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Perpieta  作者: 大治
6/11

シルヴィ(6)



アカデミーは城壁に比べればそれほど大きくはなかったが、その精巧さは城壁とは比べ物にならなかった。城のように見えるその建物は、一見しただけでも材料からして違うように見えた。


前にいた警備兵にどうすればいいか尋ね、入学を管理している場所へ行って金を払い、基本能力値を測定してもらった。ある石板のようなものに血を一滴垂らすだけで終わりだった。彼らは僕に、魔法は使えないだろうが、年にしては気力がかなり高いと言った。


アカデミーでは思ったより多くのことを学ぶことができた。

モンスターの対処法や地理、道案内など、様々なことを教わった。もちろん、農業のような役に立たないこともたくさん学んだが、何よりも楽しみだったのは剣術という授業だった。


「結び目の結び方とか、変な戯言を言う教授もいて、役に立たないことをたくさん教えるんですよ。」

「それでも、やるからには一生懸命やらないと。聞くところによると、最近は近衛隊にも入れるらしいじゃないか?」

「近衛隊に入ると、何かいいことがあるんですか?」

「さあ…。でも、王様のそばにいるんだから、何かいいことがあるんじゃないか?」

「近衛隊か…。」


警備のおじさんに聞いてみると、近衛隊になれば運が良ければ貴族になれることもあるし、待遇もいいのに、やることはあまりなくてかなり安全だという。聞くところによると、警備兵のように勤務に立つ必要もなく、兵営でのんびりしていて、王に呼ばれたら行ってじっと立っていて、また兵営に戻って休むのが終わりだという。まさに夢の職場。僕もその夢の職場を目標にすることにした。


そしてついに、待ちに待った剣術の時間がやってきた。


「よし、分かってるな?走れ。」

分からなかったが、機転を利かせて待った。他の人たちが走るのを見て、後を追った。僕もかなり速いと思っていたが、前にいる奴らとの距離はどんどん開いていった。僕の順位は7位。100人近い人員の中で上位圏だった。


そうしてある程度走った後、鉄の剣を振るった。一番速く走った奴は、一番前で教授から直接指導を受けた。僕たちはそれを見て真似をする形式だった。打ち下ろし、斬りつけ、突きという単純な動作を繰り返したが、僕の下手な動作とは違い、前にいる奴には無駄のない鋭さがあった。ある程度見てから目を離し、姿勢を正してもう一度やると、僕の剣にも少しは鋭さが宿ってきた。そうして百回ずつやった後、歩法を練習した。滑るように前に出て剣を打ち下ろし、右へ行ってまた剣を打ち下ろし、後ろへ行ってまた剣を打ち下ろし、さらに左へ行ってまた剣を打ち下ろした。

無限の繰り返し。

それで授業は終わりだった。

期待したほどではなかったが、それなりに役立ちそうだった。


それでも時が経つにつれ、後には少しは剣術と呼べるようなものを学ぶようになった。


時間はあっという間に過ぎ、入学してから2年が経った。

そして僕はもう、剣術と体力授業においては、クラスで1位を逃すことはなかった。


対練場でしばらく対練をしていると、ルワンダという女の子をめぐって対練をするというざわめきが聞こえてきた。ルワンダ?確かにかなりの実力を持っているとちらっと聞いたことがあった。いつも僕と比較対象にされていたからだ。彼女の顔を見るために、僕も人混みに紛れて動いた。


「あの野郎、ピルって言ったか?」

隣にいたレムに尋ねてみた。


「え?ああ。入学して間もないって言うのに、もうあんなことしてるよ。先制攻撃でも仕掛けるつもりかな?」


確かに、ある程度の構えはできていた。剣術も我流で学んだようには見えず、ある程度の型があった。それも、今まで見たことのない簡潔な感じが漂う剣術だった。どこかのお金持ちの坊ちゃんなのだろうか?


クルーノという奴の名前も聞いたことがあったが、そんな奴を子供扱いするとは…。一目見ただけでも僕より強かった。

トーナメントで僕の好敵手になる奴だったので、特に注意して見ていた。


そしてまた、しばらく時が過ぎた。その間、ピルという奴を見守ってきた。

どこへ行くにも黒紫色の盾を持ち歩く奇妙な奴だった。そして、訓練はせず、依頼を口実に授業をサボり、奨学金にも興味がなく、いつも女たちとつるんでいる遊び人と、その子分のクルーノ。それが僕のピルに対する評価だった。僕はベリックのように原理原則を守らない奴らが一番嫌いだったので、彼を良く思うことはできなかった。そうして彼を根気よく見守った結果、いくら才能があっても、これまで血の滲むような修練を積んできた僕の相手にはならないと確信した。


そして予想通り、トーナメントで彼と会うことになった。しかし、彼と剣を交えてみると分かった。彼は決して一日や二日訓練したのではなかった。間違いなく、人目につかない場所で血の滲むような訓練を重ねてきたであろう、実直な剣だった。授業はただの時間の無駄だと判断したのだろうし、盾を持ち歩くのも、きっと常に戦闘に備える心構えだったのだろう。僕はこれまで、彼をただ才能のあるベリック程度にしか考えておらず、彼を完全に誤解していたのだから、何と愚かだったことか。ふっと笑みがこぼれた。


「僕は彼について何も知らなかったんだな…。聞くところによると、魔法もかなりのレベルだというが、魔法の修練のために放浪していたのだろうか?」剣術とは違い、魔法の修練は大自然を感じながら行うものだと聞いたことがあった。


