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たんぽぽギャグコント

たんぽぽコント in 音大キャンパス


春の朝。

音大のキャンパスには桜とともに、黄色いたんぽぽが咲き始めていた。

講義前の中庭を歩いていた光子と優子が、ふと立ち止まる。


「見てみぃ、優子。たんぽぽ並んどる。しかも、西洋と日本のダブル共演ばい。」


優子はしゃがみ込み、真剣な顔で観察した。

「ほんとや。これ、まるで“国際的カップル”っちゃね。」


光子がにやりと笑う。

「ほうねぇ。こりゃもうコントネタやね。即興いこか。」



◆ たんぽぽの国際会議・即興ギャグ開幕!


光子(西洋たんぽぽ役):「オホホ、ワタクシ、ヨーロッパ帰りのエレガントたんぽぽざます〜」


優子(日本たんぽぽ役):「どこがエレガントよ!地面に根っこ張っとるくせに、たいそうな口ばっか!」


光子:「根っこが強いのは、サステナブルの証拠ざます〜。脱炭素にも貢献してますの!」


優子:「何それ!地球会議か!うちは博多代表・純和風たんぽぽ。こげな強風でも倒れんけんね!」


光子:「まぁまぁ、仲良くせんと風に飛ばされますわよ〜。」


優子:「飛ばされたらまた博多戻ってくるけん!」



二人のやり取りを見ていた後輩たちが、次々に集まり始めた。

ピアノ科の小春が笑いながら言う。


「ちょ、また始まったっちゃね!今度は“植物シリーズ”やん!」


クラリネット専攻のさおりが爆笑しながら動画を撮る。

「これSNSバズるっちゃろ!“音大たんぽぽ姉妹”ってハッシュタグ作っとこ!」



講義開始のチャイムが鳴っても、周囲の学生は笑いを止められない。

教授まで顔を出し、ため息をつきながら笑う。


「君たち……声楽科の発声練習より腹筋鍛えてどうするんだ。」


光子と優子、同時にぴしっと敬礼。


「先生!ギャグも発声訓練の一環です!」



講義後、楽屋で光子が笑いながらスマホを取り出す。

「たんぽぽコント、動画再生数5万いっとるっちゃけど!」


優子:「コメント欄、“世界に笑顔をありがとう”とか“博多の風、最高”とか書いてあるやん!」


光子:「いや、風は“花粉”やけどね!」


優子:「そこツッコむなや!」


二人の笑い声が春のキャンパスに響き渡り、

その音はまるで──たんぽぽの綿毛のように、やさしく広がっていった。



タイトル:たんぽぽ・スプリングセッション 〜音大2年目、笑いの花が咲く〜





たんぽぽ・スプリングセッション(2041/音大2年)


中庭の芝生。桜の花びらがまだ少し残る朝、

講義前の光子と優子が、並んで咲く二輪の黄色に足を止めた。

片方は西洋たんぽぽ、もう片方は日本たんぽぽ。


光子「今年もダブル主演やねぇ。」

優子「2年生もダブル主演でいこか。…はい、即興スタート!」


(くるりと向き合って一礼)


