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絶対防御の魔法使い  作者: スイカとコーヒー
聖女救済編 <Save the Saint>
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26.事後処理

 異界の悪魔による突然の聖都中心部の襲撃の一部始終は、人々の間を稲妻のごとく伝わり、聖都じゅうに広まった。

 悪魔による大量の犠牲と、女神シーラの顕現は、神聖教の信徒たちがより女神シーラへの信仰を深める結果となった。

 同時に、悪魔の襲撃により神聖教上層部、特に主教のほとんどと大聖女までもが犠牲となったことは、ブリストンに住む者たちに衝撃を与えた。




 数日後。




「結局、生き残ったお偉いさんはピーター主教だけだったんスね」


 ユーベルと悪魔に立て続けに襲撃を受けた宿屋で、ウィル達は遅い朝食をとっている。


 あれほどの出来事があったというのに、人間というのはたくましいもので、生きている人々は再びいつもの暮らしを始めようとしている。

 この宿屋も宿泊者やスタッフに何人か悪魔による犠牲が出たというが、それでも残った者が引き継いで、一日一日を重ねていくのだ。


「神聖教は主教を失ってだいぶ混乱しておりますな。教団の中枢がピーター主教一人になってしまいましたからな」


 神聖教の祭事や運営は、これまで十二人の主教たちが分担して取りまとめていた。それが一人になったピーター主教に覆いかぶさっている。

 何度か会談を申し出ようとしたが、あまりの多忙さに実現していない。


「大聖女様の葬儀で同席する機会がある。その時に会談を申しこもう」


「……明日ですね。大聖女様の葬儀」


 大聖女は、悪魔によって非業の死を遂げた、ということになった。

 実際は老衰だ。だが、前日までのーーユーベルによるーー精力的な活動から突然の逝去は、余計な憶測や不安を信者に与えることになる。またしても嘘をついてしまうことにはなったが、「大聖女様に静かに眠っていただくため、これで最後だ」とピーター主教は言っていた。


「ユーベルが気になる?」


 ウィルはリズに尋ねた。


「はい。これからどうするのかなって。少し、似ているじゃないですか。味方の少なかった、私や、殿下と」


 ウィルの兄弟は王位を争うライバルでもあるし、末っ子のウィルには後ろ盾はほとんどいない。そのウィルに仕えるリズも同様だ。ましてや唯一の家族を失ってしまったユーベルは、それはそれは心細いだろう。


「ユーベルとも、少し話してみようか」


 少しでも、元気づけられるといいけど。


いつも読んでいただき、ありがとうございます


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