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定理
彼女の見た目は可愛らしい童女である。
そのエキセントリックな話術で皆を魅了する。
そのエキセントリックで陳腐な世界の中心に居た。
彼女は、
否この世界の人々は皆、
或種、
魑魅魍魎なのだ。
絵画にすら成らない美しさ、
目にも視えない美しさ、
言語にも例え様がなかった。
彼は云った。
「謂わば、
妖怪が人の形を成したり、
非現実で有りながら、
現実にあると想う?
其れは、他者との隔絶を避ける為だ。
隔絶程、恐ろしいものはない。
皆は、気付かないが、
ちゃんと魑魅魍魎なのだ。」
道徳さえも雑談に変わる。
たから不老不死とは、
その延長線なのだ。