光子(西洋たんぽぽ)「ボンジュ〜ル。世界基準の根張り力でキャンパス席巻中ざます〜。」

優子(日本たんぽぽ)「席巻とか言わんで!地味にローカル守っとる側の身にもなりんしゃい!」

光子「インターナショナルとローカルのハーモニー…つまりデュオ。」

優子「なら音合わせせな!勝手に転調すんな!」

光子「転調じゃなくて環境適応ざます〜。」

優子「横文字多いとって許されんけん!」


まわりにいた新入生がくすくす笑う。スマホが上がる。

「先輩ら、ほんとにやるんや…!」という囁き。

鐘が鳴っても、二人は“オチ”まできっちり決める。


光子「結論――どっちも同じ地球に根付いとる。」

優子「ほら、今日も笑いの綿毛飛ばしていこ。」


ぱちぱち、と自然に拍手が起きた。



休み時間:進路ノートの余白


優子「2年生って、基礎ガッツリ+実践増量やね。」

光子「歌・リズム・ギャグ、三拍子そろった“間”の研究続けよ。」

優子「“間”って、メトロノームより風向き見る感じよね。」

光子「今日の風:西洋たんぽぽ微有利。」

優子「判定早いって!」


ノートの余白に、次のライブ用メモが増えていく。

『曲間ミニコント:たんぽぽ国際会議・第2楽章』『ラストは大合唱→C-Dimで落として笑いの吸気』



夕方スタジオ:新曲「芽吹きのはく


ピアノ:小春が柔らかい分数コードを鳴らす。

ギター:奏太が春の光みたいなハイポジで返す。

ベース:光子が地面の脈動みたいに“根”を敷き、

ドラム:優子が呼吸みたいなブラシで拍をふくらませる。


光子「Bメロ、息を吸う“間”で観客の笑顔を吸い込みたい。」

優子「んでサビの頭で“ぱっ”て咲かせる。花粉じゃなくて歓声のやつ。」

小春「タイトルは**『芽吹きの拍』**でどう?」

一斉に親指が上がった。



夜道:ふたりのリスタート


帰りの並木道。

光子「2年目の目標、書いとこ。」

優子「よし、四本柱で。」

•声楽の基礎を“笑いの間”で拡張

•ミニコント×室内楽の実験公演

•SNSショート“たんぽぽシリーズ”海外字幕版

•家族行事最優先(春介&春海の成長記録は全力保存)


優子「最後だけ私生活ガチ。」

光子「ここが根っこたい。」


春風が前髪を揺らす。

ふたりはハイタッチして、同時に笑った。


優子「――根、伸びよる。」

光子「花、咲かせよ。」


2年目の春。音と笑いの根は、また少し深くなった。




『速度オーバー注意報!〜光子と優子の交通安全コント〜』


春の風がやさしく街路樹を揺らす。音大の講義を終えた光子と優子は、キャンパス近くの坂道を歩いていた。

ふと、目の前に立つ青い丸い標識が目に入る。


「なぁ優子、あれ見てみ。制限速度40やって」

「ほんとやね〜。でもさ、これ、なんで40なんやろ?39とか41とかじゃダメなんかね?」


光子はしばし考えたあと、ニヤリと笑った。

「……ギャグの匂いがするで」

「やっぱり?」

二人の間にいつもの“ネタ電波”が走る。次の瞬間、二人の世界は“即席コント会場”へと変わった。


───


【コント:速度標識とスピード出しすぎの車】


光子(標識役・直立不動):「はい、そこの車!止まりなさい!制限速度オーバーです!」


優子(ドライバー役・サングラス着用):「すんませ〜ん!でもうち、ちょっと急いどるっちゃ!ライブの開演時間ギリギリで!」


光子:「何キロ出しとったと?!」


優子:「たぶん……70?」

光子:「は?40って書いとるの見えんやったん?!」


優子:「見えとったけど、数字のフォントがかわいかったけん、つい見とれて……」

光子:「見惚れるなや!!」

(観客=通行人役の学生たち:爆笑)


優子:「でも標識さん、うちの心のスピードは常に120km/hやけん!」

光子:「心までオーバースピードか!!免停じゃ免停!!」

(その瞬間、通りがかった自転車が急ブレーキ)


自転車の男子学生:「わ、わ、危ない危ない……!」

優子:「お兄さん、ブレーキ効いとるね〜!うちの彼氏も見習わせたいわ〜!」

光子:「どんな彼氏なんよ!?ギア入れっぱなしなんかい!」

(観客:ドッカーン!!)


