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絶対防御の魔法使い  作者: スイカとコーヒー
白い眷属竜編 <Arubino Dragon>
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10.再侵攻の開始

 鐘楼から、けたたましい鐘の音がラストフォート砦になり響く。鐘は短い間隔で幾度も鳴らされ続けている。その意味するところは、敵襲だ。


 シェリルはすでに作戦室の玉座に座り、イーデン隊長の報告を聞いている。


「オリエンスは数日前の攻撃とほぼ同規模の軍を編成してきた模様です。布陣もほぼ同じ。

 正面に約一万、南北にそれぞれ五千。監視役からの報告によれば、今回も正面からの遠距離砲撃が主な攻撃手段ではないかと。」


 イーデンが口早に現状を報告する。


「ウィルは?」


「ウィルフォード殿下はすでに出立されています。すでに敵の魔法攻撃が始まっており、監視塔から前回と同じく障壁を展開済みです。」


「そうですか」


 煮え切らない返事をするシェリル。ウィルに来てもらっていて本当によかった。彼がいなければ、前回の攻撃で大きなダメージを受けただろうし、この短時間での再侵攻を耐え切れなかっただろう。

 しかしそれは、彼に魔力切れをもたらしてしまっている。マナポーションを確保したとはいえ、ルクスへ魔力を与えつつ、これ以上魔力を激しく消費し続けるウィルに頼り切るわけにもいかない。


「敵の砲撃部隊を撃滅する必要があります。速やかに応戦の準備を」

「は!」


 イーデンは部下に指示を飛ばす。こちらも遠距離魔法を使い、相手の砲撃部隊へ損害を与える作戦だ。南北の軍には、おそらく前回と同じく敵の隊長格が出てくるだろう。再びウィルフォード皇子の護衛に協力を依頼する必要がある。


「シェリル女王、まずはこのまま敵の第一派を耐え、反撃の準備を……」


 イーデンが言いかけたところで、爆発音とともに砦全体が振動する。遠くから兵士たちの悲鳴も聞こえてきた。


「イーデン隊長!」


 作戦室に兵士が飛び込んできた。


「砦正面に氷の属性魔法が着弾!ウィルフォード殿下の障壁を貫通し、壁の一部が崩落しました。これまでよりも遥かに強力な魔法攻撃です!!」

「そんな……ウィル!!」


 思わずシェリルは立ち上がるが、ここでは自分が最高責任者であることを思い出す。ウィルが心配だが、この場を簡単に離れるわけにはいかない。

 その間にもイーデンは落ち着いて兵士に指示を伝える。


「敵の新型魔法か?ウィルフォード殿下は無事だな?

 前回にない攻撃であれば、無尽蔵に放つことができるわけではなかろう。通常の攻撃であればウィルフォード殿下の障壁で防ぐことができる!砦の修復をいそげ!」


 そうは言ったものの、イーデンが言った「何度も放つことはできないだろう」という予想は楽観的なものに過ぎない。砦を攻略するのに十分な弾数を確保できたからこそ、再侵攻に踏み切った可能性が高い。


「シェリル女王陛下」


 イーデンはシェリルに向き直ると、ひざまづいて臣下の礼をとる。


「首都からの援軍はまだ数日かかる見込みです。もし、これ以上敵の攻撃が激化した際には、撤退の準備を」

「イーデン……」


 まだ無事に退却できるうちに、首都へ戻るべきというイーデンの主張だが、シェリルはそれを聞くことはなかった。


「私は、ここで抗戦を続けます。なにより、ウィルが最前線で戦っていますから」

「しかし!」


 イーデンは食い下がる。


「イーデン、しばらく指揮を頼みます。私はウィルの様子を見てきます」


 そう言ってシェリルは駆け出した。


「陛下……」


 シェリル女王が戻るまで、何とか、砦を持ち堪えさせなければ。イーデンは混乱する兵士たちに指示を飛ばし始めた。


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