手遅れ22
さて、どうしようかしら、オキ爺の手伝いに行くか、おパンツ様と戯れるか、おパンツ様と戯れるか、でも、ジン達はギルに言うかしら、私がおパンツ様を保護した事を、ま、私達は婚約者なんだから将来お互いの下着を洗濯する事もあるわ、少し時期が早まっただけ、問題無いわね、では、部屋に戻っておパンツ様を堪能するとしましょう、あら。
「オキ爺。農作業は終わったの」
「ん、あ、ああ、そうじゃよ」
鍬とダイコーンを持ってるわね、でも普段より帰って来るのが早いわ、さては。
「オキ爺。まさか皆に内緒でマツターケを先に食べようなんて思って無いわよね」
じろりとオキ爺の目を見る。
「そんな事するわけ無いじゃろう。儂は仕事が早く片付いたから帰って来ただけじゃよ」
目が泳いでいるわ、オキ爺は本当にマツターケが好きね。
「ふーん、そうなんだ。私は訓練を早めに切り上げて、オキ爺の手伝いをしようと思ったんだけど。もう終わったのならやる事が無いわね、少し部屋で休むわ」
「おお、そうか、そうか。休みなさい、休みなさい、身体は大切にしないと駄目じゃ、休みなさい」
私は孤児院に入ると階段を上り、部屋の扉を開け、扉を閉めて階段を下りる、隠れて台所に行くとオキ爺がマツターケの匂いを嗅いでる、やっぱりつまみ食いする気だったのね。
「はぁ。いい匂いじゃ」
オキ爺はマツターケ数本とスダーチを皿に乗せ、箸と調味料も持って勝手口から外に出て行く、私は勝手口の扉を少し開けこっそり覗く。
「はあぁぁ。いい匂いじゃ。うまそうじゃのう、うまそうじゃ」
オキ爺が外に置いてある卓と椅子を使い、皿の上でマツターケを理術の火で炙っている、顔が緩んでいて涎を今にも垂らしそうだわ。
「もう良いかのう」
オキ爺はマツターケを箸で持ち上げて石突を理術で切り飛ばす。
「最初は何が良いかのう」
オキ爺は皿にマツターケを置き、切り飛ばした方から二つに裂いて幸せそうに迷っている。
「先ずは塩にするかのう」
オキ爺は塩の入った容器を持ち、沢山空いた穴からパラパラと、裂いたマツターケの一つに振り掛ける。
「では、いただくとするかのう」
オキ爺はハフハフ言いながらマツターケを丸ごと口に含むと目を閉じ咀嚼する、十分味わったであろう後に飲み込み「うまいのう。マツターケはうまいのう」なんて言っている、ふふっ、オキ爺悦んでるわね、良かった、採ってきて。
「ギル達に感謝せんとのう」
その感謝しないといけない人達を差し置いてつまみ食いしているわよ、オキ爺、ま、良いわ、幸せそうに食べてるから見逃してあげる、日頃の感謝の気持ちもあるし、皆が帰って来る前に食べちゃうのよ、私は勝手口の扉を静かに閉める、さて部屋に戻って、おパンツ様を堪能しましょう。
「レイ」
居間に戻るとギルとジンが居た。




