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ファイブピーチ★のモデルはC-C-B さらに福岡高校吹部活動開始

ステージの暗転が明るいライトに変わると、スクリーンに80年代の映像が映し出された。光子と優子が指さす先には、C-C-Bのライブ映像が流れている。メンバー全員が楽器を手にしながら、全員がボーカルを担当し、笑顔で楽しそうに演奏している姿だ。


「ね、みんなすごく楽しそうに演奏してるでしょ?」光子が耳打ちで優子に話す。

「そうやね。しかも全員ボーカルやけん、うちらと一緒やん。」優子が笑顔で応える。


映像では、「ラッキーチャンスをもう一度」が弾けるような明るさで、次に「ロマンティックが止まらない」が流れる。観客席からも歓声が上がり、光子と優子も自然に手拍子を打つ。


「私たちのバンド、C-C-Bをモデルにしてるんよ。ほら、こうやって演奏したら、楽しさも伝わるやろ?」光子がにっこり微笑む。

「うん、絶対に観客もノリノリになると思う!」優子も目を輝かせた。


スクリーンの映像を見ながら、二人は演奏の構成やパフォーマンスの参考にしつつ、自分たちのバンドでの表現を想像していた。ステージの熱気と、映像から伝わるC-C-Bの楽しさが、自然とファイブピーチ★の初ライブへの期待を高めていく。




ステージのライトが落ち、会場は観客のざわめきに包まれる。光子がマイクを握り、少し前に身を乗り出す。


「みんな〜!ちょっと見てほしいっちゃん!」


観客の視線がステージに集まり、スクリーンに80年代のC-C-Bのライブ映像が映し出される。メンバー全員が楽器を演奏しながら、全員がボーカルを担当している姿に、会場の空気が一気に熱くなる。


光子は観客を見渡し、笑顔で続ける。

「ねぇ、みんな、楽しそうやろ?しかも全員ボーカルなんよ!うちらファイブピーチ★も、ここがポイントなんよね!」


スクリーンでは「ラッキーチャンスをもう一度」「ロマンティックが止まらない」「原色したいね」と次々にヒット曲が流れ、観客の手拍子が自然に湧き上がる。


光子は両手を広げて観客に語りかける。

「私たちも、C-C-Bみたいに楽器を弾きながら歌うけん、みんなも一緒に盛り上がってね!」


観客の笑顔と歓声がステージを包み込み、光子の声が会場中に響く。C-C-Bの楽しさが、今まさにファイブピーチ★のステージに生き返った瞬間だった。





ステージのライトが輝く中、光子はマイクを握りしめて観客を見渡す。


「みんな〜!私たちも、C-C-B見たいやろ?やっぱり、みんなが楽しく演奏してないと、せっかくきてくれたみんなも楽しくないっちゃろ?」


スクリーンには、80年代のC-C-Bのライブ映像が映し出され、メンバー全員が楽器を演奏しながらボーカルを担当している姿が映る。観客はその楽しそうな演奏に引き込まれ、自然と手拍子や歓声が湧き上がる。


光子は笑顔で続ける。

「ねぇ、みんな、ほら!楽しそうやろ?うちらも、あんな風に、みんなで笑顔になれるライブを作りたいっちゃけん!」


観客の笑顔と歓声がステージを包み込み、光子の言葉がそのまま会場の空気に染み渡る。C-C-Bのエネルギーが、ファイブピーチ★のステージに生き返る瞬間だった。





『笑いと声のハーモニー ―高校初日、声楽科は爆笑嵐―』


春の光が差し込む福岡高校の校舎。新入生たちは胸いっぱいの期待と少しの緊張を抱え、校舎の3階にある声楽科の教室に足を踏み入れた。教室にはすでに、博多南中学校出身者たちの顔が揃っている。朱里、小春、樹里、そして光子と優子――彼女たちは、全国大会での経験を誇る吹奏楽部の仲間であり、音楽に対する情熱は誰にも負けない。


先生が自己紹介を終えると、授業が始まった。最初は発声練習。長く伸ばす「あー」の声が教室に響き渡る。しかしその直後、光子と優子が小声で耳打ちをする。


「せーの!」


声と同時に、ふたりは小さなギャグを挟む。教室は一瞬静まり返る。生徒たちは目を丸くし、次の瞬間、大爆笑。光子のベースボイスと優子のドラムビートのようなツッコミのタイミングが絶妙で、笑いが連鎖していく。男子生徒も負けじと応戦。強烈なボケとツッコミが次々に飛び出し、教室は一瞬にして爆笑カオス状態となった。


