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どんな理由ですか

 もう勘弁してくれよ。

 いくら疑いが来ないからと言っても、こうも警官が周囲をうろつかれたら厄介だ。

 あのレジのおばはんか?

 子供服の女物を買うだけだと言うのに、なんで通報しやがった。


『我に疑惑を以って罪に落とさんと企みし者。彼の者に死を、脳下垂体爆発』


 あれ、そこら中の警官やらおばはんやらがまとめて倒れたぞ。

 まさかこの警察の動員って、オレに対する緊急配備か何かだったのか?

 でもってそこらのおばはん連中が、揃って証人とか何とかでつるんでの合同通報か何かかよ。

 いやいや、ちょっとびっくりだな。


 野次馬に混ざって見ている感じで、そろりと抜けて路地裏へ。

 やれやれ、あれで一気に35人も死んだのか。

 あの魔法の範囲って思ったより広かったんだな。

 店内は言うに及ばず、商店街の中の警官も軒並み倒れたからよ。

 まあいいや、あれでしっかり寝てくれたろうし、帰るとするか。

 それにしても、警官って意外と経験値高かったのかな。


 名前 野村 洋平

 年齢 30

 性別 男

 階級 52

 耐力 3250/3250

 魔力 8280/8280

 戦闘 15

 防御 25

 霊魂 48


 いきなりレベル52ってよぅ。

 やはり戦闘訓練をするとレベルが上がるのかも知れないね。

 とんだハプニングもあったけど、僕は家から出てない事になっているんだし、アリバイは確実でしょ。

 緊急配備ご苦労様だけど、やっぱりアリバイって大事だよね。

 近所の交番でトイレを借りるのも忘れずに……と。


 また故障かよ、使えねぇな。


 てかさ、本当は使わせたくないんだろ。

 毎回、故障だから使えないとか抜かしやがるんだ、あいつはよ。

 まあいいや、アリバイ作りに利用するだけだし、使えなくても別に構わんさ。


(お前、またかよ……済みません……ちゃんと小まめに流せと言っているだろ……忘れてました……良いか、交番のトイレは市民の為の物でもあるんだぞ。彼にまた使えないと言う羽目になったが、本来は快く使ってもらいたいんだ、オレは……済みません……業者にはお前から連絡しろよ……はい)


 家に帰ってシャワーを浴びて中で転身、女物の服を着てソファーで待機。

 うん、もう1000の消費も怖くないな。

 それは良いんだが、また灰色の魔法が出て来たよ。

 おいおい、消費1万なのかよ、今度の魔法は。

 しかも、意味の分からない魔法ってよ、どうにも気になるな。


 何だろう、創造魔法って。


 まさか、何でも作れますとか、そんな魔法じゃないだろうな。

 そりゃ何でも作れたらありがたいけどよ、1万の消費とかそうそうやってられんぞ。

 まあそういうのは魔力が増えてからで良いな。

 さてと、まだあいつは来ないだろうし、アルバイトでもやっておくか。


 最近、サイナン9にハマっている。

 実はサイコロを9個振ると、9桁の数字が出るんだけど、それがそのまま当選番号になるんだよな。

 それがそのまま予知魔法に適用されるから、簡単にやれて簡単に当たる。

 9つの茶碗に9つのサイコロを順番に転がしていくんだけど、それがそのまま当選番号の数字になるんだ。

 だから面白いから今はこれに夢中なのだ。


 ネトギンに300万投入した後、それでサイナン9を1万口買ったら全部当たりになって、配当金が目一杯下がって他の奴ら、暴れてなければ良いがな。

 キャリーオーバーの60億とかって出てたけど、1万口だと一気に60万まで下がり、それに何人か居れば45万ぐらいになっちまうんだ。

 だから配当金が52億だったのは、他の誰かが当たったって事だろうけど、キャリーオーバーでぬか喜びして、52万の配当とか、絶対暴れてるだろ。


 誰か知らんが悪かったな。


 だからあれ以来、夢中になってはいるけど10口しか買わない事にしている。

 じゃあ後の金はと言うと、ネットで公営ギャンブルってサイトで楽しんでいる。

 やたら増やすと目立つので、少額で賭けているんだ。

 それでも残高が多いので減らそうと思い、ネトギン口座の52億のうち、50億を何とか下ろしたいと思って、近所の銀行に振り込んだんだけど、そっから先がなかなか進まないんだよな。

