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第21話 マナサハイア

久々の投稿です!!

 歪んだ空間は徐々にその勢いを増しており、クラは見た限り、数時間でこの世界が歪みに飲み込まれて消え去るだろうと判断を下す。


 そして、決断をすると。


「リバ、後は任せた、予定は大幅に変更だが………」

「うん、じゃあ僕はこの世界の生き物を、新たに作成したコピー世界に送っておくから安心してやっていいよ」


 リバはそう言うと、瞬時にこの世界に存在する生き物全てを他の世界に転移させる。


「流石だな、俺じゃあこの量の転移は時間が掛かるが、それを一瞬でやるとはな……… 」


 クラは辺りを見渡し、そうリバの手際のよさに感心する。


「じゃあ………いなくなったところで─────やるか………我、破壊神の名の元に発現させる。神壊魔法しんかいまほう壊破かいは】!!」


 それは、破壊神にのみ許される魔法、力、破壊の象徴。

 全てを破壊尽くす破壊のオーラは純粋な白、一般人が見ればたちまち魅了されて、クラから発生し、広がっているオーラに「美しい………」と、涙を流し、嬉々として飛び込むだろう。

 それほどまでに美しく魅了する白いオーラは、世界を破壊させる物とは思えない物だった。


 やがて、白いオーラは空間の歪みにぶつかると、空間の歪みすら飲み込み、歪みの存在を消滅させる。

 オーラはそれだけには止まらず、岩、土、水、………無機物、有機物、元素、ありとあらゆる物質、世界に存在するものを飲み込んでいくのであった。


 そして………その日。


 マナサハイアの世界は白いオーラに飲み込まれて、虚無の存在へと変わり果てる。




 一方、マナサハイアの世界をリバの【神創魔法しんそうまほう】により完全コピーにより作られたマナサハイア(仮)の世界に転移された生き物すべては、クラが攻めて来た時の記憶を消されていた。


 そう………クラに関する全てを………。


 〉〉〉






 そこはラナハタチ学園。

 マナサハイアの世界で一番有名な学園である。

 その一角の教室で今はもう帰り際で、他の生徒は皆下校していて、そこには三人の人影が未だに楽しそうに、わいわいと話をしていた。


「ライハル!そんな化け物居たら俺なら裸足で逃げ出すぞ!俺のみならずドラゴンでさえも!」

「でもさ、夢っていってもなんか………実際にあったような感覚がある夢だったから………前にあったのかな~~って思っただけだよ、その人の名前も知らないし、途中で夢が必ず終わるしね」


  少年は夢の出来事を他の知り合いである二人の少年に話す、ありえない程の強さを持つ青年に少年ライハルが弟子入りして、その後の物語の話を………。


「そんな人居たら俺が即効弟子入りをお願いするわ、土下座でも何でもしてでも」

「僕もその人が居たら弟子入りを頼むね。でも、夢でしょ?」

「う゛………そうだけど………」

「てか、そろそろ帰ろうぜ!寮にさっさと帰って魔法の実習の話をしようぜ!」

「………それはお前がギリギリそうだからだろ?」

「………………」


 ヤハサクは目を逸らして口笛を吹きながら教室を「さ、さっさと帰るぞ!!」と焦りながら出ていった。



「はぁ………じゃあ、俺達も帰るか、ライハル」

「そうだね、帰ろ、ヤハサクが拗ねる前に」


 少年二人は一人逃げるように教室を出ていった友人の後を追うように教室を後のする。


 そして、誰も居なくなった教室で。


ヒュン


 二人の神が現れる。


「これでいいの?クラ?」

「ああ、構わない、俺が会わない世界の方が楽しく暮らせるだろ」

「そう?彼は楽しそうにしてたけど?」

「と、とにかく!………これでいいんだ。また奴が………クソ野郎が来るかもしれないからな」

「過保護になったねクラも、あんなことがもう起きて欲しくないから?」


ザザー


『大丈夫………貴方は素敵な人よ………皆を愛して………クラ・ソウル………わた………しも愛し………………』


 クラは思い出す、悔やんでも悔やみきれない、 唯一愛した人の最後を言葉を聞き遂げれなかった事を。


「………………」

「あ、ごめん………思い出した?僕としたことが………」

「いや………いい、気にするな、忘れない事が俺が彼女に出来る唯一の償いだからな………」


 クラは教室の窓の縁に手を置き、窓から空を見上げる。


「俺が居る限り、生きている限り、必ずあのクソ野郎を捕まえて、お前に………スーナに………会わせてやる………絶対だ」


 クラは再び、決心する。

 彼女の約束を、自らの償いを、自分の思いを。


 クラの後ろ姿を見ていたリバは、その目の前の最強の存在の後ろ姿は、今は弱々しく見え、頬からは一滴の涙が流れていた。


「行こう、クラ」

「………ああ、後は頼む」


ヒュン


 クラは顔を手で拭うと、先に転移して行った。



 残されたリバはクラの約束を果たすために、おもむろに手を地面に(っと言っても教室の中なので床に)付いくと。


「神創魔法【外世がいせ】」


 リバの魔法により、この世界は世界の繋ぎから外され、例え神であろうと干渉が不可能になるのである。


「じゃあねマナサハイア、もう二度と会うこと、知ることはないだろう………」


 リバは急いで世界転移(リバ専用の転移魔法)を行いこの世界から急いで転移する。

 やがて、マナサハイアは世界から遮断される。






  マナサハイアでは数十年後に賢者と呼ばれる程の存在となる者が現れる。

  賢者は少年の時に見た夢の人物みたいになるため、ひたすら努力する、言えようもない心の底から沸き上がる感情に突き動かされながら………ただただひたすら………。

お読みいただきありがとうございました!


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