先生も最初は戸惑っていたが、やがて微笑みながら手を振り、授業に巻き込まれていく。声楽の発声とギャグのリズムが重なり、まるで即興のコメディと音楽のハーモニーが生まれたかのようだった。


光子と優子の横で、朱里が小春の動きに合わせて声を合わせる。小春が鍵盤を叩きながら「えー、もう全国大会の時より面白かよ!」と一言。樹里も負けじと、「こら、笑いすぎて腹筋ちぎれそうやん!」と叫ぶ。男子陣も加わり、ギャグ合戦は止まらない。教室のあちこちで声が重なり、腹筋崩壊者続出。まさに福岡高校声楽科初日は、笑いと声の嵐に包まれた。


授業の合間には、自己紹介タイムもあった。ファイブピーチ★のメンバーである光子と優子は、それぞれ自分の担当楽器とボーカル活動について話す。「私はベースとボーカル、ユウはドラムとボーカルをやってます。高校でもバンド活動を続ける予定です!」と、堂々と発表。小春も「私はキーボードとボーカル担当。全国大会も経験してます!」と胸を張る。教室の生徒たちは自然と拍手し、和やかに、しかし爆笑の余韻を残しながら進んでいった。


午後には声楽の実践演習が始まる。腹式呼吸、音程確認、声の伸び――先生が一つ一つ丁寧に指導する。だが、博多南中出身者たちのギャグは止まらない。ちょっとした動作や発声のタイミングを見逃さず、即座に笑いに変える。声楽科の教室は、まるでコント番組のセットのようになった。


「おい、みんな、息が続かんやろ?」と光子。

「そげんことなか、ただ笑いすぎて酸素足りんだけ!」と優子。


教室中が笑いに包まれ、先生もついに耐えきれず、肩を揺らして笑う。授業後のアンケートには「声楽の授業がこんなに楽しいと思わなかった」との声が続出。初日から、教室は音楽と笑いのハーモニーで満たされたのだった。


そして部活の話になると、博多南中出身者たちは全員、吹奏楽部に入部することを宣言。全国大会での目標を胸に、音楽に邁進する意欲を燃やす。光子と優子も「私たちも、声楽だけじゃなく、バンド活動も続けるけん、みんなで音楽を楽しもう!」と呼びかけ、教室は再び笑いと拍手に包まれた。


こうして、福岡高校声楽科の初日は、笑いと声のハーモニーに彩られ、歴史的な爆笑の嵐を巻き起こして幕を閉じた。教室を出る生徒たちは、音楽の楽しさとギャグの楽しさを同時に味わい、胸いっぱいの笑顔を抱えて帰路についたのである。





笑いと音楽の嵐 — 博多南高校声楽科・一般教科編 —


春の陽光が差し込む教室で、光子と優子は今日も無邪気に目を輝かせていた。声楽科で鍛えた声量とリズム感は、授業中のちょっとした一言でも爆発的な笑いを巻き起こす。今日は、一般教科の社会科の授業。黒板には歴史の年表がずらりと並び、教師がゆったりと語り始める。


「では、鎌倉幕府成立の経緯を見ていきましょう…」


その声が教室に響いた瞬間、光子と優子は目を合わせ、ひそひそと耳打ちを交わした。


「せーの!」


「ちくわ武士!」


「大根将軍!」


声が揃った瞬間、教室は一瞬静まり返る。教師も生徒も、何が起こったのか理解できず、目を丸くする。しかし次の瞬間、光子と優子の表情とジェスチャーに引き込まれ、生徒たちは大爆笑。笑い声は波紋のように広がり、男子も女子も思わず声をあげる。


「なにそれー!?」

「もう歴史より笑いが頭に残るやん!」


男子生徒も黙ってはいられない。負けじと応戦し、授業は瞬く間にギャグの応酬合戦に。黒板の年表を使った「鎌倉武士コント」、窓の外の桜を「歴史の見張り番」として即興ツッコミ、ノートに描かれた人物の顔に落書きしての即席漫才…教室全体が爆笑カオスとなった。


