赤ちゃんほのぼの日記
『放課後のハーモニー 〜声をあわせて、心をつなぐ〜』
放課後の吹奏楽部を終え、笑いと汗でいっぱいになった一行は、それぞれ家路についた。光子と優子は並んで歩きながら、さっきのギャグをまだ引きずって笑っている。
「はぁ〜、今日もお腹の筋肉まで鍛えられたばい」
「ほんとほんと。吹奏楽部やけん肺活量鍛えられるって思いよったけど、笑いで鍛えられよる気がするっちゃん」
二人はそう言って笑いながら、学校近くのコンビニへ寄り道して、おやつを買い込んだ。帰宅後、さっそく袋を開けて「もぐもぐたいむ」が始まる。
しかし、食べようとするたびに、今日の部活での名ギャグを思い出しては爆笑。ポテトチップスを手にしたまま、優子が涙目で叫ぶ。
「もう食べられんて!お腹よじれる〜!」
「ほら、私が食べさせちゃるけん口開けんしゃい!」
光子がポテチを優子の口へ突っ込もうとするが、笑いすぎてうまく入らない。そこへ小春も「はい、次はチョコ差し入れ〜!」と加わり、結局みんな交互に食べさせあう形に。笑いとお菓子の甘さで、疲れは吹き飛んでいった。
⸻
夜。部屋に戻った光子は、机に置かれた声楽科の課題曲の楽譜を広げた。ニュージーランド民謡やカナダ民謡――世界の曲を題材に、声の響きや言葉のリズムを学ぶ授業だった。
優子が隣のベッドから覗き込む。
「お姉ちゃん、ニュージーランドとカナダ、どっちから練習する?」
「うーん…ニュージーランドかなぁ。あのリズム感、なんか元気になるっちゃ」
二人は姿勢を正し、発声練習を始める。母音を響かせる練習に、喉を開く練習。ときどき失敗して変な声が出るたびに、部屋は爆笑に包まれた。
「ぎゃははっ、いまのヤギみたいやったよ!」
「ヤギはお姉ちゃんの方やろ!いま完全に“メェ〜”って聞こえたばい!」
しかし笑いながらも、二人の声は少しずつ揃っていく。真剣な眼差しでハーモニーを確かめると、部屋の中に心地よい響きが広がった。
小春もピアノの前に座り、伴奏をつける。鍵盤から生まれる旋律と、双子の声が一体になり、まるで遠い国の風景が窓の外に広がるかのようだった。
練習を終えると、光子が深呼吸をして言う。
「やっぱり歌うの、楽しいね」
「うん。笑いもいいけど、歌ってると心がすーっと軽くなるっちゃね」
三人はしばらく黙って、余韻に浸った。博多南中で磨かれたギャグ魂と、高校で広がる音楽の世界。その二つが重なって、また新しい物語が始まっていく予感がしていた。
ビデオ通話開始
夜、3人は自宅からパソコンを前に座った。画面にはニュージーランドのライアンの施設、カナダのソフィーの施設、そして福岡の「みらいのたね」の人々が映し出される。
ライアン(NZ):
“Congratulations on starting high school! You all look so grown up!”
(高校入学おめでとう! みんな大人っぽくなったね!)
ソフィー(Canada):
“I can’t wait to hear about your music. Did you join any clubs?”
(みんなの音楽の話を聞きたいな。部活には入った?)
光子:
“Yes! We joined the brass band club. I play the bass part, my sister plays percussion, and Koharu plays keyboard.”
(はい! 吹奏楽部に入りました。私はベース担当で、優子は打楽器、小春はキーボードです。)
優子:
“And we also started voice training classes. It’s so much fun, but sometimes we make our teacher laugh too much.”
(それから声楽の授業も始まったんです。すっごく楽しいけど、先生を笑わせすぎちゃうこともあります。)
ソフィー:
“That sounds just like you!”
(まさにあなたたちらしいね!)
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美香と赤ちゃん
そこへ、美香が画面に現れた。腕には小さな赤ちゃんを抱いている。
「紹介するね。春介と春海、二ヶ月になりました」
ライアン:
“Oh my gosh, they’re so tiny! Hello, little ones!”
