【登場人物】(※随時更新)
社長から「磯部君が思ったままの素直な気持ちで読者にその人となりが伝わるような登場人物の紹介をしなさい」と命を受けた。理由は不明だが、日誌の書き進み具合に合わせて随時更新していきたい。
【我が社の人々】
<磯部>
本文中の俺。
磯部とは業務上の仮名で、会社本来の業務である人材仲介業に関する業務の際は本名を使っている。
が、あえてここで明かすようなことでもないだろう。
そもそも本来の業務を担当させてもらったことはほぼない。
いや、全くない。
個人的にはこんな会社は辞めたほうがいいような気がしている。いつまで契約社員のままなんだ。
<舞>
T大学の4年生。
今回、日誌に書いている事件の半年前ぐらいだろうか。
社長より、
「“文武両道”の名に相応しい絶好の人材、しかも美人――を連れて来なさい、あ、明後日までに」
という命を受けた。絶望しながらも都内の名門私大を巡りに巡って一人を選び出したのだが、社長に「髪が黒くない」の一言で一蹴される。
途方に暮れながら最高学府の門の前に居た、個人的には中の下ぐらいの黒髪女を引っ張ってきた結果がこいつである。それ以来、バイトとして我が社に入り浸っている。柔道黒帯なのは不幸にも後から知った。
<大和>
俺と同期入社、唯一の社員。
人とのコミュニケーションに難があるが、俺も他に話す相手が居ないので根気強くしゃべり続けた結果、ようやっと心を開いてくれたような気がする。
経理などの内勤関係を全て担当している。コンピュータには気持ち悪いぐらい強いが、自作の将棋ソフトが某老人に打ちのめされて以来、若干自信を失っているようだ。
<社長>
謎が多い美人。
人材仲介業の実務関係はほとんど一人で行っていると思われる。
口癖は「ダービーを獲りたい」である。
どこにそんな金があるか知らないが、最近北海道に牧場を作った。
そんな金があるなら俺を正社員にするかしたらどうだ。
<徳さん>
地元のシルバー人材センターから派遣されているただのユーティリティな老人。将棋が異様に強い。
一応社長秘書の肩書はあるが帯同することはほとんどなく、事務所の管理人みたいなものである。
しかし社長に唯一信頼されていることを鑑みれば、この人を社員にしたほうがいいような気がする。
<パティ>
社長の北海道別荘にいるシェパード犬。番犬として飼い始めたそうだが、無類の女好きであり、女怪盗などに対しては無力甚だしいクソ犬である。
とっとと去勢でもするべきである。
【巻き込まれる人々】