彼と剣を交えるのは楽しかった。しかし、彼の剣はあまりにも単調だった。まるで、これだけは自信があると言わんばかりに、特定の状況ではいつも同じ技を使った。確かに精巧で、連携は水が流れるように自然だったが、繰り返される見え透いた攻撃が見え始めると、だんだんと僕に余裕が生まれてきた。


間合いを取ると、案の定、彼は再び盾を前に出し、僕が隙を見せると剣を振り下ろして近づいてきた。剣の軌道が見える見え透いた攻撃だったので、僕はあらかじめ足を出した。降りてくる剣を上に弾き、そのまま剣を頭の後ろに回して、彼の兜を打ち上げた。


嬉しくもあり、残念でもあった。


何と言えばいいだろうか。


「面白い勝負だった。」


「すごいな、君は。」

あんな実直な奴を仲間にしなければならない。彼とはきっと近衛隊で会うことになるだろう。その日が待ち遠しかった。


3・4位戦を終え、トーナメントの最終日。

ついに決勝戦が始まった。そして今日は、大きな雲が太陽を覆っていた。


「両選手、前へ。」


始めると、剣を合わせた後、すぐに試合が始まる。


「名誉ある戦いを見せるように。」


同じ長さの剣、同じ材質の鎧。唯一違うのは、ルワンダの方がバックラーを装備していることだ。攻撃せずにゆっくりと動くルワンダを見つめた。しばらくすると、雲が太陽を通り過ぎ、日光で目を開けているのが辛くなった。


ルワンダはその瞬間を逃さず、突進してきた。目に力を入れ、剣を持ち上げて振り下ろした。これが僕が最も自信を持っている剣だった。ルワンダはバックラーを斜めにして僕の剣を受け流し、そのままバックラーで僕が剣を持ち上げられないように防いだ後、突進しながら剣を振るった。


避けられない攻撃だった。避けたら体勢が崩れ、そのまま次の攻撃を許してしまうだろう。左腕を斜めにして防いだ後、滑るように腕を内側にひねり、ルワンダの手首を掴んで引き寄せ、そのまま頭突きをした。ルワンダはバックラーで顔を殴った。「カン!」という音を立ててヘルメットにバックラーがぶつかった。ルワンダもまともな体勢ではなかったので、それほど大きな打撃は与えられなかった。


距離を取った。

まだ意識がはっきりしていないようだったので、駆け寄って全力で振り下ろした。「ガン!!!」という音を立てて、ルワンダのバックラーが僕の剣を防いだ。しかし、バックラーはへこみ、ダメージもあるようだったので、再び剣を振り下ろした。ルワンダはまたしてもバックラーで防ぎながら、剣を突き込んできた。少し身を引いた。


距離を取った後、体勢を立て直し、対峙した。


ルワンダが先に駆け寄り、横に斬りつけた。バックラーを持った手は痛むのか、今度は剣を斜めに立て、下にバックラーを当てて防御した。彼女は突然剣の方向を変え、僕の手首を打ち下ろした。


「くっ!」


距離を取るために、短い距離で横に斬りつけた。ルワンダは身をかがめて避けながら、内側に潜り込み、剣を横に斬りつけた。後ろに大きくジャンプして回避したが、遅れてしまい、かなりのダメージを受けた。


うわあああああ!!!!


ものすごい歓声が競技場を埋め尽くした。


しばらく攻防が続き、僕もルワンダもかなりのダメージを受けているようだった。息を整えながらルワンダを見つめた。おそらく、彼女の体力も限界のようだった。前に駆け出すと、ルワンダも駆け出してきて、攻撃を交わした。しばらく交わした後、ルワンダがバックラーを投げつけながら、飛びかかるように突進してきた。ゆっくりと飛んでくるバックラー。もし屈んで避ければ、体勢が崩れてしまうだろう。


「ふぅ…」


飛んでくるバックラーを打ち払うと、ルワンダは突進しながら最後の力を振り絞って剣を突き出した。しかし、その攻撃の軌道はあまりにも正直で、かろうじて横に避けてヘルメットを攻撃した。

ガン!!!

そして、僕の剣は折れた。最後の攻撃の発想は良かったが、少し焦りすぎたのではないだろうか?


彼女と話をしたかったが、すでに気絶している状況だったので、話すことができなかった。ピルと一緒に行動していると言っていたな?二人ともすぐに会えるだろう。


「僕たち三人なら、きっと良い仲間になるだろうな。」

久しぶりに感じるときめきだった。


「よくやった、シルヴィ!!本当に誇らしいよ。」

母さんが駆け寄ってきた。


隣には、感心したような顔で僕を見つめる警備隊長アブドゥラと、何人かの警備隊員が立っていた。

「本当に1位になるとは思わなかったよ。」


「全部、おじさんたちのおかげですよ。」


「いやいや。僕たちの粗末な剣術が、どれだけ役に立ったっていうんだ。」


「首都に行っても、僕たちのことを忘れるなよ、シルヴィ!」


「そうだよ。貴族になったら、僕たちを呼んでくれよ!」


「ふむ、本当にご苦労だった。よくやった。」

僕たちは皆で家で食事をし、僕はその日、母さんがこんなに多様な料理を作れることを初めて知った。


しばらくして、僕はルワンダと共に首都へと向かった。

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