立つ。
光子が首をかしげながら、鏡越しに自分の胸をチラッと見て言う。
「なあ、優子…うちら、今Cカップくらいあるっちゃない？」
優子も同じように鏡を見て頷く。
「ほんとやね〜。だいぶ大人っぽくなったっちゃ。でも、ギャグの破壊力は昔と変わらんね。」
光子はくすくす笑いながら、タオルをぎゅっと巻き直す。
「うん、胸のサイズは成長しても、うちらの頭の中はまだまだギャグ満載やもんね。」
優子も笑いながら返す。
「これでギャグのパワーと成長した体力の両方で、もっとすごいことできるっちゃ！」
二人はお互いを見つめて笑い、少し照れくさい気持ちを隠しつつも、今日も「笑いの連鎖」を生み出すために、ギャグ脳をフル回転させるのだった。
イタズラ
放課後の福岡高校、吹奏楽部の練習が終わった後。光子と優子はお風呂場でタオルを巻きながら、ひそひそと作戦会議を開く。
「ねぇ、優子、今日イタズラしよっか？」
「うん、どんなの？」
光子がにやりと笑いながら答える。
「入れ替わり作戦、高校版。吹奏楽部のみんな、騙せるか試してみるっちゃ。」
優子も目を輝かせる。
「面白そう！うちら、身長も体格もほとんど変わらんし、ぱっと見では気づかれんやろ。」
「そうそう、特徴は光子が右利き、優子が左利き…でもうちら両方右手も使えるから、優子が右手使ってる時は黒子の位置で見分けてもらわんとね。」
翌日の練習。
光子はパーカッション、優子はチューバを手に取り、いつもと逆の楽器に挑む。小春やさおり、朱里、樹里たちは「ん？なんか違う…？」と首をかしげるが、なかなか気づかない。
光子が太鼓を叩きながら、「ほら、リズムに乗れ〜」と、普段のツッコミ口調で演奏。
優子はチューバを構え、「うぉりゃ〜、低音だ！」と叫びながら、いつもとは違う音域で吹き鳴らす。
部員たちは混乱しつつも演奏に夢中で、双子の入れ替わりに気づけず。
「やっぱり、完璧に騙せるっちゃね」と光子。
「次はどのネタでみんなを混乱させよっか？」と優子が笑う。
こうして、双子は高校時代でも「入れ替わり作戦」を発動し、吹奏楽部に笑いと軽い混乱をもたらしたのだった。
イタズラ開始
放課後の福岡高校、吹奏楽部の練習が終わった後。光子と優子はお風呂場でタオルを巻きながら、ひそひそと作戦会議を開く。
「ねぇ、優子、今日イタズラしよっか？」
「うん、どんなの？」
光子がにやりと笑いながら答える。
「入れ替わり作戦、高校版。吹奏楽部のみんな、騙せるか試してみるっちゃ。」
優子も目を輝かせる。
「面白そう！うちら、身長も体格もほとんど変わらんし、ぱっと見では気づかれんやろ。」
「そうそう、特徴は光子が右利き、優子が左利き…でもうちら両方右手も使えるから、優子が右手使ってる時は黒子の位置で見分けてもらわんとね。」
さらに、髪型もチェンジすることにした。光子はツインテールをやめてポニーテールに、優子はポニーテールをツインテールに。それだけで雰囲気がまるで入れ替わったかのようだ。
翌日の練習。
光子はパーカッション、優子はチューバを手に取り、いつもと逆の楽器に挑む。小春やさおり、朱里、樹里たちは「ん？なんか違う…？」と首をかしげるが、なかなか気づかない。
光子が太鼓を叩きながら、「ほら、リズムに乗れ〜」と、普段のツッコミ口調で演奏。
優子はチューバを構え、「うぉりゃ〜、低音だ！」と叫びながら、いつもとは違う音域で吹き鳴らす。
部員たちは混乱しつつも演奏に夢中で、双子の入れ替わりや髪型チェンジに気づけず。
「やっぱり、完璧に騙せるっちゃね」と光子。
「次はどのネタでみんなを混乱させよっか？」と優子が笑う。
こうして、髪型チェンジも加えた「入れ替わり作戦」は、高校時代の吹奏楽部に笑いと軽い混乱をもたらしたのだった。
イタズラ開始
練習が進むにつれて、部員たちの間にざわめきが生まれる。
「ねぇ…なんかいつもと違うなぁ？」と小春が小声でささやく。
「光子が…ツッコミ入れとったやん？」さおりも眉をひそめる。
「しかも、優子がボケかましてるし…」樹里が不思議そうに首をかしげる。
「なーんか、いつもと様子が違うような…」朱里も同意する。
演奏中、太鼓のリズムに合わせて光子が鋭く指示を出す。普段なら優子の役割だとわかる言動に、部員たちは頭の中で整理できずに目を丸くする。
一方の優子はチューバを吹きながら、いつもなら光子がやるようなボケを連発。低音の響きとともに、笑いの空気がフロアを包む。
小春が小声で「え、あれ…光子ってこんなボケする子やったっけ…？」
さおりも「優子、そんなツッコミ力あったっけ？」と首を傾げる。
光子と優子は顔を見合わせて、にやり。
「完璧に騙せとるっちゃね」
「うちらの入れ替わり作戦、大成功やん」
演奏と同時進行で繰り広げられるギャグ劇に、部員たちは徐々に吹き出し始める。ツッコミとボケの微妙な違和感に気づきながらも、笑いをこらえきれない。
こうして、入れ替わり作戦は部員たちに軽い混乱と大爆笑をもたらし、光子と優子の“ギャグ力×演奏力”の恐るべきコンビネーションが証明されたのだった。
ネタバラシ
練習がひと段落し、部員たちはまだ首をかしげたまま椅子に座っている。光子と優子はにやりと笑いながら、立ち上がる。
「みんな、よーく見とってよ。実は…」
光子がひと呼吸置いて、言う。
「今日の演奏、うちら入れ替わっとったっちゃ！」
優子も笑顔で付け加える。
「ほら、楽器も髪型も逆にしとったやん？ツインテとポニテもチェンジ！」
部員たちは一斉にどよめき、笑いと驚きが混ざる。
「えええーーー！？」
「マジで！？光子と優子、入れ替わってたん！？」
「だから、なんかボケとツッコミの感じが変やったんや！」
光子が指をさして笑う。
「みんな、あんたら、最後まで気づかんかったやん！」
優子も負けじと手を叩く。
「うちらの小道具作戦も、ばっちり成功やね！」
小春が悔しそうに頭をかきながらも笑う。
「ま、まさか…こんな手を使うとは…！」
さおりも大笑いしながら、拍手。
「うちら、完全に騙されとったやん！」
朱里と樹里も声を合わせて笑い、場は爆笑の渦に包まれる。
「光子と優子、ほんまに恐るべし…！」
こうして、入れ替わり作戦のネタバラシは、部員たちに笑いと軽い感動をもたらし、吹奏楽部の絆もさらに深まったのだった。
