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欲張るとよくないらしい



死神とはどんな人物か?



そう聞かれてもちゃんと説明できる人はまずいない。

死神は王国や帝国が発表する世界序列において四位と公開はされてはいるが表舞台にでることはまずないからだ。

死神についての正確な情報を知っているのは各国のトップくらいである。


死神以外の序列に入っている存在についてはある程度情報があるのだが、死神についての情報は極端に少ない。

民衆が死神について知っていることといえば、赤黒い鎌を使っているらしいとかその姿を見たものは呪われるらしいとかの噂程度で真実を知る者はいない。


そんな死神は今、金欠で困っていた。


「はぁ……。今月も稼ぐために頑張らないとなぁー」


世間では、死神と呼ばれ恐れられている俺だが実は今金欠になっている。

というか年中金欠だ。


昔、神に一日の終わりに所持金の四割が減っていくという呪いをつけられてしまいずっと金欠な生活を送っている。

確か今から四十年くらい前だったかな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



自宅でソファーに座りながらテレビを見ていたら、突然自分を神だと自称する女性に声をかけられたんだ。

俺はソファから立ち上がり、突然現れた不法侵入者から距離をとった。


どっから入ってきたんだよ鍵はちゃんと閉めたはずだぞ。

物音一つしなかったし。


「こことは違う世界に行って新しい人生を送ってみないか?」


そう話しかけてきて、こいつなに言ってんの?

ちょっと頭のおかしい人なのかなって最初は思ってたんだ。

でも気がついたら自分の部屋にいたはずなのにいつの間にか草原に立っていたんだよ。


「これで私が神だと少しは信じたか?

もし、違う世界に行くと選択するならば貴様の望む能力を与えてやろう」


俺は目の前の風景が突然かわったことによってこの女性を神だと信じてしまった。

そして、望む能力をくれるという言葉の誘惑に負けてしまった。


「本当に望む能力をくれるんですか?」


「もちろんだ。というかなんの能力もなしにあの世界に行ったら生き延びられないだろうよ。さぁ、どんな能力が欲しい?」


今思えば本当にあの時の俺は馬鹿だった。

別に死んでもいないのに違う世界に行くなんて断ればよかったんだ。

だけどあの時の俺は誘惑に負けてしまった……。


「じゃあ、何があっても絶対に死なない能力と、歳をとらず永遠に生きることができる能力と、無限の魔力と、見ただけで相手を殺せる魔眼と、その世界に存在する全ての魔法を使える能力と、絶対に壊れない武器を一つ下さい。」


「今言った能力は全て欲しいのか?」


「はいっ」


神は俺がこんなにたくさんの能力を欲しがるとは思っていなかったようで少し驚いた表情をしていた。

あぁ、こんなに欲ばらなければあんなことにはならなかったのに……。


「わかった。

望む能力を与えてやると言ったのは確かだしな。

今言った能力は全て与えてやろう。

しかし、与える能力がかなり多いので一つ呪いをつけさせて貰う。

武器についてはこの鎌をやろう。

とりあえずステータスと念じてみろ。」


禍々しい雰囲気を放つ赤黒い鎌を受けとり、俺は素直にステータスと念じてみた。

すると頭のなかに情報が浮かんできた。



名前

レベル1

HP16

MP∞

攻撃7

防御4

魔防4

魔攻8

スキル

【全属性魔法】レベル10

固有スキル

【不死】

【不老】

【死神の魔眼】

【再生】

呪い

【マネーロスト】



「なんで名前が空白なんですか?」


「新しい人生なんだ。

名前も変えた方がいいだろう。

名前は自分で好きに決めていいぞ。」


「じゃあ名前は、ブラッドにします。

このマネーロストという呪いは?」


「一日の終わりに所持金の四割が失われるという呪いだ。

さて、能力は与えてたしそろそろあちらの世界に行って貰うとしよう。」


神がそう言った直後、俺は光に包まれ意識を手放した。



この時ブラットはまだ知らない。

神から渡された大鎌は、かつて死神と呼ばれていた者が使っていた武器だということを。


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