(うわぁ、なんて小さいんだ! こんにちは、赤ちゃん!)
春介が「あ〜」と声を出すと、みんなの顔がぱっと笑顔になった。
優子: 「今、しゃべったっちゃ!」
小春: 「かわいすぎやろ〜!」
春海は画面をじっと見て、ふっと笑顔を見せる。
ソフィー:
“She smiled! Did you see that? That’s a first connection!”
(笑ったよ! 今の見た? 初めてのつながりだね!)
みらいのたね代表:
「こうやって世界とつながって、子どもたちの成長を一緒に見守れるのは、本当に素晴らしいことです」
美香は少し涙ぐみながら、
「私が今ここにいられるのも、みんなの支えのおかげ。春介と春海には、愛されて育つ喜びをちゃんと伝えていきたい」
画面越しに世界中がつながり、音楽と笑いと新しい命の鼓動が一つになった夜だった。
LINE風やり取り
──授業が終わり、帰りのバスの中。光子はスマホを取り出して、美香にメッセージを打った。
光子 → 美香
「美香お姉ちゃん、春介と春海はどんな様子?
お姉ちゃんは疲れ溜まってない?
学校が終わったら手伝いに行くよ?」
既読がつくまでの数秒がやけに長く感じられた。やがて、美香から返信が届く。
美香 → 光子
「ありがとう。春介も春海も元気よ。泣いたり笑ったり、毎日大忙し。
私はちょっと寝不足だけど、みんなが気にかけてくれてるのが支えになってるよ。
でも無理して来なくて大丈夫だからね。学校を優先してね」
すぐに優子が横からスマホを覗き込み、光子に言った。
「送っとこうやん! うちら、ほんとに頼りになる妹やけん」
そして追加のメッセージが送られた。
優子&小春 → 美香
「無理しとらんでね!
赤ちゃんたちに会いたいけん、今度みんなで遊びに行くね!
手伝えることがあったら、なんでも言ってよ〜!」
画面越しに見えないけれど、美香が笑顔になっていることは、3人にもはっきりと分かった。
LINE風やり取りの続き
光子たちが送ったメッセージの数分後、美香から新しい通知が届いた。
美香 → 光子・優子・小春
「じゃあ、ちょっとだけおすそ分けするね
今日のお昼に撮った春介と春海の写真!」
数秒後、スマホ画面に二人の赤ちゃんの姿が現れる。春介は布団の上で両手をぶんぶん振り回していて、春海は小さな笑顔を浮かべている。
優子は思わず叫んだ。
「やばっ!かわいすぎるやろ、これっ!!」
小春もスマホを覗き込み、手で口を押さえながら悶絶した。
「赤ちゃんスマイル、破壊力やばすぎっちゃけど!!」
さらに美香から、今度は短い動画が送られてきた。
画面の中で春介が「あー」「うー」と声を出し、春海がそれに合わせてニコッと笑う。
光子は涙目になりながらスマホを抱きしめた。
「……反則やん、これ……かわいすぎて腹筋痛い!」
三人が大はしゃぎしている様子に、美香が返信を重ねる。
美香 → 光子・優子・小春
「ふふっ。みんなに見せたら元気になるかなと思ってね。
赤ちゃんたち、きっとお姉ちゃんたちの声が聞こえたら、もっと喜ぶよ」
すると優子がすかさず、スタンプを連打した。
優子 → 美香
「今度、ビデオ通話で赤ちゃんたちとおしゃべりするっちゃ!
