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第40話 ある、ゴブリンのお話し 11(過去編)

「ようこそ、騎士団様方」


 ここは。王都から一番近くにある村。


 リンカ一行は。王都──村(現在ここ)────町──────村────ゴブリンのいた森という順番に森に向っていたのだ。

 現在はダイエの言葉により、王都に向かっての帰りの途中である。


 リンカ率いる王都騎士団達は現在、夕方頃に村に到着すると、村の人々からのご好意で、止まらせてもらうことになった。


 しかし、それは立て前で。実際は国が定める規律に『任務及び団員の育成のための遠出により、騎士団が村や町に到着した際には、食料及び寝床を出来る限る与えなければならない』と、暗黙の了解がされているのだ。


 中にはそれらを悪用する自称騎士団が時より出没するなどの被害があるわけだが………。それらは即刻『死罪』に繋がる重刑である。

 国にも人々にも影響があり、最悪の場合は国に対する疑惑が生まれ、人々から国に対する忠誠心や信頼度に影響するために、重罪である。


 それでも、基本的にはそれを提供しないとならないので、町や村の人々は大半が渋々了承するのである。

 そんな中。リンカ率いる騎士団ら人々から絶対の信頼を得ている。無償で魔物の討伐、村の畑仕事の手伝い、その他雑用等を積極的に行っているのだ。

 リンカ率いる騎士団は『人々を幸せに』を第一に考えて行動している騎士団である。


 リンカ達は村に到着した直後は寝床や食料よりも。まずは、魔物の被害を確認し。被害があるならば、即刻行動すると考えて、村長に確認をしたのだ。


『──村長さん。最近は魔物による被害はありますか?』

『………………それが───』


 村長は苦虫を噛み砕いた表情をすると、最近の被害を言い出した。


 リンカ達は即時動きだした。村の周辺に生息する猿型の魔物が、最近は大量に現れると、畑の作物を根こそぎ襲い、荒らしていると。


 リンカは普段見せている冷静さがなく、基本的には団員全員に指揮を取り、殲滅に動き始めるのだが、今回は"一人で動く"と、団員に有無を言わせぬ迫力で言い聞かせると、村からたったの二百メートル程離れ───青いレイピアを抜いた。


『汝の力を解放、全てを貫け』


 リンカは遥か彼方を見据えると同時にそれを呟くと。レイピアから青い光が纏い始めて、肩までレイピアを持った右腕を上げて突きの構えを取る。

 一度深呼吸をして、ゆっくり瞬きをすると────突きを放った。


 それはほんの一瞬、常人には"微かに動いた?"と、疑問を感じるほどの速さで突きを放ち、元の構えに戻る。


 見据える先には草原、それらの更に奥にはゴブリンがいた森とは別の小規模な森が存在していた───そう、先程迄はあったのだ、確かに。


 リンカは青いレイピアを腰の鞘に戻し、後ろを振り返りながら村に歩き始めると───。


スゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……… !!ドッッッッッッッッン!!


 森だった物が更地に変わり、リンカが戻ろうとした瞬間に、リンカが放った突きにより、空気が引き裂かれ、攻撃軌道上はあまりの威力に真空になったのだ。


 それらは、ほんの数秒の後、周囲の酸素を取り込もうと軌道上の真空になったヶ所に向かって、取り込み始めて──破裂する。


 これぞ、青いレイピアの能力である【重力収縮】普通は重力場を突きを放った軌道上に発生させ、周囲を取り込み、破裂させるのだが………。リンカはそれらに、さらに真空状態をプラスすることにより、威力を倍増させる。


 要するに、オーバーキルをしたのだ………。遥か彼方から、猿らしき驚愕したような叫び声が「きぇぇぇぇぇ!?」と、聞こえながら、あちらこちらの上空に吹き飛んでいる猿らしき黒い点々があったからだ。結果。


「騎士様方。ど、どうも、ああ、ありがとうございました」

「あ………ありがとうござい………ました?」

「きしのおねぇちゃんすごい!!」


 村人達は喜びと、やり過ぎじゃない?その他は"ちょっと………いやちょっとどころじゃねぇぇぇぇ!!"と、心の中で、村人成人組が叫んでいた。


 とう、本人は。


「これで被害は起きないはずです」

「えええ………起きないでしょうね………、根こそぎ殲滅したのですから………」


 リンカは、何かを攻撃と共に発散させたのか。スッキリとした言葉に、村長は動揺しながらもチラチラと直線上に吹き飛んだ道?みたいに削られ、吹き飛んだ後を見らずにはいられない!!


「よし、団員の皆!今日は早めに寝。明日、早朝から出発するぞ!分かったな!」

「「「「「「お、おおおおぉぉぉぉ………」」」」」」


 リンカの一括に団員達は若干苦笑いしながら、力が抜けるような返事をする。


「私は先には寝ている、何か問題が起きたら、すぐさま、連絡してくれ!」


 リンカはその後、村人に案内をされながら、村長のお宅に止まらせて貰い、寝床 に向かったのだ。



〉〉〉



「すやすや………」


 喋るゴブリンは現在、何処へ向かうのか……いや………全く決めてない!と、何も考えていなかった。

 現在、黒無を真っ黒な羊の形に変えて。その、モフモフの体の上に寝そべり、寝ていた。

 黒い羊はトコトコと草原を歩きながら、微かに見える防壁・・に向かって歩いていた。


「すやすや………」

「………………ギニャ?」


 黒無はコテリと首を傾げると、不穏な気配を感じて、そこに向かって目を向けるが、遥か彼方から感じるために、全く見えなかったが………。


グナャリ………。


 黒無は羊の可愛らしい顔をグニャグニャと動き始めると。顔全体が大きな一つ目に変貌すると、一つの目を見開き、遥か遠くを見据える。


───そこには、青いレイピアを此方に構えた彼女・・がいた。


──直後………レイピアが突かれた。


「ギャィ!?」

「どわぁ!?」


 黒無はダッ!!と、危険と判断してその場から飛び立つ。急な黒無の動きに思わず驚きの声を上げる喋るゴブリン。


 スゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!ドッッッッッッッッン!!


「っ!?す、吸いこま──」

「ギィィィィャア!!!!」


 羊の姿からグニャグニャと形を変えて、喋るゴブリンを包み込むように形を変え、黒い球体状に姿を変える。


 直後に襲い掛かる衝撃に、ボヨンボヨンと衝撃を吸収させながら、地面を跳ね、吹っ飛んでいったのであった──


 ──王都あるの方角に。




お読み頂きありがとうございました!

ブクマもありがとうございました!


空間収縮を重力収縮に変更しました。

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