教師は苦笑しながらも、「…光子さん、優子さん、歴史を笑いに変える力は天下一品だな」と呟く。授業の本筋はどこかへ飛び、笑いの渦の中で生徒たちは学ぶより楽しむことを優先していた。


休み時間になっても収まらない。光子と優子が一言ボケれば、次々と他の生徒がツッコミで返す。ジェスチャー、言葉遊び、擬音…すべてが連鎖し、廊下にまで笑い声が響く。教室の外にいる生徒たちも、つられて笑い出す始末。これこそ、博多南高校声楽科の伝統といえる、「音楽的リズム×ギャグの融合」だった。


こうして、声楽科の授業だけでなく、一般教科でも光子と優子のギャグは炸裂し、学びの場は常に笑いの嵐に包まれるのであった。笑いの渦の中、教室の誰もが、学ぶことよりも、互いに楽しむことの大切さを自然に体感していった。




笑いと音楽の嵐 — 福岡高校声楽科・一般教科編 —


春の陽光が差し込む教室で、光子と優子は今日も無邪気に目を輝かせていた。声楽科で鍛えた声量とリズム感は、授業中のちょっとした一言でも爆発的な笑いを巻き起こす。今日は、一般教科の社会科の授業。黒板には歴史の年表がずらりと並び、教師がゆったりと語り始める。


「では、鎌倉幕府成立の経緯を見ていきましょう…」


その声が教室に響いた瞬間、光子と優子は目を合わせ、ひそひそと耳打ちを交わした。


「せーの!」


「ちくわ武士!」


「大根将軍!」


声が揃った瞬間、教室は一瞬静まり返る。教師も生徒も、何が起こったのか理解できず、目を丸くする。しかし次の瞬間、光子と優子の表情とジェスチャーに引き込まれ、生徒たちは大爆笑。笑い声は波紋のように広がり、男子も女子も思わず声をあげる。


「なにそれー!?」

「もう歴史より笑いが頭に残るやん!」


男子生徒も黙ってはいられない。負けじと応戦し、授業は瞬く間にギャグの応酬合戦に。黒板の年表を使った「鎌倉武士コント」、窓の外の桜を「歴史の見張り番」として即興ツッコミ、ノートに描かれた人物の顔に落書きしての即席漫才…教室全体が爆笑カオスとなった。


教師は苦笑しながらも、「…光子さん、優子さん、歴史を笑いに変える力は天下一品だな」と呟く。授業の本筋はどこかへ飛び、笑いの渦の中で生徒たちは学ぶより楽しむことを優先していた。


休み時間になっても収まらない。光子と優子が一言ボケれば、次々と他の生徒がツッコミで返す。ジェスチャー、言葉遊び、擬音…すべてが連鎖し、廊下にまで笑い声が響く。教室の外にいる生徒たちも、つられて笑い出す始末。これこそ、博多南高校声楽科の伝統といえる、「音楽的リズム×ギャグの融合」だった。


こうして、声楽科の授業だけでなく、一般教科でも光子と優子のギャグは炸裂し、学びの場は常に笑いの嵐に包まれるのであった。笑いの渦の中、教室の誰もが、学ぶことよりも、互いに楽しむことの大切さを自然に体感していった。





笑いと音楽の嵐 — 初めての吹奏楽部体験 in 福岡高校 —


放課後の校舎は、授業の空気とはまた別物やった。光子と優子は、声楽科の授業終わりに、ワクワクしながら吹奏楽部の部室に足を踏み入れた。部室からは、管楽器や打楽器の音がチラッと聞こえ、二人の胸は高鳴る。


