『万物視』を使いこなせ
はぁ……ひどい目にあった……突然の異世界生活に俺もどこかで浮かれていたのか……
これからは何か行動する前に『万物視』をする癖をつけないとな……うん、よし!
吐いては水を飲み、出しては水を飲んで何とか立ち上がれるようになるまで丸一日を費やした。
『毒耐性(小)』のスキルは割と早めに獲得したのに今ステータスを見ても(小)のままだ。
すぐに昇格してくれればいいものの、何か別の要因がいるのか?色んな毒を飲むとか……
「絶対いやだ」
でも、死なないのならスキルを獲得するために試すのもありなのか?もしかしたらあのキンカンモドキも食べられるようになるかもしれない……
いやいや、そんな辛い事するより『万物視』でしっかり食べられる物を探す方がよっぽど賢いじゃないか……
なにを考えてるんだ俺は……まだ思考がボヤけてるんだな……
今日はもう日が傾きかけている。丸二日なにも食べてない状況だ。
とりあえずは『万物視』を使いながら辺りを散策し、暗くなる前に水を補給して丘に上がる。
よし、それで行こう。
辛そうに立ち上がった京は、ゆっくりとした足取りで昨日と同じ小川を横切り結界を壁にして反時計回りに周囲を探索していく。
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《ラグの木の実》
ラグの木からなる実。皮は固いが剥くと中身は食べられるが少しえぐみがある。 食用可
《リンマの花》
魔素があり日当たりの良い木の根元に咲く花。
摂取すると魔素をごく微量回復させることができる。
爽やかな香りで、料理の仕上げなどにも用いられる。
食用可
《カルクタケ》
非常に味と香りの良いキノコ、ラグの木の根元に群生することが多い。小型の魔物や動物が食い荒らすためあまり見かける事はない。 食用可
《バルナの実》
甘く芳醇な香りのする果実。バルナゴリラの主食となっている。栄養価も高い。 食用可
《リッツの実》
リッツの木になる実。皮は固いが中には果汁が入っており甘くて美味しい。 食用可
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「なんだよ! よく見ると意外と食べられそうな草や木の実があるじゃないか……なにやってんだ俺……」
このキノコいいんじゃない? 希少価値高そう。火が起こせたら炙ってたべてみるか……人里があれば売ってもいいな。
バルナはまんまバナナだなこりゃ……結界の内側に二本ある。外側にいっぱいあるが、バルナゴリラが気になるので内側だけにしておこう……
リッツはココナッツっぽいな、でも採るには木に登らないとダメだ。
目につくものを物色し、一心不乱に採取していたら日も傾いてきたので、水を飲んで丘の上まで帰ってきた。
火は起こせないので、暗くなる前に食事としよう! 生でも食べられるバルナがあるので無心でかぶりつく。
「うめぇ!!」
地球のバナナと似た味だが、それより甘く濃厚でマッタリする舌触り、空腹も相まって立て続けに三本も食べてしまった。
久しぶりの充足感に酔いつつ葉っぱの上に寝転がり、薄暗くなる空に光り始める星を見上げ明日の事を考える。
「明日も結界内の探索だな、早めに把握しておくべきだ」
そう言いつつ満腹感に身を任せ目を瞑る。この世界に来て初めてまともに寝られる夜だった。
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名前:西村 京
年齢:27
生命力 : ∞
体力:70/105
魔素量:100/100
筋力:11
技量 : 10
知力:11
魔力:10
速度:10
幸運:10
スキル:『精神耐性(中)』『毒耐性(小)』
ゴットスキル:『全適性』『万物視』『不老不死』