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手遅れ8
「ほらっ、レイ。コヴァルさんにお礼は。コヴァルさんがレイを治してくれたんだよ」
「そうなの。コヴァル、ありがとう、助かったわ」
お礼は言わないと駄目よね、助けてくれたのだから、コヴァル達が来てくれなかったら確実に死んでいた、二人とも、本当に感謝しているわ、今は邪魔者だけど。
コヴァルは無表情の整った顔で少し頷くだけ、長身で女の様な細い手足、サラサラでレタースみたいな色の長髪と切れ長の瞳、横に尖った耳、細い身体に沿う様で森に溶け込む色の服を着て、腰に刺突剣を下げている、何時もと変わらない様子ね、何かこう無いのかしら、もっと心配そうにしたり、恩着せがましい事を言ったりとか。