あ、まだ喋れんか(笑)」
美香は画面越しに、クスッと笑みをこぼした。
「喋れなくても、きっと声に反応してくれるよ」
小春がスマホを胸に抱えて呟いた。
「絶対に会いに行くけん。お姉ちゃんが少しでも楽になるように、私たちが支えるけんね」
その言葉に光子と優子も大きくうなずいた。
笑いの絶えない三人のやり取りは、画面の向こうの美香の心を、そっとあたためていた。
小説風(博多の午後、春の訪問)
土曜日の午前。
福岡高校の吹奏楽部の練習室は、熱気でいっぱいだった。光子はベースの低音を唸らせ、優子はリズムを刻み、小春は鍵盤の旋律を添える。顧問の先生が「今日はここまで!」と声をかけると、三人は汗を拭いながら顔を見合わせた。
「よーし、今日の午後は特別やけん!」
優子がニヤッと笑う。
「美香お姉ちゃんのとこ、行く準備せなね!」
光子が張り切って答える。
「赤ちゃんたちに会えるの、楽しみ〜!」
小春も笑顔で頷いた。
――一旦自宅に戻った三人は、エプロン姿になってキッチンに立つ。メニューは「焼きサンド」。パンにハムやチーズ、卵を挟み、フライパンでじっくり焼き上げると、香ばしい匂いが広がった。
「これ、赤ちゃんはまだ食べられんけど、美香お姉ちゃん喜ぶやろ」
光子が仕上げのカットをしながら言う。
「うちらの元気もサンドして持っていくっちゃ!」
優子がギャグを飛ばし、小春は吹き出しながら「もう、熱々やけんギャグも一緒に焼けとる!」と突っ込んだ。
紙袋に焼きサンドを詰め、午後のやわらかい陽射しの中を歩いていく。春の風が頬を撫で、街路樹の若葉が揺れていた。
――美香が暮らすマンションに到着。
エントランスでインターホンを押すと、すぐにモニターに美香の笑顔が映った。
『あ、みんな!待っとったよ。すぐ開けるね』
オートロックが解除され、エレベーターで上がる。ドアが開いた瞬間、美香がエプロン姿で出迎えた。
「よう来たね〜!ちょうど今、春介と春海がお昼寝から起きたとこよ」
三人の目が一気に輝いた。
「ほんと!?早く会いたか〜!」
リビングに入ると、ベビーベッドに並んで寝転ぶ春介と春海が、ぱちぱちと大きな目を開けていた。二人はちょこんと手足を動かしながら、来訪者を歓迎するように「あー」「うー」と声をあげる。
「わぁっ!春介も春海も、大きくなっとるやん!」
光子は両手を広げるように身を乗り出した。
「やばい、ちょっと見ん間に表情がめっちゃ豊かになっとる!」
優子も興奮気味にのぞき込む。
小春はそっとベッドのそばにしゃがみ、春海の小さな手を指に触れさせた。
「かわいかぁ……握っとる。ちっちゃな力やけど、ぎゅって伝わってくる」
美香はそんな三人を見て、柔らかい笑みを浮かべた。
「ほんと、姉妹がおるみたいやね。赤ちゃんたちも、光子ちゃんたちに会えて嬉しかろうね」
そしてテーブルに焼きサンドを並べると、美香は感激したように声をあげた。
「うわぁ、ありがとう!みんな練習で疲れとるのに、手作りしてくれたんやね。お姉ちゃん、めっちゃ幸せよ」
「食べんと元気が出らんけん!」
光子が胸を張ると、
「うちらの愛情もチーズみたいにトロけとるけん、覚悟しとって!」
優子が追撃し、
「はいはい、ギャグも一緒に召し上がれってことやね」
小春が突っ込みを入れた。
笑い声と赤ちゃんの声が重なり、部屋は春そのものの温かさで満たされていった。
リビングの窓から柔らかな春の光が差し込み、春介と春海の小さな顔を優しく照らす。光子はそっと春介を抱き上げた。まだ2ヶ月とは思えないほど、目がくりっとしていて、指先をぎゅっと握り返してくる。
「わぁ、握った!春介の手、ちっちゃか〜!」
光子の声に、優子も小さな手を伸ばす。春海の指先が優子の指に触れた瞬間、優子は思わず笑いをこらえきれず、
「うわっ!この力、侮れんやん!」と叫んだ。
