手遅れ17
「おーい」
孤児院の前でオキ爺達が手を振っている。
「ただいま―」
ギルが手を振り返して駆け出す。
「ギル、一寸待って下さい」
ジンが呼び止める。
「何ですか」
ギルが立ち止まり振り返る。
「話したい事があるので、夜にでも、一人で、自分の家に来てもらえますか」
おや、何やら「一人で」と言った時私を見ていた様な、勿論付いて行くけどねっ、何なのよっ、私には秘密の話をしようと言うのっ、聞き逃せないじゃ無いのっ、何かしら、ひょっとして、オッキしたから性教育でもするのかしらっ、私も呼びなさいよっ、ジンこらっ、私も呼びなさいよっ、私もギルと一緒に性について学びたいわっ、ギルが得る性の知識で具体的に考える相手は私っ、ギルは私を想像しながら性の知識を得ていく筈よっ、是非とも同席せねばっ、私でエロい事を考えてるギルを観察せねばっ。
「レイは来なくて良いですよ」
夜が待ち遠しいわねっ。
「レイは来なくて良いですよ」
そうだった。
「オキ爺ー、マツターケ採って来たわよー」
私は駆け出す。
「あ、レイ待って、僕も行くよ」
ギルもイクらしい。
「ギル一緒にイキましょう」
私は走る速度を下げてギルと並走する。
「うん、行こう」
私達は一緒にイッたのだった。




