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9話

無理やり分けて投稿しますので、内容のぶつ切りさ加減はご容赦ください。

「っはよ~。緋斗、兎伊」

 と、そこへ双子ブラザーズ――命名・渦谷兎伊――の双夜がやって来た。

 朝から楽しそうに笑っている二人に不思議そうな顔をして、次の瞬間には興味津々に聞いてきた。

「何々、面白そうに笑っちゃってさ。何がそんなに楽しいの?」

「あー、たぶん双夜には分からないと思う」

「何だよそれ。話して見なきゃ分かんないじゃん」

「俺達だけの共通の話題って事。ごめんね~、双ちゃん」

「ずりーぞ、兎伊。大体、双ちゃんは止めれって言ったしさ~。俺は双夜! 双ちゃんだと双葉と見分けつかない」

 口を尖らせて不満げにそう言うが、兎伊は聞き入れない。

「いいでしょ、双ちゃん。可愛いし」

「可愛くても嬉しくない~」

 兎伊に話しても無駄と気付いて、今度は緋斗に詰め寄る。

「なぁなぁ、教えろよ、緋斗。減る訳じゃあるまいしさ。な?」

「あ~。ま、そのうち?」

「そのうち~? だったら絶対、『そのうち』に話せよ?」

 疑わしげに緋斗を見るが、言葉の拙さに気付いて、苦笑いした。

「悪い。やっぱ、いつか」

「え~?!」

「朝から何騒いでるんだ?」

 双夜が声を荒上げた所で、双葉が席に着いた。因みに、双夜は兎伊の一つ飛ばした隣の席。双葉がその後ろ、緋斗の一つ飛ばした隣の席となっている。

「双葉! 良い所に来た。二人が俺に意地悪するんだよ。酷くね?」

「で、真実は?」

 双夜の言葉をスルーさせて、近付いて緋斗に話しかける双葉。

「ちょっと言いにくい事で、俺と兎伊だけの共通話題なんだ。流石にお前等でも簡単には話せなくてね。気、悪くしたか?」

「全然。仕方ないだろう。人間誰しも隠し事の一つや二つある物だし。僕だって、双夜にだってあるからな。緋斗達だけに話せなんて言えないさ」

「良い奴だよな、双葉って。こちらの双ちゃんとは大違い~!」

「またっ! だから俺は双夜だってば。それにその言い方じゃ、まるで俺は良い奴じゃない見たいじゃんか!!」

「え!? そうじゃないの?」

「兎~伊~~~!!!」

 双夜の言葉ではないが、本当に意地悪な兎伊の台詞。

 だんだんと本気で怒り始めた双夜に、緋斗と双葉が間に入って収めようとする。

「落ち着け、双夜。お前がそんな風に反応するから、兎伊が面白がって止めないんだぞ」

「分かってるけどぉ! ほら、理性と感情は別物って言う位で…」

「兎伊の方も、やりすぎは本当に印象悪くするから。嫌われ者になりたいのか?」

「何かさ、緋斗も双夜も、からかうと面白いんだよね~。緋斗は結構真面目に返してくれちゃったりするし、双夜はあまりにもあれな反応くれちゃったりするし」

「あれってなんだよ!」

「つーか俺もからかわれてたのかっ!?」

 どうやら、お怒り気味になってしまった緋斗。これでは、双葉一人が宥め役になってしまう。

 流石にやりすぎたと思ったのか、兎伊が態度を一変させて三人に話しかけた。

「あのさ、今度の土日の辺りに新しい歌の前発表でもしようかと思ってるんだけど、どうかな。来る?」

「え? ああ、また出来たのか?」

「今日帰ってから作り始めるつもり」

「? 今日からなのにもう発表の予定を立てるのか? 気が早すぎるような…」

 訝しげな顔をするが、当の本人がけろっ、とした様子をしているので、そこは気にしないべきかと悩む双葉。

 それに気付いた緋斗が、詳細を加えて二人に説明した。

「俺が昨日、というよりも今日? 徹夜して詞の方を書き上げたから、自分も頑張ろう、と思ったらしい。それで、詞の方をもらって家で完成させるってさ」

「なるほど」

「何、緋斗の詞もう出来てんの? 見~せてっ!」

 双夜が緋斗の机に両手をつき、顔を覗き込んだ。

「兎伊に渡してあるから」

「そなの。んじゃ兎伊、出して?」

 そのまま右を向いて兎伊に話しかける。

 少し考えたかと思うと、何か閃いたのか、兎伊は笑顔で宣った。

「こんな熱烈なの、二人になんて見せらんないよ~」

 えへ、と恥じらう様子が馬鹿らし…、いや、可愛らしい。

感想、ツッコミ、歓迎します。

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