小春もベビーベッドのそばで春海を抱っこする。小さな体をそっと支えながら、彼女は柔らかい声で
「かわいかぁ……このぬくもり、ずっと守りたかね」と呟く。
美香はキッチンから手を拭いながら見守る。春介と春海の寝返りや小さな声に、自然と笑みがこぼれた。
「ほんと、姉妹が増えたみたいに賑やかやね……」
光子は春介の頬にそっとキスをすると、
「お母さん、こんなにかわいいんやもん、元気いっぱいにならんとね!」
優子も春海を抱きながら、思わず小さな踊りをしてみせる。赤ちゃんたちはきゃっきゃと声を上げ、まるで笑いの輪に加わるかのよう。
小春が「こっち向いて〜、写真撮るけん」と声をかけ、スマートフォンで何枚もシャッターを切る。光子と優子はそれぞれの手で赤ちゃんを抱き、二人が重なり合う笑顔をカメラに収めた。
「いやぁ、赤ちゃんの力ってすごかね。笑いと癒やしを一瞬で届けるっちゃね」
光子が感嘆するように言うと、優子も笑いながら
「うちらも負けんごとギャグで返さんとね!」と付け加えた。
美香はそんな三人の姿を見て、胸がじんわり温かくなる。
「みんな、ありがとう……。赤ちゃんたちも、こんなに可愛がってもらえて幸せやね」
焼きサンドを一口かじりながら、光子がふと
「うわぁ、春介、目が笑っとる!春海も手をバタバタさせて、楽しそうやん!」
優子は「笑いの遺伝子、間違いなく受け継がれとるね」とにっこり。
小春も負けじと「お姉ちゃんたち、これから毎週来てもいい?」と聞くと、春介と春海は両手をぱちぱちさせ、まるで「もちろん!」と言っているかのように応えた。
美香はそっとため息をつき、心の中で誓った。
――この小さな命を、どんなことがあっても守り抜こう。
――愛情も笑いも、惜しみなく注ごう。
午後の光の中、笑い声と赤ちゃんの声が入り混じり、マンションの一室は春そのものの温もりと幸福感に包まれていった。
リビングの窓から差し込む午後の陽射しは、赤ちゃんたちの柔らかな頬を照らし、まるで小さな舞台を作り出していた。光子はふとアイディアを思いつく。
「ねぇ、春介、春海。お姉ちゃんたちがギャグ教えてあげようか?」
優子も手をたたいて笑う。「うんうん、うちも教えるばい!」
小春が小さな音楽用の鈴を取り出し、赤ちゃんたちの前でゆらゆらと振る。春介は目を丸くして鈴を見つめ、春海は両手をぱたぱたさせて興奮気味に笑う。
光子は勢いよく、少し大げさに腕を振りながら、
「せーの!シュワッチ、バナナの皮で滑った〜!」
と叫んでギャグポーズ。春介は思わず笑い声のような声をあげ、手を小さくパチパチ。春海も真似してバタバタと手足を動かす。
優子は続けて、手を叩きながら、
「うひょー!おばけが来たばい、キャー!」
春介と春海は声を出せないながらも、表情で爆笑しているのがわかる。小春も負けじと、「あはは!お団子が頭に落ちてきた〜!」と声を張り上げる。
美香はキッチンから見守りながら、思わず笑いをこらえきれない。赤ちゃんたちの反応が、光子たちのギャグのエネルギーを倍にして返してくる。
光子は「よっしゃ、春介、春海、今度は一緒にやってみよう!」と促す。春介は小さな手を振り上げ、春海も同じように手足を動かす。光子と優子は笑いながら「そうそう!その調子!」と声をかける。
すると、春介と春海の動きが次第にシンクロしてきて、まるで小さなギャグコンビが誕生したかのようだった。光子は感心してつぶやく。
「もう、こいつら、お笑いセンスあるやん……」
優子もにっこり笑い、「間違いなく、うちらの血筋やね」と続けた。
小春も負けじと、赤ちゃんたちに小さな手拍子を教えながら、
「さぁさぁ、せーの!ドドドドン!ギャハハ!」
と声を出す。春介と春海は手足をバタバタさせ、笑いの嵐を部屋中に巻き起こす。
