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第38話 ある、ゴブリンのお話し 9 (過去編)

 ダイエは情報にあった、三つの集落の内の二つ目の集落にたどり着いた。


 森の中に佇む先程と同じか、それとも、若干規模が少ないと見られる集落は、本気になったダイエの敵ではなかった。


 まずは集落の入り口で警戒していたゴブリンの一匹を驚くべき速さで森の中から走りだし、瞬時に辿り着くと”邪魔だ”と、拳を、そのゴブリンの顔面にめり込ませながら殴り付けると、ゴブリンの頭蓋骨はバラバラにバキバキ!と音を立てながら奥にあるゴブリンが住む、木と葉っぱで出来た家に突っ込んだ。


「ギャ!?」


ドゴン!!


 家は無惨にもバラバラに吹き飛びながら、中に居た数匹のゴブリンが衝撃で吹き飛んだ。


「「「ギャアアア!!」」」


 そこからは───蹂躙だ。

 圧倒的強さを誇るダイエにより。


 お粗末な槍で突き刺そうとこちらに来たゴブリンには、槍を突き刺そうと前に出した瞬間に、体を横にずらして避けると、そのまま槍を右腕で掴んで引っ張り、その勢いで、両手で掴んでいたゴブリンは引っ張られ、こちらに空中に浮かびながら来るところに、右足を上げて、ゴブリンの頭にかかと落としを食らわす。


ドン!!


 地面にひび割れを起こしながらゴブリンの頭を潰すと、そのまま持っていた槍を三匹の剣を持って突撃してきているゴブリン目掛けて槍を後ろに引きながら左手で狙いを済ませ、終わったら、右足を捻りながら、回転を加えて、左腕を引き、槍を投擲する。


「「「ガ!!」」」


 ゴブリンは三匹で縦に並んで突撃していたため、そのまま三匹共に腹部を突き破りながら槍はさらに、奥で様子を見ていたこの集落の長と思わしき一回り大きいゴブリンの腹部に貫通しながら半分程突き刺さる。


「グギャァァァ………………」


 長は腹部が致命傷になり、そのまま力尽きて断末魔を叫びながら倒れる。


 ダイエはそれを見ると、集落の残りのゴブリンがビクビクと長があっさりとやられた事で、恐怖により震えが止まらないようだ。


 ダイエは足元にある少し大きめの石を右手で拾い上げる。


「ふん!!」


バキィ!


 ダイエは握力で人の拳程の石を粉砕する。

 その後、残りのゴブリン場所と数の確認を始める。


「いち───じゅう──………………残りの四十八匹か」


 ダイエは右腕に力を込めると、体を捻って回転させながら、石をゴブリン達目掛けて投擲する。


「「「グギャ!!」」」

「「「「ギ!?」」」」

「「「「「「「「「ギィ!!」」」」」」」」」


 投げ飛ばされた数々の小さな石は、的確にゴブリン達の頭目掛けて飛んで行き、頭蓋骨を粉砕していく。


「これで終わりか?」


 ダイエの呟きに答える者は既に存在しない、そう、この集落のゴブリン達は、僅か数十分で、全てがダイエの手により殲滅されたのだ。


「後一つ………ってことは、必ずそこにいやがるな」


 怒りと憎しみを混じらせた声はダイエの深い憎しみが乗せられていた。


「必ず──殺してやるよ」


 ダイエは目を細めて、目的の後一つの集落に目掛けて、地面を抉りながら蹴り進める。


〉〉〉



「「「「あーー」」」」

「「「「うーー」」」


 目が虚ろになったゴブリン達は皆集落の真ん中に集まっていた。


「ギャギャギャ!!オマエラ!ヒトゾクヲ────ミナゴロシニシロ!!」


 その中心にいた長のゴブリンは人族を皆殺しにするために指示を出した。

 ゴブリンはこくりとゆっくり頷くと、先程の虚ろな目から一変して、全てのゴブリンが目に血を走らせながら──走り出した。


「「「「「「「「「「ギィィィィィィャアアアアァァァァァ」」」」」」」」」」


 集落にいたゴブリンは全て槍を掲げて、叫びながら一目散に、人族の国に一番近い方向に走る。


「ギャギャギャ!ソウダ!コロセ!コロセコロセコロセコロセ!!ヒトゾクヲコロセ!コノセカイハワレラゴブリンゾクノモノダ!!!」


 長は念願の人族を皆殺しにする計画を今、やっと始めれたことに歓喜する。


「ダガ───」

「この先には行かせんぞ?」

「「「「「「「「「「ギ!?」」」」」」」」」」


 ダイエはゴブリン達の進行方向に佇みながら、この先は通さないぞと、殺気を放ちながらゴブリン達に睨み付ける。


「ワカッテイタゾ!アンシンシロ!!スグニ───コロシテヤル!!ギャギャギャ!!!」


 長は空中に浮かび、ゴブリン達の頭上を抜けると、ゴブリンとダイエの間に降り立つ。


「オマエラ!!イッテコイ!!」

「行かせる………っ!?」


 長は目の前にいるダイエを見ながら合図をする。

 ダイエはそれがゴブリン達の合図だと思い、迎え撃とうと構えた途端に、横から現れた人間・・が槍をこちらに向かって投擲していたのに、間一髪の所で気がついて、体を後ろに倒して、横から飛んできた槍を腹の数センチ上で避けた。


「なにしやが──くっそ!操られてやがる!!」


 数人が現れたと思って横を確認すると、ぞろぞろと、見えるだけで─────百人以上の人間が目を虚ろにしながら、そこにいた。


お読み頂きありがとうございました!

ブクマもありがとうございました!

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