表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/43

第九回

「無論だよ。それよりさ、姉さん。母さんに悟られないよう、出来るだけ明るく振舞ってくれよ、それと言動には呉々も注意して…」

「そんなこと、あなたに云われなくたって分かるわよ!」と、既にいつもの強気の性格を(あらわ)にして話す智代であったが、言葉が途切れると、一瞬だか虚ろな表情になる。姉にもやはりショックだったのか…。学習塾を切り盛りするという男勝(まさ)りな姉だが、今回は流石に応えたようだ、と圭介は思った。

「二ヶ月ほど前だったかしら…、昼前に寄ってさ、話していたら、店屋物をとろうという話になってね、鰻重を注文したのよ。それで、届いて食べたんだけどさ、母さんったら、余り食べないのよ。どうかしたの? って訊いたら、『食欲がね…』って云うから、少し(おか)しいなあ、と思ったのよ。母さん、鰻が好物だったし…」

「ふ~ん…、そんなことがあったのか。スキルス癌はバリウムを飲んでも発見されないことが多いそうだよ。病巣が普通の進行性の癌のように噴火口状に盛り上がらず、横へ全体に広がるためなんだそうだ…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