美香はもう笑いをこらえるのをあきらめ、ソファに腰を下ろして大爆笑。焼きサンドを手にしていたはずが、笑いすぎて手が止まり、思わず「もう、うちまで腹筋やられる!」と声をあげる。
光子は、「お母さんも一緒にやろう!」と手を差し伸べ、春介・春海を抱き上げる。優子と小春も加わり、四人の赤ちゃんと三人のお姉さんが入り混じった即席ギャグパフォーマンスは、マンションのリビングを瞬く間に爆笑の渦に変えた。
美香は笑いながら、心の中で決意を新たにする。
――どんなに忙しくても、どんなに疲れても、この小さな命に笑いと愛を注ぎ続けよう。
――うちら姉妹と子供たち、そして家族みんなで、笑いの輪を絶やさず、幸せに生きよう。
夕陽が窓から差し込む中、春介と春海の笑い声、光子と優子、小春の笑い声、そして美香の幸せな笑い声が入り混じり、マンションの一室は、言葉にできないほどの温かさと幸福感で満たされていった。
午後の日差しがやわらかく差し込む美香のマンションのリビング。春介と春海は、さっきまでギャグで大爆笑していたが、突然同時に顔をしかめ、ちょっとムッとした表情を浮かべた。
「うん?……おむつかな?」光子がすぐに察する。優子も隣でうなずきながら、すっと立ち上がる。
「お姉ちゃん、おむつ変えるよ!」光子が春介を抱き上げ、手際よくオムツ替えの準備を始める。
「春介〜、気持ちよくなるばい。ほら、ちょっとだけ我慢してね」と声をかけながら、すでに手が慣れた動きで作業を進める。
優子も負けずに春海の方へ。
「春海もおむつ変えよっか〜。ホラホラ、気持ちよくなるけんね」と笑顔で手を伸ばす。春海も顔をくしゃっとさせながら、優子に身をゆだねた。
小春はその様子を見てにこにこしながら、
「みっちゃんもゆうちゃんも、もうお母さんみたいね〜。やっぱり慣れとるね」と声をかける。
美香はソファに座り、ちょっとほっとしたように息をつきながら、「頼める?助かるわ……」とつぶやく。双子たちを抱えながら笑顔で動く三人の姉妹を見て、胸が熱くなる。
光子の手際はまさにプロフェッショナル。春介のおむつを替えながら、優子と小春に「ありがとうね、一緒にやってくれて」と小さな声で囁く。優子も春海のおむつを替えつつ、「こうしてみんなで助け合えるの、うれしいね」と笑顔を返す。
くずり出した春介とうんちをもらした春海に、リビングはほんの少し慌ただしくなるが、笑いは絶えない。光子が「はい、スッキリしたね、春介」と声をかけ、優子も「春海もスッキリ〜」とにっこり。小春も「二人ともすっきりしたね〜」と見守る。
美香は双子の新しいおむつを見ながら、「うちがこんなに頼れる姉妹を持つなんて、幸せすぎる……」と心の中で思う。春介と春海も、清潔になって気持ちよさそうに小さな手足をバタバタさせ、笑顔を浮かべた。
こうして、マンションのリビングは、笑いと小さなハプニングが入り混じった、温かく、賑やかで幸せな空間に包まれたのだった。
おむつ替えが一段落すると、リビングは少し落ち着きを取り戻した。だが、静けさはほんの束の間。春介が手をバタバタさせながら、くすぐったがるような声をあげると、春海も負けじと同じように小さな手足をばたつかせ、二人同時にくすぐったがる声を出した。
「きゃはは、ちょっと待っとー!春介、くすぐったいばい!」光子は笑いながら春介のわき腹をそっと触れる。
「春海もやー!」優子も春海の足をつんつんしながら、二人の笑い声に応える。
小春は笑いながら、「もう、みんなでお笑い大合戦やね」と声を上げ、リビングは瞬く間にギャグ満載の空間へと変貌した。春介と春海はまだ言葉を話せないが、その表情と仕草だけで、まるで漫才のネタを演じているかのよう。
「お姉ちゃん、ほら、春介の鼻にちょん!これがギャグばい!」光子が鼻先に指をちょんと当てると、春介はびっくりして笑いを爆発させた。
「春海もやるばい!」優子も同じく春海のほっぺをくすぐる。二人の笑い声に、美香は思わず大笑い。
