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序列の空白




「君はこの世界の国ならどこの国でも政府が定期的に発表している序列を知っているかい?」


知らないな。

まだこの世界にきてから一週間もたっていないしね。

それが俺をこの世界に呼んだ理由と何か関係があるのか?


「そうだね。

この序列が君を呼んだ理由に深く関わっているんだ。

この序列というのはねいい言い方をすればどの存在がこの世界で最強かというのを表しているのさ。

悪い言い方をすればこの世界の危険な存在のトップ達を表しているともいえる。

現在発表されている序列の1位は龍神。

2位は剣聖

3位は魔王

4位は精霊王

そして5位は現在は空白だ。」


それが俺にどう関係してくるんだ?


「序列4位は精霊王と言ったが一年前まで精霊王は5位だった。

4位には他の存在がなっていたんだよ。

じゃあなぜ精霊王が4位になって5位が空白になったかわかるかい?」


つまり、4位がなんらかの理由で死んだってことか?


「そう、4位は死んだんだ。

そして4位の死神とよばれ恐れられていた男が死んだことにより人族は魔王に対抗できる唯一の存在を失ってしまった。」


魔王なんていたのか。

その魔王ってのが人間を滅ぼしにくるのか?


「この世界には大まかにわけて5つの種族がいる。

強靭な鱗をもつ防御に優れた龍人族。

身体的能力に優れ自然のなかでの戦闘を得意とする獣人族。

魔力量に優れ魔法を得意とする魔族。

自然に宿り人前には滅多に姿を表さない精霊族。

そして、これといった特徴がなく平均的な能力の人族。

死神が死ぬまではそれぞれの種族に序列に入っている存在が誰かしら味方していた。

龍人族には龍神が。

獣人族には剣聖が。

魔族には魔王が。

精霊族には精霊王が。

人族には死神が。

そして死神が亡き今、種族同士のギリギリで保たれていたパワーバランスが崩れようとしている。

死神が消え、大幅に戦力がダウンした人族を魔王は必ず滅ぼしにくるだろう。

以前から人族を滅ぼし魔族の領土を拡大したいと魔王は望んでいたからね。

バランスを保つために死んだ死神の枠を埋める存在が必要になったのさ。

その存在の候補として君を呼んだんだ。」


聞いた感じ俺になんとかできそうな問題じゃないな。

死神の死んだことによる枠を埋めるってことは、俺がその序列に入るくらい強くならないといけないってことじゃないか。

ちょっと無理そうだな。


魔王はすぐにでも攻めてきそうなのか?


「それはないと思うよ。

序列に入るような強者は寿命がなく、時間の感覚も常人とはかけ離れているからね。

もし攻めてくるとしてもそれはかなり先のことになるだろうよ。

それは100年後かもしれないし1000年後かもしれない。

もしくはもっと先かもしれない。」

 

1000年って時間の感覚狂い過ぎでしょ!

俺も寿命がないし、いつかはそうなるのかな……。

ていうか他の序列に入ってるやつに助けを求めるとかはできないのか?


「それはないね。

龍神は面倒事が大嫌いで龍人族以外のことでは絶対に動かない。

剣聖は一応は人族なのだが、人族に対してまったく愛着もないし獣耳を異常なまでに愛していてここ数百年は獣人族の領土からでたことがないくらいだしね。

精霊王なんかは大規模な自然破壊でもしないかぎり引きこもって出てこない。」


序列に入ってるやつにまともなやつはいないんだな。


「そうだね。

死神は生物を殺すことに究極の幸せを感じると言っていたよ。

私にはまったく共感できないね」


で、結局俺になにをしてほしいんだ?


「強制はしないが、魔王が人族を攻めてきたとき人族の味方をしてほしい。

もちろん魔王が攻めてきたときに逃げてもいい。

でも、もし逃げずに人族に味方し魔王を退けることができたら私が【マネーロスト】を解いてあげよう。

まぁ魔王が攻めてくるのは気が遠くなるくらい先だろうからゆっくりと考えればいいさ。

君の好きなように生きればいい。

私があげたあの深紅の大鎌もあるんだし君が死神を名乗ってみるってもいいかもしれないね。

それじゃ、ばいばい。

君の人生に幸あれ」


そう言って神は消えていった。


1000年もたてば俺も魔王に対抗できるくらい強くなってたりするのかな?

ま、100年後や1000年後のことを考えても仕方ないし、この話は頭の片隅にでも置いといて、今を生きるとしよう。

後、俺は死神なんて絶対名乗らないからな!


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