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第17話 決断

(いつもなら………そうするが………)


クラはその場で腕を組ながら目を瞑り、考え込む。


『そう言うって事は………………いつものあれ?』

(いつものあれ………だな)

『でもでも、今回はライハルくんだっけ?あの子は今はもう友達と呼べれる子が居るけど、今回はどうするの?』

(うーん、どうするか………)

『流石に君の加護を与えたんだから黙りしたまんまだと、あの子が悪い事に加護を使用したら………君が排除しないといけないんだよ?分かってるよね?クラ?』


リバはそう心の中にいつもの子供っぽい喋り方ではなく真剣な話し方に交えて喋りかけてくる。


(そんな事は百も承知、おれ自身が一番分かってるよ、仕方がないからいつものあれは諦めて………異例の、あれに変える)

『じゃあ………ああするのね………決心は付いてるの?君はこういうシリアスな事は苦手な筈だけど………本当に出来るの?クラ?前の時は決める前にあんなことになったけど………今度はあんな事にならないようにしてよ?』

(ああ………あんな事は二度とごめんだからな、絶対迷ったりは二度とせん)

『じゃあ………僕は準備してるから………ちゃんとしてよ?』

(分かってるよ、それと………ありがとな、リバ

、助かる………)


クラは決心したように目を開けると、腕を組んだ状態から程くと、その場から転移をする。


 〉〉〉






ライハルはあの後クロメチとヤハサクや他のチームの人と共に学園へと戻ると、冒険者の人達が学園長に変わりに邪竜に関する説明をして、邪竜に対する警戒が薄れていき、時が進んでいく。


しかし、あれから一週間の時間が進むが、一方にクラがライハルの寮に帰ることがなく、流石のライハルもクラの事を心配しながら、いつも通りの修行を一人でこなしていた。


「師匠………何処に行ったんだろ………このまま俺を、一人にして一生居なくなるのかな………………」


 ライハルはそう嫌な事を頭の中で考えながら呟きつつ、頭を横に振るってそんな事、師匠に限ってあるわけが無い………と言うと、再び修行を開始するのであった………。






 〉〉〉







 そして、更に二週間の時が進んだ時にそれは起きる。

 ラナハタチ王国の南側の端っこにある海に近い街では、いつも通りに海の方角を監視していた門番に日の出の光が差し掛かった時………。


「ん?………あれは………………子供?」


 門番が日の明かりを頼りに、海に面している森の中から二人の子供が出てきた。

 片方は緑色の髪をしていて、以下にも歩くのもだるそうに歩いている少年で、もう片方は真っ赤な髪をした少女で、隣の少年を叱りながらこちらの街に向かって歩いていた。


「なんで、あんな子がこんな時間に森から………」


 門番が困惑していると、もう一人黒髪の青年が森の中から出てきた。

 それを見て門番は「保護者が居たのか………」と安心していると………、緑色の髪の少年が手を上に向けると………。


「え?………」


 百を越える数の赤い槍が突如空中に出現する。

 門番は一瞬唖然としたが、赤い槍がこちらの門に向かって出現したので、切り替えて、後ろを振り向き叫ぶ。


「て、敵襲だ!!!」


 門番はそう叫ぶが、百を越える赤い槍が音速を越えて飛んでいき………、

 街全体に赤い槍が散らばりながら、街の人達や建物を突き破りながら地面に突き刺さっていく。


「うわああああ!?」

「逃げ………ぎゃああ!」

「あ………」


 街の人達は叫び、逃げ惑うが、音速を越える赤い槍が気付けば体を貫通していた。

 それは一瞬の出来事で、ほんの数分で街の人達の九割は絶命していたのであった。


「なんだよ………これは………」


 門番は腹に空洞を開け、その場で倒れながら街の状況を見てそう言うと、今度は赤い髪の少女が手を上に上げると………。


 空中に全長一キロはある巨大な青い炎の剣が出現する。

 門番は空を見上げながら「はは………」と笑いなが絶望していると………。

 巨大な青い炎の剣は瞬時に加速して、やがて街にたどり着くと、青い巨大な火柱を立てながら、街を消滅させるのであった。



「じゃあ………行くぞ」

「了解!………けど後で寝させてくださいボス………眠いです………」

「なにいってんのよ!ゴブ!そんな事言ってもいっつも昼寝してるでしょうが!」


 青年もといクラの右と左でギャーギャー騒いでいると、クラが呆れて「ごん!」と、二人の頭に拳骨を食らわすと。


「いっったーーい!」

「痛いです、ボス………」

「いい加減にしろ、行くぞ」


 クラが歩き出すと、二人が付いていきながら。


「待ってよパパ!」

「待ってくださいボス、出来ればゆっくり歩いて下さい」

「はぁ………」


 クラはため息を付きながら止まり、ふっと笑うがすぐに真剣な表情に交えて再び歩き出す。




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