奴隷購入
カルマーニの街の奴隷商館は他の街の奴隷商館と比べると少し規模が小さい。
まぁ小さいといっても一軒家
が軽く10個は入るくらいの多きさがある。
兵士のおっさんによると規模の多きさは他と比べると劣っているが奴隷の質は確からしい。
俺はその奴隷商館の入口の前でなかなか扉を開けられずにいた。
やっぱノックとかした方がいいのかな?
奴隷を買うなんて始めてだしちょっと緊張するな。
ついに、扉をあけることを決心した俺は扉に手をかけようとした。
すると、俺が手をかける前に中から扉が開いた。
「いらっしゃいませ。
どうぞお入り下さい。」
中から男の商人が現れ、奥の部屋へと案内される。
部屋のなかにはソファーが2つとテーブルが一つ。
俺がその柔らかいソファーに座ると、商人はすぐに戻るといい残し部屋から出ていった。
数分後、商人はお茶を持ってきて戻ってきた。
「お茶をどうぞ。
購入の予算はどれくらいですか?」
「金貨30枚以内でお願いします。 」
今の所持金は金貨34枚程なので金貨30枚と言っておく。
兵士のおっさんも相場はそれくらいと言っていたので大丈夫なはずだ。
「では予算は金貨30枚以内ということで。
年齢や性別等の希望はございますか?」
そこら辺も事前にしっかりと考えてある。
「性別は女性で。
年齢は10代でお願いします。」
男と一緒に暮らすなんて嫌だし、年齢は近いほうがいいしね。
決してやましいことは考えてないよ?
ホントだよ?
「かしこまりました。
では、条件にあう者を何人か連れてまいりますので少々お待ち下さい。」
そう言って商人はまた部屋から出ていった。
俺は出してもらったお茶をのみながら商人が戻ってくるのを待つ。
このお茶なかなか美味しいな。
俺がこの世界に来てから飲んだものと言えば、水と宿で出る味が薄すぎてなんとも言えないお茶?だけだった。
もう少しお金に余裕ができたら、お茶を買いに行ってもいいかもな。
そんなことを考えながら待っていると、商人が5人の女性を連れて戻ってきた。
全員首輪をつけていて目に生気が宿っていない。
「お待たせいたしました。
何か質問などありますか?」
「とりあえず、それぞれの金額を教えてもらえますか?」
「右から3番目までが金貨30枚になります。
その次の子は金貨27枚、一番左の子は金貨20枚になります。 」
一番左の子他の子と比べるとかなり安いな。
他の子と比べると少し背は小さいが何か問題があるとは見えない。
「一番左の子はかなり安いですがなにか問題があるのですか?」
「えぇ。
左足に少し問題を抱えておりまして、家事をさせるにも戦闘をさせるにも向いておらず一年間売れ残っていまして、この金額とさせて頂きました。」
「それは治せない程のものなのですか?」
もし治せるのなら是非買いたい。
容姿もなかなか俺好みだし、なにより金額が安い。
「治せないことはないと思います。
しかし治療にかかる費用を考えると他の奴隷を購入した方がよいかと。
治療院で回復魔法をかけてもらうにしても膨大な費用がかかりますしね。」
なるほど治らないわけじゃないのか。
なら買おう。
「じゃあその子にします。」
俺はその子を買うことに決定した。
「本当によろしいのですか?
後で返金などはできませんよ」
「いえ、大丈夫です。」
そう、魔法で治ることが確定しているのなら治療院など行かずとも、俺が治せばいいのだから。
全ての魔法が使えるというスキルを持つこの俺が。




