表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/51

Cランク





「じゃ、そろそろ帰ろっか。

ゾンビの層は通らずに。」


「……どうやって?」


「俺は、空間魔法も使えるって前に話しただろ?」


「……まさか……。」


そう、そのまさかだ。

今回はEランクダンジョンの時は、使わなかった魔法を使おうと思う。

まだ、フクシアの前では使ったことのない魔法を。


「転移、だよ。」


俺がそう言うと、フクシアは呆然した表情で固まった。


「……本当に、使えるの?」


「できるよ、今から転移するから手を出して。」


フクシアと手を繋ぎ、転移を使う。

転地先は、このダンジョンの一階層だ。

いきなり外に出ると、騒ぎになりそうだからな。


転移を発動すると、一瞬で景色が入れ替わり一階層に帰還した。



ーーーーーーーーーーーーー



俺達はダンジョンで取れた魔石を売りにきていた。

1日で最下層まで進んだため、かなりの量の魔石があった。

お陰で白金貨1枚程の稼ぎとなった。


白金貨といえばたった1枚で、金貨100枚の価値がある。

今日1日で随分と金持ちになったものだ。


ダンジョンが人気なのもわかる気がする。

その分、危険も多いが。


「昇格ポイントが貯まりましたので、Cランクの昇格試験ができるようになりましたが、本日試験をされますか?」


どうやら、大量の魔石を売ったことでまたポイントが貯まったらしい。

まさかこんなにすぐ、昇格試験を受けられるようになるとは。


これなら皆すぐ、ランクアップできるんじゃないか。

そう思い、受付嬢さんに聞いてみた。


「そんなことはありませんよ。

普通のDランクの方が、1日でこれだけの量の魔石を、取ることはできないですからね。」


受付嬢さんによると、普通のDランク冒険者は1日で30層まで、行くことはないらしい。

俺達が30層まで、行ったことを話すと驚いていた。


普通は1層から10層までのスケルトンの層で、まず実力をつけるのだそうだ。

そして半年程スケルトンの層に潜り続け、やっとフロアボスに勝てるようになる。

つまり30層にたどり着くのは、かなり後になるらしい。


それを聞くと俺達が物凄いハイスピードで、進んだことがわかる。

高火力の魔法を連発できる俺と、ある程度の実力があり才能もあるフクシアだったからできたことなのだろう。


さて、昇格試験を今受けるか受けないかどうしようか。


「フクシア、昇格試験どうする?」


「……今でも大丈夫。」


ダンジョンでかなり体力を消耗したと思うが、フクシアは大丈夫と言っている。

体の方は俺が回復魔法で治したので、傷ひとつない。


「じゃあ、今日受けることにします。」


「かしこまりました。では、訓練場で待っていてください。」


俺達は階段を下り、地下の訓練場へ向かう。

数日前も同じように試験で来た訓練場だ。


しばらく待っていると、一人の男が入ってきた。

知っている顔だった。


「げっ、またお前達かよっ!

てか、ポイント貯まるの早すぎだろ!」


そう、前回と同じ試験官のライガーだ。

前回、俺達になすすべなくボコボコにされたライガー。


「ちっ、結果はわかってるがやるしかねぇのか。

はぁ、試験官なんて引き受けるんじゃなかった……。」


昇格試験の内容は前回と同じく、ライガーとの模擬戦。

結果はやはり、俺達の圧勝。


「なんかお前ら、また強くなってないか……?」


俺達にまたボコボコにされたライガーに回復魔法を掛けてやった後、そんなことを言ってきた。


「さっきまでダンジョンにいましたからね。

フロアボスも倒してきたので、それだと思いますよ。」


「まじかよ……。

普通ダンジョン行った日に昇格試験なんて受けないぜ。

しかもフロアボスと戦った後なんて特にな。」


普通は昇格ポイントが貯まっても、ゆっくりと休んで後日受ける物らしい。


「あんまり無茶すんなよ。

頑張りすぎると死に急ぐぞ。」


俺は死なないけどね。

不死身だし。

でも最近あまり休んでないというのは事実だ。


ドラゴンと戦って、迷宮都市にきて、ダンジョンに挑んで、また今日もダンジョンに行っていた。

そろそろ本当に休んだほうがいいかもしれない。


「そうですね、明日はたっぷりと休むことにします。」


「そうするこったな。

いい仕事にはいい休みが必要って言うしな。」


その後、ライガーから赤いCランクのギルドカードを受け取り、俺達は宿に帰った。



ーーーーーーーーーーーーー



「ごちそうさま。」


「……ごちそうさま。」


夕食を終えた後、体を拭いてからベッドに入る。

あぁ、風呂にはいりたいなぁ。


フクシアの頭をそっと撫でる。

するとフクシアはこちらに振り向き、身を寄せてきた。


広めとは言え、俺達が使っているのはシングルベッド。

自然と体が密着する。


フクシアは俺に顔を近づけ、目をつぶった。

つまりそういうことだ。


フクシアの首に手を回し濃厚なキスをする。

舌を絡めあい、俺に抱きつくフクシアの手に力が増す。

まるで絶対に離さないと言っているかのようだ。


そして今夜も、俺とフクシアは互いを求めあう。




【マネーロスト】発動。

所持金、白金貨1枚金貨6枚銀貨2枚銅貨4枚のうち4割の金貨42枚銀貨4枚銅貨9枚をロスト。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