表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

episode 5 外出

「え、遊びに?」

寝起きの体を起こして李羽人はガラス戸を開けた。


「そう!ショッピングモール近いし、行こうよ」

紡は行く気満々のようだ。


「……ショッピング、モール」

李羽人は少し迷う素振りを見せた。

なぜなら、ショッピングモールは人が多いから。


紡はそんな李羽人に一瞬声をかけようとしたがその前に李羽人は困り顔で続けた。


「ショッピングの足手纏いになると思うけど…それで良いならいいよ」





___ショッピングモールにて___


「やっぱり楽しいよ〜買い物は!」

両手にエコバッグをたくさん持っている紡は満足そうに言った。



「良かったね」


李羽人は自分を包む薄いパーカーを襟をぎゅっと握った。人口密度が高いとどうしても呼吸が浅くなる。



「李羽人、大丈夫?無理やり誘ったけど…」


少しずつ顔色が悪い方に変化していく李羽人を見て流石に不安になってきたようで心配してくれる。



「んー、そだね。ちょっと休憩したいからついて来てくれる?」





李羽人について行った紡はその目的地を見て少し幸せな気分になった。



「公園!いいね」


「人少ないし、いてもみんな各々の時間を大切にしてるから落ち着くんだ。だから、よく本ここで読んだりする」



爽やかな新緑に囲まれて時間を使うのも一興だろう。


疲れた心を浄化してくれるそんな効果があると言われている自然は、人にもよると思うが意外に日常と離れがちだ。



「だから、こんなにのびのびと…」

背伸びをしつつ紡はボソリと呟いた。



「飲み物を買って来てもいい?」


李羽人は近くにあった自販機を指差しながら尋ねて来た。


「あ、うん!」


紡は近くの木の下に腰掛けながら笑顔で答えた。


(…はぁ、接し方分からないよ〜)

紡は内心そう呟いた。


(ていうかイケメンと、2人でいたら絶対なんかあれだよね?)


心の中に不安が膨れ上がっていく。


「まいった…」


すると、盛大なため息をつく紡の肩にいきなり手を置かれた。


「うぇ!?誰?」


「うぇ!?って何よ」

そこにいたのは親友である山南やまなみ そらり。



「そらりか。ビビった〜」

胸を撫で下ろす紡にそらりは口を尖らせる。



「親友様との再会でうぇ!?とかビビった〜とか酷くない?」


「いや、そんなもんでしょ」

はははっと笑ってみせる紡にそらりは少しばかり表情筋をピクピクさせた。




「そんでー何してんの親友よ」


「え、デート」

即答した紡にそらりは驚きとキラキラとした視線を紡に注いだ。



「っていうわけもなく、ただ少し彼に心を開いてもらうための行事よ」



「彼、カレ、かれ?」

3回同じことを言いつつ紡の視線の先を辿ったそらりは目を向いた。



「佐原くんじゃーん!」


いまだに自販機前で飲み物を迷っている李羽人を見てイケメンとしての知名度なのかそらりはすぐに誰か分かった。



「はわぁ〜若いっていいねぇ!!」


うっとりと李羽人を眺めながら零した。



「おばあちゃん、変な誤解しないでよね?」


「分かってるって!」

忍び笑いを漏らしながら言う親友はどうにも信用してならなかった。




___家への帰り道___


「さっきの人って紡の友達?」


「うん、山南そらりっていう親友様です」


「親友様…?」

その言い方に少し笑いつつ李羽人は端正なその顔をこちらに向けてきた。



「紡、は彼氏の需要ってあると思う?」


この質問は紡をフリーズさせたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