第1話 動き出す
あるとき地球に一人の青年が居た。
その青年は子供のころからおかしかった。
何故なら小学生にして握力が200kgあり、本気をだせばどのスポーツの世界記録も変えられる程の身体能力持ちだった。だが、子供の時に周りから奇妙な目で見られたので、子供の時から力を制御しないといけないことを悟った。
そして現在。
「はぁ………力の制御疲れるわ………」
一人の青年が疲れた表情をしながら、道路をとぼとぼと歩いていた。すると、目の前にポイ捨ての空き缶が転がっていた。
(全く………ポイ捨てすんなよ!)
青年はそう苛立ちながら、空き缶を拾い上げ、上空に向かって野球選手の投げるフォームを真似ながら、空き缶を思いきり投げる、
キュイーーー!
空き缶は音速を超えて、燃えながら宇宙へと飛んで行った。その姿はまるで………流れ星ならぬ空き缶星だ!。
「あーあ………やっちまったー………まぁいいか」
青年の頭のなかに直接、急に声が聞こえてくる。
『やっと見つけたわ!』
「へ?」
青年は間抜けな声を出して数秒間呆然とする。
(ん?気のせいか………………)
『気のせいじゃないわよ!』
「うわーとうとう幻聴まで聞こえてきたか………俺はどうなるんだ………」
『何いってるの!?いいから話を聞いて!【拘束】!』
(へ?あれ?………体が動かんないんですけど………幻聴じゃなくって幽霊かよ!うわ!?こえー!?)
『違うわよ!私は女神シル!貴方の秘書をしていた女神よ!』
(女神?俺そんなの知らないぞ!)
『は!?そうか………確か貴方記憶を消してたわね………じゃあ戻すわよ!えい!』
「へ?………………ぐ!!頭がいてえええ!?」
〉〉〉
数分後。
「はぁはぁ………思い出した、俺はクラ………破壊神のクラか………」
『やっと思い出したわね!?貴方が「ちょっくら人間の生活を楽しんでくる」とか言って自分の記憶を消して人間に転生したんだから、探すのに凄い時間が掛かったじゃない!』
(お疲れ様!どんぐらい掛かった?シル?)
『転生するのに時間が掛かるから………100年以上は掛かったわよ!全く………』
(そうか………そんなにたったか………じゃあいつも通り異世界に行ってくるわー)
『へ?今から?まぁ良いけどちゃんと破壊した世界の情報送ってよ!』
(ん………分かった、んじゃ行ってくるわ)
ヒュン!
青年はそう言いその場から消えた。
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