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四人の勇者





どこにでもいるような高校生の俺、木崎隼人。

そんな俺がクラスメイトの女子達と一緒に勇者になってしまった。


王様の話によると俺達はこれから王城で一週間程訓練した後、魔物と戦いに行くことになるらしい。

先程、閲覧の間で王様にステータスを聞かれたので、素直に教えたら王様も大臣もかなり驚いていた。


全員、固有スキルをもっているだと?! とか、数千年前の勇者と同じ固有スキル持ちだとか騒いでいた。

俺の持っていた固有スキルは数千年前の勇者と同じものだったらしい。


大臣達によるとその勇者はメチャメチャ強かったらしいので、そのスキルを持っていると思うとこの先の戦いに対する不安が少しやわらいだ。

そんな俺のステータスはというと。



名前 木崎隼人

レベル1

HP10

MP10

攻撃10

防御10

魔防10

魔攻10

スキル

【幸運】レベル5

【光属性魔法】レベル1

固有スキル

【勇者】


【勇者】……レベルアップ時の全ステータス上昇に大きく補正。

光属性魔法の威力2倍。

光属性魔法の消費MP半減。

全状態異常無効。



この【勇者】というスキルかなりチートな性能だな。


彼女達のステータスはというと。




名前 白石小雪

レベル1

HP6

MP9

攻撃4

防御8

魔防7

魔攻5

スキル

【回復魔法】レベル1

固有スキル

【聖皇】



【聖皇】……回復魔法の消費MP半減。

回復魔法の効果に極大の補正。

MPを100消費することにより10秒間絶対に壊すことのできない盾を張ることができる。

MPを追加で消費することにより効果時間の延長や範囲を拡大できる。




名前 海崎美咲

レベル1

HP15

MP1

攻撃13+6

防御10

魔防6

魔攻1

スキル

【剣術】レベル1

固有スキル

【闘鬼】



【闘鬼】……攻撃を50%強化。

レベルアップ時のHP、攻撃のステータス上昇に大幅な補正。

身体能力に大幅な補正。



名前 黒宮華鈴

レベル1

HP4

MP12+6

攻撃2

防御4

魔防4

魔攻18+9

スキル

【MP自然回復速度上昇】レベル1

固有スキル

【大賢者】



【大賢者】……MPと魔攻を50%強化。

レベルアップ時の魔攻とMPに大幅な補正。

魔法系スキルの熟練度上昇に、大幅な補正。



俺と違って彼女達は、偏ったステータスだがかなり強そうだ。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






なんで僕は森に召喚されたんだろうか。

称号には召喚に巻き込まれた者、と書いてある。

ということは僕は本来なら召喚されなかったということなのだろう。


きっと隼人たちは今頃手厚くもてなされているだろうと思うと、ムカツクな。

そうじゃなくてもムカツクけどね。

あいつは僕から、美咲を奪ったのだから。


俺は高校一年の時、美咲に恋をしていた。

勇気を出して、告白してみたものの惨敗。

まぁ、僕みたなデブでキモい男は嫌だったんだろう。


その一ヶ月後、美咲は隼人の彼女となった。

隼人の三人目の彼女に。

あの隼人はすでに二人も彼女がいるのに美咲にも手を出したのだ。



どうせ女なんて見た目のいいやつにホイホイ寄っていくようなやつばっかなんだろうななんて、思ったりしていたのだがこのときはまだ隼人のことを殺したいとまでは思ってなかった。


しかし、隼人と美咲が見せつけるようにイチャイチャとしているのを見ていると、嫉妬が憎しみへと変わっていった。


やがて憎しみは殺意に。


愛した女にあっさりと振られ、その女が男とイチャイチャしているのを教室内という至近距離で毎日見せつけられる日々を過ごした僕が、隼人を殺したいと思うまではそう時間はかからなかった。


せっかく異世界にきたんだから隼人を殺したいのだが、それにはまず、強くならないといけない。

今、隼人達がどんな生活を送っているのかはわからないが、余りもたもたしていると隼人が僕の手の届かない強さになってしまうかもしれない。


僕が強くなるにはやはりこの固有スキル、【喰らう者】を使うしかないだろう。

幸いここは、森の中。

死んでる生物くらいいるかもしれない。


しばらく歩いていると耳の切り取られた人形の魔物死体を発見した。

とりあえず鑑定してみっか。



オーク

レベル53

HP634

MP9

攻撃423+84

防御432

魔防253

魔攻7

スキル

【腕力強化】レベル3

【攻撃強化】レベル4

【皮膚硬化】レベル4

【胃酸強化】レベル3

固有スキル



強っ!

ここはかなり強い魔物の出る場所なんだな。

絶対に生きてるやつには遭遇しないようにしなければ。


さて、これを食わなければいけないのか。

強くなるためとはいえ生で食べるのは抵抗がある。


【喰らう者】……死んだ生物を喰らうことにより、その生物のスキルを得ることができる。


仕方ない、食べるしかないか。

僕は決心してオークにかぶりついた。


「おえぇっ。」


血生臭い味が口いっぱいに広がる。

気を抜いたら吐いてしまいそうだ。

なんとか、我慢して腕の半分くらいまで食べることができた。

さて、どうなってるかな。




名前五味 駄素途

レベル1

HP7

MP6

攻撃8+1

防御7

魔防7

魔攻8

スキル

【攻撃強化】レベル3

【腕力強化】レベル4

【皮膚硬化】レベル4

【胃酸強化】レベル3

固有スキル

【喰らう者】

【鑑定】

称号

召喚に巻き込まれた者



ちゃんとスキルを得ることができたようだ。

そしてレベルは上がっていないが少しだけステータスが上がっている。

やはり、倒さなければレベルは上がらないらしい。


でも今のステータスでこのオークぐらいの強さの魔物に挑むのは自殺行為でしかない。

つまり今の僕にできるのは魔物の死体を見つけて食べることだけ。


はぁ、あんなまずい物をまた食べないといけないのか。


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