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レッツゴー! クトゥルフアイランド!

 八月。いよいよ夏も本番かという季節。


 老神重工製のクルーザーに乗り、俺はフタグン島へ向かっていた。双軍島と書いてフタグン島と読むらしい。船には冒険者協会のスタッフと数名の冒険者が乗り込んでいる。俺とパーティメンバーが冒険者協会の調査チームに同行する形になる。調査か……面倒なことが起こらなければ良いんだが。


 船のデッキから遠くの海を眺めていた。肌に当たる潮風がベタつく。そのうち豆粒のように小さな影が二つ見えた。おそらくは、あれがフタグン島だ。猫がたくさん居るとかで、観光客で賑わっている島らしい。そんな島に怪しい噂がある。煙の無い場所に火は立たないというし、嫌な予感はするんだよな。


「……アキヤさん。島までは、もうちょっとかかるぜ。フタグン島につくのが楽しみだ」


 俺のそばまでやってきたのは、ハルカさん。彼女はこれから先のことを考えてワクワクしているようだった。遊びに行くわけではないが……あまり深刻に考えすぎるべきでもないのかもしれない。


「ハルカさんはフタグン島に楽しみがあるのかい?」

「そりゃもちろん。島には猫がたくさん居るって言うだろー。私、猫は好きなの」

「そっか。俺も猫は好きだ」

「お、アキヤさんも猫派かー?」

「猫も犬も好きだよ。どっちも好きだ」

「なるほどな。写真とか、いっぱい撮ろうぜ」

「それは良いね。そうしよう」


 ハルカさんと会話をしているうちに、フタグン島の形がはっきりと分かってきた。二つの小さな島が向き合っているような風景。そんな場所も東京都内だというのだから、なんというか、不思議な感じがした。


「……アキヤさんはフタグン島には行ったことあるんだって?」

「若い頃に一度だけね。あそこには、ダンジョンもあるから」


 そこそこのランクのダンジョンがフタグン島には存在する。スタンピードなどの、魔物災害が起きたことはなく、比較的安全なダンジョンだと思われていた。そんなダンジョンの近くで大きな魔物の反応が確認された。俺たちのパーティで島のダンジョンと、近海の魔物について調べるわけだ。これは大変そうなんだよな。


「……ハルカさん。君たちは夏休み期間中だというのに……ありがとう」

「良いって良いって。調査はぱぱっと終わらせちゃってさ。後は色々楽しもうぜ。クルーズ船には娯楽施設もついてるし、島の観光もしたいし」

「そうだな。調査は大変だろうけど、ぱぱっと終わらせてしまおう」


 俺の言葉にハルカさんは「ああ!」と応えた。今の彼女は本当に、頼もしく成長したと思う。


「最近Sランクに昇格したハルカお姉さんの実力を、しっかりと目に焼き付けてくれよな」


 十八歳に成長した今の彼女は、誰もが認める日本のトップ冒険者だ。

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