第2話 赤い化け物
ヒュン
シュタ
(着いたか………)
クラは辺りを見渡す、すると。
(ここは!?まさか!?)
蒸気が周りを覆っていた、そこに人影があった。
「す………すみません!不注意でこんなところ入ってしまって!」
(まさか………この展開は………女の子の裸を間違って見てしまう展開か!………おっと、間違って入った装いをしないとな………)
クラはおどおどして如何にも間違って入った青年の装いをした。
「それなら仕方ないわね………」
人影からは少し高めだが………太い(・・)声が聞こえてくる。
(おお!蒸気が薄れてくるぞ!)
クラは人影にガン見する、するとそこには………。
「間違って入ったんなら仕方ないわよ、こっちも間違って、頂いちゃうからね?」
蒸気が薄れると………そこにはムキムキマッチョの男がクラの股間辺りをガン見していた。クラはそれに身震いして。
「ぶふーー!」
(逃げなければ、殺られる!)
「あ!用事思い出したので失礼します!」
だー!
クラは一目散に浴場と思われる場所の出口に向かって走った。
(ふぅ………これで逃げれる!………………!?)
出口には先程のムキムキマッチョの男が居た。
(なん………だと!?それなりに本気をだしたぞ!?何故追い付ける!?)
クラは戦慄し、恐怖した、破壊の神なのに理解できない状況に陥ったからだ。
ムキムキマッチョの男が舌を出して。
「うふ!じゃあ頂きます!」
ムキムキマッチョの男がこっちに手を伸ばしながら飛んで来る。
「ぎゃああああ!?」
クラは急いで転移を使い、他の場所へと転移する。
ムキムキマッチョの男の前にいたクラが目の前からいきなり消える。
「あーら………転移魔法されちゃったわ………せっかくの上玉だったのに………勿体無いわー」
ムキムキマッチョの男がそう呟く。
〉〉〉
(はぁはぁ………危なかった………………人生で七番目に入るぐらい危なかった………)
クラは少し落ち着くと辺りを見渡す、そこは森の中だった。
(ここは何処かの森の中か、取り敢えず人里に目指すか………じゃあ、あれやるか………………『サーチ』!)
クラの周りから円上に透明なオーラが広がる。何処かの○使いの様に
(ふむふむ、結構デカイ森だな1キロ位だと魔物しかいないな………ん?ここから北に2キロ程の場所に人の反応と………魔物か、危なそうだな………行くか)
クラはそう思い北へ走ると思いきや、500メートル程のジャンプして空中に止まり、風魔法を行使して、そのまま北へ飛んで行く。
(えーと………ここら辺の筈だが………お?いたか?)
クラの視線の先に熊に似た魔物が子供を襲っていた。
「誰か!助けて!誰でもいいから!誰か!」
〉〉〉
(何でこんなことに………ただ僕は薬草を取って病気のお母さんに届けようとしただけなのに………)
「ぎゃおおおお!」
「うわ!」
前方から勢いよく突進してきた熊を、少年は右飛んで、熊の突進をどうにか避わす。
(う!足が!)
どうやら、上手く避けきれず熊の突進が足に当たり、足から血が出てきていた。
(駄目だもう避けれない………こんなところで死にたくないよ…………)
「誰か!助けて!誰でもいいから!誰か!」
〉〉〉
(ふむ、まさしく絶体絶命だな、助けるか、よっと!変!身!)
するとクラの格好が何処かのヒーローみたいに、全身赤色のヒーロー服に包まれる。
シュタ!
「ははは!大丈夫か少年!もう大丈夫だ!私が来たからには安心しな!」
(決まった!これでこの子は、俺の事を最高にカッコいいヒーローに見えるに違いない!)
「うわああああぁぁぁ!もう一人赤い化け物がでた!?うーん………」
バタ!
少年はクラを目視した瞬間、倒れる。
(え?………………………………………酷い!せっかく格好よく決めたのに、くそ!お前のせいだ熊野郎!)
クラは熊に逆ギレする、するとクラは熊に手を向ける。
「許さん、この世から消えろ『消滅』………」
パ!
熊の魔物は消え去った、同時にこの世界の熊の魔物は連鎖するように、全て、この世界から消え去った。
(貴様は一生悔いておけ。さて少年の様子は………足を怪我しているな、治すか『復元』!)
子供の足は時間が戻ったように治っていく、暫くすると少年が目を覚ます。
「うーん………………は!?化け物は!?ひ!?」
少年は目を覚ますと、目の前に先程の赤い格好をしたクラに恐怖し走って逃げる。
「「大丈夫か?しょ」うわああああぁぁぁ!!」
(え?………………ぐす………………べ、別に泣いてねーし!少年に怖がられて、ショックなんて受けてねーし!………………………止めるか)
クラはショックを受けて、再度人里を目指すのであった。
因みに服装は元の一般的な服に戻ってある。
取り敢えず投稿です!3話は今日は出せるか微妙です。
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