「ここが吹奏楽部たい?」光子が小声で言う。

「うん、どげん雰囲気か楽しみばい!」優子もニコニコしながら応える。


扉を開けると、ずらりと並ぶ楽器と、練習に励む部員たちの姿。先輩たちが振り返り、にこやかに声をかけてくる。


「おっ、新入生やん! ようこそ、吹奏楽部ばい!」部長の声に、光子と優子はぺこり。


「えっと…私たち、声楽科やけど、興味があって…」光子が言うと、先輩はにっこり笑い、

「大歓迎ばい! 歌も楽器も、音楽は全部つながっとーけんね」


優子は早速トランペットやフルートを手に取り、軽く音を出してみる。すると部員たちも興味津々で近づき、アドバイスや冗談を交えながら和やかな空気になる。


光子もベースの低音に合わせて軽く歌うと、部員たちは笑顔で拍手。

「うわぁ、声と音のコンビネーション、すごかね!」


その瞬間、二人は小声で耳打ち。

「せーの!」

「パンパカパーン!」

小さな効果音ギャグを入れると、部室は一瞬の静寂のあと、大爆笑の渦に包まれる。男子も女子も腹筋抱えて転がり、先輩たちも口を押さえて笑いが止まらん。


部長は苦笑いしながら、

「…こ、この新入生たち、ただ者じゃなかね」

光子と優子は顔を見合わせ、ニコッ。ギャグと音楽の最強コンビが、ここでも炸裂しとった。


初めての吹奏楽部体験は、単なる見学だけで終わらんやった。笑いと音楽のエネルギーに包まれ、二人の心は弾みっぱなし。これから始まる部活生活への期待で胸がいっぱいになる。光子と優子は、ここでも自分たちらしさ全開で、あっという間に部員たちの心を掴んだのだった。






福岡高校吹奏楽部・1年生メンバー紹介(声楽科兼部活)


女子部員

•小倉光子(博多南中出身):ベース担当(低音楽器)。落ち着きつつも、ギャグで周囲を盛り上げるムードメーカー。

•小倉優子(博多南中出身):パーカッション担当ドラム。リズム感抜群で、ギャグでも炸裂。

•大畑小春(吉塚中出身):ピアノ担当キーボード。ファイブピーチ★での経験も活かし、音楽面でも部活を引っ張る。

•諫早朱里(博多南中出身):フルート担当。優雅な音色で部員を癒す。

•小林樹里(博多南中出身):クラリネット担当。安定感があり、パートのまとめ役。


•橋下環奈の妹・橋下紗奈(中央中出身):オーボエ担当。冷静だが、光子たちと絡むとギャグ参加。




男子部員

•大崎滋(博多南中出身):トランペット担当。お調子者でギャグ好き。光子と優子と即席ギャグ大会で火花を散らす。

•佐々木航(吉塚中出身):サックス担当。軽妙な性格でツッコミも得意。

•石田優(博多南中出身):ティンパニ・ドラム担当。力強いリズムで、部室の空気を一気に盛り上げる。

•松田陽翔(博多南中出身):トロンボーン担当。少し天然だが、音楽面では頼れる存在。

•森田健(吉塚中出身):ホルン担当。真面目で几帳面、練習中も部員をよく観察。


ポイント

•ファイブピーチ★の3人は部活内でも主力。

•ギャグセンスと音楽の実力が両立していて、部員同士のコミュニケーションが非常に活発。

•初日から光子・優子・小春のトリオが見せるリズムとボケで、男子部員も巻き込んだ即席ギャグ大会が発生。





福岡高校吹奏楽部・メンバー紹介(声楽科兼部活)


3年生

•高橋瑞希(博多南中出身):フルート担当。部長としてまとめ役、ギャグセンスも抜群で部活を明るく盛り上げる。

•中村拓海(吉塚中出身):サックス担当。パートリーダーで、軽妙なツッコミで後輩を支える。

•佐藤彩花(博多南中出身):トランペット担当。安定感のある演奏で、音楽面の中心。

•藤原颯太(博多南中出身):トロンボーン担当。お調子者でギャグも豪快、部室ではムードメーカー。


2年生

•青柳光希(博多南中出身):クラリネット担当。几帳面で、練習の進行役も担当。

•田中優(吉塚中出身):ティンパニ・パーカッション担当。リズム感抜群で、ギャグでもドラムを使った演出を披露。

•松本葵(博多南中出身):ホルン担当。冷静沈着だが、ツッコミが鋭くてギャグ大会では意外な強さを見せる。

•柳川颯真(博多南中出身):トランペット担当。笑いを取りに来る天然キャラで、後輩にも慕われる。


橋下環奈の弟・橋下颯真(中央中出身):ユーフォニアム担当。姉譲りの明るさで、1年生と絡むギャグにも積極的。







『博多南から未来へ ― 吹奏楽部初日、爆笑嵐』


春の午後、校舎の窓から差し込む光は柔らかく、入学したばかりの新入生たちの緊張をほぐすかのように教室を包み込んでいた。光子と優子は、授業を終えると廊下を並んで歩き、胸を高鳴らせながら吹奏楽部の部室へと向かっていた。


