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手遅れ35

 私達は訓練を止めて、昼食を食べ終わり、今は、食堂でお茶を飲みながら、開発する村に就いて話し合いをしている。

「場所、規模、人、色々考えないと駄目ね」

 私は卓の上にある、真っ白な紙を見ながら言う。

「そうだね。何から決めれば良いのかな」

 チズが鉛筆を弄りながら難しい顔をしている。

「場所から決めれば良いんじゃないかな、場所を決めて、家や畑とか造ってから、人集めじゃないかい」

「そうね。そうしましょう」

「そうだね」

 私とシンジはギルの意見に同意する。

「じゃあ、場所はどこら辺が良いかな。孤児院の近くにするの」

 チズは『場所』と紙に書き、其の下に『孤児院の近く』と書く、候補地を書いて行くらしい、どうなのかしら、どんな人が集まるか解らないのに、私達が住んでる近くに村を造っても大丈夫かしら。

「孤児院の近くか。どうだろうね、それこそ、孤児院の周囲を開発して村にするのか、全く別の土地に村を造るのか、どうすれば良いのかな」

 ギルも孤児院の近くか遠くで悩んでいる様ね。

「そうですね。場所は孤児院から少し離れた所にしましょうか、近過ぎても遠過ぎても都合が悪いので、孤児院からチーバ市に続く道の途中を開発しましょう、入植者達には、理術を教えないつもりなので、理術無しで安全に生活出来る村造りをしましょう」

 ふむ、どういう都合があるのか知らないけど、まあ、良いんじゃないかしら、変な奴がいたら嫌だし、少し距離があった方が良いわ。

「場所は決まりね、規模はどのくらいにしましょうか」

 ジンが手伝わないって事は、コヴァルも「理術の訓練だ」、とか言って手伝わないだろうし、一寸時間が掛かるかしら。

「ちょっと待ってっ、先ずは、場所を決める為に一回皆で森まで行こうよっ、其から具体的に考えれば良いじゃないかっ」

 シンジは、早く村造りを始めたいみたいね、でもそうね、地形が解らないと計画が立て難いかも。

「そうしましょうか。じゃあ皆、出掛けましょう」

 ジンが、膝の上にいるクロを、卓の上に置いて立ち上がる、皆で孤児院を出てチーバ市へ続く緩やかな坂道を下って行く、暫く歩いてジンが言う。

「この辺りにしますか」

 こんな近くて良いのかしら、一時間くらいしか歩いて無いけど。

「ここで良いの、近くないかしら」

「まあ。このくらい距離があれば大丈夫でしょう」

 ジンが良いと言うなら良いんでしょう、私は索敵様のお力で周囲を認識する、坂道は曲がりくねってチーバ市の方へ続いている、道の左右の森は、人の手が入った様子は無く、雑草や木々が生い茂り広がっている、うむ、実に大変そうである。

