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異世界から戻った社畜さんは今日も出社する。  作者: ホンカレー
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A06「タイムスリップ」

長い長い眠りを抜けて、時代を超える。

向かってる先は1944年。

____________________________________________


目が覚めた。


 ん?手に柔らかいものが…


目を開けると、目の前にあったのは巨大な双子山…いや、なんでもない。


ハヴァが物凄く睨む。

パッと手を離す。

思いっきりビンタされた。




……まわりを見渡すと、住宅がたくさんある。

木造建築の平屋だ。


周りの感じから昭和初期に来たことが感じられる。


「あんたら…大丈夫かい?」

近くにいたおじさんが話しかけてきた。


「……えぇ…大丈夫です」


「えらい派手な格好やな。そんな格好じゃあ、憲兵さんに捕まっちまうよ」


『憲兵さん』という言葉に重みを感じた。


そうか…ここは昭和19年…治安維持法で簡単に逮捕できてしまう時代だ…


「……お前さん、衣料切符持ってるかい?」


「衣料切符?」


「服とかを買うときにお金と一緒出すものだよ。…ワイシャツは2点だけど、靴下なら1点だよ」


「へ、へぇ〜」


と言うと、おじさんの表情が変わった。

「……そんなことも知らんのか…あんたら…見るにこの時代じゃないところから来たね…」

真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。

「……なぜ?」


「……いやぁ〜冗談だよ、冗談。本気にしないでくれ。ハハハ」


おじさんが笑う。

「…ははは」

 なんだ、冗談か…びっくりした…


「まぁいいよ、古着を貸してやるから来いよ」


「…あ、ありがとうございます!」

俺は礼を言ったが…

ハヴァは物凄く嫌そうな顔でこちらを見ていた。




「はい、これね」

と言って渡されたのは1枚のボロ布切れ…と思っていたのは咲もそうだったらしい。


「なによ、このボロ布切れ…」


「一応服だろ」


「こんなのダサすぎ…着たくない」


「着ろよ…」

 使徒にもダサい、ダサくないの基準があるのだろうか…

 咲を見る限り少なくとも、一般人よりはありそうだ。


咲の服装は、サーモン色?の着物に、青色の袴。

俺の服装は、白の水玉の浴衣だ。


「すまんな…女の方の服は、まだ新品だ。あんたの方は…息子のだよ」


「…息子さんは?」

と聞くと、ふぅとため息を吐いた。

 あ、これ聞いちゃダメな奴だった。

「名誉の戦死さ。南方方面で死んだらしい…26歳だよ」

というと、近くにおいてあった写真立てを持ってきて、見せてくれた。

写真には、青少年と少し老いた、壮年の男性が映っている。


「…お名前はなんていうんですか?」


「…息子のかい?」


「ええ…」


「…皐月 秀一」

皐月…苗字が同じだ。

しかも、名前もほぼ合っている。

「…え?」

思わず、声に出てしまう。

「…息子を知ってるのか?」


 知ってるというか、多分先祖……てか曽祖父だ。

そう思ったが、声に出さないことにした。

知られるといろいろめんどくさい。


「…いえ、友人の名前と同じでして…」

咄嗟に嘘をついた。


視線があう。

おじさんの目は、なんとも言えない悲壮感に包まれていた。


「…そうか」


「…なんか、すみません」


「…いや、いいんだよ」

「…さぁ、飯だ飯。お前たちも食うか?」


 お前『たち』?

と不思議に思って、後ろを見ると、戸の隙間から咲がこちらを覗いていた。


「今日の飯は贅沢だぞ〜白米に、鯛の煮付けだ!」


「おお〜」と適当に反応しておく。


…旨い。普通に旨い。




1つ気になるところがある。

「…なんで、うちらを助けてくれたんですか?」

聞いてみた。


「…似ていたんだよ」


「え?」


「…お前の目が、顔が秀一にそっくりだった…」


「…そう、ですか…」

似ていて当然だ。

親戚なんだから。


「………」


「………」


食卓に沈黙が続く。


沈黙の中、飯を平らげた。


「……お前ら、早く食い過ぎだ。今は食糧危機なんだから、もっと味わって食いなさい。」


「…はい」


____________________________________________



ガラガラガラと戸が開いた。


「ごめんくださ〜い」


訪問者だ。訪問者の鞄から赤い紙が見える。

昭和のこと調べるの結構大変。

まぁ面白いからいいけど

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