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手遅れ2
ギルは微笑みながら頷き、水球をピシャッと大木の根元に飛ばし、私の涙の跡も乾かしてくれる、こんな気遣いの出来る優しいギルに、憎悪や殺意を抱く人非人がいるなら見てみたいものだわ。
「あれっ、今なにか動いたような」
ギルが藪を見詰める、ガサガサと周囲の藪が揺れる。
「なにかいるわっ」
不味い、囲まれてる。
「レイッ」
ギルが私の手を引いて走り出し、大木を背にする、藪からワラワラとオオカーミが出てきて、すっかり囲まれてしまった、ギルがナイフを抜く、私もマツターケの入った篭を落としてナイフを抜く。




