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剣聖女学院の男の娘!  作者: いつかエロゲ作家になるんだ・・・
3/5

女性ならではのコミュニケーション

まだ前座です。少し付け足しました。

 寒い冬が終わり、雪解けの季節となりました。青く澄んだ空、赤い制服をまとう令嬢たち。そして目の前にはさえずる小鳥たちが楽しそうに鳴いて…。


「先輩・・・ぅん・・・そんなとこ…つ、摘まんじゃ、いやぁ…。」


「エレナのその声、ゾクゾクするわぁ♪」


……うん。現実逃避はよくないよね。やっぱり、これ…めるべきだよね?


「…あ、あのー?」


「あらぁ?……あらあら。」


 少し驚いた顔をした後、女性はエレナの体を思ったよりあっさりと解放してくれた。…別に後悔してないよ?


「あなた、剣聖女学院ここの生徒じゃ…ないわよねぇ?」


「えぇ、まぁ。」


「~~~~~~。」


 エレナはふにゃりと座り込んでしまった。口から魂が抜けている。…ような気がする。


「…となると、闘技大会の参加者でいいのかしらぁ?」


「はい。受付に行く途中だったのですが…。」


「あらぁ。それならこっちよ。案内するわぁ♪」


「ありがとうござ……っじゃなくて!エレナ(?)さんは…?」


 目配せした先にはまだ放心状態の役員さんがヘタレ込んでいる。少し紅潮こうちょうは落ち着いたようだが、本当に魂が抜けていったのか口がだらしなく開いている。


「あぁあ、いつものことだから平気よぉ。後ですぐに追いかけてくるわぁ。」


 顔を赤くしてね。と付け加え、彼女は先導を始めてくれた。翔はその右斜め後ろを位置取る。間違ってもこの人には背後は取られるまい。そう自分に注意を促し、歩みを進めた。


「・・・ゆうき。」


「へ?」


 彼女は前を向いたまま、ぼそりとつぶやいた。


|(いかん。急に話を振られたから素っ頓狂な声が出てしまった。でもこっち見て言ったわけじゃないし…)


そんな考えが彼女に伝わったのか、今度はくるりと身をひるがえし少し上目使いで言った。


薬師丸優姫やくしまるゆうき。私の名前よぉ。あなたは?」


「あぁ、えーっと・・・。」


 しまった。何か偽名を用意するべきだったか?「翔」はさすがに男っぽいし…。


美羽みうです。音無美羽。」


 「翔」を分解して「美羽」。咄嗟とっさの思い付きだが我ながら上出来ではなかろうか。


「・・・美羽さん。ね。」


「・・・?」


|(優姫さん横ばっかり見てないか?何かあるのかな?)


 不覚にも、彼女に釣られて同じところ見てしまった。当然そこには、なにもなかった。


「…綺麗な顔、してるわねぇ。」


「え?・・・ぅええっ!?」


 顔を戻すとすぐ近くに優姫の顔があり、翔は反射的に仰け反った。しかしすでに彼女の範囲内テリトリー。ずいっと間合いを詰められ、ゆっくりとあごに手を添えられる。


「澄んだ茶色の目、鼻筋もとおってて…それでいて小さい顔。何よりも……かわいい声♪」


 …って何か品定めが始まってるよ!?いやまず顔が近いよ!?吐息感じちゃう距離だよ?うわ、何かいい匂いがしてきたよ!!


「うふふ。その困った顔もかわいいわよぉ。」


ゆっくり首に手が回ってくる。このままいくと押し倒されるんじゃないか?


「うぅ・・・。」


思わず声が漏れる。ぐいぐい攻めてくる優姫は、翔…美羽が逃げられないように手を絡めてくる。それでも必死で逃げようと体を逸らせていった結果・・・。


|(こ…腰が…。)


はたから見れば見事なレイバック。いや、彼女とセットであれば、宝塚のワンシーンにでも見えるだろうか。それでもなお優姫は顔の距離を縮めてくる。


「もっといろんなところ、みせてほしいわぁ♪」


「ぐ……。…だ、誰か助けてー!」


大声で助けを呼んだその時、「ドドドド」と大地を揺らすような音が聞こえてきた。


「あら、もう来ちゃったみたいねぇ。」


「・・・えっ?」


二人で音のする方を見る。するとそこには猛ダッシュで走ってくるエレナの姿が…。いや美羽には赤い悪魔が怒り狂っているように見えた。もはや肉眼では手と足の動きは見えそうにない。


「はーなーれーなーさぁーーーーい!!!」


「あらまぁ…。」


助けを呼んでから5秒足らず。エレナが奪い去るような形で美羽は救出された。


もうちょっとで闘いパート入るからね?あと少し待ってて!

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