 やれ住民票がどうとか、身分証明書がどうとかって支店長が来て奥の部屋にどうとかって、それはもう目立って仕方が無いんだ。

 しかもだよ、50億と言えばミカン箱にして10個は最低必要になる。


 そんなの持ち帰るのも大変だ。


 だから少額を窓口で下ろそうと、ある支店で通帳で500万下ろしたんだけど、たったそれだけの金なのに注目の的になって懲りたんだ。

 だから1日50万ずつカードで下ろしているんだけど、50億下ろそうと思えば1万日掛かる。

 つまり、28年掛かる計算のうえに、利息なんて物まで付くとなると、30年越えるかもしれないと。

 それでも地味に下ろすにはこれしかないので、日々50万下ろしは継続中なのである。

 下ろした金はみかん箱に詰めて押入れに入れているが、何とか5億ギリギリ入る計算だけど、火事にでもなったら終わりの予感。

 まあなぁ、無くなりゃまた稼げば良いだけの話だし、それはそれで良いんだけど、1箱満杯にするのに3年弱掛かるってのがどうにもな。

 けど、魔法が使えるようになって、防犯対策が凄く便利になったんだ。

 毎日魔法を使えば、近所の変な奴らが勝手に死んでくれるから、そのうち襲う奴は居なくなると。

 それが妄想の計画であれど、立案した以上は対象になるみたいで、ご近所の皆様の中での、若年層の死亡率がやたら高いんだ。


『我の資金横取りを企みし者達に死の制裁を、心臓爆発』


 さて、これで何人ぐらい死ぬかな。

 昨日も妙な視線を感じたし、そろそろ駆除しようと思っていたんだよな。

 お、お、お、この回復力。来たかな、何人かの命が。


 名前 野村 洋平

 年齢 30

 性別 男

 階級 55

 耐久 3650/3650

 魔力 8820/8820

 戦闘 15

 防御 25

 霊魂 53


 魔法 破滅魔法・予知魔法・移動魔法・回復魔法・転身魔法・(創造魔法)


 おや、5人も居たのか。


 たかが50万の金の為に死ぬとは思わなかったんだろうけど、立案したら同罪だよな。

 立案したって事は、何かの切欠で行動に起こすって事だから、オレが金でも落とせば拾って逃げそうな奴らだ。

 そんな犯罪予備軍とか、別に駆除しても良いよな。

 ずっと静かに暮らして来たんだし、もう思うように生きても構うまい。


 魔法使いになったって事は、今までの人生の継続を止めても良いって事なんだろうし、だったら好きなように生きるだけさ。


 しっかしレベルが上がっても攻撃力も防御も全然上がらないんだよな。

 普通なら上がるもんだろうによ。

 あれ、何だこの気配。

 表が妙に騒がしいぞ。

 警官? どうしてだ。

 まさかあいつ……くそ、転身……はふうっ、良かった魔力増やしといて。


 くそ、何か無いか。


 ええと、これは、もしかして、注意事項? ヘルプの事か。

 何だと、霊魂1に対して1万魔力に換算? これって魔力補充なのか。

 くそ、もっと早く調べとくんだったな。


 よし、換算、了解。


 うおお、また増えたぞ。しかもこれ、うお、キター、これこれ。

 創造魔法の色が変わり、次の魔法も色変わりで登場だ。

 これ、魔力の補填だけじゃない、基礎魔力量の拡大だ。


『我、時空魔法を霊魂にて換算し、契約するものなり』


 よしよしよーし。


 後は維持するのに毎日10の魔力の消費か、それぐらいなら余裕だぜ。

 さーて、機材やらヤバい映像テープやら、ベッドの下の金やらを全部入れちまうぜ。

 あって良かったインベントリ魔法ってか。

 配備が終わったか。

 さあ、勝負と行こうか。

 ヤバい代物は全て片付けて、女物の関連も全てだ。

 ついでに家の目ぼしいあれやこれやも全部入れちまうか。


 さあ、どんと来い。

 

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