エレナ戦・開幕
息抜きに書いたので、誤字脱字・内容崩壊の可能性ありです。大目に見てやってくださいな♪
「ある意味、ついてるわねぇ♪」
「…そうですね。一体何が憑いているんでしょうか?」
優姫先輩は、一応励ましてくれてんだろうけど雰囲気がふわふわしていて力が抜けてっちゃうな。ちなみにエレナさんは違う入場口へ行ってしまった。僕も今から彼女と闘うべく闘技場へ足を運んでいる。
「そういえば美羽ちゃん、武器は何も持ってないの?もしかして魔法使い?」
「いえ、魔法はさっぱりで…。基本はこれです。」
そう言ってコートの内側に隠してある刀を見せる。真っ白な鞘におさまった少し長めの太刀だ。盗人はスピードを重視するために短剣を携えるのが定石だが、あえて長い太刀を持つことで周りに剣士であると誤解させることができる。
「刀には多少自身があるんですよ。」
「………。」
おや、先輩は何か真剣に見ておられる。なにがそんなに気になるのかな?
優姫は人差し指をあごに当て、小首を傾げて考え込んでいる。しばらくするとそのポーズのまま尋ねてきた。
「この刀どうして抜刀できないように布でぐるぐる巻きになっているのかしら?」
「ああ、これですか。」
刀は確かに抜刀出来ないよう、鍔と鞘が赤い布で縛ってある。刀身を見せるには布をほどかなくてはならないよう、きつく。
「これは、その…うーん。そういう戦闘スタイルなんですよ。」
「・・・(じぃーーー)。」
「…本当ですよ?」
だからそんな目で見ないでよ。ジト目なのに人柄のせいで怖いどころかちょっとカワイイよ?
「まぁいっかぁ。エレナとの闘いを見ればわかるわよねぇ。」
信用ないなぁ。ま、現に『自分は女の子です』って偽ってるんだけど…
「そこの階段を上がれば舞台よ。エレナは強いけど、戦装束を着ていればきっと大丈夫だわぁ。それじゃあ私は客席に戻るわねぇ。」
先輩は「がんばってねぇ~」と手を振りながら行ってしまう。というか、また新しい用語がでてきたな…。スーツなんて聞いてこともないよ。
|(生きて帰れるのか…)
重い足取りで階段を上った。途中、何かの音が聞こえたが、観客の黄色い声援でそれが何の音なのか美羽には判断がつかなかった。
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「……遅い。」
とっくに始令は鳴り、勝負は始まっている。それなのにあの一般人はいまだ姿を見せない。広い舞台にポツンと一人。これじゃ何の見世物かわかったものではない。いや、それ以前に・・・。
|(……恥ずかしい)
観客である生徒達はエレナが奥手から姿を見せた時からキャーキャーと騒いでいる。嬉しいことではあるが、立っているだけで騒がれると妙にくすぐったい。
|(来たらすぐに倒してやるんだから…)
都合のいいことに向こう側はこっちが何の能力保持者か知らない。戦略を悟られる前にかたを付けるよう。そう思っていると獲物…美羽が階段をいそいそと上がってきた。
「はぁー。」
「・・・。」
相手を待たせているのにその気だるそうな態度はなに!?あなたアウェーなんだからもっと緊張感もちなさいよ!あーもう、イライラするわ!!
殺気を感じ取ったのか美羽がエレナの視線に気づき、とたんに強張る。ようやく状況が把握できたみたいだ。
「いい度胸ね。そうよ、もう試合はとっくに始まってるわ。」
「うぅ…。すいません。」
「…まあいいわ。でも…。」
言いながら腰にある双剣を一度に引き抜く。右手の剣を逆手に持ち直し、左手の剣先を相手に向けるようにして横向きに構える。ネタバレするとこの時、逆手の剣を自分の後ろに隠し敵にばれないよう、静かに剣に炎を宿すのがコツだ。
「この勝負は、あたしがもらう!!」
「・・・っ!?」
剣を振り炎弾を飛ばす。美羽は完全に不意を突かれ回避するという思考に至っておらず、ただただ迫りくる炎を見つめている。
|(決まった!!!)
――――炎弾は見事美羽の立っている場所で轟音をたて炸裂し、砂塵を巻き上げた。
後半はエレナ視点です。混乱させちゃいましたかね??