───


光子と優子は顔を見合わせ、声をそろえて締めに入る。


「速度は守って、笑いは飛ばせ!」

「スピード違反より、笑い違反に気をつけようね〜!」


観客の学生たちが拍手喝采。中にはスマホで撮影してSNSに上げている者までいた。


投稿のタイトルは「#音大の漫才師双子」「#笑いで交通安全」

わずか数時間でトレンド入りを果たした。



エンディング・コメント(ナレーション調)


春の風よりも速く笑いを届ける双子、光子と優子。

音楽でも、ギャグでも、テンポを守るリズム感は天下一品。

今日も彼女たちの笑いは、制限速度を軽々と突破していく——。





寮暮らし開幕!— 東京・音大ツインズの静音(?)ライフ


都内・環状線の駅から徒歩7分。築浅の音大専用寮。

オートロック、門限23:00、共用スタジオ、食堂は朝夕バイキング。

光子と優子は同フロア別室(※双子でもルームシェア不可の規定)、部屋は防音簡易仕様+共用の本格防音室あり。


朝:メトロノームと炊飯器のポリリズム


寮の廊下に、いくつものメトロノームの「カチ…カチ…」。

光子の部屋からは低い発声エクササイズ、優子の部屋からはスティック練のタップ。

「隣室から炊飯器の“ピッ!”…これ、BPM120で鳴っとるね」

「合わせてウォームアップしたら、朝から米のテンポに支配されるやん!」


食堂:朝から合唱体質


食堂は7:00開場。みそ汁トングの列が自然とハモる。

「いただきます(長三度上)」

「いただきます(完全五度下)」

管理人の山下さん(合唱OB)が笑って小声で「朝は静かにね〜(でも和音はキレイ)」。


共用スタジオ:静音ルール vs. 打楽器民


夕方、共用スタジオの予約表。

18:00〜19:00〈光子:ベース基礎〉

19:00〜20:00〈優子:スネア基礎〉

貼り紙「19:30〜20:00は“静音タイム”につき大音量不可」。

優子「静音タイムにスネアって、試合開始前に退場言われる感じやん…」

光子「消音パッドで“無音のグルーヴ”鍛えようや。心拍で叩くっちゃ。」


(ここでミニ・コント)


優子(管理掲示板役)「本日19:30から静音です!」

光子(ドラマー役)「了解!心の中でリムショットいきます!」

優子「やかましい“心音”もアウトやけん!」

光子「心までミュートできんばい!」

廊下の先輩たち:クスクス→拍手小さめ(静音順守)。


ランドリー:洗濯機セッション


コインランドリーの回転音が16分で回る錯覚。

優子「遠心分離BPM=脱水RMP×拍感換算…これは踊れる」

光子「回しすぎるとTシャツがシャッフルするけん要注意」


ついでに新作ギャグTシャツの在庫補充を段ボールから出す。

同フロアの声楽専攻・紗奈(福岡高校の後輩)が見て目を輝かす。

「先輩、寮祭で“寮内限定ライブ”やりましょ。標識コントの“消灯版”も!」

「“速度は守って、笑いは小声で飛ばせ”やね」

「標識、今度は“消灯22:00”で作ろ!」


夜:門限前のラストテイク


22:10、共用ラウンジの窓辺。

小春がピアノの打鍵角だけを指先でシミュレート、奏太はヘッドホンでコード進行を確認。

光子「新曲『芽吹きの拍』、寮の静けさで逆に輪郭見えたね」

優子「音量しぼると、間がでかく見える。これ、ライブの“息継ぎ”決まるばい」


門限コールが流れる。

「ただいまより施錠します」

二人は軽くハイタッチして解散。

廊下に、ほのかな柔軟剤の匂いと、どこかの部屋の微かなスケール練習。

東京の夜は、静かに、でも確実にリズムを刻んでいる。



次回予告(寮イベント編)

•寮祭で**“消灯標識コント”**×アンプ無のアンプラグド・ミニライブ

•管理人山下さん(合唱OB)との“朝の音程注意報”コラボ

•近隣保育園の親子会で“笑いで交通安全”出張版(超小声・手遊び付き)







