朝のフタグン島
朝食のタイミングでフタグン島調査隊の主要なメンバーにリリスの忠告のことを伝えた。今ではリリスの存在はアキヅキたちも知っている。そのため、話は信じてもらえた。アキヅキ曰く、とりあえず、今日はゆっくりしていてくれとのこと。お言葉に甘えさせてもらうことにする。
海水浴は昼から行うことになった。昼食を食べてすぐに砂浜へ向かう予定だ。それまでは、各々好きに行動して良いとのこと。何をしようか迷う俺に声をかけてきたのはハルカさんだった。
「アキヤさん。もし良かったら、少し付き合ってほしいんだ。島の猫を撮りたくてさ」
そう言うハルカさんの手には高そうなカメラがあった。カメラのことは詳しくないが、一緒に島を散策するのには賛成だ。いざという時には近くに居た方が安心だし。
「良いよ。島の猫を探そうか」
「ありがと。アキヤさん。ふふっ楽しみだなあ」
ハルカさんとは島に来る時にも、フタグン島の猫について話をしていた。この島は猫が多く居るのだとか、俺はあまり島の散策はしていないが、機能の時点で猫は見かけた。島の猫探し……楽しみだ。
ハルカさんと共にダンジョン管理局を出て、島の散策を始める。すると早速猫を発見。したけど距離があるな。なんて思っていると、ハルカさんはカメラを構えてパシャリ! 結構距離はあるが、撮れているのだろうか?
「お、うまく撮れたぜ。アキヤサンも確認する?」
「ああ、確認したい」
ハルカさんが撮ったものを確認すると、上手く猫が撮れている。流石ハルカさんだ。
「上手だね。カメラは前から撮ってたのかい?」
「いや、最近始めたんだ。褒めてもらえて嬉しいけど、私の中ではたくさん課題があるんだよね」
そうなのか。俺にはよく分からないけど、彼女には気になるところがある一枚のようだ。どんな趣味にも向上心をもっているハルカさんを凄いと思うし、そんなところが、また好きだ。
「お昼までいっぱい撮影するぜ。アキヤさん」
「付き合うよ」
朝のフタグン島を歩いて回る。猫を撮ったり、島の住民に挨拶したり、少しずつ時間は経っていく。島は平和な雰囲気で、ここに、新たな魔王が誕生しようとしているだなんて感じられない。島のどこかに潜む敵を倒さなければならないが、焦ってはいけない。リリスはまだ少し時間があると言っていたし、焦りからミスを起こしたりしたら、つまらないだろう。
島の市場で猫が住民からイワシをもらっていた。ハルカさんがその様子を撮影する。こんな感じの時間が、これからも続いてほしい。だから、この島の問題は必ず解決する。焦らず、着実にだ。