「ではコヴァル、後は頼みます」

 コヴァルは頷く。

「ジンさんは何処かに行くんですか」

 ギルが不思議そうな顔をして聞く。

「ええ。色々とやることがあるので、すみませんが、皆で村造りをして下さい」

 まぁ、基本的に手伝わないって言ってたから良いけど、何をするのかしら。

「解りましたっ、頑張りますっ」

 うん、シンジが暑苦しい。

「じゃあ、お願いします」

 ジンはそう言うと、転移で何処かに行ってしまう。

「さあっ、やろうかっ」

 シンジが皆を促す。

「シンジちょっと待ってよ」

「なんだい。レイちゃん」

「いきなり、やろうって言われても困るわよ」

「そうだね、今日は場所が決まっただけでも良いじゃないかかい、少し周囲を調べてから、孤児院に戻って、どんな村にするか話を続けるはどうかな」

 そうね、ギルの言う通りよ、私にはギルと住む家の設計図を、神賢者レイちゃんと為って書かないといけないと言う、重要な仕事があるのっ、家は良く考えたら村に建てる必要は無いわよね、私には転移様のお力添えがあるんですものっ、人の来ない、眺めの良い場所に建てれば良いのよっ、ギルと二人きり、人の来ない岬で夕日を眺める、「綺麗な夕日ね」私は、太陽が海に沈む様子を、その美しく、ヤマブーキ色に染まった景色を、愛しのギルに抱かれ見る、「うん。綺麗な夕日だね」ギルの言葉と共に吐かれた息が、私の髪を後ろから撫でる、「でも。レイの方がずっと綺麗だよ」腰を抱くギル腕が少しだけきつくなる、「そんな事無いわよ」私は否定する、でも嬉しくて、この美しい景色より、私を綺麗だと言ってくれるギルが愛しくて、ギルの腕をそっと撫でる、この気持ち、とても幸せなこの気持ち、ギル伝わる様に、表す様に、ゆっくり、優しく撫でる、「いいや。レイの方がずっと綺麗だから、ずっとこうしていたいし、ずっとこうして」ギルの両手が、躊躇う事なく、私の敏感な所を、同時に、別々に触れる、「あんっ」私は不意に攻められ、声が漏れる、「レイ身体をずっと撫で回すよ」「駄目よっ、こんな外でなんてっ」私の身体を隈無く撫でるギルの手に、咎める様に手を重ねる、でも駄目、撫で回され、尻に当たる固い感触に急き立てられ、私の身体は受け入れる準備を終える、「良いじゃないか、周りに人なんていないよ」ギルは私の敏感な所を攻め続ける、「あああああっ、あんっ、あんっ、あああああぁ、あぁんっ」私は開放感と解放感でいつもより、大きい、高い喘ぎ声が出てしまう、「もう我慢出来ないよっ」ギルはスカートの下から手を入れて私の下着を下げる、私はスカートの後ろ側をたくしあげて、上半身を前に倒す、「私もっ、来てっ」「レイッ」「ああああああぁん、あっ、あっ、あっ、あああああああぁん」「レイッ、良いよっ、もっと声を聞かせておくれっ」「あああああああぁ、あっ、あっ、あっ、あんっ、あんっ、あああぁ、あああああああああぁん」

「レイちゃんっ。レイちゃんっ」

 おや、チズが呼んでいるわ。

「どうしたの」

「もうっ。ちゃんと聞いてなきゃ駄目だよっ」

 チズがお怒りである。

「ごめんなさい、ちょっと考え事をしていたわ、で、どうするのかしら」

「とりあえず今日は、切り倒した木や雑草を、置く場所を造る事にしたよ」

 ギルが教えてくれる、ふむ、だったら。

「私がやりましょう」

「何をするの」

「ちょっと待ってて」

 不思議そうに私を見るチズを待たせて、私は索敵様のお力で木を数本、根っこの先まで認識する、そして転移様のお力で、一瞬にして道沿いに木を移動させる。

「凄いっ、凄いよレイちゃんっ」

「私が凄いんじゃないわよ、索敵様と転移様が凄いのよ」

 ふっ、こんなの、索敵様と転移様には造作無い事、ちょちょいのちょいなのだよだよ、チズ君っ、私は恐ろしい、もし悪人が、索敵様と転移様のお力添えを得たとしたら、どれ程の悪事を為すのか、まぁ、その時はアレしかないわっ、必勝っ、ジンに丸投げで乗り切るしかないっ、ま、私達の他に、理術を教えた事はないらしいから、大丈夫よね。

「凄いのう。転移とは凄いものじゃのう」

 オキ爺は、道沿いに倒れる木を見て、感心している様ね。

「これは凄いね」

「そうだね、凄いね」

 ポカンと、転移した木を見て居たギルとシンジが話している、良いのよっ、惚れ直しちゃって良いのよギルッ、そして思うがままに私を求めて良いのよっ、「凄いよっレイッ、僕の嫁は優秀過ぎるよっ」「嫌だわ、ギルったらっ、まだ結婚して無いでしょう、私達」「だったら今結婚しようっ、ここで結婚しようっ」「何を言っているのよ」「良いだろっ、ほらっ、誓いのキッスをしようっ」「ちょっ、ちょっと待っ、んふっ、んっ、んっ、はっ、んんっ、はっ、んっ、んっ」「これで僕達は夫婦だね」「はぁ、はぁ、はぁ、こんな激しい誓いのキスなんて無いわよっ、ギルの馬鹿っ、でも嬉しいっ」この後メチャクチャ性交した、子供が出来た、幸せに暮らした、完。

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