夕方笑顔NIPPON「静かにバズる!音大寮から“笑いで安全”発信」


— 東京・音大ツインズの“消灯標識コント”が話題 —


(OPジングル/テロップ:〈#音大ツインズ〉〈#笑いで交通安全〉〈#消灯は守って笑いは小声で〉)


アナウンサー(スタジオ)

「SNSで大人気の“速度標識コント”を生んだ双子が、今度は東京の音大学生寮から“静音版コント”を発信。静かなのに、なぜか笑いは大きく届く——その秘密に迫ります。」



VTR:東京・音大学生寮にて


(外観/夕焼け/門限表示「23:00」/掲示板に“消灯22:00・静音タイム19:30–20:00”)


レポーター(ナレーション)

「ここは都内の音大専用寮。ルールは“静音”。でも——笑いのアイデアは、毎晩ここで生まれます。」


(共用ラウンジ:ミニ撮影。段ボールからギャグTシャツ、手書き標識「消灯22:00」)


寮管理人・山下さん(合唱OB)

「朝は“静かにハモる”、夜は“笑いは小声で”。この子たちは“音のマナー”で笑いを作るのが上手いんですよ。」



再現:新作「消灯標識コント(寮祭・静音版)」


光子(標識役・小声)

「(囁き)22時以降は消灯です……あなたの声、今“フォルテ”です……」

優子(住人役・小声)

「(囁き)す、すみません……心のテンションがフォルティッシモで……!」

光子

「心の音量、ミュートでお願いします……」

優子

「心まで?!……(手で口をふさぎ“無言のツッコミ”)」

(客席=寮生:肩を震わせて無音拍手)


テロップ:〈静音でも伝わる“間”〉〈説教しない安全マナー〉



インタビュー:光子&優子(音大2年/寮生)


光子

「速度標識の次は“消灯標識”。どっちも“守ると誰かが安心できる合図”です。」

優子

「音楽も生活も“”が大事。静かにする時間があるから、響く時間が映えるっちゃん。」


(Bロール:ノートに“間=吸気”“オチ=着地”“音量<伝達”のメモ)



連携:学校・警察・地域


県警・交通企画課(オンライン取材)

「“速度は守って、笑いは飛ばせ”の合言葉を、学校の安全教室で使います。静音版は寮・病院・劇場のマナー啓発にも応用可能。」


近隣保育園・園長

「“小声コント”に子どもたちが前のめり。帰り道の“右見て左見て”が歌になりました。」


大学教員(指揮法)

「休符=沈黙の価値を笑いで体感できる。演奏力にも効いています。」



SNSの反響(モザイク付きコメント)

•「消灯標識コントでルームメイトと笑いこらえ地獄w #寮あるある」

•「説教ゼロで刺さる。静音の“間”が気持ちいい」

•「安全×マナー×笑い、音大ツインズ天才」



スタジオ解説:交通心理×音響


コメンテーター(交通心理学)

「“叱責”より“ユーモア”が防衛反応を下げ、受容が高まります。小声は注意資源を集中させ、“間”が記憶定着を助ける。」


アナウンサー

「静けさがメッセージを増幅する、ということですね。」



中継:寮ラウンジから“生・安全コール”


(伴奏:小春が無音ピアノ=鍵盤タッチだけ/奏太がエア・ストローク)


光子&優子(囁き+手拍子)

「右見て、左見て、心の速度も——確認よ。」

「速度は守って、笑いは小声で飛ばせ!」


(テロップ:〈#笑いで交通安全〉〈#消灯は守って笑いは小声で〉

視聴者参加:自宅・学校・職場の“静音マナー宣言”動画を募集)



エンディング・ナレーション


「音を学ぶ街の、小さな沈黙。

その“休符”に、ふたりは今日も笑顔のはくを置いていく。」


(エンディングBGM/提供クレジット/フェードアウト)















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