「はぁ、もー、笑いすぎて腹筋崩壊するばい……」美香はソファに腰かけながら、息を整える。だが、春介と春海はそんなことお構いなしに、まだまだギャグを炸裂させる。小春もつられて、「よーし、みんなまとめてギャグ攻撃やー!」と参戦。
光子と優子も負けじと、赤ちゃんの動きを見ながら次々とボケやツッコミを繰り出す。まるでリビングは小さなコントステージになり、笑い声が止まらない。
しばらくして、美香が息を切らしながらも、「もう、ほんと、みんな……この笑いのエネルギー、止められんね」とつぶやくと、光子が「お母さんも笑っていいとよ!」と笑顔で返す。優子も「一緒に笑わんと、損ばい!」と加わる。
そのうち、春介が手に持ったおもちゃを投げてみたり、春海が寝返りを打ってリビングを転がったりして、ますますカオスな状況に。美香は「はぁ……でも、これが幸せやね」と、心からの笑みを浮かべる。
小春も、「もう、こうなったら全員でギャグ大作戦やね!」と声を張り上げ、光子と優子、赤ちゃんたち、そして美香までも巻き込んで、リビングはまるでお笑いライブ会場のような賑わいに。
最後には、春介と春海を抱き上げ、光子と優子が「今日も大成功ばい、ギャグの嵐!」と叫ぶ。美香は疲れたけれど心から笑顔になり、「この家族、この笑い、この幸せ……ずっと守るけんね」と小さな声でつぶやいた。
こうして、四人+赤ちゃんのカオスでハッピーな日常は、笑いと愛に包まれたまま静かに夜へと移っていくのだった。
夜も更け、リビングの明かりは柔らかく灯る。春介と春海の入浴も終わり、パジャマに着替えた二人を、美香と光子、優子が交互に抱き上げ、寝かしつけの準備に取りかかる。
「さぁ、春介、今日はお姉ちゃんたちがギャグで眠らせちゃるけんね」と光子がニコニコ顔で囁くと、春介は小さな手をぱたぱたと動かして笑顔を見せる。
「春海もね、ほら、眠くなぁれ〜ギャグの魔法やけん!」優子も声を張り上げる。
小春も参戦し、三人のお姉ちゃんたちが赤ちゃんに向けてギャグ攻撃を仕掛ける。春介と春海は笑い声を上げながらも、目は次第にトロンと重くなり、眠気に負け始める。
しかし、ここで事件発生。春介が光子の顔を小さな手でぱちんと叩き、春海が優子の足をつんつんと蹴る。
「うぎゃー!ちょっと待てー!」光子も優子も思わず叫ぶ。笑いとツッコミが飛び交い、三人とも腹筋が限界に近づく。
美香はそんな光景を見ながら、「もー、私も巻き込まれるやん……」とソファに腰かける。しかし、赤ちゃんたちのギャグパワーは容赦なく、光子と優子の笑い声が美香にも伝染。
「うわぁ、もー腹筋やられるばい!」美香は両手でお腹を押さえながらも、顔は笑いでくしゃくしゃになっている。
「せやけど、これが幸せばいね……」美香は笑いながらも、赤ちゃんたちを優しく抱き寄せる。
結局、光子と優子も完全にギャグの渦に飲み込まれ、夜の寝かしつけは予想以上のカオス状態に。
「これ……整骨院案件やね……」美香が小声でつぶやくと、光子と優子も「ほんまや、腹筋崩壊しすぎ……」と同意。
その翌日、三人は整骨院に駆け込むことになる。整骨院はすでに患者で溢れ、受付は悲鳴に近い声。なんと、アイドル級の笑いパワーを持つ家族が来院したということで、院内はパンク寸前。
「お母さん、お姉ちゃん、もうギャグの嵐は勘弁して〜!」受付スタッフも悲鳴を上げながら、患者たちはクスクスと笑いをこらえるのに必死。
結局、院内は笑いと悲鳴で混沌としつつも、赤ちゃんの無邪気な笑い声が響き渡り、整骨院も微妙に癒やされるという奇妙な結末に。
美香は赤ちゃんたちを抱きながら、「でも……この笑いの渦、絶対に楽しいけん、仕方ないばいね」とほほ笑む。光子と優子も頷き、家族全員で爆笑と愛に包まれた日常は続いていくのだった。