ドアを開けると、すでに先輩や新入生たちが集まっており、楽器ケースの音や談笑の声が部屋を満たしていた。


光子は周囲を見回し、ふと、見覚えのある顔立ちを見つける。


光子:「あれ?橋下さん?…ひょっとして、環奈お姉ちゃんの妹さん?」


その問いかけに、一人の新入生がぱっと笑顔を見せた。黒髪を肩の辺りで揺らし、少し恥ずかしそうに笑うその少女こそ、橋下紗奈だった。


紗奈:「そうよ。橋下三姉妹の末っ子っちゃ。光子さんと優子さんの話は、よくお姉ちゃんから聞いとうよ。」


優子は目を丸くして光子の肩をつついた。


優子:「ほらね、光ちゃん。やっぱり有名人やん。あんたのあの“光の戦士”の自己紹介、環奈先輩んとこまで届いとるっちゃろ?」


光子:「あれは黒歴史やけん、蒸し返さんで〜!」


周囲の部員たちからくすくすと笑い声が漏れる。初対面の空気は、すでにどこか打ち解け始めていた。


紗奈は少し声を弾ませながら続ける。


紗奈:「そうそう。お姉ちゃん、塁さんとこの秋に結婚するっちゃけん。もう少ししたら、招待状が届くと思うけん、ぜひ参加してあげてね。」


光子:「えぇっ!?ほんと!?…やったぁ!絶対行かんといかんばい!」


優子:「そりゃもう、最前列でクラッカー鳴らすしかなかね!」


紗奈:「いやいや、結婚式やけん…クラッカーより静かに祝って〜」


このやり取りで部屋は大爆笑。緊張していた新入生たちの表情も一気にほぐれた。


その後、吹奏楽部の自己紹介が始まった。


三年生の部長、**井上大輔クラリネットがしっかりした声で場をまとめる。

二年生の松田梨花トロンボーン**はおっとりした雰囲気で、後輩に優しげな眼差しを向ける。


光子と優子の番になると、案の定だ。


光子:「わたしは小倉光子。ベース専門、でも今日は低音楽器で参加するっちゃ。低音の安定感なら任せんしゃい!」


優子:「小倉優子、パーカッション担当やけど、叩けるもんやったら鍋のフタでも叩くけん!よろしくお願いしまーす!」


部員:「鍋のフタは吹奏楽にないけん!」


笑いが爆発し、自己紹介はもはや漫才の場と化していた。


そこに、ピアノ担当として紹介された小春が一歩前に出る。


小春:「えっと…大畑小春です。えー…ピアノ担当で…」


光子:「小春!かたかた緊張しすぎやけん、まずは笑顔ば見せんね!」


優子:「そうそう、“やさしか子”の私が保証するけん、大丈夫ばい!」


小春は思わず吹き出し、ようやく自然な笑みを浮かべる。


さらに、橋下紗奈がフルート担当として自己紹介。


紗奈:「橋下紗奈です。環奈の妹ってだけで覚えてもらえると思うけど、一応フルート担当しとうけん。音が外れたら、姉ちゃんのせいってことで!」


光子:「責任転嫁はやかろーもん!」


またも爆笑が広がり、顧問の先生まで肩を震わせる始末だった。


練習が始まると、まだ初日にもかかわらず、音楽室はどこか明るく賑やかな空気に包まれていた。楽器を合わせる音の合間に、光子と優子のツッコミが飛び交い、緊張していた一年生たちも次第に笑顔を見せていく。


