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戦闘後の考察

ネズミ? あぁ、ネズミなら今俺の腕の中で寝てるよ。


 目が覚めて、チラリと横を見ると血塗れのネズミがいた。右腕にずっしりとした重みを感じながらそんな事を考える。


「あいてて……」


 だるい体をゆっくり起こす。どうやらネズミを倒した後頭を打って気を失ったらしい。


「はぁ……とりあえずコイツはどうしようか……」


 ―――――――――――――――――――――――


 《ハイドラットの死骸》

 魔力を纏うと周囲から見えなくなる皮が特徴。

 魔結晶部位:額 食用可


 ―――――――――――――――――――――――


 全てが興味深い説明だ……

 まず皮はなんとかして剥ぎたい。結界外で役立ちそうだ。ネズミの肉はあんまり食いたくないが……魔結晶ってなんだ? 魔物にはあるものなのか?




魔結晶 : 魔素が濃い場所で結晶化した物質。魔力を操る生物の体内にも生成され、力の源になる。様々な魔法発動媒体の原動力としても用いられている。




 ほう……いわゆる電池か。これがあれば生活に便利な道具なんかも作れるのだろうか? ワクワクしてくるな! 今は生活の安定が最優先だが、いずれは挑戦してみたい。


 ネズミを川まで引きずって行き、まずは身体と服を洗う。


「うわぁ……血でえらいことになってんな……落ちんのかこれ?」


 服を必死で手でもみ洗いするがあまり落ちる気配がない。


「こりゃ服も早々になんとかしないとダメだな……」


 仕方がないので洗った服を岩に干し、ネズミの解体に移る。


 前の世界では料理にもハマっていたので、よく魚や肉などをさばいていたのであまり忌避感はない。


 まず腹を裂いて内臓を抜く。石ナイフの切れ味があまり良くないので苦労した。次に、皮と身を地道に剥がしていく。なんとか頑張り剥がし終えると、ホームベース程の大きさの毛皮がとれた。


 まぁ、まだなめしもしてないし、この大きさではあまり使い道も無いけどな……

 そもそも塩もなめし液もないのに出来るのか?いずれは自分でなめした皮をレザークラフトしたいと思い、知識だけはあるがやったことはない。

 まぁいろいろ試行錯誤してみますか……


 とりあえず余分な脂を削ぎ落とし、川の少し流れのあるところに晒しておく。

 そして、肉を切り分けてきれいに洗い、骨や歯は取って置き、内臓と頭は地面に埋めておいた。


 ネズミはあまり食べたくないが、干し肉でも作るか?塩は無いから天日のみだが……なんとか燻製に出来ればいいが……


「ふぅ……こんなもんか」


 岩に座り一息つくと、そういえばステータスの確認をしていない事を思い出し開いてみる。



 ―――――――――――――――――――――――

 名前:西村 京

 年齢:27


 生命力 : ∞

 体力:155/215

 魔素量:120/120

 筋力 : 42

 技量 : 55

 知力 : 34

 魔力 : 21

 速度 : 38

 幸運 : 21



 《スキル》

『精神耐性(中)』『毒耐性(小)』『採取』『伐採』『打撃耐性(小)』『槍術(小)』『気配遮断(小)』


 《ゴットスキル》

『全適性』『万物視』『不老不死』


 ―――――――――――――――――――――――



 …………増えてる! 理屈は解らんが魔物を倒せば強くなれることが証明された! これからもネズミ狙いで頑張ってみるか……自身強化の目処がたって少しホッとした。


「でもまぁランニングと筋トレは続けるか……それより……」


 いつのまにかスキルが3つも増えてやがる。



 ―――――――――――――――――――――――


『打撃耐性(小)』

 打撃を受けた際、防御に補正がかかる。


『槍術(小)』

 槍の扱いや技に補正がかかる。


『気配遮断(小)』

 意識して気配を消している際、他者に存在が気づかれにくくなる。


 ―――――――――――――――――――――――


 どういう訳だ? 今までの経験からそう簡単にスキルが獲得できないと思っていたが間違っていたのか? 槍なんか扱うのは昨日が初めてだし、気配を消そうとしてたのなんてあの一瞬だけだ。


 スキルを獲得する方法もいくつかあるのかもしれないな……次にネズミを狩る時に確認出来ればいいのだが……


 とりあえず戻ろうと、血染めの服で素材を包み安心の丘まで戻ってきた。


 ボロボロの小屋だが、帰る場所があるのは存外嬉しいものなんだな……


 哀愁を漂わせる表情でしみじみと思った一人の男は、やっぱり全裸であった。

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