表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/43

Lv39 ファッションコンテスト②




 最初に着させられたのは以外にもシンプルな花柄のワンピースだった。普段は着物しか身に付けないから似合うか不安だったけど、レアアバターの小柄な容姿にマッチして可愛らしい。


「最初の基本形だけどまぁ無難だね」

「かわいい!」

「いいけどつまらないわね」


 ハンナリ、アヤトリ、ワカナがそれぞれに評価する。


「…」


 俺は鏡で自分の姿を確認する。

 そりゃ可愛いけど…女装している現実を直視するのがしんどい。


「さぁ次いってみよ~」


 このままハンナリさんのコーデは続くことになる。

 男としてのメンタルが耐えられるのか心配だ。





 二着目は誰もが知っているメイド服だった。

 ハンナリさんの指示で普段は隠している角と尻尾を露にしている。可愛らしい給仕服と、厳つい竜の部位…ミスマッチな気がするけど可愛いことは可愛い。


「やっぱりドラゴンメイドは鉄板ね」

「流行りだね~」

「ふーん」


 三人は好き勝手に評価している。


「うーん…」


 女性服のモデルだから仕方がないけど、スカートはすーすーして落ち着かない。


「さぁ次いってみよ~」


 ハンナリさんのコーデはまだまだ続く。





 お次は少年風ファッションと呼ばれるものらしい。西洋の貴族のお坊ちゃまのような組み合わせだけど、長い髪を帽子で隠すことで美男子に様変わりしていた。


 おお…これは悪くないんじゃないか。ひらひらしたスカートが続いていたけど、やっぱりズボンの方が落ち着く。


「ショタ好きにはたまりませんな~」


 男性が苦手なハンナリさんからも好評を得られた。


「…可愛い方が似合うと思う」

「…なんか見てて腹立たしいわね」


 なのにアヤとワカナから批評が飛んできた。


「なんでだよ!?」


 二人は俺のこと男だって知ってるのに、何故これが受け入れられない。


「よしよし、次いってみよー」


 着替える度にハンナリさんのテンションが上がっている気がする。





 もうどれくらい着替えたのか思い出せない…

 次は原点回帰、ハンナリさんお得意の着物だ。


「うん、かわいい」

「いいね~」

「見慣れた姿ね」


 三人は飽きもせず俺の衣装を評価してくれる。女子の服選びは長いと聞いたことがあるけど、いつになったら終わるんだ…


「それでヨウカさん、気に入ったのはあった?」


 するとハンナリさんから唐突に問われる。


「最後はヨウカさんが選んで決めてほしいんだ」


「え、どうして…」


「やっぱりモデル本人が舞い踊りたくなるような服をベースに組み立てたいからね。今まで着た服の中で、好きなものはあった?」


「…」


 なんだか意地を張ってるのが馬鹿らしく思えてきた。


 ハンナリさんは真剣になってレアアバターに似合う服を選んでくれている。だったら男としての意地なんて捨てて、可愛いを追求することが俺の務めじゃないのか。

 ここからは純粋にレアアバターの着せ替えを楽しもう。


「実は最初のワンピース?シンプルなところが好きだった」


「ほうほう」


「あとメイド服みたいな意外な組み合わせも面白かった。それとやっぱり和服は捨てがたいかも…」


「いいね。じゃあこれとこれを組み合わせて~」


 俺とハンナリさんで最高の可愛いを模索しよう。


「ヨウくん楽しそうだね」

「つまらない意地なんて捨てて正解よ、ゲームなんだから」


 アヤとワカナからそんな会話が聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