その日の最後、部室を出る頃には、すでに噂が校内を駆け巡っていた。


「新入生の双子、めっちゃおもしろい!」

「いや、あの二人、吹奏楽部じゃなくて漫才部やろ!」


光子と優子は顔を見合わせ、声を合わせて笑った。


光子:「楽しかったね、ゆうこ!」

優子:「うん!これから、ここでも爆笑嵐ば巻き起こしていくっちゃね!」


そして、夕暮れの校舎に二人の笑い声が響いていった。




『博多南の笑いと音 ― 放課後のもぐもぐカフェ』


練習が終わり、夕暮れのチャイムが校舎に響く頃。

吹奏楽部の部室には、汗と音符と笑い声が入り混じった独特の余韻が漂っていた。


光子は楽器を片付けながら、深いため息をついた。


光子:「ふぅ〜。今日も練習ガチやったばい。全力でギャグと練習ば両立させるの、かなり体力要るっちゃね!」


優子:「ほんとほんと!スティック握るより、ツッコミで手の皮ズルむけそうやし!」


小春:「どっちが本業なんやろかって思うくらいやもんね…」


紗奈:「もう、笑わさんでよ〜!お腹空きすぎて、笑いが腹筋に響くとよ!」


その瞬間、部員全員が「ぐぅ〜〜」と同時にお腹を鳴らした。

一拍遅れて、全員が大爆笑。


井上先輩:「お前ら、シンクロしすぎやろ!」


梨花先輩:「てか、この腹の音、今日の合奏より揃っとったんやない?」


光子:「先輩、それは言い過ぎやろ〜!」


笑い声を抱えたまま、部員たちは部室を飛び出し、近くのコンビニへと駆けていった。



コンビニの中は、放課後の学生たちで賑わっていた。

菓子パン、アイス、唐揚げクン、そしてホットスナックの匂いに引き寄せられるように、吹奏楽部の面々は次々とカゴにおやつを放り込んでいく。


優子:「あ、光ちゃん、このプリン見てん。『超濃厚』って書いてある!あんたみたいに濃ゆ〜いキャラしとうけん、これ似合うっちゃ!」


光子:「やかましか!ほんなら優子は、この『サクサクスティック』やね!叩きすぎてポッキンいきそうやし!」


紗奈:「二人とも、コンビニでまで漫才せんでよ〜。商品にツッコむとか、レジの人困るけん!」


小春:「あっ…このシュークリーム食べたいけど、きっと食べる前に吹き出して顔にクリームつくやろね…」


梨花先輩:「それ絶対やるやつや!」



コンビニのイートインスペースに集まった部員たち。

テーブルの上には、プリン、からあげ、アイス、パン…さながら小さなお祭りのようにおやつが並んでいた。


光子:「さぁ、いただきますやね!」


とプリンをスプーンですくった瞬間、優子がすかさず言う。


優子:「あ、ほら、光ちゃん、プリンが逃げよるばい!」


光子:「は?逃げるわけなかろ…あぁぁっ!」


プリンがスプーンからぷるんっと飛び出し、光子の制服の袖に直撃。


全員:「ギャハハハハーーー!!!」


小春:「言わんこっちゃなかぁぁぁ!」


紗奈:「プリンに負ける人、初めて見た…!」


井上先輩:「おい光子、プリンにすらボケで負けとるぞ!」


笑いすぎて涙が出る中、光子は袖を拭きながら拗ねた顔でスプーンを持ち直す。


光子:「もう!今度は真面目に食べるけん!…んぐっ」


すると、今度は優子がわざと鼻をすする。


優子:「ん〜〜、なんか…プリンのにおいがするばい」


光子:「するかぁぁぁ!」


またも爆笑。笑いすぎて、おやつはなかなか減らない。


紗奈はついにお菓子を口に入れながら訴えた。


紗奈:「もうムリ…食べさせて〜。笑いすぎて手が震えるとよ!」


梨花先輩:「あ、じゃあ私が唐揚げあ〜んしてやろうか?」


井上先輩:「いやそれ、完全にお笑い通り越して青春ラブコメやん!」


部員全員:「ギャハハハーーー!!」


結局、全員がお互いに「あーん」し合いながら、笑いと涙とでぐちゃぐちゃのもぐもぐタイムとなった。



帰り道。

夕焼け空を見上げながら、光子がぽつりと言う。


光子:「ねぇ、優子。やっぱ音楽もギャグも、全力が一番楽しかね?」


優子:「ほんとよ。どっちも全力やけん、みんなで笑えるし、音楽もよか音になるっちゃ。」


紗奈:「なんか…この部、もう最高やね。」


小春:「うん。ここに入ってよかった。」


その言葉に、みんなが自然と笑顔を交わした。

コンビニの袋をぶら下げた手は軽く、笑いの余韻は校舎の向こうの空まで広がっていくようだった。







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