文字の海
気がついたら書いていました。
翌日になったら、恥ずかしさに転げ回る事必至です。
生暖かい目で見守ってやって下さい。
紙の舟に乗って、波間を漂っている。
舟は白紙だ。私は一人きりだ。
辺りはぼうっ、と靄が立ち込め、遠くは見渡せない。
この旅に当てはない。それで孤独を感じる事もない。
舟の外を覗き込めば、乳白色がかったエメラルドグリーンの水面。
そして、時折揺らぎながらも、真っ直ぐに見据える瞳。
知的に見える。愚かにも見える。
思い切って顔を浸けてみれば、底の見えない海に、無数の活字が漂っている。
戯れ、流され、漂うそれらに、区別はない。
種類だとか、字体だとか。
そんな事は、只管にどうでもいい。
唯々、この文字の海は寛容だ。
それで良い。
息が続かなくなって、水中から顔を上げる。
紙の舟に乗って、波間を漂っていく。
プカプカ、プカプカ。
お目汚し失礼しました。…本当に。