第22話 のじゃロリ
「いてて………ん?ここは何処だ?」
高校生の格好をした少年は、気が付いたら辺り一面木に囲まれ、日の光が届かなく、少し不気味な雰囲気を発した森の中に倒れて居た。
少年は体を起こして、辺りを見渡し始める。
「んーー?………………森………………は!?森!!??アイェェェェ!?森!?森ナンデェェェェ!?」
少年は驚愕の余りに大声を出し、周囲にその声を響き渡らせる。
自分でも驚くほどの声を出し、肺の中の酸素を根こそぎ出してしまったせいで、ぜぇぜぇと手を膝に付きながら酸素を肺に取り込んでいた。
「それにしても、ここは本当、何処だよ………………確か………………!?そうだ!思い出したぞ!何か分からんけど見知らぬ神官風のコスプレしたおっさんが下校中に急に「転移チョップじゃああああああ!!!」てか変な事言いながらチョップを食らわして来て………うーーん、そこから記憶がー」
少年は首を傾げながらうぐぐと考え込む。
すると、数分後に。
ぐぎゅる~~
「てか、腹減った………」
あ~~と、声を出しながら、少年は食べ物を求めて森の中を歩き始める。
少しの明かりを頼りに獣道もない森の中をひたすら歩き続けるが、森の知識も無い少年だ、気が付いたら足を擦っていたり、手探りで草木を避けていたせいで手は傷だらけになっていた。
「って!うわぁ………傷だらけじゃん………てか、いい加減森から抜けれないのか………俺、暗いところ苦手なんだが………………っうわ!何だ!?」
少年の左方向からガサガサ!と音が鳴り、その音に反応して少年はビク!とした後に驚くと共にもしかして………肉食系の動物か?と顔を青ざめながら、最悪の結末を頭の中で考える。
次第に草木が動く事で発生する音は此方の近く来ていることが分かるように、音の高さが徐々に増していた。
「やめてくれ………俺まだ一七歳何だ………無事にここから帰ったら、家でゲームするんだ………」
最早普段なら死亡フラグだろ!等と言う側の筈だが、少年は死ぬかもしれない恐怖で、冷静メーターがオーバーフローを起こして、悟りの域に達してしまう。
(サヨナラ………俺のパラダイス………)
少年はどうぞお食べ下さいと言わんばかりでその場で立ったまま目を瞑り、祈りのポーズをする。
「痛くしないで………」
「のじゃ?」
「………………………………………へ?」
「のじゃ?」
「は?ひ?ふ?へ?ほ?」
少年は音のがしないことを気が付く前に、すぐに目の前から少女の様な声が聞こえてきた余りに変な声を出すが、すぐさまポーカーフェイスに変える。
(気のせいだ………こんなところに少女のが居る筈が………)
「のじゃ?のじゃ?」
「………」
そーーと、片方の目を開けると………目の前には紫色の長髪に、黒一色の帽子とローブを包んだ、いかにも魔法使いのような格好をした少女改め幼女が居たのだ。
何故か"のじゃ?のじゃ?"と言っているが。
幼女は少年の格好が珍しいのか、少年をじろじろ興味深そうに見ながら、少年の周りを歩きながら凝視していたのだ。
(そんなに見ないで………恥ずかしい………)
少年の心は何故かしら少女のような感じに徐々に変わっていた。
「のじゃ!」
ガバ!と急に少年に幼女が飛び掛かる。
「うわ!?」
少年は幼女を上に乗せて、押し倒されるような形になる。
「一体………何をする………っんぐ!」
幼女は急にそのまま少年の口を塞ぐように自らの口を少年に付ける。
「んぐぐ!………ぐ………………」
(にゃん………だぁ………ぁ………不思議にゃ………気持ちぃ、にぃ………)
少年がそんな気持ちになっていると。少年の体は少しずつ小さくなっていた、ゆっくりゆっくり………。
いつまでもしただろうか。おおよそ数十分もキスをし続けていた少年だった存在と幼女は口をゆっくりと離す。
「のじゃ!!のじゃ!!!」
幼女は上から退いて、ばんざーい!を始めた、まるで………仲間が増えたのを喜んでいるかのように………………。
幼女がばんざーいをしている所で、ムクッと起き上がる─────幼女がいた。
「のじゃ?………………のじゃーー!!??」
少年はだった存在はいつの間にか幼女に変わっていた。服装も魔法使い風に変わっており、すぐ隣の幼女と同じ顔、同じ身長、同じ髪、全てが同じになっていた。
元少年は自らの体に驚くが………次第に、それが元々こんな体だったなーと記憶も変化していく。
「のじゃ!」
「のじゃ!」
幼女二人はハイタッチの後に、二人で森の中を歩き続ける。
新たな同士を生むために。
そう、ここはロリのじゃの聖域の世界であり、ロリのじゃの原点である世界、ローリーノジャジャである。
迷い混んだ人すらもロリのじゃに変えてしまう摩訶不思議で平和?な世界であるのだ。
奴が来るまでは………。
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